「方」を含む故事・ことわざ・慣用句
「方」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
明後日の方(あさってのほう)
見当違いの方向。
彼方立てれば此方が立たぬ(あちらたてればこちらがたたぬ)
一方に良いようにすれば、他方には悪く、どちらにも都合の良いようにするのは難しいということ。
上を見れば方図がない(うえをみればほうずがない)
上を見ればきりがないから、節度をわきまえよということ。「方図」は際限の意。
嘘も方便(うそもほうべん)
嘘も時と場合によっては、よい結果を得る手段として必要であるということ。仏教で衆生を真の教えに導くために、仏も嘘を用いたということから。
親方思いの主倒し(おやかたおもいのしゅたおし)
主人のためを思ってしたことが、逆に主人に不利益をもたらすこと。
親方日の丸(おやかたひのまる)
国家が後ろ盾になっている官庁や公営企業などは、倒産の心配もなく利益を図る必要もないだろうと、公務員の気楽さを皮肉っていうことば。
方が付く(かたがつく)
ものごとの処理が終わって決着がつくこと。解決すること。 「方」は「片」とも書く。
方を付ける(かたをつける)
ものごとを処理・解決すること。
滑り道とお経は早い方がよい(すべりみちとおきょうははやいほうがよい)
滑りやすい道は人より先を歩く方が歩きやすく、退屈なお経は早く終わる方がありがたいということ。 「滑り道と観音経は早い方がよい」ともいう。
滑り道と観音経は早い方がよい(すべりみちとかんのんきょうははやいほうがよい)
滑りやすい道は人より先を歩く方が歩きやすく、退屈なお経は早く終わる方がありがたいということ。 「滑り道と観音経は早い方がよい」ともいう。
敵に味方あり味方に敵あり(てきにみかたありみかたにてきあり)
敵の中にも、こちらの理解者はいるし、反対に味方の中にも気を許してはいけない相手もいるということ。
途方に暮れる(とほうにくれる)
どうすればよいか分からず困り果てること。
途方もない(とほうもない)
道理から外れていること。または、程度が常識からひどく離れていること。
朋あり遠方より来る(ともありえんぽうよりきたる)
遠くにいる友だちが、はるばる会いに来てくれた喜びをいう言葉。「朋」は、友の意。
泣く泣くもよい方を取る形見分け(なくなくもよいほうをとるかたみわけ)
どんな時でも、人間は欲だけは忘れないということ。親などが死んで悲しんでいる時でも、形見分けで良い物を選ぶということから。
八方塞がり(はっぽうふさがり)
すべてに差し障りがあってどうしようもないこと。「八方」は、東・西・南・北および北東・北西・南東・南西の八つの方角、つまりあらゆる方向の意。陰陽道で、どの方角に向かって行くのも凶で、行くべき方角がすべて塞がれているということから。
八方破れ(はっぽうやぶれ)
備えがなく、隙だらけであること。 または、生活態度が勝手気ままな様子。
日方と手間取りは日のうち(ひかたとてまどりはひのうち)
日雇いの仕事が夕方には終わるように、南風も夕方にはやむということ。「日方」は日のある方から吹く風。南西風、南東風のこと。「手間取り」は日雇い仕事のこと。
不足奉公は双方の損(ふそくぼうこうはそうほうのそん)
仕事に不満を持ちながら働くのは奉公人にとって損であるし、主人側にとっても奉公人の仕事がはかどらないのは損だということ。 「不足奉公は両方の損」ともいう。
不足奉公は両方の損(ふそくぼうこうはりょうほうのそん)
仕事に不満を持ちながら働くのは奉公人にとって損であるし、主人側にとっても奉公人の仕事がはかどらないのは損だということ。 「不足奉公は両方の損」ともいう。
方位家の家潰し(ほういかのいえつぶし)
方角の吉凶を気にしすぎると身動きがとれなくなり、ついには家をつぶす結果になるということ。
方言は国の手形(ほうげんはくにのてがた)
言葉のなまりは通行手形のように、その人の生まれ育った場所を示すということ。 「訛りは国の手形」「方言は国の手形」ともいう。
味方見苦し(みかたみぐるし)
味方ばかり贔屓(ひいき)する行為は、不公平で見苦しいということ。
水は方円の器に随う(みずはほうえんのうつわにしたがう)
人は交友関係や環境しだいで、良くも悪くもなるというたとえ。 「方円」は四角形と円形のこと。水は容器の形によって四角にも丸くもなるということから。
焼き餅と欠き餅は焼く方が良い(やきもちとかきもちはやくほうがよい)
女性は冷淡よりむしろ、適度にやきもちを焼くくらいのほうがかわいいということ。「欠き餅」とは、正月の餅を手で割って小さくしたもの。嫉妬する意味のやきもちと餅ををかけた言葉。
宿取らば一に方角、二に雪隠、三に戸締り、四には火の元(やどとらばいちにほうがく、ににせっちん、さんにとじまり、しにはひのもと)
昔、旅先で宿を取る時に、確認しておくべき事柄を順序だてて並べた言葉。「雪隠」は、便所のこと。
両方聞いて下知をなせ(りょうほうきいてげちをなせ)
争い事に判断を下す時は、両方の言い分を公平に聞いてから判断すべきだということ。「下知」は「げじ」とも言い、指図・命令の意。
両方立てれば身が立たぬ(りょうほうたてればみがたたぬ)
一方に良いようにすれば、他方が不満に思う。どちらにも都合の良いようにするのは難しく、中に入った自分が苦しい立場に立ち、犠牲になってしまうということ。