「走」を含む故事・ことわざ・慣用句
「走」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
悪事、千里を走る(あくじ、せんりをはしる)
悪い行いは、たちまち世間に広まるというたとえ。 「悪事、千里を行く」ともいう。
韋駄天走り(いだてんばしり)
非常に速く走ること。 「韋駄天」は、非常に足が速いとされる仏法の守護神。 その韋駄天のような速さで走るとの意から。
狡兎死して走狗烹らる(こうとししてそうくにらる)
重宝されていたものも必要なくなれば捨てられることのたとえ。また、敵が滅びると有能な家臣も不要になり殺されてしまうことのたとえ。 「狡兎」はすばしこいうさぎ、「走狗」は猟犬のこと。 獲物である兎が死んでしまえば、猟犬は不要になり煮て食べられるとの意から。
駒の朝走り(こまのあさばしり)
はじめに元気を出し過ぎて、最後まで続かないことのたとえ。 「駒」は、馬のこと。 馬は出発した朝は元気よく走るが、やがて疲れてしまう元気がなくなることから。 「駒の朝勇み」「小馬の朝駆け(朝勇み)」ともいう。
才に走る(さいにはしる)
能力や才能を過信して地道な努力や注意を怠ること。
鞘走りより口走り(さやばしりよりくちばしり)
失言は鞘走りよりも危険であるということ。 「鞘走り」は刀の鞘が緩いために刀が抜け出ること。
死せる孔明、生ける仲達を走らす(しせるこうめい、いけるちゅうたつをはしらす)
生前の威信が死後も保たれ、人々を恐れさせるたとえ。 中国、蜀の諸葛孔明が魏の司馬仲達と対陣中病死した。退却しようとした蜀軍を仲達はただちに追撃したが、蜀軍は孔明の遺命に基づいて反撃の姿勢を見せたため、仲達は孔明がまだ死んでおらず、何か策略があるのではないかと恐れ退却したという故事から。
枝葉に走る(しようにはしる)
重要でない部分に注力して、本質を見失うこと。
師走女房難つけな(しわすにょうぼうなんつけな)
年の瀬は忙しく、女たちは身なりに構う暇などないので、文句を言ったりするなということ。
脛に疵持てば笹原走る(すねにきずもてばささはらはしる)
自分の身にやましいところのある者は、落ち着いて生活することができないということ。 脛に傷のある者は笹が傷にふれると痛いので笹原を走り抜ける、または後ろめたいことがある者は笹の葉のそよぐ音にもおびえて走り出すとの意から。
銭は足なくして走る(ぜにはあしなくしてはしる)
金には足などついていないのに、まるで足があるかのように、人から人へと渡って行くということ。
馳走終わらば油断すな(ちそうおわらばゆだんすな)
人がご馳走してくれる時は何か魂胆があるかもしれないので油断するなということ。
二月は逃げて走る(にがつはにげてはしる)
正月が終わったと思っていると、二月もあっという間に終わり、すぐに三月がやってくる。二月は、まるで走って逃げるかのように早く過ぎ去るように感じるということ。 「二月」と「逃げる」の「に」を掛けて言ったもの。 「二月は逃げて去る」ともいう。
走り馬にも鞭(はしりうまにもむち)
勢いのあるものに、さらに勢いをつけることのたとえ。 走っている馬に、鞭を打ってさらに早く走らせる意から。 「駆ける馬にも鞭」「走る馬に鞭」「駆け馬に鞭」「行く馬に鞭」ともいう。
走る馬に鞭(はしるうまにむち)
勢いのあるものに、さらに勢いをつけることのたとえ。 走っている馬に、鞭を打ってさらに早く走らせる意から。 「駆ける馬にも鞭」「走る馬に鞭」「駆け馬に鞭」「行く馬に鞭」ともいう。
走れば躓く(はしればつまずく)
物事は急ぐと失敗しやすいので、落ち着いてじっくり取り組めということ。 焦って走ると、躓(つまづ)いて転んでしまうとの意から。
虫酸が走る(むしずがはしる)
不快でたまらず、ひどく嫌うことのたとえ。 「虫酸」は胃から出る酸っぱい液体のことで、その液が逆流して吐き気を覚える意から。
利に走る(りにはしる)
利益を得ることにひたすらこだわること。
我が事と下り坂に走らぬ者なし(わがこととくだりざかにはしらぬものなし)
自分に関することとなれば、下り坂で自然と早足になるように、自ら進んで走りまわるということ。