「猫」を含む故事・ことわざ・慣用句
「猫」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる(あきのあめがふればねこのかおがさんじゃくになる)
秋は晴れた日より雨の日の方が暖かいので、猫も顔を長くし喜ぶということ。
犬は人につき猫は家につく(いぬはひとにつきねこはいえにつく)
引っ越す時、犬は飼い主について行くが猫は家から離れようとしないということ。
男猫が子を生む(おとこねこがこをうむ)
ありえないことのたとえ。
女の心は猫の目(おんなのこころはねこのめ)
女の心は気まぐれで変わりやすいことのたとえ。 女心は、猫の目が光によって形が変化するように変わりやすいとの意から。
借りてきた猫(かりてきたねこ)
ふだんと違って非常におとなしいようす。ねずみを捕らせるために他人の家から借りた猫は、おとなしく小さくなっていることから。
窮鼠、猫を噛む(きゅうそ、ねこをかむ)
弱い者も追いつめられると、必死になって強い者に反撃することがあるということ。 追いつめられた鼠が猫にかみつくとの意から。
結構毛だらけ猫灰だらけ(けっこうけだらけねこはいだらけ)
「大変結構だ」ということをおかしくいったもの。 「結構毛だらけ猫灰だらけ」「結構毛だらけ灰だらけ」ともいう。
皿嘗めた猫が科を負う(さらなめたねこがとがをおう)
悪事をはたらいた主犯が罰せられず、少しだけ関与した小者が罰せられるたとえ。 皿の上の魚を食べた猫はとっくに逃げてしまい、あとからやって来て皿をなめただけの猫が罪を着せられるとの意から。
上手の猫が爪を隠す(じょうずのねこがつめをかくす)
すぐれた才能や実力のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
たくらだ猫の隣歩き(たくらだねこのとなりあるき)
自分の家の用は何もしないで、他人の家の用ばかり手伝うことのたとえ。 「たくらだ」はじゃこう鹿に似た獣。じゃこう鹿を狩りにきた猟師が、飛び出してきたたくらだを誤って狩ったことから、自分に無関係なことで死んだり傷ついたりする者のこと。転じて、愚か者・まぬけのことをいう。 まぬけな猫が自分の家のねずみは捕らずに、近所のねずみばかり捕って遊び歩くということから。
黙り猫が鼠を捕る(だまりねこがねずみをとる)
誰が猫に鈴をつけるというのか(だれがねこにすずをつけるというのか)
いろいろ議論しても、いざ実行となると誰が実行するのか非常に難しいことのたとえ。鼠たちが集まり、猫の首に鈴をつけて、その音で身を守ろうと考えたが、実行する鼠はいなかったというイソップ寓話から。
虎を描いて猫に類す(とらをえがいてねこにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ)
口数が多い者は、とかく口先だけで実行が伴わないというたとえ。よく鳴く猫は鼠を捕らないということから。
猫被り(ねこかぶり)
本性を隠しておとなしそうにみせること。 「被る」はそのようにふるまうということ。 おとなしい猫のようなふりをするという意味から。 「猫被り」ともいう。
猫が肥えれば鰹節が痩せる(ねこがこえればかつおぶしがやせる)
一方がよくなれば他方が悪くなり、一方に利があれば他方に損があるというたとえ。鰹節を食べて猫は太るが、食べられた鰹節は痩せるとの意から。
猫が糞を隠したよう(ねこがばばをかくしたよう)
悪事を隠したまま知らん顔をすること。 猫が糞をしたあとに足で砂をかけて隠すようすから。 単に「[[猫糞*https://kokugo.jitenon.jp/word/p39481]]」ともいう。 また「猫が糞を隠したよう」ともいう。
猫が糞を踏む(ねこがばばをふむ)
悪事を隠したまま知らん顔をすること。 猫が糞をしたあとに足で砂をかけて隠すようすから。 単に「[[猫糞*https://kokugo.jitenon.jp/word/p39481]]」ともいう。 また「猫が糞を隠したよう」ともいう。
猫でない証拠に竹を描いておき(ねこでないしょうこにたけをかいておき)
へたな絵をあざけっていう言葉。描いた虎が猫に間違えられないように、「竹に虎」の取り合わせで知られる竹を描き足すという意の川柳から。
猫に鰹節(ねこにかつおぶし)
油断できない状況、危険な状況のたとえ。 猫のそばに好物の鰹節を置くことから。
猫に小判(ねこにこばん)
どんなに貴重なものでも、その価値のわからないものには、なんの値打ちもないことのたとえ。
猫に木天蓼(ねこにまたたび)
大好物のたとえ。また、それを与えれば非常に効き目があることのたとえ。
