「角」を含む故事・ことわざ・慣用句
「角」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
牛の角突き合い(うしのつのつきあい)
仲が悪く、何かにつけて争い合うこと。
牛の角を蜂が刺す(うしのつのをはちがさす)
なんとも感じないこと、あるいは効果がないことのたとえ。牛は蜂に角を刺されても、まったく痛くもかゆくも感じないことから。
鬼も角折る(おにもつのおる)
悪人がふとしたきっかけで、善いことをしたり真人間になったりすることのたとえ。 鬼が邪悪のシンボルである角を折ることから。
蝸角の争い(かかくのあらそい)
狭い世界でのつまらない争いのこと。 「蝸牛」はかたつむり、「角上」はつのの上のこと。 かたつむりの左の角の上にある触という国と右の角の上にある蛮という国が、領土を争ったという寓話から。 「蝸角の争い」ともいう。
蝸牛、角上の争い(かぎゅう、かくじょうのあらそい)
狭い世界でのつまらない争いのこと。 「蝸牛」はかたつむり、「角上」はつのの上のこと。 かたつむりの左の角の上にある触という国と右の角の上にある蛮という国が、領土を争ったという寓話から。 「蝸角の争い」ともいう。
角が立つ(かどがたつ)
人と人との関係が険悪になること。また、事が荒だつこと。
角が取れる(かどがとれる)
年を取ったりして嫌味がなくなり、人柄が穏やかになること。
角番に立つ(かどばんにたつ)
その成否が、これからの運命を決定する重大な局面をむかえること。 「角番」は、囲碁・将棋・相撲などでその勝負に敗れると負けが決まる局番。相撲では、負け越すと大関の地位から降格する場所のこと。
角を立てる(かどをたてる)
相手の気に障るような行動や発言をして、事を荒だてること。
圭角が取れる(けいかくがとれる)
角が取れて人柄が円満になること。 「圭角」は玉(ぎょく)のとがったところのことで、それが取れることから。
口角、泡を飛ばす(こうかく、あわをとばす)
口の端からつばきを飛ばすほど、激しい調子でしゃべったり、議論したりするようす。
四角な座敷を丸く掃く(しかくなざしきをまるくはく)
仕事の手を抜いたり、いいかげんなことをするたとえ。四角い座敷を隅を残して真ん中だけ丸く掃くことから。
鹿の角を蜂が刺す(しかのつのをはちがさす)
なんとも感じないことのたとえ。鹿の角を蜂が刺しても、まったく痛くもかゆくもないことから。
角水を突く(すみずをつく)
細かく調べること。 または、些細なことを取り上げて責め立てること。 「角水」は大工道具の一つで、水平の度合いを測る道具。 角水を用いて正確に測るとの意から。
卵の四角(たまごのしかく)
あるはずのないことのたとえ。 四角い形の卵は存在しないことから。 「卵の四角と女郎の誠(四角い形の卵が存在しないのと同じで、女郎が誠意を持つことなどない)」ともいう。
卵の四角と女郎の誠(たまごのしかくとじょろうのまこと)
あるはずのないことのたとえ。 四角い形の卵は存在しないことから。 「卵の四角と女郎の誠(四角い形の卵が存在しないのと同じで、女郎が誠意を持つことなどない)」ともいう。
角ある獣に上歯なし(つのあるけものにうわばなし)
一人でいくつも優れたものを兼ね備えるのはむずかしいというたとえ。「上歯」は牙の意で、角がある獣には牙がないということから。
角突き合わせる(つのつきあわせる)
仲が悪く、いつも争うこと。 特に身近な人同士の争いをいう。 角のある同種の動物が、互いの角をぶつけて争うとの意から。
角を折る(つのをおる)
自分の主張を無理に通すのをやめて、他人の意見に従うこと。譲歩すること。
角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)
わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。 「矯める」は、矯正すること。 曲がっている牛の角をまっすぐに直そうとして、牛を死なせてしまうことから。 「角を直して牛を殺す」ともいう。
角を出す(つのをだす)
女性がやきもちを焼くこと。 能楽で、嫉妬に狂った女性の生き霊が角のある鬼になることから。 「角を生やす」ともいう。
角を直して牛を殺す(つのをなおしてうしをころす)
わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。 「矯める」は、矯正すること。 曲がっている牛の角をまっすぐに直そうとして、牛を死なせてしまうことから。 「角を直して牛を殺す」ともいう。
角を生やす(つのをはやす)
女性がやきもちを焼くこと。 能楽で、嫉妬に狂った女性の生き霊が角のある鬼になることから。 「角を生やす」ともいう。
頭角を現す(とうかくをあらわす)
才能や腕前が群を抜いてすぐれ、際立って目立つこと。「頭角」とは頭の先のことで、大勢の中で頭の先を他者より高く現しているという意味。
兎にも角にも(とにもかくにも)
いずれにしても。ともかく。 細かい部分を気にせずに、重要な部分に関心を向けることを表す言葉。
氷山の一角(ひょうざんのいっかく)
表面に現れているのは全体のほんの一部で、大部分は隠れたままであることのたとえ。 海面上に見える氷山は、全体のうちの一部分にすぎないとの意から。
丸い卵も切りようで四角(まるいたまごもきりようでしかく)
物事は話し方、やり方しだいで円満にいくこともあれば、角が立つこともあるというたとえ。丸い卵も切り方によっては四角になるということから。「ものも言いようで角が立つ」あとに続けてもいう。
丸くとも一角あれや人心(まるくともひとかどあれやひとごころ)
性格が温厚で柔和なのはよいことだが、時には自分の意地を通すような強い一面もあったほうがよいということ。「一角」は、性格が少し角立っていること。「あまりまろきは転び易きぞ」と続けてもいう。
目角を立てる(めかどをたてる)
目尻を吊り上げて、鋭くじっと睨むこと。 「目角を立てる」ともいう。
目に角を立てる(めにかどをたてる)
目尻を吊り上げて、鋭くじっと睨むこと。 「目角を立てる」ともいう。
目を三角にする(めをさんかくにする)
怒って、目尻の吊り上がったこわい目付きをすること。
物も言いようで角が立つ(ものもいいようでかどがたつ)
ものは言い方ひとつで相手の感情をそこなうことがあるから、言葉遣いに気をつけたほうがいいということ。
宿取らば一に方角、二に雪隠、三に戸締り、四には火の元(やどとらばいちにほうがく、ににせっちん、さんにとじまり、しにはひのもと)
昔、旅先で宿を取る時に、確認しておくべき事柄を順序だてて並べた言葉。「雪隠」は、便所のこと。