「おち」を含む故事・ことわざ・慣用句
「おち」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 40 件
秋の入り日と年寄りはだんだん落ち目が早くなる(あきのいりひととしよりはだんだんおちめがはやくなる)
年々衰える年寄りの健康状態を、急速に暮れていく秋の夕日にたとえたことば。
顎が落ちる(あごがおちる)
食べ物が非常においしいことのたとえ。
朝飯前のお茶漬け(あさめしまえのおちゃづけ)
ものごとが容易にできることのたとえ。 朝飯前の空腹時に食べるお茶漬けは、さらさらと簡単に食べられるということから。
一葉落ちて天下の秋を知る(いちようおちててんかのあきをしる)
わずかな前兆を見て、その後の大事を予知するたとえ。
胃の腑に落ちる(いのふにおちる)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
鰯で精進落ち(いわしでしょうじんおち)
せっかくの努力がつまらないことで報われなくなることのたとえ。また、長い間の努力が十分に報われないことのたとえ。 「精進落ち」は菜食で身を慎む精進期間が終わって、魚肉類を食べること。 精進期間中に鰯のようなつまらない魚をうっかり食べてそれまでの努力を無駄にするとの意から。また、精進期間が終わったのに鰯のようなつまらない魚で祝いをするとの意から。
瘧が落ちる(おこりがおちる)
熱病にかかったかのように何かに夢中になっていた状態から、急激にさめて冷静になること。 「瘧」は、マラリア性の熱病のこと。
落ち武者は薄の穂にも怖ず(おちむしゃはすすきのほにもおず)
怖いと思えば、なんでもないものまで怖く感じることのたとえ。戦に負けて逃げる落ち武者は、揺れるすすきの穂まで怖がるということから。
お茶の子さいさい(おちゃのこさいさい)
物事をたやすく行うことができる様子。
お茶を濁す(おちゃをにごす)
いいかげんな処置によって、その場をごまかすこと。 茶の湯の作法を知らない者が、抹茶を適当にかきまぜて濁らせ、それらしく見せたことから。
お茶を挽く(おちゃをひく)
暇を持て余すこと。特に、芸者などが客がつかずに暇でいること。 茶臼で葉茶をひくのは、暇な遊女の仕事とされていたことから。
お猪口になる(おちょこになる)
傘が風にあおられて、開きがさかさまになること。
落ちれば同じ谷川の水(おちればおなじたにがわのみず)
出発点は違っていても、行き着く先は同じだということ。また、人間も身分や貧富の差があっても、死ねばみな同じであるということ。 雨・霰(あられ)・雪・氷など形はさまざまでも、地上に落ちてしまえば同じ谷川を流れる水になるとの意から。 「雨霰雪や氷と隔(へだ)つらん落つれば同じ谷川の水」との和歌より。
落ちをつける(おちをつける)
物語や笑い話などの結末を効果的に終わらせること。
片手落ち(かたておち)
片方へ配慮しているが、もう一方への配慮が欠けていること。不公平。
金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる(かねさえあればとぶとりもおちる)
世の中のたいがいの事が金で解決できるということのたとえ。
雷が落ちる(かみなりがおちる)
目上の人からひどく叱られること。
木から落ちた猿(きからおちたさる)
頼みとするものを失って、途方にくれている状態のたとえ。
聞くと見るとは大違い(きくとみるとはおおちがい)
人から聞いたのと実際に見るのとでは大きな違いがあるということ。
腰を落ち着ける(こしをおちつける)
転職や転居などをくり返していた人が一つの所に長く留まること。 また、ものごとにじっくりと取り組むこと。
猿も木から落ちる(さるもきからおちる)
その道の達人でも、たまには失敗することもあるということ。 木登りが得意な猿でも、ときには誤って落ちることもあるとの意から。
尻を落ち着ける(しりをおちつける)
訪問先などに長く留まること。 または、転職や転居などを繰り返していた人が一つの所に長く留まること。
日月地に墜ちず(じつげつちにおちず)
人が守るべき道義や正義などが滅びずに残っていること。 「日月」は正義や道義などの象徴とされるもの。
術中に陥る(じゅっちゅうにおちいる)
相手が仕掛けた計略に引っかかること。 「術中にはまる」ともいう。
人後に落ちない(じんごにおちない)
他人にひけをとらないこと。「人後」は、他人のうしろの意。
棚から落ちた達磨(たなからおちただるま)
威張っていた人が、落ち目になって格好のつかないぶざまな姿になることのたとえ。
棚から牡丹餅は落ちてこない(たなからぼたもちはおちてこない)
思いがけない幸運は、まず舞い込むことはないということ。
地に落ちる(ちにおちる)
盛んであった権威や名声などが衰え失われる。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
手に落ちる(てにおちる)
その人のものとなること。その人の所有となること。
問うに落ちずに語るに落ちる(とうにおちずにかたるにおちる)
人から聞かれた時には警戒して言わないようなことも、自分から話をしている時にはうっかり言ってしまうということ。 「落ちる」は、白状すること。 単に「語るに落ちる」ともいう。
肉が落ちる(にくがおちる)
一目でわかるほど、痩せること。
人は落ち目が大事(ひとはおちめがだいじ)
人が落ちぶれた時こそ、見捨てずに援助や励ましを与えべきだということ。また、落ち目になった時こそ大事な時であるから、言動に注意すべきだということ。
火を避けて水に陥る(ひをさけてみずにおちいる)
一つの災難を避けて、すぐまた別の災難に遭うことのたとえ。 火に焼かれることを避けられたと思ったら、水に落ちて溺れることから。
腑に落ちない(ふにおちない)
納得できないこと。 「腑」は内臓のこと。転じて、心の意。 心に入ってこないという意味から。
道に遺ちたるを拾わず(みちにおちたるをひろわず)
世の中が太平で人々が満ち足りた暮らしをしていることのたとえ。 「遺」は落ちている物のことで、人々が落ちている物を拾おうとしないほど太平であるとの意から。 「道に遺ちたるを拾わず」ともいう。
見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)
実際に見るのと人から聞いたのとでは大きな違いがあるということ。また、噂と事実が違うことにもいう。
目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)
何かのきっかけで急に物事の実態がはっきりわかるようになるたとえ。 『新約聖書−』使徒行伝・九章の「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」による。
理に落ちる(りにおちる)
話などが理屈っぽくなること。
理に勝って非に落ちる(りにかってひにおちる)
理屈では相手に勝っても、実質上は負けたと同様の不利な立場に陥ること。「理に勝って非に負ける」とも言う。
故事・ことわざ・慣用句一覧
- /
- 1ページ
- 全1件