「慎重」に関連する故事・ことわざ・慣用句 — 105 件
「慎重」に関連する故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。全105件を五十音順に掲載しています。
ことわざ一覧(五十音順)
敢えて主とならず客となる(あえてしゅとならずきゃくとなる)
自分が中心にならずに受身でいるほうが無難だということ。
青菜は男に見せな(あおなはおとこにみせな)
青菜は、茹でたり炒めたりすると量が大幅に減るが、料理を知らない男性にとっては、その変化が理解しにくい。 調理後の量を見て「あんなにたくさんあったのに、どこへ行ったのだ」と不審に思われることがある。 転じて、無用な誤解や疑惑を避けるために、疑われる可能性のある行動は最初から控えるべきだということ。
浅い川も深く渡れ(あさいかわもふかくわたれ)
物事を行う時は、注意を怠らず決して油断してはいけないということ。 浅い川を渡る時も、深い川を渡る時と同じように注意して渡るべきという戒め。 「浅き川も深く渡れ」ともいう。
海驢の番(あしかのばん)
交代で寝て、不寝番を置くことのたとえ。海驢は用心深く、陸に上がって寝る時も必ず見張り役を置くことから。
足が地に着く(あしがちにつく)
考え方や行動が現実をしっかり捉えており、落ち着いていて危なげがない。 「着く」は「付く」とも書く。
当たらぬ蜂には刺されぬ(あたらぬはちにはさされぬ)
自分から関わらなければ、災いや危険に巻き込まれることはないというたとえ。蜂の巣を突くなどして自ら危険に近づかない限り、刺されることはないことから。
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえ。 「羹」は熱い吸い物のこと。 熱い吸い物を飲んでやけどをしたことに懲りて、冷たい膾まで吹いて冷ますことから。
危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち)
危ないことには、はじめから近寄るなという教え。 危険なことはもう怪我の圏内に入るとの意から。
雨垂れは三途の川(あまだれはさんずのかわ)
家から一歩出れば、どんな災難や危険が待ちかまえているかわからないということ。 軒下から落ちる雨だれを、あの世とこの世の堺である三途の川に見立てて、家から一歩出たら十分に注意せよとの戒めのことば。
新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
潔白な人ほど自分の身を汚すおそれのあるものを避けるということ。 「沐」は髪を洗うこと。 髪を洗ったばかりの人は、必ず冠のちりを払ってから頭にのせるとの意から。
蟻の這い出る隙もない(ありのはいでるすきもない)
蟻が這い出て逃げ出す隙間もないほど警戒が厳しいようす。
慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)
何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。
慌てる乞食は貰いが少ない(あわてるこじきはもらいがすくない)
急ぎ過ぎると、かえって失敗したり損をすることのたとえ。 先を争って施し物を貰おうとすると反感を買ってしまい、貰える物が少なくなってしまうとの意から。
言いたいことは明日言え(いいたいことはあすいえ)
言いたいと思ったことは、その場で口にせず一日おく。翌日になってもなお言うべきだと思えるなら、それは言ってよい言葉である。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。 丈夫な石橋ですら安全を確かめてから渡るとの意から。
急がば回れ(いそがばまわれ)
急を要することは時間や手間がかかっても安全確実にやる方が得策だということ。急ぐ時に危険な近道を通るより遠回りでも安全な道を行く方が結局早く着く意から。
急ぎの文は静かに書け(いそぎのふみはしずかにかけ)
急ぎの手紙ほど大事な用件が多く、あせって早く書こうとすると間違うことが多いので、落ち着いてゆっくり書いたほうがいいということ。
急ぐな休むな(いそぐなやすむな)
早く仕事の成果をあげようと焦ると、落ち度があったり疲れすぎたりするし、休んでばかりでは仕事がはかどらない。大きな仕事を成し遂げるためには、あわてずに、また休み過ぎずにするのがよいということ。
