「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1043 件
口が重い(くちがおもい)
言葉数が少なく、積極的には人と喋らないようす。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口が堅い(くちがかたい)
他人に言ってはいけないことを軽々しく口にしない様子。
口が軽い(くちがかるい)
言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。
口が腐っても(くちがくさっても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が肥える(くちがこえる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、味の良し悪しに対する感覚が鋭くなること。 「舌が肥える」ともいう。
口が裂けても(くちがさけても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が寂しい(くちがさびしい)
口に何かを入れておかないと物足りなくて落ち着かない様子。
口が過ぎる(くちがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。
口が干上がる(くちがひあがる)
生活が苦しくなり、食べていけなくなること。
口が減らない(くちがへらない)
あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。
口が曲がる(くちがまがる)
お世話になった人や目上の人に対して悪口を言うと、罰としてその口が歪むということのたとえ。 悪口をいうことを止めさせるときに用いる言葉。
口が回る(くちがまわる)
滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。
口が悪い(くちがわるい)
人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。
朽ち木は柱にならぬ(くちきははしらにならぬ)
朽ちた木が柱にならないように、心の腐った者は使いものにならないというたとえ。
口車に乗せる(くちぐるまにのせる)
巧みな言葉で言いくるめて人をだますことのたとえ。
口先の裃(くちさきのかみしも)
言葉はていねいで相手をうやまっているように見えるが、実はうわべだけで誠意がないこと。
口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)
口は達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口添えをする(くちぞえをする)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口叩きの手足らず(くちたたきのてたらず)
おしゃべりは達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
口に合う(くちにあう)
食べ物の味が自分の好みと合っていることのたとえ。
口にする(くちにする)
口にだして言うこと。 また、飲んだり食べたりすること。
口に出す(くちにだす)
思っていることを言葉にして話すこと。
口に上る(くちにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。
口に針(くちにはり)
言葉に悪意や皮肉がこめられていること。
口に任せる(くちにまかせる)
あまり深く考えず、言葉が口から出るままに発言すること。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
口先では調子のいいことを言っているが、内心は陰険であることのたとえ。
口の下から(くちのしたから)
言ったとたんに。言ったすぐあとから。
口の端に上る(くちのはにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)
言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。
口は重宝(くちはちょうほう)
口は便利なもので、口先だけならなんとでも言えるということ。
口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)
よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。
口は災いの元(くちはわざわいのもと)
うっかり言ってしまった言葉が災いを招くこともあるため、口は慎まなければならないという戒め。 「口は禍の門」「禍は口から」ともいう。
嘴が黄色い(くちばしがきいろい)
年が若くて経験が浅いことをあざけっていう言葉。ひな鳥の嘴が黄色いことから。
唇滅びて歯寒し(くちびるほろびてはさむし)
互いに助け合う者同士の一方が滅びると、もう一方も危うくなるというたとえ。 唇がなくなると歯が寒くなるとの意から。
唇を反す(くちびるをかえす)
人のことを憎んで悪くいうこと。
口火を切る(くちびをきる)
人々の先頭を切って物事を始めること。きっかけをつくること。
口弁慶(くちべんけい)
口先だけで、行動が伴なわない人のたとえ。
口も八丁、手も八丁(くちもはっちょう、てもはっちょう)
しゃべることも腕前も達者なこと。 「八丁」は巧み、達者であること。 単に「手も八丁」とも、また「口八丁手八丁」「手八丁口八丁」ともいう。
口を入れる(くちをいれる)
他人の話に割り込むこと。 また、よけいな口出しをすること。
