「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 711 件
話が早い(はなしがはやい)
話そうとしていることを相手が既に知っているため、説明する必要がない様子。
話にならない(はなしにならない)
話し合いができる状態ではないこと。 または、酷すぎて話す価値がないこと。
鼻血も出ない(はなぢもでない)
金を全て使い果たして一円もないこと。
鼻っ柱が強い(はなっぱしらがつよい)
相手に負けまいとする気持ちが強く、簡単に主張を曲げたり、くじけたりしないこと。
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
歯の根が合わない(はのねがあわない)
寒さや恐怖で身体がふるえ、歯をかみしめていることが出来ないようす。
早いのが一の芸(はやいのがいちのげい)
物事を手早く処理するのも芸のうちということ。また、仕事は手早いことが大切で、技巧は二の次ということ。
はやり目なら病み目でもよい(はやりめならやみめでもよい)
やたらに流行を追いかける者の愚かさをいう言葉。 流行していることなら、たとえそれが目の病気でも真似をしたいとの意から。
腹が大きい(はらがおおきい)
細かいことに拘らず、広く受け入れることができること。度量が大きいこと。
腹が黒い(はらがくろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
春の雪とおばの杖は怖くない(はるのゆきとおばのつえはこわくない)
春の雪はたとえ大雪でもすぐに溶ける。また、おばが杖で叩いても力が弱い。恐れるに足りないことを並べていった語。
馬鹿と暗闇おっかない(ばかとくらやみおっかない)
暗闇も怖いが、馬鹿も何をしでかすか予想できないので恐ろしいということ。
馬鹿な子ほど可愛い(ばかなこほどかわいい)
親にとっては、賢い子より愚かな子のほうがふびんでかわいいということ。
馬鹿に付ける薬はない(ばかにつけるくすりはない)
愚かな者の頭を賢くする薬はない。愚か者は救いようがないということ。
馬鹿の大食い(ばかのおおぐい)
愚か者にかぎって大食をするということ。また、食事の作法をわきまえないことの非難していう言葉。 「阿保の大食い」ともいう。
馬鹿は死ななきゃ治らない(ばかはしななきゃなおらない)
愚か者の性質は治そうとしても治らない、手の施しようがないということ。
ばつが悪い(ばつがわるい)
その場に居続けることが気まずいと感じること。
祖母育ちは三百安い(ばばそだちはさんびゃくやすい)
祖母に育てられた子どもは、甘やかされ大切にされるので、わがままで出来の悪い子になるということ。
ぱっとしない(ぱっとしない)
これといって目立つところがない様子。
日が浅い(ひがあさい)
その状態になったり、その物事を始めたりしてからそれほど日が経っていないこと。
日が当たらない(ひがあたらない)
地位や環境などに恵まれないこと。
東に近ければ西に遠い(ひがしにちかければにしにとおい)
一方に都合よければ、他方には都合が悪く、どちらにも偏らないようにするのは難しいということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
引くに引けない(ひくにひけない)
引き下がりたいと思っても、立場や状況などから簡単には引き下がれない状態にあること。
左鮃右鰈(ひだりひらめみぎかれい)
鮃と鰈の見分け方をいったもの。目がからだの左側にあるのが鮃で、右側にあるのが鰈だということ。
筆舌に尽くし難い(ひつぜつにつくしがたい)
文章でも言葉でも十分に表現できないということ。「筆舌」は、文章と言葉の意。
人が悪い(ひとがわるい)
人が困ることをして喜ぶような性格。意地の悪い性格。
人聞きが悪い(ひとぎきがわるい)
よその人に聞かれた誤解を招く恐れがあるさま。
一言多い(ひとことおおい)
言う必要のない余計な事を言うこと。
一筋縄では行かない(ひとすじなわではいかない)
普通のやり方では思うようにいかない、うまく対処できないこと。 「一筋縄」は一本の縄のことで、普通のやり方のたとえ。 一本の縄だけでは対処できず、二本、三本と使うような状態との意から。
