「はり」を含む故事・ことわざ・慣用句
「はり」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 31 件
悪の報いは針の先(あくのむくいははりのさき)
悪事の報いは、針の先を回るほど早くやってくるということ。
悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)
質の異なる貨幣が同一の価値を持って流通している場合、良質の貨幣は貯蔵・溶解などで市場から姿を消し、悪貨のみが流通するようになるという「グレシャムの法則」のこと。グレシャムは16世紀のイギリスの財政家。
痛い上の針(いたいうえのはり)
不運や災難にさらなる不運や災難が重なることのたとえ。 痛みがあるところに、さらに針が刺さるとの意から。
海の事は漁師に問え(うみのことはりょうしにとえ)
その道のことは、その道の専門家に相談するのが最善の方法だということ。
今日の一針、明日の十針(きょうのひとはり、あすのとはり)
すぐにしなければならないことを先延ばしすると、余計に手間がかかるということのたとえ。 今日なら一針縫えば済むのに、明日に延ばせばほころびが広がり、十針も縫わなければならなくなるとの意から。
口に針(くちにはり)
言葉に悪意や皮肉がこめられていること。
細工は流流、仕上げをご覧じろ(さいくはりゅうりゅう、しあげをごろうじろ)
仕事のやり方はいろいろあるので、途中であれこれ言わずに出来上がりを見てから評価してほしいということ。
死に馬に鍼刺す(しにうまにはりさす)
何の効果もないことのたとえ。また、絶望的な状況の中で万が一の望みを託して最後の手段をとることのたとえ。 死んだ馬に鍼治療を施しても生き返ることはないことから。
磁石に針(じしゃくにはり)
くっつきやすいもののたとえ。多くは男女の仲が接近しやすいことをいう。
情張りは棒の下(じょうはりはぼうのした)
素直でいるほうが得であるということ。 強情を張る人は恨みを買って棒で打たれるということから。
世間は張り物(せけんははりもの)
世の中には体裁よく見せかけているものが多くあるということ。また、世の中は見栄を張って渡るのが普通であるということ。 「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。 「世は張り物」「世界は張り物」ともいう。
大声は里耳に入らず(たいせいはりじにいらず)
高尚な理論は俗人にはなかなか理解されにくいということ。 「大声」は高尚な音楽、「里耳」は俗人の耳のこと。 高尚な音楽は俗人にはわからないとの意から。
大利は利ならず(たいりはりならず)
大きすぎる利益は、一見しただけでは利益と気づきにくいということ。
小さくとも針は呑まれぬ(ちいさくともはりはのまれぬ)
小さいからといって侮ってはいけないという戒め。 いくら小さくても針をのみこむことはできないことから。
貞女は両夫に見えず(ていじょはりょうふにまみえず)
貞淑な女性は夫が亡くなっても、再び他の夫をもつことはしないということ。 「じふ」は「にふ」ともいう。 また、「貞女は両夫に見えず」「貞女は二夫を更めず」「貞女は二夫を並べず」などともいう。
張子の虎(はりこのとら)
虚勢を張って、空威張りする人。また、首を振る癖がある人。張子の虎は、虎の形をしていても中が空洞だから恐くもなんともないし、首を振り動かすしくみのおもちゃであることから。
針で掘って鍬で埋める(はりでほってくわでうめる)
苦労してこつこつと作り上げたものを、いっぺんに失くしてしまうことのたとえ。針を使ってようやく掘った穴を鍬で埋めてしまうということから。
針の穴から天を覗く(はりのあなからてんをのぞく)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
針の筵(はりのむしろ)
心の休まることのない厳しい状況や場所を指す表現。 針が敷き詰められた敷物の上に座っているかのような緊張感や不快感から来ている言葉。
針ほどのことを棒ほどに言う(はりほどのことをぼうほどにいう)
小さなことを大げさにいうことのたとえ。 針くらいの小さいものを、棒ほどの大きさにいうとの意から。
針を含む(はりをふくむ)
言動に相手を傷つけようとする意図が感じられる様子。
不足奉公は両方の損(ふそくぼうこうはりょうほうのそん)
仕事に不満を持ちながら働くのは奉公人にとって損であるし、主人側にとっても奉公人の仕事がはかどらないのは損だということ。 「不足奉公は両方の損」ともいう。
朋友は六親に叶う(ほうゆうはりくしんにかなう)
親友は肉親に匹敵するほど大切だということ。「六親」は父・母・兄・弟・妻・子または父・子・兄・弟・夫・妻の称。
細くても針は呑めぬ(ほそくてもはりはのめぬ)
どんなに細くても針を呑み込むことは出来ないように、たとえ小さくても決して見くびってはいけないということ。 「針は呑まれず」ともいう。
棒ほど願って針ほど叶う(ぼうほどねがってはりほどかなう)
大きな望みがあっても、叶うのはごくわずかだということ。
真綿に針を包む(まわたにはりをつつむ)
表面上は穏やかでやさしそうに見えるが、本当はひどく意地が悪いことのたとえ。 「綿に針を包む」ともいう。
胸が張り裂ける(むねがはりさける)
悲しさや悔しさなどから、耐えられないほどの苦しさを感じるさま。 「胸が張り裂ける」ともいう。
胸に釘針刺す(むねにくぎはりさす)
まるで胸に釘を打たれたように、弱点を突かれてうろたえること。 「胸に釘打つ」「胸に釘針刺す」ともいう。
やはり野に置け蓮華草(やはりのにおけれんげそう)
人にもその人にふさわしい環境があるということのたとえ。蓮華草は野原で自然のままに咲いているからこそ美しいの意。 江戸時代、播磨の瓢水(ひょうすい)という俳人が、遊女を身請けしようとする友人をいさめて詠んだ句「手に取るなやはり野に置け蓮華草」から。
六国を滅ぼす者は六国なり(りっこくをほろぼすものはりっこくなり)
国が滅びるのは、国の内部に原因があるということ。また、悪い結果の原因は、自分自身にあることが多いことのたとえ。 「六国」は中国、戦国時代の斉(せい)・楚(そ)・燕(えん)・韓(かん)・魏(ぎ)・趙(ちょう)のこと。 六国が滅びたのは六国相互の争いの結果によるもので、他の国に滅ぼされたわけではないとの意から。
瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)
すぐれた才能や素質を持つ者は、どこにいても際立つことたとえ。また、そのような者は活用次第で能力を存分に発揮するということ。 「瑠璃」は青色の宝玉、「玻璃」は水晶のことで、たとえ他の物に混じっていても光を当てればどちらも美しく輝くことから。
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