「腹」を含む故事・ことわざ・慣用句
「腹」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
後腹が病める(あとばらがやめる)
物事が終わったあとにも、出費がかさんだり、障害が生じたりして苦しむこと。 「後腹」は産後の腹痛のこと。 物事が落ち着いた後の出費や障害を、産後の腹痛にたとえた言葉。
諍いをしいしい腹を大きくし(いさかいをしいしいはらをおおきくし)
喧嘩ばかりしている夫婦なのに、子どもだけはよくできるということ。
痛くもない腹を探られる(いたくもないはらをさぐられる)
やましいところがないのに疑いをかけられること。 腹痛でもないのに、痛いところはどこかと探られるとの意から。
言わねば腹ふくる(いわねばはらふくる)
思っていることを我慢して言わずにいると、腹の中の物がつかえているようですっきりしないということ。 「物言わねば腹ふくる」「言わねば腹ふくる」ともいう。
海魚腹から川魚背から(うみうおはらからかわうおせから)
海の魚は腹から、川の魚は背から裂くのがよいということ。
思うこと言わねば腹ふくる(おもうこといわねばはらふくる)
思っていることを我慢して言わずにいると、腹の中の物がつかえているようですっきりしないということ。 「物言わねば腹ふくる」「言わねば腹ふくる」ともいう。
恩の腹は切らねど情けの腹は切る(おんのはらはきらねどなさけのはらはきる)
受けた恩に報いるために死ぬ人はいないが、義理人情のためなら死ぬ人はいるということ。
片腹痛い(かたはらいたい)
脇で見ていて、非常にばかばかしく滑稽に感じられるさま。
聞けば聞き腹(きけばききばら)
聞かなければ知らずにすんだのに、聞いたばかりに腹立たしくなるということ。
魚腹に葬らる(ぎょふくにほうむらる)
海や川で水死するたとえ。 海や川で溺れ死んで魚の餌となり、その腹に葬られるとの意から。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
口先では調子のいいことを言っているが、内心は陰険であることのたとえ。
げたげた笑いのどん腹立て(げたげたわらいのどんばらたて)
大声で笑っていたかと思うと突然腹を立てるような感情の起伏の激しい人のこと。 「どん腹立て」の「どん」は、腹を立てることを強める接頭語。 「げたげた笑いのどん腹立て」ともいう。
げらげら笑いのどん腹立て(げらげらわらいのどんばらたて)
大声で笑っていたかと思うと突然腹を立てるような感情の起伏の激しい人のこと。 「どん腹立て」の「どん」は、腹を立てることを強める接頭語。 「げたげた笑いのどん腹立て」ともいう。
下腹に毛がない(したはらにけがない)
老獪な人物や腹黒い人物のたとえ。年老いた狼や狸の下腹には毛がないという言い伝えから。
私腹を肥やす(しふくをこやす)
公的な地位や立場を利用して不正に個人の利益を得ること。 「腹を肥やす」ともいう。
杓子で腹を切る(しゃくしではらをきる)
不可能なことのたとえ。 杓子を刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
心腹に落つ(しんぷくにおつ)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
心腹の友(しんぷくのとも)
心の内を許し合った最も親しい友人のこと。「心腹」は、胸と腹。転じて、心から頼りにすること。
心腹の病(しんぷくのやまい)
やっかいな敵のこと。「心腹」は胸と腹のことで、胸と腹の病は治しにくいことから。
自腹を切る(じばらをきる)
自分が支払う必要のない経費などをあえて自分の金銭で支払うこと。
空き腹にまずい物なし(すきばらにまずいものなし)
空腹の時は、どんな食べ物でもおいしく感じるということ。 「ひもじい時にまずい物なし」「ひだるい時にまずい物なし」ともいう。
擂り粉木で腹を切る(すりこぎではらをきる)
出来るはずがないこと、不可能なことのたとえ。 「擂り粉木」は、すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
切匙で腹を切る(せっかいではらをきる)
不可能なことのたとえ。切匙を刀がわりにしても腹は切れないことから。「切匙」は、すり鉢の内側についたものをかき落とす時に使う木製の道具。
背に腹は代えられぬ(せにはらはかえられぬ)
大事のためには、犠牲を払うのもやむを得ないというたとえ。 腹には大切な臓器が詰まっており、その腹を守るためであれば背中が犠牲になってもやむを得ないとの意から。 「背より腹」ともいう。
背より腹(せよりはら)
大事のためには、犠牲を払うのもやむを得ないというたとえ。 腹には大切な臓器が詰まっており、その腹を守るためであれば背中が犠牲になってもやむを得ないとの意から。 「背より腹」ともいう。
狸の腹鼓(たぬきのはらつづみ)
月夜に狸が自分の腹をたたいて楽しみ興じるという言い伝え。
短気は身を亡ぼす腹切り刀(たんきはみをほろぼすはらきりかたな)
短気を起こせば、自滅を招いてしまうことのたとえ。 短気は自分の腹を切る刀と同じであるとの意から。
茶腹も一時(ちゃばらもいっとき)
わずかなことでも一時しのぎにはなることのたとえ。空腹の時もお茶でしばらくはしのげるということから。
詰め腹を切らされる(つめばらをきらされる)
責任を取ることを強いられて、辞職させられたり減俸されたりすること。 「詰め腹」は強制的に切腹させられること。
詰め腹を切らせる(つめばらをきらせる)
辞職させるなどして、強制的に責任を取らせること。 「詰め腹」は強制的に強いられる切腹のこと。
腹が大きい(はらがおおきい)
細かいことに拘らず、広く受け入れることができること。度量が大きいこと。
