「こ」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「こ」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 294 件
心を入れ替える(こころをいれかえる)
今までの悪い態度や考えを改めること。
心を動かす(こころをうごかす)
興味関心を誘われて、その気になること。 または、感動して心を打たれること。 また、動揺して心が乱れること。
心を打つ(こころをうつ)
見聞きした人に強い影響や感銘をあたえること。
心を移す(こころをうつす)
これまでとは別の対象に気持ちや愛情、関心などを向けること。
心を躍らせる(こころをおどらせる)
期待や喜び、楽しさなどで胸がわくわくすること。
心を鬼にする(こころをおににする)
相手のためにわざと厳しい態度をとること。
心を傾ける(こころをかたむける)
一つのことに集中すること。
心を砕く(こころをくだく)
あれこれと考えたり気を遣ったりして、非常に苦心することのたとえ。
心を配る(こころをくばる)
細かいところまで配慮したり、注意を払ったりすること。
心を汲む(こころをくむ)
相手の思っていることを推察すること。
心を引かれる(こころをひかれる)
あることに関心をもち、思いを寄せること。
心を乱す(こころをみだす)
あれこれと思い悩み、心の平静が失われること。
心を許す(こころをゆるす)
相手を信頼して、警戒心や緊張をなくすこと。
心を寄せる(こころをよせる)
ある人に好意をよせること。慕わしく思うこと。
小言八百愚痴千粒(こごとはっぴゃくぐちせんつぶ)
ささいな小言や愚痴など、言っても仕方がないことを延々と言う人のことを評した言葉。
子三人、子宝(こさんにん、こだから)
子どもは三人ぐらいが理想的で、子宝というのにふさわしいということ。
腰が重い(こしがおもい)
面倒に思って行動に移せないこと。または、動作が鈍いこと。 「腰が重い」ともいう。
腰が砕ける(こしがくだける)
物事をやり遂げようとする気力が途中でなくなること。 また、腰の力が抜けて体が安定しないこと。
腰が据わる(こしがすわる)
その場所に留まって落ち着いて物事を行うこと。 また、安定した職業や地位についていること。 しっかりと腰が安定しているとの意から。
腰が強い(こしがつよい)
簡単に人に屈したりせず、気が強いことのたとえ。 また、うどんや餅などの粘り気が強いことのたとえ。
腰が抜ける(こしがぬける)
驚きや恐怖で、腰の力がぬけて立ち上がれなくなること。 また、気力が抜けて茫然(ぼうぜん)とすること。
腰が低い(こしがひくい)
他人に対する態度が控えめで丁寧であることのたとえ。
腰が弱い(こしがよわい)
気が弱く、すぐ人に屈してしまうことのたとえ。 また、うどんや餅などの粘り気が弱いことのたとえ。
孤掌鳴らし難し(こしょうならしがたし)
人間は一人きりでは生きられないこと、一人では物事を成し遂げることはできないことのたとえ。 「孤掌」は、片方の手のひら。 片方の手のひらだけでは、手を打ち鳴らすことは出来ないことから。
胡椒の丸呑み(こしょうのまるのみ)
表面だけを見て、物事の本質を理解しないことのたとえ。 胡椒をかみ砕かずに丸呑みしても、味は分からないことから。
腰を上げる(こしをあげる)
立ち上がること。または、行動を起こすこと。
腰を浮かす(こしをうかす)
立ちあがろうとして、少し腰をあげること。
腰を落ち着ける(こしをおちつける)
転職や転居などをくり返していた人が一つの所に長く留まること。 また、ものごとにじっくりと取り組むこと。
腰を折る(こしをおる)
腰をまげたり屈めたりすること。 また、物事の途中で邪魔を入れること。
腰を据える(こしをすえる)
一つの場所に落ち着くこと。 また、落ち着いて物事を行うこと。
腰を抜かす(こしをぬかす)
動けなくなるほど、ひどく驚くさま。
乞食にも門出(こじきにもかどで)