猫にもなれば虎にもなる(ねこにもなればとらにもなる)
相手や状況しだいで、おとなしくもなれば凶暴にもなるということのたとえ。
猫の魚辞退(ねこのうおじたい)
内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。 また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。 猫が大好きな魚を辞退するとの意から。 「猫の精進」「猫の魚を食わぬ振り」ともいう。
猫の首に鈴(ねこのくびにすず)
名案であっても、実行するのが困難であることのたとえ。 ネズミたちが集まって協議し、猫が近づいたことを察知できるように、猫の首に鈴をつけることを考えたが、実行段階になると引き受けるネズミは誰もいなかったというイソップ寓話(ぐうわ)から。 「猫の首に鈴」ともいう。
猫の首に鈴をつける(ねこのくびにすずをつける)
名案であっても、実行するのが困難であることのたとえ。 ネズミたちが集まって協議し、猫が近づいたことを察知できるように、猫の首に鈴をつけることを考えたが、実行段階になると引き受けるネズミは誰もいなかったというイソップ寓話(ぐうわ)から。 「猫の首に鈴」ともいう。
猫の子一匹いない(ねこのこいっぴきいない)
まったく人がいないようす。
猫の魚を食わぬ振り(ねこのさかなをくわぬふり)
内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。 また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。 猫が大好きな魚を辞退するとの意から。 「猫の精進」「猫の魚を食わぬ振り」ともいう。
猫の精進(ねこのしょうじん)
内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。 また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。 猫が大好きな魚を辞退するとの意から。 「猫の精進」「猫の魚を食わぬ振り」ともいう。
猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい)
非常に忙しくて手が足りず、誰でもいいから手助けがほしいようす。
猫の額(ねこのひたい)
土地の面積が狭いことのたとえ。
猫の額にある物を鼠が窺う(ねこのひたいにあるものをねずみがうかがう)
自分の実力を考えずに、大それたことや無謀なことをしようとすることのたとえ。 猫のそばにある物を、鼠がねらって様子をうかがうことから。
猫の前の鼠(ねこのまえのねずみ)
恐ろしさのあまり、身がすくんで動けないようすのたとえ。
猫の目のよう(ねこのめのよう)
物事の移り変わりが激しいことのたとえ。猫の目が明るさによって形を変えるところから。
猫は三年の恩を三日で忘れる(ねこはさんねんのおんをみっかでわすれる)
猫は三年飼われても、飼い主への恩を三日で忘れてしまうくらい薄情な動物だということ。
猫は虎の心を知らず(ねこはとらのこころをしらず)
つまらない人間には、大人物の心の中はわからないということのたとえ。
猫も杓子も(ねこもしゃくしも)
なにもかも。だれもかれもみんな。 猫の手と杓子が似ているところから。 また、神主も僧侶もという意味の「禰子(ねこ)も釈氏(しゃくし)」や、女性も子どももという意味の「女子(めこ)も弱子(じゃくし)も」などが語源との説もある。
猫も跨いで通る(ねこもまたいでとおる)
猫も跨いで通り過ぎるほど、おいしくない魚のこと。また、上手に食べ終わって、何も残っていない魚の骨のこと。
猫を追うより皿を引け(ねこをおうよりさらをひけ)
その場のがれより、根本を正すことが大事だというたとえ。皿をねらっている猫を追い払うより、皿を片付けるほうがいいということから。
猫を被る(ねこをかぶる)
本性を隠しておとなしそうにみせること。 「被る」はそのようにふるまうということ。 おとなしい猫のようなふりをするという意味から。 「猫被り」ともいう。
猫を殺せば七代祟る(ねこをころせばしちだいたたる)
猫は執念深いので、殺せば子孫七代まで祟りがあるという俗説。
鼠捕る猫は爪を隠す(ねずみとるねこはつめをかくす)
真にすぐれた才能のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
豚に念仏、猫に経(ぶたにねんぶつ、ねこにきょう)
ありがたい教えも理解できないものにとっては、なんの効果もないことのたとえ。