「て」を含む故事・ことわざ・慣用句
「て」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1006 件
梃子でも動かない(てこでもうごかない)
どんな手段を用いても、絶対にその場から動かないことのたとえ。 または、どんな事があっても、頑として言うことをきかないことのたとえ。 梃子は小さな力で大きなものを動かすことができるが、その梃子を用いても動かすことができないことから。
手心を加える(てごころをくわえる)
相手や事情などを考慮に入れて寛大な処置をすること。手加減をすること。
手塩に掛ける(てしおにかける)
みずから世話をして大切に育てること。 「手塩」は、自分の好みの味付けが出来るように各自の食膳に添えられた塩。 その塩で自分好みに味付けすることから転じて、自分の手で世話をするとの意を表す。
手酌五合、髱一升(てじゃくごごう、たぼいっしょう)
手酌では五合しか飲めないが、若い女性の酌では一升でも飲んでしまうということ。「髱」は日本髪の後ろに張り出している部分で、転じて、若い女性の意。
手酌貧乏(てじゃくびんぼう)
手酌で酒を飲むのは、いかにも貧乏くさく、やはり酒は人からついでもらって飲むのがいいということ。
手千両(てせんりょう)
手先が器用なことや手に技術を持っていることは、千両にも匹敵する値打ちがあるということ。
手出し十層倍(てだしじっそうばい)
喧嘩は、初めにしかけた者に、他の者の十倍の罪があるということ。
手玉に取る(てだまにとる)
自分の思うままに他人を操ること。
鉄槌を下す(てっついをくだす)
この上なく厳しい罰を与えること。 「鉄槌」は大きな金槌のこと。
鉄桶水を漏らさず(てっとうみずをもらさず)
その場の防衛や人の団結などがしっかりとしていて、付け入る隙が少しもないこと。 鉄の桶からは少しの水も漏れないということから。
轍鮒の急(てっぷのきゅう)
危機が差し迫っていることのたとえ。 「轍」は車輪の跡、わだちのこと。 「鮒」は魚の鮒(ふな)のこと。 車輪の跡にできた枯れかけの水たまりにいる鮒という意味から。
鉄砲玉の使い(てっぽうだまのつかい)
撃ったら戻らない鉄砲玉のように、行ったきりで帰って来ない使いのこと。
手付けを打つ(てつけをうつ)
契約を履行する保証として、いくらかの金銭を渡すこと。手付金を渡すこと。
鉄のカーテン(てつのかーてん)
第二次大戦後、東欧の社会主義諸国が、西欧の資本主義諸国に対してとった秘密主義や閉鎖的態度を形容した語。当時のイギリスの首相チャーチルがいった言葉。
鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)
人は精神が柔軟な若いうちに、頭も身体も鍛えるべきであるというたとえ。また、物事は時機を逸せず、みんなの熱意があるうちに行えというたとえ。鉄は熱して柔らかい間は自由な形に加工しやすいことから。
鉄面皮(てつめんぴ)
恥を恥とも思わずあつかましいこと。また、そういう人のこと。 鉄でできた面の皮の意から。
手蔓を求める(てづるをもとめる)
ある目的を果たそうとするとき、その手掛かりや手助けとなるような人との繋がりを求めること。
手でする事を足でする(てですることをあしでする)
正しい方法を用いずに、誤ったやり方をするたとえ。
手取り足取り(てとりあしとり)
細かいところまで一つずつ丁寧に教える様子。
手鍋提げても(てなべさげても)
好きな男と夫婦になれるなら、どんな苦労もいとわないということ。
手に汗を握る(てにあせをにぎる)
危険な状態や緊迫したことを前にして、緊張したり、興奮したりする様子。
手に余る(てにあまる)
物事が自分の能力を超えていて、うまく処置できないこと。 「手に負えない」ともいう。
手に入れる(てにいれる)
自分のものとすること。所有物とすること。
手に落ちる(てにおちる)
その人のものとなること。その人の所有となること。
手に掛かる(てにかかる)
ある人に直接取り扱われること。 または、殺されること。
手に掛ける(てにかける)
自分で実際に物事を行うこと。特に人を殺すことをいう。
手に据えた鷹を逸らしたよう(てにすえたたかをそらしたよう)
一度手に入れた大事なものを失うことのたとえ。 大事に飼い慣らした鷹に逃げられてしまうとの意から。
手にする(てにする)
自分の手で実際に持つこと。または、自分の所有とすること。
手に付かない(てにつかない)
他のことに心が奪われて、集中して物事を行うことができないこと。
手に唾する(てにつばきする)
物事を行う前に気持ちを奮い立たせる様子。 重い物を持つ前に手に唾をかけるということから。
手に手を取る(てにてをとる)
互いの手を取って仲良く行動する様子。 特に互いに愛し合っている男女が一緒に行動する様子をいう。
手に取るよう(てにとるよう)
実際に手で触れてみるかのように、はっきりと分かる様子。 目の前にあるかのように、はっきり見えたり聞こえたりする様子。
手に成る(てになる)
その人の手で作品などが作られる。手掛ける。
手に乗る(てにのる)
他人の計略などに引っ掛かること。
手に入る(てにはいる)
自分の所有となること。自分のものになること。
手に渡る(てにわたる)
あるものが別の人の所有となること。
てにをはが合わない(てにをはがあわない)
話の辻褄が合わないことのたとえ。 「てにをは」は助動詞のことで、それらが正しく使われていないということから。
手の内を見せる(てのうちをみせる)
自分の能力を相手に示すこと。 または、心の中で考えていることや秘密にしている計画などを相手に明かすこと。
手の裏を返す(てのうらをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