人と入れ物は有り次第(ひとといれものはありしだい)
人と器物は多いほうが便利だが、たとえ少なくてもうまく使えばなんとかなるということ。 「人と入れ物は有り次第」ともいう。
人の花は赤い(ひとのはなはあかい)
他人の物はなんでもよく見えるというたとえ。 人の家に咲いている花は、自分の家の花より赤く見えるとの意から。
人は一代、名は末代(ひとはいちだい、なはまつだい)
人のからだは死ねば滅びてしまうが、その人の名は後世にまで残るので、死後に名前を残すような立派なことをせよということ。
日の出の勢い(ひのでのいきおい)
朝日が昇るように勢いが盛んな様子。
暇ほど毒なものはない(ひまほどどくなものはない)
暇があって時間を持て余すと、つまらない事を考えたり、しでかしたりする。暇になるとろくなことはないということ。
百姓百層倍(ひゃくしょうひゃくそうばい)
百姓の仕事では、少量の種をまけば百倍もの収穫をもたらすということ。少ない元手で利益が多いことを「百」の語呂合わせでいった言葉。
平仄が合わない(ひょうそくがあわない)
話のつじつまが合わないこと。 「平仄」は、漢詩を作る時の平声字と仄声字の配列の規則、転じて物事の道理。道筋。
非力十倍、欲力五倍(ひりきじゅうばい、よくりきごばい)
たとえ力の弱い者でも、一大事の時には思わぬ力を発揮し、欲のためにも人はいつもの何倍もの力を出すということ。
びくともしない(びくともしない)
その物に何をしても少しも動かないこと。 または、何があっても動揺したり、驚いたりしないこと。
比丘尼に笄(びくににこうがい)
不必要なこと。また、不似合いなことのたとえ。「比丘尼(びくに)」は仏門に入った女性、「笄」は髪飾りの一種。髪のない比丘尼に髪飾りは必要ないことから。
風采が上がらない(ふうさいがあがらない)
容姿や服装などの見た目が質素で垢抜けていないこと。
夫婦喧嘩は犬も食わない(ふうふげんかはいぬもくわない)
夫婦喧嘩は長続きせずにすぐに仲直りするものなので、他人が仲裁に入るものではないということ。 何でも食べる犬ですら食べない(気に止めない)との意から。
不幸中の幸い(ふこうちゅうのさいわい)
不幸の中でも、いくらか救いがあること。
二つよいことはない(ふたつよいことはない)
一方に都合のよいことは、もう一方には都合が悪く、どちらにもよいことはないということ。
懐が暖かい(ふところがあたたかい)
手持ちの金銭が多くあること。
懐が寒い(ふところがさむい)
手持ちの金銭が少ないこと。 「懐が寂しい」ともいう。
懐が深い(ふところがふかい)
度量が広いこと。包容力があること。 または、相撲で、胸が広くてまわしが掴みにくいこと。
腑に落ちない(ふにおちない)
納得できないこと。 「腑」は内臓のこと。転じて、心の意。 心に入ってこないという意味から。
古傷は痛み易い(ふるきずはいたみやすい)
古傷が季節の変わり目などによく痛むように、過去の悪事や過失も何かにつけて思い出され、心が痛むということ。
風呂と客は立ったが良い(ふろときゃくはたったがよい)
客は長居をせずに、早く帰るほうがよいということ。客が「立つ」と風呂が「たつ」を掛けていった言葉。
糞が出たが別が出ない(ふんがでたがべつがでない)
よい考えが浮かばない時におどけていう言葉。便所で考えるとよい考えが浮かぶといわれることから、「分別(ふんべつ)」の「分」と「糞」を掛けていった言葉。
分が悪い(ぶがわるい)
勝負などで勝つ見込みがないこと。
武士に二言はない(ぶしににごんはない)
武士は信義を重んじるので、一度口にしたことは必ず守るということ。男が一度約束したことは必ず守るということのたとえ。
武士は相身互い(ぶしはあいみたがい)
武士同士は同じ立場にあるのだから、互いに理解し合って助け合うべきだということ。転じて、同じ立場にある者は、思いやりをもって互いに助け合うべきだということ。
下手の長糸遣い(へたのながいとづかい)
下手な人ほど無駄なことをして、上手な人ほど要領よくやるというたとえ。 裁縫の下手な人はむやみに長い糸を針につけるが、上手な人は必要な長さだけの糸をつけて縫いやすくすることから。 単に「上手の小糸」とも、また「下手の長糸遣い」ともいう。
