分相応に風が吹くとは

言葉 | 分相応に風が吹く |
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読み方 | ぶんそうおうにかぜがふく |
意味 | 人にはそれぞれの身分や地位に応じた生き方があるということ。 |
使用されている漢字
「分」を含むことわざ
預かり物は半分の主(あずかりものははんぶんのぬし)
人から預かった物は、半分は自分の物だと思ってもかまわないということ。 「預かり半分」「預かり半分の主」「預かり物は半分の主」「預かる物は半分の主」「拾い主は半分」「拾うた者は半分の主」などともいう。
一升徳利こけても三分(いっしょうどっくりこけてもさんぶ)
元手が多ければ、多少損をしても平気だというたとえ。 一升徳利が倒れて中身がこぼれても、三分(三合)くらいは残っているとの意から。
一寸の虫にも五分の魂(いっすんのむしにもごぶのたましい)
どんなに小さくて弱いものにも、それ相応の意地や考えがあるので侮ってはいけないということ。 わずか一寸の虫でもからだ半分の五分の魂があるとの意から。
浮世は衣装七分(うきよはいしょうしちぶ)
とかく世間では外見を重んじ、うわべで内容を判断しがちだということ。七分は十分の七のことで、衣装で七分がた評価が下される意から。
馬の背を分ける(うまのせをわける)
夕立などが、局所的であることのたとえ。 近い場所でも、雨が降っている所と降っていない所があるさま。 馬の片側の背のみが雨に濡れているとの意から。
片口聞いて公事を分くるな(かたくちきいてくじをわくるな)
訴訟の裁きは、一方の言い分だけを聞いて判定してはいけないということ。「片口」は一方だけの言い分、「公事」は訴訟のこと。
「相」を含むことわざ
相性が悪い(あいしょうがわるい)
相手との性格や考え方、調子などが上手く合わない。 「相性」は「合性」とも書く。
相対のことはこちゃ知らぬ(あいたいのことはこちゃしらぬ)
当人同士が決めたことは自分には無関係だということ。鮎(あゆ)、鯛(たい)、鯒(こち)の魚の名を語呂合わせにしたことば。
相槌を打つ(あいづちをうつ)
相手の話に調子を合わせて頷くこと。「相槌」は鍛冶仕事で鉄を鍛える時、相方と向かい合い交互に槌を打ち合わせること。
相手変われど主変わらず(あいてかわれどぬしかわらず)
相手は次々と変わっているのに、こちらは常に変わらず同じことを繰り返しているということ。 「相手変われど手前変わらず」ともいう。
相手にとって不足はない(あいてにとってふそくはない)
相手が相当な実力者で、自分と競い合うのに十分である。
相手のさする功名(あいてのさするこうみょう)
相手の力が弱かったり、やり方が劣っていたために、思わぬ手柄を立てることのたとえ。「さする」は「してくれる」の意。
相手のない喧嘩はできぬ(あいてのないけんかはできぬ)
受けて立つ者がいなければ喧嘩は成り立たないから、喧嘩を売られても相手にするなというおしえ。
「応」を含むことわざ
一応も二応も(いちおうもにおうも)
一度だけでなく二度も。繰り返し念入りに。
否が応でも(いやがおうでも)
承知してもしなくても。何が何でも。
否でも応でも(いやでもおうでも)
承知してもしなくても。何が何でも。
応接に暇あらず(おうせつにいとまあらず)
人の相手をするのに追われて休む暇もないようす。また、ものごとが次から次へと起こって多忙なようす。もとは、美しい自然の風景が次から次に展開し、ゆっくり味わう暇がない意から。
歯応えがある(はごたえがある)
こちらの働きかけに対してはっきりとした反応が返ってくること。
分相応に風が吹く(ぶんそうおうにかぜがふく)
「風」を含むことわざ
秋風が立つ(あきかぜがたつ)
男女の間の愛情がなくなること。「秋」を「飽き」に掛けた言葉。「秋風が吹く」とも。
秋風と夫婦喧嘩は日が入りゃ止む(あきかぜとふうふげんかはひがいりゃやむ)
秋風が日暮れになると静まるように、夫婦喧嘩も夜になるとおさまるということ。
商人と屏風は直ぐには立たぬ(あきんどとびょうぶはすぐにはたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないのと同じように、商売も自分の感情や理屈を曲げて客の機嫌を損ねないようにしなければ繁盛しないということ。 「屏風と商人は直ぐには立たぬ」「商人と屏風は曲がらねば立たぬ」ともいう。
明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)
先のことをいくら心配してもはじまらないので、なるがままに任せて生きるのがよいということ。 明日は明日で、今日とは違う風が吹くという意味から。
あったら口に風邪をひかす(あったらくちにかぜをひかす)
親切な気持ちで言ったことが無駄になるたとえ。「あったら」は「あたら」が転じた言葉で、残念なことにの意。
網の目に風たまらず(あみのめにかぜたまらず)
無駄なこと、何の効果もないことのたとえ。網で風を防ごうとしても、風は網の目を通り過ぎていくことから。
網の目に風たまる(あみのめにかぜたまる)
ありえないことのたとえ。 網の目を通り抜けるはずの風が網にたまるとの意から。
「吹」を含むことわざ
明日は明日の風が吹く(あしたはあしたのかぜがふく)
先のことをいくら心配してもはじまらないので、なるがままに任せて生きるのがよいということ。 明日は明日で、今日とは違う風が吹くという意味から。
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえ。 「羹」は熱い吸い物のこと。 熱い吸い物を飲んでやけどをしたことに懲りて、冷たい膾まで吹いて冷ますことから。
阿波に吹く風は讃岐にも吹く(あわにふくかぜはさぬきにもふく)
ある土地の風習は、他の土地にも移る。上の人の行いは、下の者も真似るようになるということ。また、どこの土地でも人情は変わらないということ。「阿波」は現在の徳島県、「讃岐」は香川県。
泡を吹かせる(あわをふかせる)
驚き慌てさせる。度肝を抜く。
息を吹き返す(いきをふきかえす)
生き返る。また、よくない状態に陥っていたものが、再び勢いを取り戻す。
江戸っ子は五月の鯉の吹き流し(えどっこはさつきのこいのふきながし)
江戸っ子は口は悪いが気性はさっぱりとしていて、物事にこだわらないということ。また、口先ばかり威勢がよくて意気地がないということ。「吹き流し」は、鯉のぼりのことで、吹き抜けで腹の中が空洞になっていることから。「口先ばかりで腸なし」と続けてもいう。
臆病風に吹かれる(おくびょうかぜにふかれる)
臆病な気持ちになること。怖じ気づくこと。