手の切れるような(てのきれるような)
紙幣が新しく、しわ一つない様子。まっさらなお札のたとえ。
手のない将棋は負け将棋(てのないしょうぎはまけしょうぎ)
方策がないところには成算がないというたとえ。打つ手に困る将棋は、結局は負けるということから。
手の平を返す(てのひらをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
手の施しようがない(てのほどこしようがない)
処置をする方法が全くないこと。
手の舞、足の踏む所を知らず(てのまい、あしのふむところをしらず)
あまりのうれしさに思わず小躍りして喜ぶ様子。また、慌てふためくさま。
手の奴足の乗り物(てのやっこあしののりもの)
他人を頼らず、自分の力で物事を行うこと。 召使の代わりに自分の手で行って、乗り物の代わりに自分の足を使って歩くという意味から。
手は一生の宝(てはいっしょうのたから)
文字を巧みに書くことは、一生の宝だということ。
手前味噌で塩が辛い(てまえみそでしおがからい)
自分で自分のことを自慢すること。また、自慢話ばかりで聞き苦しいというたとえ。 「手前味噌」は自分で作った味噌のこと。 自分で作った味噌は塩辛くてもうまいと感じるとの意から。
手前味噌を並べる(てまえみそをならべる)
あれこれと自慢すること。 「手前味噌」は自分で作った味噌のこと。 自分の作った味噌を周りに自慢することから。 単に「[[手前味噌*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1182.html]]」ともいう。
手回しがいい(てまわしがいい)
事前の準備をしっかりと済ませること。
手も足も出ない(てもあしもでない)
自分の力ではどうしようもないということ。施す手段がなくて手が打てない様子。
手もなく(てもなく)
苦労せずに行う様子。簡単に行う様子。
寺から里へ(てらからさとへ)
物事があべこべなことのたとえ。筋違いなことのたとえ。「里」は、檀家の意。檀家から寺へ供物を届けるのが当たり前なのに、寺から檀家へ物を贈るのは逆であることから。
寺から出れば坊主(てらからでればぼうず)
そう思われても仕方がないことのたとえ。 寺から出てくる者は僧侶と思われても仕方がないとの意から。
てらつつきの子は卵から頷く(てらつつきのこはたまごからうなずく)
生まれながらの才能は、幼い時から自然に現れるというたとえ。「てらつつき」は、きつつきのこと。きつつきの子はえさの虫を捕るために、幼い時から首を上下に動かす癖があることから。
寺の隣に鬼が棲む(てらのとなりにおにがすむ)
この世の中は、善人と悪人が入り混じっているというたとえ。慈悲深い寺の隣に冷酷な鬼が棲んでいるということから。
手を上げる(てをあげる)
殴ろうとして手を振り上げること。 または、負けを認めること。降参すること。 また、技術や能力を上げること。上達すること。
手を合わせる(てをあわせる)
心の底から感謝したり、頼んだりすること。両の掌を合わせて神や仏を拝むということから。 または、勝負をすること。手合わせする。
手を入れる(てをいれる)
作品などを修正したり、補足したりすること。手を加える。 または、捜査や逮捕のために警官が現場に踏み込むこと。
手を打つ(てをうつ)
掌を打ち付けて音を出すこと。 または、問題を解決するために対策すること。 また、話し合いなどがまとまること。交渉などがまとまった時に拍手することから。
手を替え品を替え(てをかえしなをかえ)
さまざまな手段や方法を試してみること。
手を返す(てをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
手を掛ける(てをかける)
時間や労力を惜しまないこと。 または、他人のものを盗むこと。
手を貸す(てをかす)
他人の助力をすること。手伝うこと。
手を借りる(てをかりる)
助力してもらうこと。手伝ってもらうこと。
手を切る(てをきる)
それまでの関わりを断つこと。 特に、男女関係や悪い関係についていう。
手を下す(てをくだす)
その人本人が直接行うこと。
手を組む(てをくむ)
目的を果たすために互いに協力すること。
手を加える(てをくわえる)
作品などをよりよくするために修正したり、補ったりすること。手を入れる。
手を拱く(てをこまぬく)
何もしないで傍観すること。 「拱く」は、腕組みをするということ。 「こまねく」は「こまぬく」ともいう。
手を差し伸べる(てをさしのべる)
困っている人を進んで助けること。
手を擦る(てをする)
両手を擦り合わせること。 謝罪や感謝などの気持ちを表す動作。
手を染める(てをそめる)
ある物事を新しく始めること。
手を出して火傷する(てをだしてやけどする)
余計な手出しをして、ひどい目に遭うこと。
手を出す(てをだす)
ある物事に進んで関わりを持つこと。 または、暴力を振るうこと。 また、女性と関わりを持つために近づくこと。言い寄ること。
手を束ねる(てをつかねる)
腕組みをすること。 また、ある出来事が起こった際、なにもできずに傍観すること。
手を尽くす(てをつくす)
目的のために、できることを全てやってみること。
手を付ける(てをつける)
ある物事を始めること。着手すること。 または、あるものを使い始めること。特に他人の金銭をいう。 また、立場が下の女性と肉体関係をもつこと。
手を繋ぐ(てをつなぐ)
互いに協力して行動すること。
手を取る(てをとる)
相手の手を握り親愛の気持ちなどを表す。または、物事を親切・丁寧に教える様子。
手を握る(てをにぎる)
協力して取り組むこと。 または、和解すること。