「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 711 件
止め処が無い(とめどがない)
次から次へと続いて、いつまでも終わらない様子。
友と酒は古いほどいい(ともとさけはふるいほどいい)
友人は長い間付き合って気心の知れた人間がいいし、酒も長くねかせた古い酒がおいしいということ。
とりつく島もない(とりつくしまもない)
頼りとしてすがる所がまったくないということ。また、相手が冷たく、そっけない態度なので話にもならないこと。海に出て、立ち寄れるような島が見つからないということから。
取り付く島もない(とりつくしまもない)
相手の態度が冷たく、相談や頼み事などをするためのきっかけがつかめないこと。 または、頼りとする所が一つもないこと。
取り留めがない(とりとめがない)
話に一貫性がないこと。まとまりがないこと。
取るに足らない(とるにたらない)
わざわざ取り上げる価値はない。些細な。
同日の談ではない(どうじつのだんではない)
差がありすぎて、比べものにならない。同じ基準で語ることはできない。
同日の論ではない(どうじつのろんではない)
差がありすぎて、比べものにならない。同じ基準で語ることはできない。
毒にも薬にもならない(どくにもくすりにもならない)
害にもならないが役にも立たない、あってもなくてもいいもの、居ても居なくてもいい人のたとえ。
どこの烏も黒い(どこのからすもくろい)
どこに行っても、そう目新しいものはないということ。また、どこの国でも人間の本性同じだということ。 「どこの烏も黒い」「どこの鶏も裸足」ともいう。
無いが意見の総仕舞(ないがいけんのそうじまい)
放蕩(ほうとう)や道楽(どうらく)は、金が尽きれば自然と収まるということ。 放蕩者は、どれだけ忠告しても金がある間は耳を貸さないが、金がなくなれば遊ぶこともできなくなり、忠告の必要もなくなることから。
無い袖は振れない(ないそではふれない)
いくら出したくても持っていなければ出しようがないということ。 着物に袖がなければ、いくら振りたくても振ることはできないとの意から。
ないものはない(ないものはない)
存在しないものはどうしても存在しない、手に入らないものは手に入らない、という意味。 また、すべてのものが揃っている、欠けているものは何もないという意味でも使われる。 状況や文脈によって、対照的な二つの意味を持つ言葉。
中中でもない(なかなかでもない)
とんでもない。思いもよらない。予想をはるかに超えた程度であり、意外な結果や状況を伴う様子。
名が高い(ながたかい)
その人の価値や能力が高く評価され、その名が広く世間に知れ渡っていること。
泣くに泣けない(なくになけない)
泣きたくても泣けないほど無念で悔しい様子。
なけなしの無駄遣い(なけなしのむだづかい)
金をあまり持っていないものは、安物買いや無計画に金を使って、結局は無駄遣いをすることのなるということ。「なけなし」は、ほんのわずかしかないこと。
情け容赦もない(なさけようしゃもない)
相手に対して遠慮や手加減をすることなく、物事を進める様子。
茄子の花と親の意見は千に一つも無駄はない(なすびのはなとおやのいけんはせんにひとつもむだはない)
茄子の花に無駄花がないように、親が子どもにいう意見もすべて子どもの役に立つことばかりで、一つとして無駄がないということ。
なってない(なってない)
出来が悪い。お話にならない。問題にならない。なっていない。
名に恥じない(なにはじない)
名声や評判などに、実力が伴っているさま。
波風が絶えない(なみかぜがたえない)
絶えず揉め事や争い事がある様子。
名も無い(なもない)
名前が知られていないことのたとえ。 また、有名ではないことのたとえ。
並ぶ者がない(ならぶものがない)
一番優れていて、その人に匹敵する者がいないということ。
成るも成らぬも金次第(なるもならぬもかねしだい)
物事がうまくいくかどうかは、すべて金の力で決まるということ。
何でも来い(なんでもこい)
どのような事でも受け入れる自信があるさま。