どのような者であっても門出の時には幸運を祈ってお祝いをするということ。また、何事にもそれ相応の儀式や方法があるということ。 乞食でも門出の時にはお祝いをするとの意から。
乞食にも三つの理屈(こじきにもみっつのりくつ)
どんな人でも、その人なりの言い分や理屈があるということ。
乞食の朝謡(こじきのあさうたい)
乞食は暇なので朝からのんびり謡をうたい、普通の人より気楽な生活をしているということ。
乞食の系図話(こじきのけいずばなし)
言ってもどうにもならない愚痴をこぼしたり、見栄を張ったりすること。 「系図」は、代々の家系の系統を書き表したもの。 乞食が落ちぶれる前の系図の自慢話をするとの意から。
乞食の子も三年経てば三つになる(こじきのこもさんねんたてばみっつになる)
生まれた子も三年経てばちゃんと三歳になるように、どんな物事も時が経てば変化し成長するということ。 「乞食の子も三年経てば三つになる」ともいう。
乞食の断食(こじきのだんじき)
やむを得ずしていることを、自ら行ったようにみせかけることのたとえ。 食べ物がない乞食が、断食をしていると言って平気を装うとの意から。
乞食も場所(こじきもばしょ)
何事をするにも、場所を選ぶことが大事だというたとえ。 乞食も座る場所によって稼ぎが違うとの意から。
乞食を三日すればやめられぬ(こじきをみっかすればやめられぬ)
悪い習慣が身についてしまうと、なかなか抜けられないというたとえ。 気楽な乞食の暮らしを三日も経験したならばやめることはできないとの意から。 「乞食を三日すれば忘れられぬ」ともいう。
小姑一人は鬼千匹にむかう(こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう)
嫁にとって、小姑一人は鬼千匹にも匹敵するほどやっかいで、扱いにくい存在であるということ。「むかう」は、匹敵するという意。
古人の糟魄(こじんのそうはく)
物事の真髄は、言葉や文字で伝えることはできないということ。 「古人」は昔の賢人のこと。 「糟魄」は酒かすのこと。 言葉や文字で伝えることのできる知恵は、酒かすのように残りかすでしかないという意味から。 書物や学問を軽視した言葉。 「糟魄」は「糟粕」とも書く。
炬燵で河豚汁(こたつでふぐじる)
大事をとりながら危険なことをするという矛盾した行為のたとえ。炬燵でゆっくり休養しながら、危険な河豚汁を食べることから。
子宝、脛が細る(こだから、すねがほそる)
親にとって子どもは宝であるが、育てるためのは脛が細くなるような苦労をするということ。
壺中の天地(こちゅうのてんち)
俗世間から離れた別世界のたとえ。また、酒を飲んで俗世間のことを忘れる楽しみのたとえ。 中国後漢の費長房が、薬売りの老人が商売が終わると壺の中に入るのを見て一緒に入れてもらったところ、そこにはりっぱな建物があり、美酒や旨い肴が並んでいたので、ともに酒を飲んで外に出てきたという故事から。
胡蝶の夢(こちょうのゆめ)
夢と現実の世界との区別がつかなくなるたとえ。また、人生が夢のようにはかないことのたとえ。 「胡蝶」は蝶の美称。 昔、荘子が蝶になった夢を見たが、目が覚めるともとのままの自分で、自分が夢の中で蝶になったのか、それとも夢の中の蝶が自分になったのか、わからなくなったという故事から。
凝っては思案に余る(こってはしあんにあまる)
物事に熱中しすぎると、よい考えも浮かばなくなり、冷静な判断が出来なくなるということ。
木っ端を拾うて材木を流す(こっぱをひろうてざいもくをながす)
小事にかまけて大事に失敗するたとえ。木のきれはしを集めて材木を流してしまうということから。
コップの中の嵐(こっぷのなかのあらし)
狭い範囲内で起こった、大局には何の影響もない騒ぎのたとえ。
骨肉相食む(こつにくあいはむ)
肉親同士が激しく争うこと。「骨肉」は、親子・兄弟などの血のつながった者の意。
小爪を拾う(こづめをひろう)
ことば尻を捕えて非難したり口答えをしたりすること。
事ある時は仏の足を戴く(ことあるときはほとけのあしをいただく)
普段は不信心な人でも、困ったときには仏の足元にひれ伏して救いを求めるというたとえ。
