「ふく」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ふく」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 40 件
愛出ずる者は愛返り、福往く者は福来る(あいいずるものはあいかえり、ふくゆくものはふくきたる)
他人に愛情を注ぐ者には、その愛が巡り巡って自分に返り、他人に幸福を与える者には、やがて自らも幸福が訪れるということ。
明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)
先のことをいくら心配してもはじまらないので、なるがままに任せて生きるのがよいということ。 明日は明日で、今日とは違う風が吹くという意味から。
葦を啣む雁(あしをふくむかり)
物事を行うときの準備が完全なこと。 雁が海を渡って遠くへ飛ぶとき、海上で羽を休めるために枯れ葦を口にくわえて行くことから。
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえ。 「羹」は熱い吸い物のこと。 熱い吸い物を飲んでやけどをしたことに懲りて、冷たい膾まで吹いて冷ますことから。
余り茶に福あり(あまりちゃにふくあり)
余っている物の中にも、思いがけずよいものがあるということ。
余り物には福がある(あまりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、思いがけずよいものがあるということ。
阿波に吹く風は讃岐にも吹く(あわにふくかぜはさぬきにもふく)
ある土地の風習は、他の土地にも移る。上の人の行いは、下の者も真似るようになるということ。また、どこの土地でも人情は変わらないということ。「阿波」は現在の徳島県、「讃岐」は香川県。
言い含める(いいふくめる)
事情や内容を理解してもらえるようにしっかりと言うこと。
「事情を―」因果を含める(いんがをふくめる)
事情を説明して諦めさせること。
同い年夫婦は火吹く力もない(おないどしみょうとはひふくちからもない)
同い年の夫婦は仲が良く、いつも笑ってばかりいるので、火吹き竹を吹いて火をおこすためのふくれっ面もできないということ。
思うこと言わねば腹ふくる(おもうこといわねばはらふくる)
思っていることを我慢して言わずにいると、腹の中の物がつかえているようですっきりしないということ。 「物言わねば腹ふくる」「言わねば腹ふくる」ともいう。
愚か者に福あり(おろかものにふくあり)
愚か者は欲も野心もないので、人に恨まれたり憎まれたりすることもなく、平穏無事で幸福な人生を送ることができるということ。
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
わざわいと幸福は、より合わせた縄のように表裏一体を成しているということ。「糾う」とは縄をより合わせること。
嚙んで含める(かんでふくめる)
理解できるように、細かく丁寧にわかりやすく言い聞かせること。 親が、食物を嚙み砕いて食べやすいようにしてから、子どもの口に含ませてやるとの意から。
魚腹に葬らる(ぎょふくにほうむらる)
海や川で水死するたとえ。 海や川で溺れ死んで魚の餌となり、その腹に葬られるとの意から。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
雌伏(しふく)
将来活躍することを期待して、現在の境遇を我慢すること。また、そうしながら実力を蓄えること。雌鳥が雄鳥に逆らわずに従うということから。
私腹を肥やす(しふくをこやす)
公的な地位や立場を利用して不正に個人の利益を得ること。 「腹を肥やす」ともいう。
空吹く風と聞き流す(そらふくかぜとききながす)
関心を示さずに無視すること。素知らぬ顔をすること。
どこ吹く風(どこふくかぜ)
自分には関係ないものとして、知らん顔する様子。まったく気にかけない様子。
錦の袋に糞を包む(にしきのふくろにふんをつつむ)
外観が立派で中身が見劣りすることのたとえ。
熱を吹く(ねつをふく)
言いたい放題にいうこと。大げさにいうこと。
残り物には福がある(のこりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、意外によいものがあるということ。
針を含む(はりをふくむ)
言動に相手を傷つけようとする意図が感じられる様子。
枚を銜む(ばいをふくむ)
声を立てず、息をこらすことのたとえ。「枚」は昔、夜襲の時に、兵士や馬が声を出さないように口にくわえさせた棒のこと。「銜む」は、くわえる意。
吹く風枝を鳴らさず(ふくかぜえだをならさず)
世の中がよく治まり平和なようすのたとえ。 吹く風が静かで枝は音も立てないとの意から。
覆車の戒め(ふくしゃのいましめ)
先人の失敗が後人の戒めになることのたとえ。 「覆車」は車がひっくり返ること。 車が覆るのを見て、後の車は教訓とするとの意から。
覆水、盆に返らず(ふくすい、ぼんにかえらず)
離縁した夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。また、一度してしまったことは取り返しがつかないというたとえ。 中国の太公望が出世して斉に封ぜられた時、離縁した妻が復縁を求めてやってきた。太公望は盆の水をひっくり返し「こぼれた水を元に戻せたら希望通りにしよう」と言って復縁を断ったという故事から。
伏線を張る(ふくせんをはる)
これから起こるであろうことを予測して事前に準備しておくこと。 または、物語などで後で述べる事柄に関係があることをそれとなく示しておくこと。
覆轍を踏む(ふくてつをふむ)
前の人と同じような失敗を繰り返すことのたとえ。 「轍」は、車のわだちのこと。 転倒した前の車のわだちをたどり、同じように転倒するとの意から。 「前轍を踏む」「轍を踏む」「覆轍を踏む」ともいう。
含む所がある(ふくむところがある)
恨みや怒りなどを心の中に隠し持っていること。
袋の鼠(ふくろのねずみ)
どうやっても逃げることができない状態。 「袋の中の鼠」ともいう。
袋の物を探るが如し(ふくろのものをさぐるがごとし)
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。 「嚢中」は袋の中。 「袋の物を探るが如し」ともいう。
分相応に風が吹く(ぶんそうおうにかぜがふく)
人にはそれぞれの身分や地位に応じた生き方があるということ。
法螺を吹く(ほらをふく)
実際よりも大袈裟に言うこと。または、でたらめをいうこと。 「法螺」は法螺貝のことで、吹くと大きな音が出ることから。
胸を膨らませる(むねをふくらませる)
期待や喜びなどから、わくわくした気持ちになること。
弓は袋に太刀は鞘(ゆみはふくろにたちはさや)
天下泰平で武器を使う必要のないこと。 弓を袋に入れ、刀は鞘におさめるとの意から。
喇叭を吹く(らっぱをふく)
誇張して大げさなことを言うこと。また、威勢よく実現不可能なことをあたかもできるかのように述べること。
禍を転じて福となす(わざわいをてんじてふくとなす)
自分の身にふりかかった災難を上手く利用して、結果的に自分の有利になるように取り計らうこと。
笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)
いつも明るくにこにこしている人の所には、自然に幸福が訪れてくるということ。
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