何の事は無い(なんのことはない)
特別に重要なことではない。大したことではない。
煮え切らない(にえきらない)
考えなどがはっきりとせず、なかなか決断できない様子。態度がはっきりとしない様子。
荷が重い(にがおもい)
その人が備えている能力に比べて、責任や負担が重すぎる様子。
逃がした魚は大きい(にがしたさかなはおおきい)
手に入れそこなったものは惜しさが加わって、特にすぐれたもののように感じられるというたとえ。「魚」は「うお」とも読む。 「逃した魚は大きい」「逃げた魚は大きい」「釣り落とした魚は大きい」ともいう。
逃げも隠れもしない(にげもかくれもしない)
責任や追及から逃げず、堂々とその事に当たる様子。
西も東も分からない(にしもひがしもわからない)
その土地の地理がまったくわからないこと。 また、物事の判断がつかないこと。
二進も三進も行かない(にっちもさっちもいかない)
物事が行き詰まってどうにもならない様子。 「二進(にっち)」「三進(さっち)」は、そろばんの割り算から出た語で、計算のやりくりの意。
似ても似つかない(にてもにつかない)
全く似ていないこと。
煮ても焼いても食えない(にてもやいてもくえない)
どうにも扱いようがなく持て余す様子。また、思いどおりにならず、どうしようもないこと。
二の句が継げない(にのくがつげない)
あきれて次に言うべき言葉が出ないこと。「二の句」は次に言う言葉の意。
二の舞(にのまい)
前の人と同じ失敗を繰り返すこと。 「二の舞」は舞楽で、安摩(あま)という舞の次に、それを真似て演じるこ滑稽な舞のこと。 単に「二の舞」ともいう。
二の矢が継げない(にのやがつげない)
次に打つべき手段がないことのたとえ。 「二の矢」は、二度目に射る矢。 二度目に射る矢がないとの意から。
二百二十日の荒れ仕舞(にひゃくはつかのあれじまい)
「二百二十日」は、立春から数えて二百二十日目の日(九月十一日頃)のこと。 この時期は台風が多く発生するため、農家の厄日とされており、この日を過ぎると台風が少なくなることから生まれた言葉。
鰾膠もない(にべもない)
まるで愛想がないこと。 「鰾膠」はニベ科の海魚などの浮き袋から作る強い粘着力のある膠(にかわ)のことで、その粘着力がないことから。
女房と畳は新しいほうがよい(にょうぼうとたたみはあたらしいほうがよい)
妻と畳は新しいほうが、新鮮な気分がしてよい。何でも新しいほうが気持ちがよいということ。
女房と味噌は古いほどよい(にょうぼうとみそはふるいほどよい)
何でも古いほど味わいが出て良いということ。味噌も古くなると熟成されて味がよくなり、妻も長年連れ添うと円満さも増していくということから。
女房は山の神百国の位(にょうぼうはやまのかみひゃっこくのくらい)
女房はきわめて大切なものであるというたとえ。
糠味噌臭い(ぬかみそくさい)
家事に追われて所帯じみている。
抜き差しならない(ぬきさしならない)
動きがとれない、のっぴきならない様子。 抜くことも差すこともできないことから。
抜け目がない(ぬけめがない)
自分が損をしないように要領よく振るまう様子。
盗人猛猛しい(ぬすっとたけだけしい)
悪事をはたらきながら、平然としていたり、居直ったりすること。
盗みする子は憎からで縄掛くる人が恨めしい(ぬすみするこはにくからでなわかくるひとがうらめしい)
盗みをした我が子を憎まず、その子を捕まえて縄を掛けた相手を恨むという、親の身びいきのたとえ。
寧日がない(ねいじつがない)
焦りや不安などから、一日も心の休まる日がないことのたとえ。
願うに幸い(ねがうにさいわい)
願っているところに訪れる幸いという意味。
願ってもない(ねがってもない)
願ってもかないそうにないことが、幸運にも実現してありがたいと思うさま。
根が深い(ねがふかい)
問題の背景に複雑な事情があり、簡単には解決できない様子。
猫の魚辞退(ねこのうおじたい)
内心は欲しくてたまらないのに、うわべだけ遠慮することのたとえ。 また、その場だけのことで長続きしないことのたとえ。 猫が大好きな魚を辞退するとの意から。 「猫の精進」「猫の魚を食わぬ振り」ともいう。
