「礼儀」に関連する故事・ことわざ・慣用句一覧
「礼儀」に関連する故事・ことわざ・慣用句の一覧です。
- 愛は憎悪の始め(あいはぞうおのはじめ)- 愛と憎しみは紙一重であり、一歩間違えると愛情は憎悪に変わることがある。愛情を抱く際には、節度やバランスを保つことが大切だということ。 「愛は憎しみの始めなり」ともいう。 
- 足を向けて寝られない(あしをむけてねられない)- 恩を受けた人に対する尊敬や感謝の気持ちを、強く忘れずにいることのたとえ。 恩人に対して足を向けることは、失礼に当たるということから。 
- 衣食足りて栄辱を知る(いしょくたりてえいじょくをしる)- 人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。 
- 衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)- 人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。 
- 上を見れば方図がない(うえをみればほうずがない)- 上を見ればきりがないから、節度をわきまえよということ。「方図」は際限の意。 
- 遠慮は無沙汰(えんりょはぶさた)- 遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 先方に遠慮して訪問や連絡を控えすぎると、長期間付き合いが途絶えることとなり、かえって礼を欠くことになるとの意から。 「遠慮が無沙汰」ともいう。 
- 逢うた時に笠を脱げ(おうたときにかさをぬげ)- 知り合いに会った時は、まず挨拶をしなさいということ。 礼儀の大切さを説いた教え。 
- 己に克ち、礼に復る(おのれにかち、れいにかえる)- 理性と意思の力で欲望に打ち勝って、人として守るべき礼に従って行動すること。 「克己復礼」ともいう。 
- 折り目正しい(おりめただしい)- 礼儀正しい。行儀作法がきちんとしている。 
- 敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)- たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。 
- 裃を着る(かみしもをきる)- 礼儀正しさが、かえって堅苦しくなること。言動が堅苦しいさま。 「裃」は、江戸時代の武士の正装。 
- 神は非礼を受けず(かみはひれいをうけず)- 礼にはずれたことを願っても、神は聞き届けてはくれないということ。 
- 借りる八合、済す一升(かりるはちごう、なすいっしょう)- 人に物やお金を借りたら、少し多めに返すか、お礼を添えて返すのが常識であるということ。 「済す」は、返済すること。 八合借りたら、一升にして返すべきであるとの意から。 
- 酒戻しはせぬもの(さかもどしはせぬもの)- 酒を勧められたり贈られたりしたら辞退せずに受け取るのが礼儀だということ。また、借りた酒や贈られた酒の返礼はかえって失礼になるということ。 
- 三顧の礼(さんこのれい)- 立場が上の人が礼を尽くして、すぐれた才能を持つ人を招くこと。 または、立場が上の人が立場が下の人に礼を尽くして、仕事を依頼すること。 「三顧」は三回訪問すること。 古代中国の三国時代、蜀の皇帝劉備が諸葛亮を迎え入れるために住居を三回訪問したという故事から。 単に「三顧」ともいう。 
- 三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)- 師につき従う時、弟子は三尺ほど後ろを歩いて、師の影を踏んではいけないということ。 弟子は師を敬い礼儀を失わないように心がけるべきであるという戒めの言葉。 「弟子七尺去って師の影を踏まず」「七尺去って師の影を踏まず(踏むな)」ともいう。 
- 親しき仲に垣をせよ(したしきなかにかきをせよ)- 親しい間柄でも遠慮がなくなると不仲のもとになるので、節度を守れという戒めの言葉。 「思う仲には垣をせよ」「良い仲には垣をせよ」「睦まじき仲に垣をせよ」「近しき仲にも垣を結え」などともいう。 
- 親しき仲にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)- 親しい間柄であっても、遠慮がなくなると関係が悪化する原因になるため、礼儀を大切にする必要があること。 「近しき仲に礼儀あり」ともいう。 
- 知って問うは礼なり(しってとうはれいなり)- たとえ知っていることでも、専門家に意見を聞くのが礼儀だということ。 
- 頭が高い(ずがたかい)- 上の立場の人に無礼な態度をとること。 礼をする時の頭の下げ方が足りないという意味から。 
- 倉廩実ちて礼節を知る(そうりんみちてれいせつをしる)- 経済的に安定して初めて礼儀や節度を重んじるゆとりが生まれるというたとえ。「倉廩」は、穀物類を蓄える倉の意。米ぐらが一杯になって初めて礼節をわきまえる心が生まれるということから。 
- 盗人にも仁義(ぬすびとにもじんぎ)- 盗人の世界にも仁義や礼儀があるということ。 
- 鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)- 子の親に対する礼儀や孝行の大切さをいう言葉。 鳩は親鳥よりも三本下の枝にとまり、烏は恩を忘れずに老いた親鳥の口に餌を運んで孝行するといわれる。 鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人間はなおさら礼儀を尊び親孝行しなければならないということ。 
- 孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)- 子どもの教育には良い環境を選ぶことが大切だという教え。 孟子は幼い頃墓地の近くに住んでいたが、孟子が葬式の真似をして遊ぶので母は市場の近くに居を移した。すると孟子は売買の真似をはじめたので、今度は学校のそばに転居した。すると礼儀作法を真似るようになったので教育に最適な場所として安住したという故事から。 「三遷の教え」「孟母の三遷」「孟母の三居」「孟母三遷」などともいう。 
- 門に入らば笠を脱げ(もんにいらばかさをぬげ)- 礼儀の大切さを教えた言葉。また、礼儀は適切な場所で行えというたとえ。人の家の門内に入ったら笠を脱ぐのが礼儀だということから。 
- 湯の辞儀は水になる(ゆのじぎはみずになる)- 遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 「辞儀」は遠慮のこと。 湯を勧められた時、遠慮してぐずぐずしていると、湯が冷めて水になることから。 
- 礼儀も事による(れいぎもことによる)- 礼儀作法を守ってさえいればいいというものではなく、事と場合によっては、礼儀が二の次になることもあるということ。 
- 礼に始まり、乱に終わる(れいにはじまり、らんにおわる)- 酒宴は始まりこそ礼儀正しくとも、宴の終わるころには礼儀も何もなく乱れるものだということ。 
- 礼は急げ(れいはいそげ)- 出来るだけ早くお礼をしたほうが、感謝の気持ちが相手によく伝わるということ。 
- 礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)- 決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。 
- 礼も過ぎれば無礼になる(れいもすぎればぶれいになる)- 礼儀も度が過ぎれば、かえって失礼になるということ。 
- 礼を失する(れいをしっする)- 礼儀を欠いた態度をとること。 
 
         
    