一応も二応も(いちおうもにおうも)
一度だけでなく二度も。繰り返し念入りに。
一考を要する(いっこうをようする)
慎重に考えてみる必要がある。
命あっての物種(いのちあってのものだね)
何事も命があるからこそできる。だから命に関わるような危険なことはなるべく避けたほうがいいということ。 「物種」は物の根源の意。
旨い事は二度考えよ(うまいことはにどかんがえよ)
うまい話には裏があったり危険が伴うことがあるので、すぐに飛びつかずにじっくり考えるのがよいという戒めの言葉。
馬に乗るとも口車に乗るな(うまにのるともくちぐるまにのるな)
馬の背に乗るのはよいが、人の調子のよい売り込みには乗るな。耳当たりのよい誘いこそ、一度身を引いて確かめよという教え。 「馬に乗るとも」は語呂を整えるための言い添え。
裏を取る(うらをとる)
裏付けとなるものを捜し出すこと。真偽を確認すること。
襟を正す(えりをただす)
気持ちを引き締めて真剣に物事に対処すること。 服装の乱れを直し整えるとの意から。
大摑みより小摑み(おおづかみよりこづかみ)
ひとつかみで大きく取ろうとせず、小さく確かに取り続けるほうがよいということ。 一度に多くを望めば手からこぼれるが、少量ずつなら取りこぼしがない。商いや蓄えの心得としていう。
大取りより小取り(おおどりよりこどり)
一度に大儲けしようとするより、少しずつ確実に儲けていくほうが堅実だということ。
置かぬ棚をも探せ(おかぬたなをもさがせ)
念には念を入れて探せということ。 絶対に置いたはずのない棚でも念のために探してみるべきとの意から。
煽てと畚には乗りたくない(おだてともっこにはのりたくない)
おだてには乗りたくない、ということを強調した言葉。「畚」は、棒で担いで土や石を運ぶ道具。江戸時代、畚は死刑囚を運ぶのにも使われたことから、他人の煽てにも畚にも乗りたくないといったもの。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
人は、こちらの言い分よりも見えた形のほうを覚えている。だから紛らわしい場所には初めから立たず、あとで申し開きをせずに済むようにしておく。
川越して宿とれ(かわこしてやどとれ)
先のことを考えて事前に対策を講じておくべきだということ。また、困難なことは後回しにせずに片付けておくべきだということ。 昔は大きな川には橋がなく、大雨が降ると渡れずに何日も足止めされることもあったので、宿を取るのは川を越してからにしろといわれていたことから。
華を去り実に就く(かをさりじつにつく)
見かけを華やかに飾ることよりも、手堅く確実な態度を選ぶこと。
堪忍五両、思案十両(かんにんごりょう、しあんじゅうりょう)
こらえることに五両、思案をめぐらすことに十両。腹立ちを抑えるだけでも上出来だが、その先まで見通して動けるなら値打ちはその倍になる。 金高に置き換えて、我慢どまりにせず知恵を働かせよと説いたもの。
危邦に入らず乱邦に居らず(きほうにいらずらんぽうにおらず)
乱れた国に身を寄せてはならず、危うくなった国からは早々に退く。 世情の荒れた土地と関わりを断つのが、身を全うするいちばんの道だという説き方。
切る手遅かれ(きるておそかれ)
事を決行したり、決断を下したりする前によく熟慮せよということ。
気を付ける(きをつける)
注意すること。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
釘の裏を返す(くぎのうらをかえす)
念には念を入れて間違いのないようにすることのたとえ。打った釘の裏の先を曲げてたたくと釘が抜けにくくなることから。
轡の音にも目を覚ます(くつわのおとにもめをさます)
ちょっとしたことにも敏感に反応することのたとえ。「轡」は馬の口につける金具で、その轡が鳴る小さな音でも武士は目を覚ましたということから。
君子、危うきに近寄らず(くんし、あやうきにちかよらず)
徳のある人は自分を大事にするので、危険なことには決して近づかないということ。
賢人は危うきを見ず(けんじんはあやうきをみず)
分別のある人は、はじめから危ない場所に足を踏み入れないので、災難に巻き込まれずにすむということ。
後悔、先に立たず(こうかい、さきにたたず)
