「らん」を含む故事・ことわざ・慣用句
「らん」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 32 件
豈図らんや(あにはからんや)
どうしてそんなことが予想できただろうか。 意外なことに出会ったときに言う言葉。
危うきこと累卵の如し(あやうきことるいらんのごとし)
きわめて不安定で危険な状態のたとえ。 「累卵」は積み重ねた卵のことで、いつ崩れるかわからないことから。
乙夜の覧(いつやのらん)
天子が読書すること。 書物を読むことの大切さをいう言葉。 「乙夜」は午後十時ごろ。 「覧」は読書のこと。 天子はとても忙しいため、夜遅くになってはじめて読書する時間ができるとの意から。 「乙覧」と略して使うこともある。
祈らずとても神や守らん(いのらずとてもかみやまもらん)
行いが正しく慎み深ければ、ことさら神に祈らなくても自然に神の加護があるものだということ。 菅原道真の作といわれる「心だに誠の道に叶いなば祈らずとても神や守らん」より出た言葉。
選んで粕を摑む(えらんでかすをつかむ)
えり好みをし過ぎたために、かえってつまらないものを掴んでしまうたとえ。
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)
小人物には、大人物の志は理解できないということのたとえ。「燕雀」は小さな鳥の意から転じて小人物、「鴻鵠」は大きな鳥の意から転じて大人物のこと。
王侯将相寧んぞ種あらんや(おうこうしょうしょういずくんぞしゅあらんや)
王や諸侯、将軍、大臣になるには家柄や血統など関係なく、必要なのはその人の才能や努力だということ。「種」は家柄、血統の意。
鬼の霍乱(おにのかくらん)
ふだん非常に丈夫な人が珍しく病気にかかることのたとえ。 「霍乱」は日射病のこと。 鬼が日射病にかかることから。
快刀、乱麻を断つ(かいとう、らんまをたつ)
込み入ってどうにもならない問題などを、鮮やかに解決することのたとえ。 「快刀」はよく切れる刀、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。 切れ味のよい刀で、もつれた麻糸をすぱっと切るとの意から。 略して「快刀乱麻」ともいう。
怪力乱神を語らず(かいりょくらんしんをかたらず)
君子というものは道理にそむいたこと、理性で説明がつかないことは口にしないということ。転じて、不確かなこと、怪しげなことは口にすべきではないということ。「怪力乱神」は、「怪しく不思議なこと」「強い力」「道理を乱すこと」「鬼神」をあわせていったもので、計り知れない不思議な現象や存在のこと。
樹静かならんと欲すれども風止まず(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず)
親孝行をしようと思う時に、親はもうこの世にいなくてままならないというたとえ。樹木が静かに立っていようとしても、風が止まないので静かになれない意から。
狂瀾を既倒に廻らす(きょうらんをきとうにめぐらす)
形勢がすっかり傾いた状態を、元の状態に引き戻すことのたとえ。 「狂瀾」「回瀾(廻瀾)」は荒れ狂う大波。 「既倒」は既に倒れたという意味。 荒れ狂う大波を、向こうへ押し返すとの意から。 「狂瀾を既倒に返す」「回瀾(廻瀾)を既倒に反す」ともいう。
金蘭の契り(きんらんのちぎり)
きわめて親密な交わりのこと。 その交わりの堅さは金をも断つほどであり、その美しさは薫り高い蘭のようであるとの意から。
酒極って乱となる(さけきわまってらんとなる)
酒席も酒がすすむにつれて酔いがまわり、しまいには喧嘩などで乱れてしまうということ。
山雨来らんとして風楼に満つ(さんうきたらんとしてかぜろうにみつ)
何事か変事が起こる前に、なんとなく不穏な気配がただよう様子。 「楼」は、高殿のこと。 山の雨が降り出す前には、前ぶれの風が高殿へ吹きつけることから。 「山雨来らんと欲して風楼に満つ」ともいう。
出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)
弟子が師より優れていることのたとえ。 藍草から作られた染料の青色が、元となる藍草よりも青く美しいことから。 「出藍の誉れ」ともいう。
芝蘭の室に入るが如し(しらんのしつにいるがごとし)
立派な人と交際すると、自然とその人のよい影響を受けるというたとえ。 芝と蘭のある部屋に入ると、いつの間にかそのよい香りが身に染みつくとの意から。
精神一到、何事か成らざらん(せいしんいっとう、なにごとかならざらん)
精神を集中して取り組めば、どんな難しいことでもできないことはないということ。
備わらんことを一人に求むるなかれ(そなわらんことをいちにんにもとむるなかれ)
万能な人間などいないのだから、一人の人間に完全無欠を要求してはいけないということ。
誰か烏の雌雄を知らんや(たれかからすのしゆうをしらんや)
外見だけでは物事の善悪や優劣がつけにくいことのたとえ。また、よく似ていて区別しにくいことのたとえ。 誰が真っ黒な烏の雌と雄を見分けることができるだろうかの意から。 単に「烏の雌雄」ともいう。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、こころはしょうならんことをほっす)
度胸は大きく持ちたいし、注意は細やかでありたいということ。 「胆大心小」ともいう。
治に居て乱を忘れず(ちにいてらんをわすれず)
平和な時でも万一の事を考えて準備を怠るなということ。
忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず(ちゅうならんとほっすればこうならず、こうならんとほっすればちゅうならず)
主君に忠義を尽くそうとすれば親に逆らうこととなり孝行できず、親に孝行しようとすれば主君に背くことになり不忠となる。大切な二つのものの板ばさみになって進退きわまった状態のたとえ。平重盛が、父の清盛と朝廷との間で苦悩したときの言葉。
東家に食して西家に眠らん(とうかにしょくしてせいかにねむらん)
欲が深いことのたとえ。昔、中国斉の国の美女が両隣の男性から求婚され、東側の家は金持ちだが醜男、西側の家は貧乏だが美男だった。母親がどちらに嫁ぐのか尋ねたところ、昼間は東側の家で過ごし、夜は西側の家で過ごしたいと答えたという故事から。
百歳の童(ひゃくさいのわらんべ)
年を取ってもなお、子どもにも劣る愚かな老人。また、年老いて子ども返りした者。
平地に波瀾を起こす(へいちにはらんをおこす)
世の中が平和に治まっているときに、わざわざもめごとを起こすたとえ。
揺籃の地(ようらんのち)
出生地。また、物事の発展の基礎を築いた土地。 「揺籃」は、ゆりかごのこと。
爛柯(らんか)
囲碁の別称。また、囲碁に夢中になり時の経つのを忘れること。 転じて、遊びに夢中になって時の経つのを忘れること。 「爛」は腐ること、「柯」は斧の柄のこと。 晋の王質という木こりが森の中で童子たちが囲碁を打つのを見ているうちに、斧が腐るほどの時間が経っていたという故事から。
乱世の英雄(らんせのえいゆう)
世の中の乱れに乗じて活躍する英雄のこと。中国、後漢の時代、許劭が曹操を評して言ったという故事から。
良禽は木を択んで棲む(りょうきんはきをえらんですむ)
賢い鳥は木を選んで巣を作るということ。賢い臣下は主君を選んで仕えるというたとえ。
累卵の危うき(るいらんのあやうき)
卵を積み重ねたように、非常に不安定で危険なようす。
礼に始まり、乱に終わる(れいにはじまり、らんにおわる)
酒宴は始まりこそ礼儀正しくとも、宴の終わるころには礼儀も何もなく乱れるものだということ。
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