口を切る(くちをきる)
瓶などの容器の封を開けること。 また、大勢のなかで最初に発言すること。
口を極めて(くちをきわめて)
あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。
口を添える(くちをそえる)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口を揃える(くちをそろえる)
みなが同じ内容のことを言うこと。
口を出す(くちをだす)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を述べること。口出しをすること。
口を閉ざす(くちをとざす)
何も言おうとせず沈黙すること。 「口を噤む」ともいう。
口を濁す(くちをにごす)
はっきりとは明言せず、曖昧な表現で済ますこと。 「口を濁す」ともいう。
口を拭う(くちをぬぐう)
悪いことをしていながら素知らぬふりをすること。 また、知っていながら知らないふりをすること。 盗み食いをした後に、口の周りの汚れを拭いて素知らぬ顔をすることから。
口を糊する(くちをのりする)
たいへん貧しく、ぎりぎりの生活をすること。 「糊」は、粥(かゆ)のこと。 粥をすするような貧しい生活をするとの意から。
口を挟む(くちをはさむ)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を言うこと。
口を開く(くちをひらく)
話をしはじめること。
口を封じる(くちをふうじる)
都合の悪いことを言ったり秘密が漏れたりしないように黙らせること。他言させないようにすること。
口を割る(くちをわる)
隠していた事について話し出すこと。白状すること。
国乱れて忠臣見る(くにみだれてちゅうしんあらわる)
泰平の時には誰が忠臣かわからないが、国が乱れて危機に直面すると、真の忠臣が誰かがはっきりするということ。
首の皮一枚(くびのかわいちまい)
ほんの僅かではあるが、可能性がのこっている様子。 もとは、斬首刑で斬られた首と胴体が皮一枚でつながっている状態をいった言葉で、現在用いられる意味とは異なる。
首振り三年、ころ八年(くびふりさんねん、ころはちねん)
尺八は、首を振りながら吹けるようになるのに三年かかり、ころころというよい音を出すのには八年かかるということ。何事を成すにも、それ相応の修練が要るというたとえにもいう。
蜘蛛の子を散らすよう(くものこをちらすよう)
大勢の人がいっせいに四方へ逃げるようす。蜘蛛が入っている袋を破ると、たくさんの蜘蛛の子が四方へ散る様子から。
暮れぬ先の提灯(くれぬさきのちょうちん)
無用な事に手回しがよすぎて間が抜けていることのたとえ。
君子、危うきに近寄らず(くんし、あやうきにちかよらず)
徳のある人は自分を大事にするので、危険なことには決して近づかないということ。
君子の過ちは日月の食のごとし(くんしのあやまちはじつげつのしょくのごとし)
君子はたとえ過ちを犯すようなことがあっても、日食や月食が一時的なように、すぐに改めてもとの徳性に返るものだということ。
君子は庖厨を遠ざく(くんしはほうちゅうをとおざく)
君子は憐れみ深いので、動物が捌かれる姿が見えてたり動物の悲鳴が聞こえたりする厨房に近づくことは忍び難いということ。
君臨すれども統治せず(くんりんすれどもとうちせず)
国王は君主として国を治めているが政治には直接かかわらないこと。 18世紀イギリスの政治体制に由来する言葉。 「王は君臨すれども統治せず」ともいう。
愚者の百行より知者の居眠り(ぐしゃのひゃっこうよりちしゃのいねむり)
愚か者の数々の行いは、優れた人の居眠りにも及ばないということ。転じて、つまらないものが数多くあるより、よいものが少しあるほうがいいというたとえ。
愚痴をこぼす(ぐちをこぼす)
人に言ってもどうしようもない不平不満をいうこと。
愚の骨頂(ぐのこっちょう)
この上なく愚かなばからしいこと。
荊棘の道(けいきょくのみち)
困難で苦しい人生のたとえ。「荊」「棘」とも茨の意で、困難や障害がある道ということ。
経験は知恵の父記憶の母(けいけんはちえのちちきおくのはは)
人間の知恵は、経験とその記憶によって成り立っているということ。
継続は力なり(けいぞくはちからなり)
小さなことでも続けていけば、いつか大きなことが成し遂げられるということ。
怪我と弁当は自分持ち(けがとべんとうはじぶんもち)
自分で負った怪我は自分の責任だ、という職人の間で言われている言葉。
桁が違う(けたがちがう)
規模や数量などに大きな差があること。かけ離れていること。
けちを付ける(けちをつける)
些細なミスや欠点などを取りあげて、あれこれと非難すること。荒さがしをすること。
けちん坊の柿の種(けちんぼうのかきのたね)
食べたあとの柿の種さえ惜しんで人にやらないほどけちな人のこと。極度のけちを罵って言うことば。
結構は阿呆のうち(けっこうはあほうのうち)
あまりにお人好しなのは、馬鹿と同じだということ。 「結構は阿呆の唐名」ともいう。
喧嘩過ぎての向こう鉢巻(けんかすぎてのむこうはちまき)
喧嘩の最中は意気地なくこそこそし、喧嘩が終わったとたん虚勢を張って強がること。 「喧嘩過ぎての向こう鉢巻」ともいう。
軒輊(けんち)
上がり下がりや高低。転じて、優劣のこと。「軒」は車の前が高い、「輊」は車の前が低いという意。
倹約と吝嗇は水仙と葱(けんやくとけちはすいせんとねぎ)
倹約とけちは、水仙と葱のように見た目は似ているが、実はまったく違うということ。
芸は道によって賢し(げいはみちによってかしこし)
一芸に通じた人は、その道に関しては何でもよく知っているということ。専門家は専門とする分野については精通しているということ。