「き」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「き」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 262 件
気合が入る(きあいがはいる)
ある物事に全力で取り組もうとする気力がわいている様子。 「気合が掛かる」ともいう。
気合を入れる(きあいをいれる)
精神を集中して力をこめること。 また、叱ったり励ましの言葉をかけたりして発奮させること。 「気合を掛ける」ともいう。
聞いた事は聞き捨て(きいたことはききすて)
人から聞いた事は、その場かぎりの話として聞き捨てるのがよいということ。 人から聞いた話を、面白半分に他の人にしゃべるなということ。
聞いた百文より見た一文(きいたひゃくもんよりみたいちもん)
人から百文の値打ちと聞かされるよりも、自分の目で見たほうが値打ちがあるということ。
利いた風(きいたふう)
よく知らないのに、知ったかぶって生意気な素振りをするさま。
聞いて呆れる(きいてあきれる)
言うことと実情がかけ離れすぎていて、まともに聞いていられない気持ちになること。
聞いて極楽、見て地獄(きいてごくらく、みてじごく)
話に聞くのと実際に見るのでは大差があるというたとえ。
聞いてびっくり、見てびっくり(きいてびっくり、みてびっくり)
聞かされた話が意外であることにびっくりし、実際に見てみると聞いた話とまったく違うので、またびっくりすること。
黄色い声(きいろいこえ)
女性や子どもの甲高い声のこと。
気炎を上げる(きえんをあげる)
威勢のいいことを得意げに言うこと。また、意気盛んに議論を交わすこと。 「上げる」は「揚げる」とも書く。 また「気炎を吐く」ともいう。
既往は咎めず(きおうはとがめず)
過ぎ去ったことをあれこれ咎めても仕方がない。これから先のことを大切にせよということ。
奇貨、居くべし(きか、おくべし)
絶好の機会は、逃さずうまく利用せよということ。 秦の国の相となった呂不韋がまだ若くて商人だった頃、趙の人質となっていた太子の子、子楚を助けて将来うまく利用しようと「此れ奇貨居くべし」と言った故事にもとづく。 「奇貨」は珍しい品物、「居く」は蓄えるの意。
幾何学に王道なし(きかがくにおうどうなし)
学問というものは、積み重ねて学んでいかなければならないもので、簡単に身につける安易な方法はないということ。 「王道」は、王様のための特別な道、転じて近道や安易な道のこと。 エジプト王が数学者のユークリッドに幾何学を簡単に学ぶ方法を尋ねたとき、ユークリッドは「幾何学に王道なし」と答えたという故事から。
聞かぬ事は後学にならず(きかぬことはこうがくにならず)
どんなことでも聞いておかなければ将来のための教養にならないということ。
木から落ちた猿(きからおちたさる)
頼みとするものを失って、途方にくれている状態のたとえ。
気が合う(きがあう)
互いに物事の考え方や感じ方、好みなどが似ていて付き合いやすいこと。
気が多い(きがおおい)
多方面に興味や関心を持ち、移り気であるさま。
気が大きい(きがおおきい)
細かいことを気にせず、度量が大きいこと。
気が置けない(きがおけない)
気兼ねや遠慮の必要がなく親しく付き合えるようす。
気が重い(きがおもい)
心に負担を感じて気持ちが沈むさま。
気が利きすぎて間が抜ける(きがききすぎてまがぬける)
気を利かせすぎて、肝心なところが抜けているということ。
気が利く(きがきく)
細かなところまで注意が行き届いていて、臨機応変な対応ができること。
気が気でない(きがきでない)
とても気になって落ち着かないさま。
気が差す(きがさす)
自分の言動や行動が気になって、後ろめたい気持ちになること。
気が沈む(きがしずむ)
気になることがあって気分が晴れないさま。
気が知れない(きがしれない)
相手の考えや気持ちが理解できない。どんなつもりでいるのかわからない。
気が進まない(きがすすまない)
自ら積極的に何かをしようという気持ちにならないこと。
気が済む(きがすむ)
心の負担や不満などがなくなり、気持ちが落ち着くこと。
気が急く(きがせく)
物事を早く進めようとしたり、急がなければいけないと思ったりして、気持ちが落ち着かないさま。
気が立つ(きがたつ)
感情が高ぶって、興奮したりいらいらしたりするさま。
気が散る(きがちる)
他の事が気になって、ひとつのことに集中できなくなるさま。
気が付く(きがつく)
細かなところまで注意が行きとどくこと。
気が詰まる(きがつまる)
その場の雰囲気などが窮屈に感じ、重苦しい気持ちになること。
気が強い(きがつよい)
気性が激しく、自分の主張を変えないさま。
気が咎める(きがとがめる)
自分の言動や行動にやましさを感じ、申し訳ない気分になること。
気が長い(きがながい)
気持ちがのんびりとしていて、焦ることがない様子。
気が抜ける(きがぬける)
緊張感がなくなってぼんやりすること。 また、炭酸飲料などの風味が失われること。
気が乗らない(きがのらない)
それをしたいという気持ちにならないこと。また、興味が湧かないこと。
気が弾む(きがはずむ)
楽しいことや嬉しいことがあって、気持ちがうきうきすること。 「気が弾む」ともいう。
気が早い(きがはやい)
