「掛」を含む故事・ことわざ・慣用句
「掛」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 70 件
頭から水を掛けられたよう(あたまからみずをかけられたよう)
突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。
圧力を掛ける(あつりょくをかける)
権力や財力などで威圧して、相手を自分の意のままに従わせようとする。
後足で砂を掛ける(あとあしですなをかける)
去り際に迷惑をかけたり、裏切ったりすることのたとえ。 犬などが糞をしたあとに、後ろ足で砂を蹴散らすようすから。
網に掛かった魚(あみにかかったうお)
逃げようとしても逃げ出せないことのたとえ。
言い掛かりを付ける(いいがかりをつける)
根拠のないことを言って、相手を困らせること。
息が掛かる(いきがかかる)
有力者の影響や支配を受けていること。
行き掛けの駄賃(いきがけのだちん)
あることをするついでに別のことをすること。また、それにより利益を得ること。 「駄賃」は、馬で荷物を運ぶときの運賃のこと。 馬子が問屋に荷物を受け取りに行く時、他の荷物を運んで運賃を得たことから。
腕に縒りを掛ける(うでによりをかける)
自慢の能力を十分に発揮しようと張り切ること。
得手に帆を掛ける(えてにほをかける)
絶好の機会に恵まれ、得意になって事を行うこと。 「得手」は、得意とすること。 「得手に帆を掛ける」ともいう。
エンジンが掛かる(えんじんがかかる)
物事に始める意欲がわくこと。 また、物事が順調に進むこと。
追い打ちを掛ける(おいうちをかける)
弱っているものをさらに攻撃し、打ちのめすこと。
追い込みを掛ける(おいこみをかける)
物事の最後の段階でいっそう力を入れて努力すること。
王手を掛ける(おうてをかける)
成功や勝利まであと一歩の状態になる。 「王手」は、将棋で直接王将を攻める手のこと。
お声が掛かる(おこえがかかる)
目上の人から招待されたり特別な計らいを受けたりすること。
お座敷が掛かる(おざしきがかかる)
芸者や芸人などが客に呼ばれること。 また、会合や宴席などに招待されること。
お目に掛かる(おめにかかる)
お会いする。また、目上の人から認められる。
お目に掛ける(おめにかける)
目上の人にお見せする。ご覧に入れる。
掛け替えのない(かけがえのない)
ひじょうに大切で、他に代用できるものがないということ。
掛け値なし(かけねなし)
話を誇張したり取り繕ったりせずに、ありのままを言うこと。 「掛け値」は、実際の売り値よりも高くつけた値段の意から。
肩に掛かる(かたにかかる)
ある人が責任や任務などの負担を負わなければならなくなること。
鎌を掛ける(かまをかける)
自分の知りたいことや相手の本音などを聞き出すために、言葉巧みに問いかけること。 鎌で引っ掛けて、相手を引き寄せるとの意から。
神掛けて(かみかけて)
神様に誓って。 自分の言動などに偽りがないことを強調するときに言う言葉。
願を掛ける(がんをかける)
神仏に自分の願い事が叶うように祈ること。 「懸ける」は「掛ける」とも書く。 また「願を起こす」「願を立てる」ともいう。
気合が掛かる(きあいがかかる)
ある物事に全力で取り組もうとする気力がわいている様子。 「気合が掛かる」ともいう。
気合を掛ける(きあいをかける)
精神を集中して力をこめること。 また、叱ったり励ましの言葉をかけたりして発奮させること。 「気合を掛ける」ともいう。
気に掛かる(きにかかる)
心配事があって、心に引っかかっている様子。
気に掛ける(きにかける)
心に留めて心配すること。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口の端に掛かる(くちのはにかかる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
鞍掛け馬の稽古(くらかけうまのけいこ)
なんの役にも立たない無駄な練習のたとえ。「鞍掛け馬」は木馬のことで、木馬に乗って乗馬の練習をしても役に立たないことから。
声が掛かる(こえがかかる)
勧誘されたり招待されたりすること。 また、目上の人から推薦されること。
声を掛ける(こえをかける)
呼びかけたり話しかけたりすること。 また、なにかを一緒にするように誘うこと。
心に掛ける(こころにかける)
忘れないように、心にしっかりと覚えておくこと。
財布の紐は首に掛けるより心に掛けよ(さいふのひもはくびにかけるよりこころにかけよ)
財布の紐を首に掛けて金を盗まれないようにするより無駄遣いしないように心がけるほうが大事だということ。、
芝居掛かる(しばいがかる)
振る舞いが芝居をしているかのように大げさになること。
性根を据えて掛かる(しょうねをすえてかかる)
どんな苦労も耐えるという覚悟をもって取り組むこと。
尻目に掛ける(しりめにかける)
他人を見下す態度を取ること。 「尻目」は目だけを動かして少し見ること。 「尻目」は「後目」とも書く。
時代掛かる(じだいがかる)
当時よりも昔の時代の感じを与える。古びている。
束になって掛かる(たばになってかかる)
大勢の人が一緒になって、一つのものに向かったり、一人に対抗したりすること。
手が掛かる(てがかかる)
面倒なことが多く、労力や時間がかかること。世話が焼けること。
手塩に掛ける(てしおにかける)
みずから世話をして大切に育てること。 「手塩」は、自分の好みの味付けが出来るように各自の食膳に添えられた塩。 その塩で自分好みに味付けすることから転じて、自分の手で世話をするとの意を表す。