事が済んでしまったあとで後悔しても取り返しがつかない。だから、物事を行う前に十分考えることが大切だということ。
転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)
失敗しないように、前もって準備しておくことのたとえ。 転ぶ前に、あらかじめ杖を用意しておくべきとの意から。
災難の先触れはない(さいなんのさきぶれはない)
人はいつ災難に遭うかわからないから、日頃の用心が大切であるということ。
財布の紐が堅い(さいふのひもがかたい)
必要なものかどうかをしっかりと確認して、金銭を無駄に使わないこと。
触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)
何事も関係をもたなければ、災いを招くことはないということ。 神様と関わりをもたなければ、神様の祟りを受けることはないとの意から。
三遍回って煙草にしょ(さんべんまわってたばこにしょ)
休むことは後回しにして、念入りに物事に取り組むこと。 「煙草」は休憩のたとえ。 夜回りをしっかりと三回してから休憩するとの意から。
座を見て皿をねぶれ(ざをみてさらをねぶれ)
その場の様子をみきわめてから、自分の出方を決めるのが利口だということ。 「ねぶる」は舐める意。 場所柄をよく考えて、ごちそうの皿を舐めるかどうか判断せよとの意から。
思案の案の字が百貫する(しあんのあんのじがひゃっかんする)
事に当たる前にひと思案しておくだけで、それが百貫の重みになる。とにかくよく考えてから動け、ということ。 「貫」は昔の銭の単位で、一文銭千枚が一貫。「思案」の二字のうち「案」の一字だけで、その百倍が付くと踏んだわけである。
傷弓の鳥(しょうきゅうのとり)
かつて負った痛手が忘れられず、それに似た気配にふれただけで身をすくめてしまう人。矢を受けた鳥は、弦のうなりを聞いただけで落ちるという話による。
深淵に臨むが如し(しんえんにのぞむがごとし)
足元がすぐ切れ落ちている場所に、そのまま身を置いている。 また、底の知れない所を前にしたときと同じく、一挙一動を確かめながら事に当たること。
深淵に臨んで薄氷を履むが如し(しんえんにのぞんではくひょうをふむがごとし)
片や底の見えない淵、片や割れかけた氷。 どちらへ動いても後戻りのきかない場所に立たされた心持ちをいう。 目に見える危うさは誰でも避けるのに、政の危うさのほうは見落とすと戒める文脈で使われた句。
角水を突く(すみずをつく)
細かく調べること。 または、些細なことを取り上げて責め立てること。 「角水」は大工道具の一つで、水平の度合いを測る道具。 角水を用いて正確に測るとの意から。
寸を進まずして尺を退く(すんをすすまずしてしゃくをしりぞく)
自分から仕掛けて事を荒立てるくらいなら、身を引いて間合いを取るほうを選ぶ。 攻め手に回らず受けに回れという、兵法の言い習わしに基づく。
急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)
先を焦って手を早めるほどしくじりを招き、かえって時をよけいに食うということ。 ひと息ついてから取りかかるほうが、結局は早く着く。
急く事はゆるりとせよ(せくことはゆるりとせよ)
急がなければならない事は、ゆっくり落ち着いてするほうが、焦って失敗することもなく結果としては早いということ。
瀬を踏んで淵を知る(せをふんでふちをしる)
前もって試して、どんな危険があるかを察知することのたとえ。まず浅瀬を渡ってみて、深い淵の位置を知るということから。
千金の子は坐して堂に垂せず(せんきんのこはざしてどうにすいせず)
重い立場にある者ほど、向こう見ずな真似を控えるものだ。万一のとき損なわれるものが大きいからである。 「垂堂」は瓦の落ちかかる堂の軒端。漢の袁盎は、坂道を車で駆け下りようとした文帝をこの句で押しとどめた。
千緒万端、遺漏あることなし(せんしょばんたん、いろうあることなし)
あらゆる点で、まったく手落ちがない様子。「千緒万端」は多くの事柄、「遺漏」は手落ち。
膳部揃うて箸を取れ(ぜんぶそろうてはしをとれ)
膳の上が出そろうまで箸に手を出すな、というのがもとの意。転じて、支度がすっかり調ってから動き出せ、ということ。 「膳部」は一人前としてそろえる料理のひとそろいで、同じ音の「全部」を掛けたしゃれ。