腹が黒い(はらがくろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹が据わる(はらがすわる)
覚悟を決め、何事にも動じなくなること。
腹が立つ(はらがたつ)
怒ること。立腹すること。
腹が立つなら親を思い出すが薬(はらがたつならおやをおもいだすがくすり)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹が立つなら親を思い出せ(はらがたつならおやをおもいだせ)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ)
何事も空腹では十分な働きができないということのたとえ。
腹黒い(はらぐろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹拵えをする(はらごしらえをする)
仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。
腹立てるより義理立てよ(はらたてるよりぎりたてよ)
腹の立つことがあっても、我慢して義理を大切にしたほうが自分のためになるということ。
腹鼓を打つ(はらつづみをうつ)
満腹になって満足し、鼓を鳴らすように腹を叩いて音を鳴らすこと。 「腹鼓」は「はらつづみ」と読むのが正しいとされるが、「はらづつみ」と読まれる場合も多く、一般的となっている。
腹鼓を打つ(はらづつみをうつ)
満腹になって満足し、鼓を鳴らすように腹を叩いて音を鳴らすこと。 「腹鼓」は「はらつづみ」と読むのが正しいとされるが、「はらづつみ」と読まれる場合も多く、一般的となっている。
腹に一物(はらにいちもつ)
心に何かたくらみを抱いていること。 「腹」は心の中のこと。 「胸に一物」ともいう。
腹に納める(はらにおさめる)
すべてを心に納めて、顔にも言葉にも出さないこと。 「胸三寸」は胸の中のこと。 「胸三寸」は単に「胸」、「納める」は「畳む」ともいう。 また「腹に納める」ともいう。
腹に据えかねる(はらにすえかねる)
激しい怒りで我慢できなくなること。
腹の皮が張れば目の皮がたるむ(はらのかわがはればめのかわがたるむ)
満腹になれば、自然と眠くなるということ。また、飽食すると怠惰になることにもいう。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
腹立たしくても怒りに任せて物を言うのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
腹の立つように家蔵建たぬ(はらのたつようにいえくらたたぬ)
世の中には腹が立つことが多いので、腹を立てるのは簡単だが、家や蔵を建てるくらいの金を稼ぐのは簡単にはいかないということ。
腹は借り物(はらはかりもの)
母親の腹は一時的な借り物で、子の貴賤は父親次第であるということ。
腹は立て損、喧嘩は仕損(はらはたてぞん、けんかはしぞん)
腹を立てても、喧嘩をしても自分が損をするだけだから、腹は立てるな、喧嘩はするなということ。
腹八合に医者いらず(はらはちごうにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
腹八合に病なし(はらはちごうにやまいなし)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
腹八分に医者いらず(はらはちぶにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
腹八分目に医者いらず(はらはちぶんめにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
腹も身のうち(はらもみのうち)
腹も体の一部だから暴飲暴食は慎めということ。
腹を痛める(はらをいためる)
子どもを産むこと。出産の痛みを経験するとの意から。 または、自分の金銭を使うこと。
腹を抱える(はらをかかえる)
おかしくて我慢できずに声を出して笑うこと。大笑いすること。
腹を拵える(はらをこしらえる)
仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。
腹を肥やす(はらをこやす)
公的な地位や立場を利用して不正に個人の利益を得ること。 「腹を肥やす」ともいう。
腹を探る(はらをさぐる)
相手の考えていることなどをそれとなく知ろうとすること。
腹を据える(はらをすえる)
覚悟を決めること。
腹を立てる(はらをたてる)
怒ること。立腹すること。
腹を見抜く(はらをみぬく)
相手の言動などから、相手の考えや気持ちなどを推測して知ること。 または、相手のたくらみを知ること。
腹を読む(はらをよむ)
相手の言動から、相手の考えていることを推察すること。
腹を割る(はらをわる)
本心を隠さずに話すこと。
牝牛に腹突かれる(めうしにはらつかれる)
油断していた相手に不意打ちされ、ひどい目に遭うたとえ。 雄牛に比べておとなしい牝牛に、突然腹を突かれることから。
物言わねば腹ふくる(ものいわねばはらふくる)
思っていることを我慢して言わずにいると、腹の中の物がつかえているようですっきりしないということ。 「物言わねば腹ふくる」「言わねば腹ふくる」ともいう。
理屈を言えば腹が立つ(りくつをいえばはらがたつ)
自分の正当性を主張しても腹が立つばかりだから、理屈にこだわず適当に妥協したほうが得策であるということ。
連木で腹を切る(れんぎではらをきる)
不可能なことのたとえ。 「連木」はすりこぎ(すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒)のこと。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。