「すく」を含む故事・ことわざ・慣用句
「すく」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 32 件
足を掬う(あしをすくう)
相手の隙につけこんで失敗させること。失脚させる。 「足元を掬う(あしもとをすくう)」は誤用とされている。
明日食う塩辛に今日から水を飲む(あすくうしおからにきょうからみずをのむ)
手回しがいいように見えて、実は無意味なことのたとえ。
慌てる乞食は貰いが少ない(あわてるこじきはもらいがすくない)
急ぎ過ぎると、かえって失敗したり損をすることのたとえ。 先を争って施し物を貰おうとすると反感を買ってしまい、貰える物が少なくなってしまうとの意から。
言うた損より言わぬ損が少ない(いうたそんよりいわぬそんがすくない)
しゃべり過ぎに注意せよという戒めの言葉。 言い過ぎや言い間違いから受ける損より、黙っていたために受ける損のほうが少ないとの意から。
言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)
口で言うのは簡単だが、言ったことを実行するのは難しいということ。
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
故郷の忘れがたいことのたとえ。 中国南方の越の国から北国へ渡った鳥は樹木の南側の枝に巣をかけ、北方の胡の国から来た馬は北風が吹きよせると故郷を想って嘶(いなな)くとの意から。 『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」による。 単に「越鳥南枝に巣くう」や「胡馬北風に嘶く」ともいう。
遠水、近火を救わず(えんすい、きんかをすくわず)
遠くにあるものは、緊急時には役に立たないということ。 遠くにある水は、近くの火事を消すのには役に立たないとの意から。
多かれ少なかれ(おおかれすくなかれ)
数量や程度に多少の違いはあっても。
多し少なし子三人(おおしすくなしこさんにん)
子どもは三人いると、多からず少なからずで理想的だということ。
お安くない(おやすくない)
男女が親密な間柄である様子。 または、それをからかったり冷やかしたりして言う言葉。
肩を竦める(かたをすくめる)
肩を少し上げ、首を縮めるようにして、困惑や呆れの気持ちなどを表す。
巧言令色、鮮なし仁(こうげんれいしょく、すくなしじん)
口先だけで上手を言い、表情をとりつくろって人に気に入られようとする者には、最高の徳である仁の心が欠けているということ。 「巧言」は巧みな言葉遣い、「令色」は顔色をとりつくろうこと。 「鮮なし」は「少なし」と同じ意味。
言葉多きは品少なし(ことばおおきはしなすくなし)
口数の多い人は軽薄で品位に欠けるという、おしゃべりを戒める言葉。
小股を掬う(こまたをすくう)
相手の隙をねらって自分の利益をはかること。 相手の股の内側を手で掬(すく)ってたおす相撲の技から。 「小股を取る」ともいう。
山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し(さんちゅうのぞくをやぶるはやすくしんちゅうのぞくをやぶるはかたし)
山中にいる賊を討伐するのは簡単だが、心の中の邪念に打ち勝つのは難しいというたとえ。
少年老い易く学成り難し(しょうねんおいやすくがくなりがたし)
年月は油断しているうちに、たちどころに過ぎ、すぐに年をとってしまう。学問を修めるのは難しいので、若いうちから時間を無駄にせず勉学に励めというおしえ。
賞は厚くし罰は薄くすべし(しょうはあつくしばつはうすくすべし)
善行は小さなことでもおおいに褒めたたえ、悪行はできるだけ軽い罰にするのがよいということ。
創業は易く守成は難し(そうぎょうはやすくしゅせいはかたし)
事業を新しく起こすよりも、成果を守り続けていくほうが難しいということ。 「創業」は事業を新しく興すこと。 「守成」は成果を守るいう意味から。 唐の太宗が「創業と守成のどちらが難しいか」と尋ねたときに、魏徴が「守成」と答えたという故事から。
薪を抱きて火を救う(たきぎをいだきてひをすくう)
害を除こうとして、かえって害を大きくしてしまうことのたとえ。火を消そうとして薪を抱えて火元に近づき、逆に火の勢いを強めてしまうということから。
竹と人の心の直ぐなのは少ない(たけとひとのこころのすぐなのはすくない)
竹は意外に真っ直ぐなものは少なく、人も心が曲がらず正直な者は少ないということ。
手が透く(てがすく)
仕事が終わったり一区切りついたりして、時間に余裕ができること。 「手が透く」ともいう。
天は自ら助くる者を助く(てんはみずからたすくるものをたすく)
天は、人に頼らず自ら努力する者に力を貸し、幸福を与えるということ。 「神は自ら助くる者を助く」ともいう。
遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
親しかった者でも、遠ざかればだんだん情が薄れていくということ。
飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く(とぶとりふところにいるときはかりゅうどもたすく)
窮地に陥った者が救いを求めてくれば、どんな事情があっても助けるのが人情であるというたとえ。 追いつめられた鳥が自分のふところに飛び込んでくれば、さすがの猟師も殺したりは出来ないということから。
同舟相救う(どうしゅうあいすくう)
仲が悪い者同士や見知らぬ者同士でも、いざという時は助け合うことのたとえ。 同じ舟に乗り合わせた人々は、舟が沈みそうな時は力を合わせて助け合うとの意から。
熱しやすく冷めやすい(ねっしやすくさめやすい)
物事に熱中しやすいが、飽きるのも早いさま。
花多ければ実少なし(はなおおければみすくなし)
上辺を飾る人は、誠実さに欠けるということのたとえ。 たくさんの花が咲く木にかぎって、実は少ししかならないものであるとの意から。
腸が見え透く(はらわたがみえすく)
隠している企みなどがよくわかること。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
火を以て火を救う(ひをもってひをすくう)
弊害を除こうとして、かえってその弊害を大きくしてしまうことのたとえ。火は水で消すべきなのに、火を火で消そうとする意から。
胸がすく(むねがすく)
心につかえていた不平や不満などがなくなり、すっきりとした気分になること。
労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)
苦労したわりには成果が出ないこと。
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