重宝を懐く者は夜行せず
ことわざ「重宝を懐く者は夜行せず」の意味・読み方・異形などを解説します。
重宝を懐く者は夜行せず
じゅうほうをいだくものはやこうせず
| 言葉 | 重宝を懐く者は夜行せず |
|---|---|
| 読み方 | じゅうほうをいだくものはやこうせず |
| 意味 | 大きな役目や志を背負っている人は、自分の身をいたわり、うかつで危ない振る舞いは避けるのがよい。そう教えるたとえ。値打ちの高い宝を持ち歩く人は、盗人などにねらわれやすい夜ふけの道をあえて行こうとしない。その用心深さになぞらえた句。
「重宝」は「じゅうほう」と読み、大切な宝物のこと。「懐く(いだく)」は胸に抱えて持つこと、「夜行(やこう)」は夜に出歩くこと。「重宝を抱く者は以て夜行せず」のように、「抱く」と書き、「以て(もって)」を入れた形でも言う。 この句は中国の『戦国策』に見え、秦の王に説いて聞かせた言葉に含まれる。その直後に、大きな手柄を求められる者は敵を見くびらない、という一言が続き、重い務めを負う人ほど行いをつつしむように、という趣旨で語られる。この句を縮めた四字熟語に懐宝夜行がある。ただしこちらは、危ない行いをすること自体を言い表す。身を大切にして危ない所を避ける心がけは、千金の子は坐して堂に垂せずにも通じる。 |
| 例文 | 国の代表に選ばれたのだから、重宝を懐く者は夜行せずと思って、大会が終わるまでは危ない遊びを控えよう。 |
| 出典 | 『戦国策』 |
| 異形 | 重宝を抱く者は以て夜行せず(じゅうほうをいだくものはもってやこうせず) |
| 場面 | 危険 / 慎重 |
| 使用語彙 | 夜行 |
| 使用漢字 | 重 / 宝 / 懐 / 者 / 夜 / 行 / 抱 / 以 |
「重」を含むことわざ
- 足が重い(あしがおもい)
- 足を重ねて立ち、目を側てて視る(あしをかさねてたち、めをそばだててみる)
- 衣、帛を重ねず(い、はくをかさねず)
- 浮世の苦楽は壁一重(うきよのくらくはかべひとえ)
- おじを見ると荷が重い(おじをみるとにがおもい)
- 重い腰を上げる(おもいこしをあげる)
- 重きを置く(おもきをおく)
- 重きを成す(おもきをなす)
- 重荷に小づけ(おもににこづけ)
- 重荷を下ろす(おもにをおろす)
「宝」を含むことわざ
- 行き成り三宝(いきなりさんぼう)
- 命に過ぎたる宝なし(いのちにすぎたるたからなし)
- 命は宝の宝(いのちはたからのたから)
- 命は法の宝(いのちはほうのたから)
- 陰徳は末代の宝(いんとくはまつだいのたから)
- 堪忍は一生の宝(かんにんはいっしょうのたから)
- 器用貧乏人宝(きようびんぼうひとだから)
- 口は重宝(くちはちょうほう)
- 子三人、子宝(こさんにん、こだから)
- 子宝、脛が細る(こだから、すねがほそる)
「懐」を含むことわざ
- 内懐を見透かす(うちぶところをみすかす)
- 褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
- 雅懐(がかい)
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さず(きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず)
- 小人罪なし璧を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり)
- 述懐奉公身を持たず(じゅっかいぼうこうみをもたず)
- 懐が暖かい(ふところがあたたかい)
- 懐が痛む(ふところがいたむ)
- 懐が寒い(ふところがさむい)
- 懐が深い(ふところがふかい)
「者」を含むことわざ
- 愛出ずる者は愛返り、福往く者は福来る(あいいずるものはあいかえり、ふくゆくものはふくきたる)
- 青表紙を叩いた者にはかなわぬ(あおびょうしをたたいたものにはかなわぬ)
- 赤子のうちは七国七里の者に似る(あかごのうちはななくにななさとのものににる)
- 垢で死んだ者はない(あかでしんだものはない)
- 悪衣悪食を恥ずる者は、未だ与に議するに足らず(あくいあくしょくをはずるものは、いまだともにぎするにたらず)
- 悪女の賢者ぶり(あくじょのけんじゃぶり)
- 当たった者のふの悪さ(あたったもののふのわるさ)
- 新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
- 言う者罪無くして聞く者戒しむるに足る(いうものつみなくしてきくものいましむるにたる)
- 医者が取るか坊主が取るか(いしゃがとるかぼうずがとるか)
「夜」を含むことわざ
- 明るけりゃ月夜だと思う(あかるけりゃつきよだとおもう)
- 明けない夜はない(あけないよるはない)
- 朝起き千両、夜起き百両(あさおきせんりょう、よおきひゃくりょう)
- 朝寝好きの夜田打ち(あさねずきのよたうち)
- 朝の来ない夜はない(あさのこないよるはない)
- 雨夜の月(あまよのつき)
- 雨の夜にも星(あめのよにもほし)
- 暗夜に灯火を失う(あんやにともしびをうしなう)
- 暗夜の礫(あんやのつぶて)
- 一寸先は闇の夜(いっすんさきはやみのよる)
「行」を含むことわざ
- 秋の夕焼け鎌を研げ、秋の朝照り隣へ行くな(あきのゆうやけかまをとげ、あきのあさでりとなりへいくな)
- 悪事千里を行く(あくじせんりをいく)
- 畦から行くも田から行くも同じ(あぜからいくもたからいくもおなじ)
- 後へも先へも行かぬ(あとへもさきへもいかぬ)
- 好い線を行く(いいせんをいく)
- 言うと行うとは別問題である(いうとおこなうとはべつもんだいである)
- 言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)
- 行き当たりばったり(いきあたりばったり)
- 行き掛けの駄賃(いきがけのだちん)
- 行き成り三宝(いきなりさんぼう)
「抱」を含むことわざ
- 頭を抱える(あたまをかかえる)
- 石を抱きて淵に入る(いしをいだきてふちにいる)
- 痛いのは辛抱しても痒いのは辛抱できぬ(いたいのはしんぼうしてもかゆいのはしんぼうできぬ)
- 豕を抱いて臭きを知らず(いのこをだいてくさきをしらず)
- 茨の中にも三年の辛抱(いばらのなかにもさんねんのしんぼう)
- 生んだ子より抱いた子(うんだこよりだいたこ)
- 負うた子より抱いた子(おうたこよりだいたこ)
- 負ぶえば抱かりょう(おぶえばだかりょう)
- おんぶに抱っこ(おんぶにだっこ)
- 杞梓連抱にして数尺の朽有るも良工は棄てず(きしれんぽうにしてすうせきのくちあるもりょうこうはすてず)