糸瓜の皮とも思わない(へちまのかわともおもわない)
まったく気にかけないこと。なんとも思わないこと。 「糸瓜」はつまらないものという意味で用いられることが多く、その皮ほどにも思わないとのことから、まったく気にかけないこと。 「なんの糸瓜の皮」「糸瓜の皮」ともいう。
屁とも思わない(へともおもわない)
その物事を軽んじて問題にしないこと。
吠える犬はめったに噛みつかない(ほえるいぬはめったにかみつかない)
虚勢を張って強そうなことを言う者にかぎって実力がないというたとえ。
他ならない(ほかならない)
絶対にそれ以外のものではない。間違いなくそうだ。
「合格したのは努力した結果に―」彫りが深い(ほりがふかい)
顔の凹凸の差が大きいこと。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(ぼうずにくけりゃけさまでにくい)
その人が憎いと、それに関係するすべてのものが憎くなるということ。 僧侶が憎いと、着ている袈裟まで憎らしく思えてくるとの意から。
枚挙に遑がない(まいきょにいとまがない)
余りに多くて、いちいち数えきれないようす。「枚挙」はひとつひとつ数えあげること。「遑」は余裕のこと。
間がいい(まがいい)
運が良いこと。タイミングや都合がちょうど良いこと。
間が持てない(まがもてない)
何もすることがなく、空いた時間の扱いに困ること。また、会話などが途切れて気まずい時間ができること。 「間が持たない」ともいう。
間が悪い(まがわるい)
その場に居ることが気まずいと感じること。 また、運やタイミングが悪いこと。
紛れもない(まぎれもない)
疑う余地がなく、明白である。誤解や誤認の可能性がなく、確実であることをいう。
孫は子より可愛い(まごはこよりかわいい)
孫は子ども以上にかわいいということ。祖父母が孫をかわいがることの甚だしさをいう。
勝るとも劣らない(まさるともおとらない)
完全に勝てるほどではないが、かといって負けるほどではない。同等かそれより多少は勝っているさま。
間尺に合わない(ましゃくにあわない)
割りに合わないこと。損になること。「間尺」は割合、計算。
待たぬ月日は経ちやすい(またぬつきひはたちやすい)
待ち望んでいる日はなかなかやってこないものだが、ぼんやりしていると知らぬ間に月日が過ぎ去ってしまうということ。
学ぶのに年を取り過ぎたということはない(まなぶのにとしをとりすぎたということはない)
学ぶことに年齢の制限はなく、いくつになっても新しい知識を得ることができるということ。学びには終わりがないため、一生を通じて学び続けることが大切であるという考え。 英語の 「Never too late to learn(学ぶのに遅すぎることはない) 」に由来する表現であり、ローマの哲学者・詩人セネカの言葉とされる。
眉一つ動かさない(まゆひとつうごかさない)
少しも表情を変えないこと。動揺した素振りをみせないさま。
満更でもない(まんざらでもない)
必ずしも悪いということではない。 遠回しに、とても気に入っていることを表す言葉。 「満更」は、必ずしもの意。
まんじりともしない(まんじりともしない)
不安なことや気になることがあり、少しも眠れないさま。 「まんじり」は、少し眠るさま。
見栄も外聞もない(みえもがいぶんもない)
人の評判や世間体を気にする余裕もないさま。
身が軽い(みがかるい)
からだの動きが軽快な様子。 また、責任や負担などがなく身軽な様子。
右に出る者がない(みぎにでるものがない)
一番すぐれていて、その人に優る者がいないということ。昔、中国で右を上席としたことから。
微塵もない(みじんもない)
そのような気持ちなどが全くない。すこしもない。
水が合わない(みずがあわない)
その土地の環境や風土にうまく馴染めない様子。 また、所属している組織の体質に馴染めない様子。
見つめる鍋は煮立たない(みつめるなべはにたたない)
待っている時間は非常に長く感じられることのたとえ。 鍋が煮立つのを見ながら待つと、なかなか煮え立たないとの意から。
身の置き所がない(みのおきどころがない)
申し訳ない気持ちや恥ずかしい気持ちなどから、その場に居続けることが難しい様子。