事がな笛吹かん(ことがなふえふかん)
何か事件が起こればそれに乗じようと、機会を狙って待ち構えること。 何か事が起こったら笛を吹いてはやしたてようとの意から。
事が延びれば尾鰭が付く(ことがのびればおひれがつく)
物事は長引くと余計な問題が起こって面倒になるので、なるべく早く処理せよということ。
事が運ぶ(ことがはこぶ)
ものごとが予定通りに進展すること。
事ここに至る(ことここにいたる)
事態が切迫し、手の打ちようのない状態になること。
尽く書を信ずれば則ち書無きに如かず(ことごとくしょをしんずればすなわちしょなきにしかず)
批判できる力を持たずに書物読んで、その全てを信じてしまうくらいなら、書物など読まないほうがよいということ。 どんな書物も完ぺきではないので、盲信してはいけないとの意から。
琴柱に膠す(ことじににかわす)
規則にこだわって融通がきかないことのたとえ。「琴柱」は、琴の胴の上に立てて弦を支える道具で、この位置を動かして音の高低を調節するもの。その琴柱を膠で固定すると音調を変えることが出来ないことから。
言伝は荷にならぬ(ことづてはににならぬ)
人から頼まれた伝言は、荷物にもならないたやすい事だということ。
事ともせず(ことともせず)
まったく気にしない。問題にもしない。
事に当たる(ことにあたる)
ある事柄に携わったり従事したりすること。 または、物事に取り組むこと。
事に触れて(ことにふれて)
何かあるごとに。なにかにつけて。
事によると(ことによると)
事の成り行きによっては。もしかすると。
言葉多きは品少なし(ことばおおきはしなすくなし)
口数の多い人は軽薄で品位に欠けるという、おしゃべりを戒める言葉。
言葉が過ぎる(ことばがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。
言葉尻を捕らえる(ことばじりをとらえる)
相手の言い間違いをとらえて、攻撃したり皮肉ったりすること。
言葉に甘える(ことばにあまえる)
相手からの親切や好意を受けいれること。 多く、「お言葉に甘えて」の形で使われる。
言葉に余る(ことばにあまる)
ことばだけで表現したり言い尽くしたりすることができない。
言葉の綾(ことばのあや)
言葉を飾って、じょうずに言い表すこと。 解釈の仕方によって、いろいろな意味に受け取れる微妙な表現。 「綾」は美しい織物の模様。 発言が誤解を招いた際の弁明として用いられることが多い。
言葉は国の手形(ことばはくにのてがた)
言葉のなまりは通行手形のように、その人の生まれ育った場所を示すということ。 「訛りは国の手形」「方言は国の手形」ともいう。
言葉は心の使い(ことばはこころのつかい)
心に思っていることは、自然に言葉に表れるということ。
言葉を返す(ことばをかえす)
相手の言ったことに対して答えること。 また、相手に反論したり口答えをしたりすること。 多くは、「お言葉を返す」との形で使われる。
言葉を飾る(ことばをかざる)
美しいことばで巧みに言い表すこと。また、きれいごとを言うこと。
言葉を尽くす(ことばをつくす)
聞く人が理解できるように、思いつくかぎりの言葉を使って詳しく話すこと。
言葉を濁す(ことばをにごす)
はっきりとは明言せず、曖昧な表現で済ますこと。 「口を濁す」ともいう。
事もあろうに(こともあろうに)
もっと他に適したやり方があるだろうに。よりによって。
事も無げ(こともなげ)
特に問題がないかのように普段と変わらないように物事を行う様子。平気な様子。
事を起こす(ことをおこす)
新たに活動や事業を始めたりすること。 また、不祥事を起こすこと。
事を欠く(ことをかく)
必要なものが不足して、不自由な状態であること。 また、他にもっと適した方法がありそうなのになぜそのようにするのか、と相手を非難する気持ちを込めていう言葉。
事を構える(ことをかまえる)
ささいな出来事を大げさにして、争いを起こそうとすること。
事を好む(ことをこのむ)
ふつうではない変わった物事を好むこと。 特に、事件などが起こるのを期待すること。