せっかちな様子。急いで物事をおこなう様子。
気が張る(きがはる)
緊張して心にゆとりがなくなる状態のこと。
気が引ける(きがひける)
自分の言動や行動にやましさを感じ、気後れすること。
気が触れる(きがふれる)
精神の状態がおかしくなること。
気が紛れる(きがまぎれる)
何か他のことをすることで、一時的に嫌な気持ちなどを忘れること。
気が回る(きがまわる)
細かなところまで注意が行き届くこと。
気が短い(きがみじかい)
せっかちで、すぐに怒ったりいらいらしたりする性質のこと。
気が向く(きがむく)
それをやろうという気持ちになること。
気が滅入る(きがめいる)
憂鬱な気持ちになる。
気が休まる(きがやすまる)
心配事がなく、心が落ち着くこと。
気が緩む(きがゆるむ)
緊張感がなくなって、気持ちがたるむこと。
気が弱い(きがよわい)
他人の目が気になって、自分の思い通りの言動ができない様子。
気が若い(きがわかい)
年齢の割に、気持ちの持ち方が若い様子。
聞きしに勝る(ききしにまさる)
うわさや評判で聞いた以上なさま。
聞き上手の話し下手(ききじょうずのはなしべた)
人の話を上手に聞く人は、自分が人に話すのは下手だということ。
聞き捨てならない(ききずてならない)
聞いたことをそのまま黙って聞き流すわけにはいかない。
忌諱に触れる(ききにふれる)
目上の人がいやがる言動をして、ご機嫌を損なうこと。 「忌諱」は忌み嫌って避けること。 「きき」は「きい」とも読む。
聞き耳を立てる(ききみみをたてる)
話や音をよく聞こうとして、注意を集中すること。
危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)
生き残るか滅びるかの大きな岐路に立たされている時。「秋」は重大な時期の意。
飢饉は海から(ききんはうみから)
海の不漁は飢饉の前兆であるということ。
聞くと見るとは大違い(きくとみるとはおおちがい)
人から聞いたのと実際に見るのとでは大きな違いがあるということ。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじ)
知らないことを聞くのはほんの一時の恥で済むが、聞かずに知らないまま過ごすのは一生恥ずかしいということ。
気位が高い(きぐらいがたかい)
自分の品位に誇りをもっていて、他者を見下すような態度をとる様子。
聞けば聞き腹(きけばききばら)
聞かなければ知らずにすんだのに、聞いたばかりに腹立たしくなるということ。
聞けば気の毒、見れば目の毒(きけばきのどく、みればめのどく)
聞けば聞いたで心を悩ませ、見れば見たで心を悩ませる。聞くもの見るものすべて煩悩の種となり気にかかるということ。
機嫌を損ねる(きげんをそこねる)
うっかり嫌なことを言ってしまい、相手を不快にさせること。
機嫌を取る(きげんをとる)
相手の喜ぶような言動をとって気に入られようとすること。 また、相手の気持ちを慰めたり和らげたりすること。
聞こえよがし(きこえよがし)
わざと周りに聞こえるように悪口や皮肉を言うこと。
騎虎の勢い(きこのいきおい)
勢いやはずみがついて途中でやめられなくなることのたとえ。「騎虎」は虎に乗ること。虎に乗って走り出すと、途中で降りたら虎に食い殺されるので仕方なく走り続けなければならないことから。
樹静かならんと欲すれども風止まず(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず)
親孝行をしようと思う時に、親はもうこの世にいなくてままならないというたとえ。樹木が静かに立っていようとしても、風が止まないので静かになれない意から。
木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)
木を切るには七月、竹を切るには八月、土塀を塗るのは十月が適しているということ。月はいずれも陰暦で、人名のように語呂をあわせて覚えやすくしたもの。
気色が悪い(きしょくがわるい)
気味が悪く不快に感じるさま。
帰心、矢の如し(きしん、やのごとし)
故郷や我が家に帰りたいと思う気持ちが募ること。
生地が出る(きじがでる)
何かのきっかけで、本来その人が持っている性格や隠していた本性があらわれること。 「生地を出す」ともいう。
雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)
無用な発言をして、自ら災いを招くことのたとえ。 雉も鳴かなければ、人間に撃たれることもないのにという意味から。
机上の空論(きじょうのくうろん)
頭の中だけで考えられた、実際には役に立たない理論。
傷口に塩(きずぐちにしお)
災難の上にさらに災難が降りかかることのたとえ。
鬼籍に入る(きせきにいる)
死亡すること。「鬼籍」は寺で、檀家の死者の氏名などを記録する名簿のことで、それに記入される意から。
期せずして(きせずして)
予想していなかった出来事が起こるさま。思いがけず。偶然に。
機先を制する(きせんをせいする)
相手より先に行動を起こし、相手の出鼻をくじいて自分を有利にすること。「機先」は物事が起こる直前の意。
驥足を展ばす(きそくをのばす)
すぐれた才能を持った人がそれを十分に発揮すること。「驥足」は駿馬のすぐれた脚力のことで、転じてすぐれた才能の意。