手に掛かる(てにかかる)
ある人に直接取り扱われること。 または、殺されること。
手に掛ける(てにかける)
自分で実際に物事を行うこと。特に人を殺すことをいう。
手を掛ける(てをかける)
時間や労力を惜しまないこと。 または、他人のものを盗むこと。
天秤に掛ける(てんびんにかける)
二つのものの優劣や損得を比較して、どちらかを選ぼうとすること。 また、対立する二つの立場の両方に関わりを持ち、どちらの結果でも自分が損をしないように立ち回ること。
情けを掛ける(なさけをかける)
相手に対して哀れみの気持ちをもって、親切に対応すること。
謎を掛ける(なぞをかける)
直接的な表現を用いず、遠回しに言って相手にそれとなくわからせようとすること。
鍋の鋳掛けが釣り鐘を請け合ったよう(なべのいかけがつりがねをうけあったよう)
自分の能力以上の仕事を引き受けて、大騒ぎをすることのたとえ。 鍋を修理する鋳掛け屋が、釣り鐘作りを請け負ったようだとの意から。
嘗めて掛かる(なめてかかる)
相手を馬鹿にしたりあなどったりすること。
縄に掛かる(なわにかかる)
犯人がつかまること。 昔、捕らえた罪人を縄でしばったことから。
盗みする子は憎からで縄掛くる人が恨めしい(ぬすみするこはにくからでなわかくるひとがうらめしい)
盗みをした我が子を憎まず、その子を捕まえて縄を掛けた相手を恨むという、親の身びいきのたとえ。
秤に掛ける(はかりにかける)
秤を使って重さを量ること。 また、比喩的に物事を比較し、その利害や得失を考えること。
箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)
能力や程度などが劣っていて、どうにも扱いづらいことのたとえ。また、何の取り得もないことのたとえ。 小さな箸にも、大きな棒にも引っ掛からないとの意から。
馬力を掛ける(ばりきをかける)
仕事などに今まで以上に力を注いで取り組むこと。
二股を掛ける(ふたまたをかける)
同時に二つの目的を遂げようとすること。または、結果がどちらに転んでも良いように、両方に関係を持つこと。一方に決めず、どちらにも関与しておく態度を表す。
篩に掛ける(ふるいにかける)
多くのものをより分けて、よいものを選別する。
古木に手を掛くるな、若木に腰掛くるな(ふるきにてをかくるな、わかぎにこしかくるな)
将来性のないものにかかわりあうべきではなく、また将来性のあるものをあなどったり無理をさせたりしてはいけないというたとえ。 古い木は折れやすいので手をかけてはいけない、若い木は成長の妨げになるので腰掛けてはいけないとの意から。
帆掛け船に艪を押す(ほかけぶねにろをおす)
勢いのあるものに、さらに力を加えることのたとえ。 帆に風を受けて走る舟に、さらに艪を使うとの意から。
ボタンを掛け違える(ぼたんをかけちがえる)
食い違いや矛盾などがあったことに後になってから気づくこと。 衣服のボタンを掛けるときに一つ間違えるとその後が全てずれるということから。
股に掛ける(またにかける)
各地を歩きまわること。 また、広い地域にわたって活躍すること。
見掛け倒し(みかけだおし)
看板だけが立派で、実情が伴わないこと。 見かけはよくても、内容が乏しいこと。
見掛けばかりの空大名(みかけばかりのからだいみょう)
見かけは豪勢だが、中身は貧弱なことのたとえ。
目を掛ける(めをかける)
ある人を特別にかわいがったり面倒をみたりすること。
刃に掛かる(やいばにかかる)
刃物によって命を奪われること。
山を掛ける(やまをかける)
的中することを期待して物事を行うことのたとえ。 「山」は、鉱山のこと。 鉱山で鉱脈を掘り当てる仕事は大きな賭けであったことから転じて、万一の幸運を当てにすること。 「山を掛ける」ともいう。
羊頭を掛けて狗肉を売る(ようとうをかけてくにくをうる)
外見は立派に見せかけて、実質が伴わないことのたとえ。 羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売ることから。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭狗肉」ともいう。
両天秤を掛ける(りょうてんびんをかける)
二つの対立する事柄や立場に同時に関わり、どちらにも良い顔をしたり、有利な方に付こうとしたりして、不利にならないようにすること。
若木に腰掛けな(わかぎにこしかけな)
若者は頼りにならないことのたとえ。また、将来性のある若者を踏みつけにするなということ。 若い木は折れやすいから腰掛けてはいけないということ。
輪に輪を掛ける(わにわをかける)
程度をさらに甚だしくすることのたとえ。 「[[輪を掛ける*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7116.php]]」は程度を甚だしくすることで、それにさらに大きな輪をかけるということから。
輪を掛ける(わをかける)
程度を甚だしくすること。大袈裟にすること。 語源には大きく二つの説があり、一つ目は弓道の弦(つる)と弓による説。 弦で作った輪を弓にかけて弦を張って矢を遠くまで飛ばすことから、勢いが強くなることを表すとするもの。 二つ目は、樽(たる)や桶(おけ)をとめる箍(たが)による説。 箍をはめると樽や桶がひとまわり大きくなることから、程度が大きくなることを表すとするもの。 「之繞(しんにゅう)を掛ける」ともいう。
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