箍を締める(たがをしめる)
緩んだ気持ちや規律を引き締める。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。
盾の両面を見よ(たてのりょうめんをみよ)
物事は、表と裏の両面を観察してから正しく判断せよということ。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)
いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、こころはしょうならんことをほっす)
度胸は大きく持ちたいし、注意は細やかでありたいということ。 「胆大心小」ともいう。
大事の前の小事(だいじのまえのしょうじ)
大きな事を行う時には、小さな事にも油断してはいけないということ。また、大きな目的を遂げるためには、小さな犠牲はやむを得ないということ。
大事を取る(だいじをとる)
軽々しく行動せず、用心して物事を行うこと。用心する。自重する。
駄目押し(だめおし)
もとは、囲碁用語の一つ。囲碁で、どちらの陣地にもならない領域を「駄目」という。 陣地にならない(勝敗に関係ない)駄目に石を置いて自分の地(陣地)を再確認することを駄目押しという。 転じて、間違いないとわかっていることを、念のためにもう一度確認することをいう。 サッカーや野球の試合などでは、勝負がほとんど決まっている時の追加点などをいう。 大相撲では、勝負が決まった後に、さらに相手を押したり倒したりすることをいう。
駄目を押す(だめをおす)
間違いないとわかっていることを、念のためにもう一度確認すること。 囲碁で、どちらの陣地にもならない領域を「駄目」という。 陣地にならない(勝敗に関係ない)駄目に石を置いて自分の地(陣地)を再確認することから。 「駄目押しをする」ともいう。
団子隠そうより跡隠せ(だんごかくそうよりあとかくせ)
事を隠そうとする時、思わぬところから露見するかもしれないから、念には念をいれて注意せよということ。こっそり団子を食べたとき、残りの団子だけ隠しても、串を片付けなければばれてしまうので跡が残らないようにせよということ。
近道は遠道(ちかみちはとおみち)
近道は危険だったり悪路だったりして結局時間がかかることがある。物事も一見回り道のように見えても安全で確実な道を選ぶほうがいいということ。
遠道は近道(とおみちはちかみち)
危険な近道を行くより、一見遠回りのようでも安全で確実な道を行くほうが早く着く。物事も焦らずじっくり行うほうが早く目的を遂げられるというたとえ。
跳ぶ前に見よ(とぶまえにみよ)
行動を起こす前に、よく考えてしっかり準備せよということ。
取るより庇え(とるよりかばえ)
より多くの利益を求めずに、今あるものを失わないように守れということ。
長追いは無益(ながおいはむえき)
勝ちに乗じて深追いすると、思わぬ反撃を受け不利な立場に陥ることもあるので、ほどほどにするのが賢明ということ。 「長追いは無用」ともいう。
七度尋ねて人を疑え(ななたびたずねてひとをうたがえ)
見当たらないと思ったら、まず自分の手落ちのほうを探す。 人に目を向けるのは、隅から隅まで当たり尽くしてからでよい。
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ(なぬかとおるうるしもてにとらねばかぶれぬ)
物事に直接かかわらなければ、害を受けることはないというたとえ。 漆の木のそばを何度通っても、手で触れなければかぶれることはないことから。
盗人の隙はあれど守り手の隙はなし(ぬすびとのひまはあれどまもりてのひまはなし)
盗難を防ぐのは難しいということ。 盗人はよい機会を狙って盗みに入るので暇もあるが、番をする方は盗人がいつ来るかわからないので休む暇がないことから。
濡れ紙を剝がすよう(ぬれがみをはがすよう)
濡れた紙を剥がすように、物事を静かに取り扱うようす。また、病気が日に日に快方に向かうようすのたとえ。
濡れぬ先こそ露をも厭え(ぬれぬさきこそつゆをもいとえ)
一度過ちを犯すと、その後はもっと大きな過ちも平然と犯すようになるというたとえ。 濡れる前は露(つゆ)に濡れることさえ嫌がるが、いったん濡れてしまうといくら濡れても平気になるとの意から。 男女間の過ちについていうことが多い言葉。