猫の子一匹いない(ねこのこいっぴきいない)
まったく人がいないようす。
猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい)
非常に忙しくて手が足りず、誰でもいいから手助けがほしいようす。
猫の額(ねこのひたい)
土地の面積が狭いことのたとえ。
寝覚めが悪い(ねざめがわるい)
過去に自分がした悪事などが思い出されて良心が痛むこと。
熱し易いものは冷め易い(ねっしやすいものはさめやすい)
物事に熱中しやすい人は、飽きるのも早いということ。
熱しやすく冷めやすい(ねっしやすくさめやすい)
物事に熱中しやすいが、飽きるのも早いさま。
熱が無い(ねつがない)
熱烈な意気込みが感じられない様子。
眠い煙い寒い(ねむいけむいさむい)
人間が我慢しにくいことを調子よく並べたことば。
根も葉もない(ねもはもない)
何の根拠もないことのたとえ。
寝るほど楽はない(ねるほどらくはない)
世の中で、のんびり寝ることほど楽なことはないということ。
退っ引きならない(のっぴきならない)
避けることも退くことも出来ず、動きがとれないようす。また、どうにもならないということ。
杯中の蛇影(はいちゅうのだえい)
疑えば、なんでもないことにまで神経を悩まし苦しむことのたとえ。杯に映った弓の影を蛇と見間違え、蛇を飲んだと思い込んで病気になったが、それが間違いだとわかると、たちまち治ったという故事から。
歯が立たない(はがたたない)
相手の能力が高すぎて勝負にならないこと。 または、その物事が難しすぎて処理できないこと。 硬くて噛み砕くことができないとの意から。
掃き溜めと金持ちは溜まるほど汚い(はきだめとかねもちはたまるほどきたない)
金持ちは、お金がたまればたまるほど欲深くけちになるというたとえ。「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。
歯切れがいい(はぎれがいい)
言葉の発し方がはっきりしていて、意味が伝わりやすいこと。
白面の書生(はくめんのしょせい)
年が若く、経験の乏しい学者や学生のこと。「白面」は年が若く未熟なこと、「書生」は勉強中の者の意。
箸にも棒にも掛からない(はしにもぼうにもかからない)
能力や程度などが劣っていて、どうにも扱いづらいことのたとえ。また、何の取り得もないことのたとえ。 小さな箸にも、大きな棒にも引っ掛からないとの意から。
箸の転んだもおかしい(はしのころんだもおかしい)
箸が転がるような、些細なことにもよく笑うこと。思春期の娘に対していうことが多い。
箸より重い物を持ったことがない(はしよりおもいものをもったことがない)
裕福な家庭で育てられるなどして、労働の経験がないことのたとえ。 食事で使う箸以上に重たい物を持ったことがないとの意から。 「箸より重い物を持たない」ともいう。
恥と頭は搔き次第(はじとあたまはかきしだい)
どんなに恥をかいてもいっこうに平気で、恥ずかしいことを続けていくこと。自由に頭を掻くように、恥をかき続けてもまるで気にしないことから。
始まらない(はじまらない)
既に時機を逃しているため、今からいっても意味はないということ。何にもならない。むだだ。しょうがない。
旗色が悪い(はたいろがわるい)
不利な状況にあること。 昔、戦場の軍旗の色を見て状況を判断したことから。
畑違い(はたけちがい)
専門とする分野や領域が違うようす。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めようがないほどの激しい勢いのたとえ。「破竹」は、竹を割ること。竹は始めの一節を割ると、残りが次々と割れていくことから。
鼻息が荒い(はないきがあらい)
物事に取り組もうとする意気込みが激しい様子。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
鼻が高い(はながたかい)
得意げな様子。誇らしく思っている様子。