「往」を含む故事・ことわざ・慣用句
「往」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
愛出ずる者は愛返り、福往く者は福来る(あいいずるものはあいかえり、ふくゆくものはふくきたる)
他人に愛情を注ぐ者には、その愛が巡り巡って自分に返り、他人に幸福を与える者には、やがて自らも幸福が訪れるということ。
往に跡へ行くとも死に跡へ行くな(いにあとへゆくともしにあとへゆくな)
妻と離婚した男に嫁ぐのはいいが、妻と死別した男には嫁ぐものではないという戒め。 妻と死別した男の心には、亡き妻のよい思い出が残っていて、比較されることが多いことから。
江戸っ子の往き大名還り乞食(えどっこのゆきだいみょうかえりこじき)
江戸っ子は気前がよく無計画なので、往きは大名のように贅沢をしてお金を使い果たし、帰りには乞食のように一文無しになるということ。
往時渺茫としてすべて夢に似たり(おうじびょうぼうとしてすべてゆめににたり)
過ぎ去った昔の事はもうはるかかなたの事で、とりとめがなく、まるで夢のように思えるということ。「往時」は過ぎ去った昔のこと。「渺茫」は遠くはるかで果てしないさま。
往生際が悪い(おうじょうぎわがわるい)
諦めなければならない状態なのに、未練がましく執着しているさま。 「往生際」は、死に際の意。
既往は咎めず(きおうはとがめず)
過ぎ去ったことをあれこれ咎めても仕方がない。これから先のことを大切にせよということ。
商売往来にない商売(しょうばいおうらいにないしょうばい)
泥棒など世間に認められない商売のこと。 「商売往来」は、商売に関係した事柄を書いた江戸時代の書物で、その書物に載っていない商売との意から。
千万人と雖も吾往かん(せんまんにんといえどもわれゆかん)
自分の信じた道は、たとえ千万人の敵がいても、恐れることなく立ち向かっていくということ。
善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや(ぜんにんなおもておうじょうをとぐ、いわんやあくにんをや)
仏の救いを頼みとしない善人でさえ極楽往生を遂げる。まして、仏の救いにすがるしかない悪人が往生できないわけがないということ。
立ち往生する(たちおうじょうする)
途中で行き詰まり、進むことも引き返すこともできなくなること。 「立ち往生」は、弁慶(べんけい)が立ったまま死んだとされる「弁慶の立ち往生」に由来する語。
立往生する(たちおうじょうする)
途中で行き詰まり、進むことも引き返すこともできなくなること。 「立ち往生」は、弁慶(べんけい)が立ったまま死んだとされる「弁慶の立ち往生」に由来する語。
虎は千里往って千里還る(とらはせんりいってせんりかえる)
勢いが盛んで力強い行動力のたとえ。また、また、子を思う親の愛情深い行動力のたとえ。虎は一日に千里の道を進み、その後、再び同じ距離を戻ってくると言われることから。
弁慶の立ち往生(べんけいのたちおうじょう)
進むことも退くこともできない状態のたとえ。源義経の家来の弁慶が、衣川の合戦で義経をかばって矢を受け、立ったまま死んだという伝説から。
往くに径に由らず(ゆくにこみちによらず)
小細工せずに、正大に事をおこなうことのたとえ。「径」は小道・近道・横道のこと。道を行く時は径を通らずに大通りを行くという意味から。