朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う
ことわざ「朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う」の意味・読み方・異形などを解説します。
朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う
あしたにはふじのもんをたたき、ゆうべにはひばのちりにしたがう
| 言葉 | 朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う |
|---|---|
| 読み方 | あしたにはふじのもんをたたき、ゆうべにはひばのちりにしたがう |
| 意味 | 金持ちや力のある人の家へ朝夕かよって機嫌をうかがい、その後ろについて回ること。出世の手がかりをつかむために、気の進まない付き合いを続けるつらさやみじめさをいう。
唐の詩人杜甫が、都で役人の職を求めていたものの、いつまでも取り立ててもらえなかったころの暮らしを嘆いた詩の句から。朝はお金持ちの家の門をたたき、日が暮れれば、よく太った馬で出かける人の後ろを歩いて、その馬が巻き上げる土ぼこりをかぶるという意味。 「富児」は金持ちのこと。同じ詩には、このすぐ前に「紈袴は餓死せず、儒冠は多く身を誤る」の句がある。身分の高い人にへつらう似た言葉に「塵を望んで拝す」がある。 |
| 例文 | 若いころは役を得たい一心で、朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随うような日々を送ったと、祖父はほろ苦く語った。 |
| 出典 | 杜甫「奉贈韋左丞丈二十二韻」 |
| 異形 | 肥馬の塵に随う(ひばのちりにしたがう) |
| 場面 | こびへつらう |
| 使用漢字 | 朝 / 富 / 児 / 門 / 扣 / 暮 / 肥 / 馬 / 塵 / 随 |
「朝」を含むことわざ
- 秋の夕焼け鎌を研げ、秋の朝照り隣へ行くな(あきのゆうやけかまをとげ、あきのあさでりとなりへいくな)
- 朝雨馬に鞍置け(あさあめうまにくらおけ)
- 朝雨に傘要らず(あさあめにかさいらず)
- 朝雨は女の腕まくり(あさあめはおんなのうでまくり)
- 朝謡は貧乏の相(あさうたいはびんぼうのそう)
- 朝起き三両始末五両(あさおきさんりょうしまつごりょう)
- 朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)
- 朝起きは三文の徳(あさおきはさんもんのとく)
- 朝雷に川渡りすな(あさかみなりにかわわたりすな)
- 朝観音に夕薬師(あさかんのんにゆうやくし)
「富」を含むことわざ
- 一富士、二鷹、三茄子(いちふじ、にたか、さんなすび)
- 陰影に富む(いんえいにとむ)
- 機知に富む(きちにとむ)
- 来て見ればさほどでもなし富士の山(きてみればさほどでもなしふじのやま)
- 健康は富に勝る(けんこうはとみにまさる)
- 春秋に富む(しゅんじゅうにとむ)
- 駿河の富士と一里塚(するがのふじといちりづか)
- 足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ)
- 弾力に富む(だんりょくにとむ)
- 長者富に飽かず(ちょうじゃとみにあかず)
「児」を含むことわざ
- 麒麟児(きりんじ)
- 死児の齢を数える(しじのよわいをかぞえる)
- 児戯に等しい(じぎにひとしい)
- 児孫自ずから児孫の計あり(じそんおのずからじそんのけいあり)
- 児孫のために美田を買わず(じそんのためにびでんをかわず)
- 豚児(とんじ)
「門」を含むことわざ
- 商いは門門(あきないはかどかど)
- 朝酒は門田を売っても飲め(あさざけはかどたをうってものめ)
- 倚門の望(いもんのぼう)
- お門違い(おかどちがい)
- 門松は冥土の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
- 吉事門を出でず(きちじもんをいでず)
- 鬼門(きもん)
- 口は禍の門(くちはわざわいのもん)
- 葷酒、山門に入るを許さず(くんしゅ、さんもんにいるをゆるさず)
- 軍門に降る(ぐんもんにくだる)
「扣」を含むことわざ
- 朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う(あしたにはふじのもんをたたき、ゆうべにはひばのちりにしたがう)
「暮」を含むことわざ
- 明けた日は暮れる(あけたひはくれる)
- 明けても暮れても(あけてもくれても)
- 言うだけ野暮(いうだけやぼ)
- 汚く稼いで清く暮らせ(きたなくかせいできよくくらせ)
- 暮れぬ先の提灯(くれぬさきのちょうちん)
- 心に笠着て暮らせ(こころにかさきてくらせ)
- 三人子持ちは笑うて暮らす(さんにんこもちはわろうてくらす)
- 思案に暮れる(しあんにくれる)
- 千軒あれば共暮らし(せんげんあればともぐらし)
- 途方に暮れる(とほうにくれる)
「肥」を含むことわざ
- 口が肥える(くちがこえる)
- 座禅組むより肥やし汲め(ざぜんくむよりこやしくめ)
- 仕事幽霊飯弁慶、その癖夏痩せ寒細り、たまたま肥ゆれば腫れ病(しごとゆうれいめしべんけい、そのくせなつやせかんぼそり、たまたまこゆればはれやまい)
- 私腹を肥やす(しふくをこやす)
- 天高く馬肥ゆ(てんたかくうまこゆ)
- 猫が肥えれば鰹節が痩せる(ねこがこえればかつおぶしがやせる)
- 二十過ぎての意見と彼岸過ぎての肥はきかぬ(はたちすぎてのいけんとひがんすぎてのこえはきかぬ)
- 彼岸過ぎての麦の肥、三十過ぎての男に意見(ひがんすぎてのむぎのこえ、さんじゅうすぎてのおとこにいけん)
- 人肥えたるが故に貴からず(ひとこえたるがゆえにたっとからず)
- 懐を肥やす(ふところをこやす)
「馬」を含むことわざ
- 敢えて後れたるに非ず、馬進まざるなり(あえておくれたるにあらず、うますすまざるなり)
- 朝雨馬に鞍置け(あさあめうまにくらおけ)
- 鞍上人なく、鞍下馬なし(あんじょうひとなく、あんかうまなし)
- 生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく)
- 一番風呂は馬鹿が入る(いちばんぶろはばかがはいる)
- 一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う(いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまもくるう)
- 牛は牛連れ、馬は馬連れ(うしはうしづれ、うまはうまづれ)
- 牛も千里馬も千里(うしもせんりうまもせんり)
- 牛を馬に乗り換える(うしをうまにのりかえる)
- 内で掃除せぬ馬は外で毛を振る(うちでそうじせぬうまはそとでけをふる)
「塵」を含むことわざ
- 歩く足には塵が付く(あるくあしにはちりがつく)
- お髭の塵を払う(おひげのちりをはらう)
- 風の前の塵(かぜのまえのちり)
- 金と塵は積もるほど汚い(かねとちりはつもるほどきたない)
- 孔丘盗跖、倶に塵埃(こうきゅうとうせき、ともにじんあい)
- 後塵を拝する(こうじんをはいする)
- 塵溜めに鶴(ごみためにつる)
- 書を校するは塵を掃うが如し(しょをこうするはちりをはらうがごとし)
- 水晶は塵を受けず(すいしょうはちりをうけず)
- 大海は塵を択ばず(たいかいはちりをえらばず)
