「せ」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「せ」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 39 件
商いは数でこなせ(あきないはかずでこなせ)
商売のこつは薄利多売だということ。
飛鳥川の淵瀬(あすかがわのふちせ)
世の中は激しく移り変わり、定まりがたいことのたとえ。 奈良県を流れている飛鳥川は、氾濫しやすく淵と瀬が絶えず移り変わるとの意から。 「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」という歌から。
あなた任せ(あなたまかせ)
自分ですべきことを他人に頼って、その人の言った通りにすること。 「あなた」は「阿弥陀如来」のこと。 もとは「阿弥陀如来の力に任せる」との意味であったが、「他人任せにする」「他人の言う通りにする」という否定的な意味でも使われるようになった。
医者よ自らを癒せ(いしゃよみずからをいやせ)
他人に立派なことを言う人は自分も立派でなければならにというたとえ。患者を治療する医者は自分自身も健康に注意せよという意。
厭じゃ厭じゃは女の癖(いやじゃいやじゃはおんなのくせ)
女というものは男にくどかれると、内心はうれしくても、口では嫌だ嫌だと言うものだということ。
浮かぶ瀬(うかぶせ)
苦しい境遇や立場から抜け出す機会。 「瀬」は、川の浅い所。転じて、場所や機会の意。
置かぬ棚をも探せ(おかぬたなをもさがせ)
念には念を入れて探せということ。 絶対に置いたはずのない棚でも念のために探してみるべきとの意から。
己の欲する所を人に施せ(おのれのほっするところをひとにほどこせ)
自分が他人にしてもらいたいことは、人にもしてやりなさいということ。
親子は一世(おやこはいっせ)
親子の関係は現世だけのものであるということ。 「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」と続けても言う。
親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんせ)
親子の関係は現世だけのものであり、夫婦は前世と現世または現世と来世の二世に渡る。主従関係は、前世・現世・来世の三世にまたがるほど深いということ。
傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ(かさとちょうちんはもどらぬつもりでかせ)
傘と提灯は、必要な時以外は忘れがちな物だから、貸す時は返してもらえないつもりで貸せということ。
敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)
たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。
叶わぬ時には親を出せ(かなわぬときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を引き合いに出すことで口実を作れということ。
汚く稼いで清く暮らせ(きたなくかせいできよくくらせ)
稼ぐ時にはがめついくらいに金儲けをして、そのかわり使う時には使ってすがすがしい生活をせよということ。
昨日の淵は今日の瀬(きのうのふちはきょうのせ)
世の中の移り変わりが激しいこと、絶え間なく変化していくことのたとえ。 昨日まで深い淵だった所が、今日は浅い瀬になってしまうことから。
苦しい時には親を出せ(くるしいときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を口実に使うのがいいということ。
芸が身を助けるほどの不仕合わせ(げいがみをたすけるほどのふしあわせ)
落ちぶれて不幸な生活のたとえ。 生活に余裕があったころに趣味や道楽で習い覚えた芸事で、なんとか生計を立てるような不幸な身の上になってしまうとの意から。
子供は教え殺せ、馬は飼い殺せ(こどもはおしえころせ、うまはかいころせ)
子どもは徹底的に教育し、馬の調教も手加減するなということ。 「馬は飼い殺せ、子供は教え殺せ」ともいう。
子は三界の首枷(こはさんがいのくびかせ)
親は子どものことにとらわれて、終生自由を束縛されてしまうということ。「三界」は、過去・現在・未来の三世のこと。「首枷」は、罪人の首にはめて自由を束縛する刑具。子どもは三界にわたって親の自由を拘束する首枷のようなものだということ。
十遍読むより一遍写せ(じっぺんよむよりいっぺんうつせ)
十回読むよりも一回書き写した方が内容をよく理解できるということ。 「十遍読むより一遍写せ」ともいう。
玉の汗(たまのあせ)
玉のように吹き出る大粒の汗。
団子隠そうより跡隠せ(だんごかくそうよりあとかくせ)
事を隠そうとする時、思わぬところから露見するかもしれないから、念には念をいれて注意せよということ。こっそり団子を食べたとき、残りの団子だけ隠しても、串を片付けなければばれてしまうので跡が残らないようにせよということ。
美人局(つつもたせ)
夫婦や愛人などが共謀して、女が他の男と関係し、それを種にその男から金品などをゆすり取ること。もと博打の「筒持たせ」からきたものといわれ「美人局」の字は、中国の書にあるのを当てたもの。
無い物食おうが人の癖(ないものくおうがひとのくせ)
十分にある物は欲しがらず、ないとわかっている物をほしがること。わがままを言うこと。 「無い物食おうが人の癖」ともいう。
無くて七癖、有って四十八癖(なくてななくせ、あってしじゅうはっくせ)
人は誰でも、多少の癖があるということ。 癖がないように見える人でも七つ、癖の多そうな人には四十八もあるとの意から。 単に「無くて七癖」、また「難無くして七癖」ともいう。
猫を追うより鰹節を隠せ(ねこをおうよりかつおぶしをかくせ)
その場のがれより、根本を正すことが大事だというたとえ。皿をねらっている猫を追い払うより、皿を片付けるほうがいいということから。 「猫を追うより魚をのけよ」「猫を追うより鰹節を隠せ」ともいう。
腹が立つなら親を思い出せ(はらがたつならおやをおもいだせ)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
人と入れ物は有り合わせ(ひとといれものはありあわせ)
人と器物は多いほうが便利だが、たとえ少なくてもうまく使えばなんとかなるということ。 「人と入れ物は有り次第」ともいう。
人に七癖、我が身に八癖(ひとにななくせ、わがみにやくせ)
他人の癖は目につきやすが、自分の癖にはなかなか気がつかないから自戒せよということ。
人に一癖(ひとにひとくせ)
どんな人間でも、必ず一つぐらいは癖があるということ。
人の過ち我が幸せ(ひとのあやまちわがしあわせ)
口には出せないが、他人の失敗は、自分には幸せなのだということ。
人のふり見て我がふり直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)
人の行いの善し悪しを見て、自分の行いを反省して改めよということ。「ふり」は、形(なり)振り・振る舞いの意。
夫婦は二世(ふうふはにせ)
夫婦の関係は現世だけでなく、来世まで続く深い関係であるということ。
舟は帆任せ、帆は風任せ(ふねはほまかせ、ほはかぜまかせ)
すべてを成り行きにまかせるしかない状態、また成り行きに任せたほうがうまくいくというたとえ。 帆掛け船は帆任せ、帆は風任せで進むとの意から。
虫の知らせ(むしのしらせ)
なんとなく悪い予感がすること。
むすめふさほせ(むすめふさほせ)
百人一首のかるた取りで、最初の一音を聞いて取れる札は七首。効率よく記憶するために、その七首の最初の文字を取って「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」と並べたもの。
物は言い残せ、菜は食い残せ(ものはいいのこせ、さいはくいのこせ)
言葉と食事は少し控えめな方がよいということ。 言葉は言いすぎてしまうことがあるので思ったことを全部言い尽くさないほうがよく、食事はおかずを少し残すくらいのほうが品がよいとの意から。
両方聞いて下知をなせ(りょうほうきいてげちをなせ)
争い事に判断を下す時は、両方の言い分を公平に聞いてから判断すべきだということ。「下知」は「げじ」とも言い、指図・命令の意。
我が面白の人泣かせ(わがおもしろのひとなかせ)
自分が面白くて楽しんでいることが、人に迷惑をかけていることがあるということ。
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