濡れぬ先の傘(ぬれぬさきのかさ)
兆しの見えないうちに支度を済ませておくこと。 必要になってから動きはじめたのでは、たいがい後手に回る。 「降らぬ先の傘」ともいう。
念が入る(ねんがいる)
十分に注意や心配りが行き届いていること。物事に対して細部まで心を配り、丁寧に取り扱うさま。
念には念を入れよ(ねんにはねんをいれよ)
注意した上にも、さらに十分に注意を払えということ。用心に用心を重ねよという意味。
念を入れる(ねんをいれる)
物事を行うときに、誤りや手落ちがないよう十分に注意を払うこと。
念を押す(ねんをおす)
間違いがないように、何度も確認したり注意したりすること。
薄氷を履むが如し(はくひょうをふむがごとし)
足を乗せた先がいつ抜けても不思議のない場所へ、そろそろと踏み出していく。 息を詰めて一歩ずつ運ばねばならない、張り詰めた場面をいう。
走れば躓く(はしればつまずく)
物事は急ぐと失敗しやすいので、落ち着いてじっくり取り組めということ。 焦って走ると、躓(つまず)いて転んでしまうとの意から。
始めが大事(はじめがだいじ)
入り口でどう構えたかは、その先の運びの隅々まで尾を引く。 腰を据えて臨むべきはひと手目だ、という言い分。
始め半分(はじめはんぶん)
何事も最初が肝心で、始めがうまくいけば事の半分は終わったようなものだから、慎重に始めよという戒め。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
頭に血が上っている最中の言葉は、たいてい後で悔やむ形をしている。一晩おけば熱は引き、同じ用件でも言い回しが変わる。
腫れ物に触るよう(はれものにさわるよう)
相手の機嫌を損ねないように慎重に接する様子。
人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)
他人は信用できないので、泥棒と疑ってかかるくらい用心したほうがよいということ。
火を見たら火事と思え(ひをみたらかじとおもえ)
わずかな煙でも、すでに燃えているものと構えよ。兆しの段階で手を打っておく心づもりを説いた言葉。
微に入り細を穿つ(びにいりさいをうがつ)
非常に細かいところまで気を配る様子。
舟に懲りて輿を忌む(ふねにこりてこしをいむ)
一度ひどい目に遭うと、少しでも似た形のものまで避けて通るようになるということ。 船に酔った者が、同じく揺れるからといって輿にまで乗りたがらなくなる意から。 輿は、二本の長柄を肩に担いで人を運ぶ、車の付かない乗り物。
分別の上の分別(ふんべつのうえのふんべつ)
思慮の上に思慮を重ねるのがよいということ。「分別」は思慮の意。
蛇に嚙まれて朽ち縄に怖じる(へびにかまれてくちなわにおじる)
痛い目を見た記憶が先に立ち、形が似ているだけの相手にも身構える。見当違いのものにまで警戒が向く。 「嚙」は「噛」とも書く。
参らぬ仏に罰は当たらぬ(まいらぬほとけにばちはあたらぬ)
何事にも関わらなければ、災いを受けることもないということ。 参ってもいない仏の罰が当たるはずがないとの意から。
前急ぎは後急ぎ(まえいそぎはあといそぎ)
先へと急ぎすぎると失敗が多いということ。
眉に唾をつける(まゆにつばをつける)
騙されないように用心するたとえ。狐や狸に化かされないためには眉に唾を付けるのがよいという俗説から。 また、「眉に唾を塗る」「眉に唾する」ともいう。
水も漏らさぬ(みずももらさぬ)
警戒が厳重で、まったく隙がないようす。
焼き鳥に攣(やきとりにへお)
用心の上に用心を重ねること。 「攣(へお)」は、鷹狩りのとき、タカの足に結びつけておく紐。 逃げるはずのない焼き鳥に足ひもをつけて逃げられないようにするとの意から。
火傷、火に怖じる(やけど、ひにおじる)
ひとたび火傷を負った者は、火を目にしただけで身がすくむ。 痛い目に遭わせたものそれ自体が恐ろしくなり、はたから見れば行き過ぎに映るほど身構えてしまうということ。
ゆっくり急げ(ゆっくりいそげ)
急ぐ時こそ、慎重に行動すべきだということ。
用心に網を張る(ようじんにあみをはる)
用心のうえに用心をすること。「用心に縄を張る」ともいう。
用心は臆病にせよ(ようじんはおくびょうにせよ)
用心はし過ぎるということはない。臆病なくらいに用心せよということ。
