「たま」を含む故事・ことわざ・慣用句
「たま」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 114 件
卵を見て時夜を求む(たまごをみてじやをもとむ)
順序を考えず、あまりに早計に結果を求めるたとえ。 「時夜」は、鶏が夜明けに鳴いて時を知らせること。 卵のうちから、鶏に成長して時を告げることを待ち望むとの意から。
卵を以て石に投ず(たまごをもっていしにとうず)
損ばかりでなんにもならないことのたとえ。また、道理の通らない愚かな行為のたとえ。石に卵を投げつけても卵が割れるだけで石はなんともないことから。
卵を割らないでオムレツは作れない(たまごをわらないでおむれつはつくれない)
目的を達成するためには犠牲が必要であるというたとえ。西洋のことわざ。
魂が抜ける(たましいがぬける)
気力がなくなること。
魂を入れ替える(たましいをいれかえる)
反省して心を入れ替える。過去の非を悔いて心を改める。
魂を消す(たましいをけす)
とてもさびしい思いをすること。心からさびしく思うこと。 または、非常に驚きおそれること。肝を冷やす。
魂を冷やす(たましいをひやす)
非常に驚きおそれる。肝を冷やす。
玉と欺く(たまとあざむく)
玉であるかのように思わせる。 「玉」は宝石。 多く草の葉の上の露についていう。
玉となって砕くとも瓦となって全からじ(たまとなってくだくともかわらとなってまったからじ)
名誉を守るために死ぬことはあっても、いたずらに生きながらえるだけのむなしい生涯を送りたくはないということ。 貴重な玉として砕かれてしまってもよいが、無価値な瓦として安全に生涯を全うしたいとは思わないとの意から。
玉なす(たまなす)
玉のように立派である。 また、汗や涙が大粒の玉のようになって出てくる。
玉に瑕(たまにきず)
それさえなければ完全なのに、惜しいことにほんのわずかな欠点があること。
たまに出る子は風に遭う(たまにでるこはかぜにあう)
普段しないようなことをすると、失敗したりひどい目に遭ったりするというたとえ。 めったに外に出ない子がたまに外出すると、その日に限って大風が吹くとの意から。
玉の汗(たまのあせ)
玉のように吹き出る大粒の汗。
玉の輿に乗る(たまのこしにのる)
女性が、身分の高い人や金持ちの妻になること。 「玉の輿」は、貴人の乗る立派な乗り物のこと。
玉の杯、底なきが如し(たまのさかずき、そこなきがごとし)
外見はすばらしいが、肝心なところに欠点があり、実際には約に立たないもののたとえ。 美しい杯も、底がなければ使い物にならないとの意から。
玉磨かざれば光なし(たまみがかざればひかりなし)
才能や素質に恵まれていても、努力しなければ立派な人間になることはできないというたとえ。 どれほどすばらしい玉でも、磨かなければ光を放たないとの意から。 「玉磨かざれば器を成さず」ともいう。
堪るものか(たまるものか)
そのようなことがあるはずがない、または、そのような状態のままにしておくわけにはいかないなどの意を表す。
玉を転がすよう(たまをころがすよう)
音や声が高く澄んで美しい様子の形容。
玉を衒いて石を売る(たまをてらいていしをうる)
値打ちのある物のように見せかけて、実際は粗末な物を売るたとえ。「衒う」は、見せびらかす意。高価な玉を見せびらかしておいて、実際には値打ちのない石を売りつけるということから。
月夜にも背中炙りて温まれ(つきよにもせなかあぶりてあたたまれ)
効果がないと思われることも、しないよりはましだというたとえ。また、わずかでも利用できるものは使った方がいいというたとえ。
てらつつきの子は卵から頷く(てらつつきのこはたまごからうなずく)
生まれながらの才能は、幼い時から自然に現れるというたとえ。「てらつつき」は、きつつきのこと。きつつきの子はえさの虫を捕るために、幼い時から首を上下に動かす癖があることから。
年が改まる(としがあらたまる)
新しい年になること。または、年号が変わること。
寝た間は仏(ねたまはほとけ)
どんな悪人でも眠っている間は仏のように無心だということ。また、眠っている間は苦労や心配も忘れ、仏のような心になれるということ。
掃き溜めと金持ちは溜まるほど汚い(はきだめとかねもちはたまるほどきたない)
金持ちは、お金がたまればたまるほど欲深くけちになるというたとえ。「掃き溜め」は、ごみ捨て場のこと。
恥と頭は搔き次第(はじとあたまはかきしだい)
どんなに恥をかいてもいっこうに平気で、恥ずかしいことを続けていくこと。自由に頭を掻くように、恥をかき続けてもまるで気にしないことから。
低き所に水溜まる(ひくきところにみずたまる)
水が低い所に溜まるように、利益のある所に自然と人が集まるということ。
二股を掛ける(ふたまたをかける)
同時に二つの目的を遂げようとすること。または、結果がどちらに転んでも良いように、両方に関係を持つこと。一方に決めず、どちらにも関与しておく態度を表す。
仏造って魂入れず(ほとけつくってたましいいれず)
ほとんど仕上がっているのに、肝心な部分が抜け落ちていること。 仏像を作っても、魂を入れ忘れるとの意から。
学ぶに暇あらずと謂う者は暇ありと雖も亦学ぶ能わず(まなぶにいとまあらずというものはいとまありといえどもまたまなぶあたわず)
勉強したくても時間がないなどという人は、もともと学ぶ意欲がないのだから、たとえ暇があったとしても勉強はしないということ。
丸い卵も切りようで四角(まるいたまごもきりようでしかく)
物事は話し方、やり方しだいで円満にいくこともあれば、角が立つこともあるというたとえ。丸い卵も切り方によっては四角になるということから。「ものも言いようで角が立つ」あとに続けてもいう。
三つ子の魂百まで(みつごのたましいひゃくまで)
幼い時の性格は、年をとっても変わらないということ。
実るほど頭の下がる稲穂かな(みのるほどあたまのさがるいなほかな)
人は学問や徳が深まると、かえって謙虚になることのたとえ。 稲穂は実が入ると重くなり頭を下げることから。 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「実る稲田は頭垂る」ともいう。
目の寄る所へは玉も寄る(めのよるところへはたまもよる)
同類が自然に寄り集まることのたとえ。 目が一方へ動けば、それにつれて瞳も動くとの意から。
矢も楯もたまらず(やもたてもたまらず)
思いつめてじっとしていられない様子。 矢でも楯でも勢いを抑えることができないとの意から。