「間」を含む故事・ことわざ・慣用句
「間」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 61 件
間に立つ(あいだにたつ)
当事者同士の間に入り、交渉や話し合いを仲介して、調整やとりまとめを行うこと。 「間に入る」ともいう。
合間を縫う(あいまをぬう)
仕事のあいまなど、物事が途切れた短い時間をうまく活用して、他の事を行う。
あっという間(あっというま)
「あっ」と驚いている間ほどの、ほんの短い時間のこと。
鼬なき間の貂誇り(いたちなきまのてんほこり)
自分よりすぐれたもの、強いものがいない間に大威張りすることのたとえ。 天敵の鼬(いたち)がいない時だけ、貂(てん)が威張るとの意から。
鬼の居ぬ間に洗濯(おにのいぬまにせんたく)
怖い人や気兼ねする人がいない間にのびのびと寛ぐこと。「洗濯」は命の洗濯の意で気晴らしのこと。
間、髪を容れず(かん、はつをいれず)
少しの時間も置かず即座に行動するさま。 間に髪の毛一本さえも入る余地がないとの意から。
間一髪(かんいっぱつ)
事態が非常に差し迫っていること。寸前のところ。 髪の毛一本ほどの狭い隙間のことから。
間隙を生じる(かんげきをしょうじる)
人間関係が悪化すること。 互いのあいだに隙間ができる意から。
間隙を縫う(かんげきをぬう)
わずかな隙間や暇を見つけ、何かを行うこと。
間然するところなし(かんぜんするところなし)
非難すべき欠点がまったくないこと。 「間然」は、非難・批判すること。
気が利きすぎて間が抜ける(きがききすぎてまがぬける)
気を利かせすぎて、肝心なところが抜けているということ。
行間を読む(ぎょうかんをよむ)
書物の表面上には表れていない、背後にある筆者の真意を読みとることのたとえ。
九尺二間に戸が一枚(くしゃくにけんにとがいちまい)
間口が九尺、奥行き二間、入り口の戸が一枚だけというような、きわめて狭く粗末な家のたとえ。
口から出れば世間(くちからでればせけん)
いったん口出したことは、いつの間にか世間に広まるから、口は慎めということ。
猿は人間に毛が三筋足らぬ(さるはにんげんにけがみすじたらぬ)
猿は利口で人間にきわめて近い動物だが、人間に知恵が及ばないのは毛が三本足りないからだということ。 また、「毛が三本」ではなく、「見分け(判断・配慮する力)」「情け(思いやる心)」「やりとげ(物事をやり遂げる力)」の三つ、または「色気」「情け」「洒落っ気」」の三つが足りないとする説もある。 「三筋」ではなく「三本」ともいう。
指呼の間(しこのかん)
指さして呼べる、または呼べば答えるほどの近い距離のこと。
時間の問題(じかんのもんだい)
結果がほぼ分かっていて、そのままの状態で近いうちにその結果になるだろうという状態。
時間を稼ぐ(じかんをかせぐ)
準備を整えたり有利な状況になったりするまで長引かせること。 「時間を稼ぐ」ともいう。
時間を割く(じかんをさく)
忙しい中で時間をやりくりして、あることをするために時間を作ること。
透き間風は冷たい(すきまかぜはつめたい)
義理の仲が、なんとなくしっくりいかないことのたとえ。 または、友人や男女の間で感情の隔たりができると、まったくの他人どうしではないだけに、余計に冷たさが身にしみるというたとえ。
急かねば事が間に合わぬ(せかねばことがまにあわぬ)
事を急ぐと失敗しやすいとわかっているが、急がなければ間に合わず、役に立たないということ。
世間がうるさい(せけんがうるさい)
世間の人々が問題として取り上げ、内輪のことでは済まなくなるさま。
世間が狭い(せけんがせまい)
付き合いのある範囲が狭いことや、世間に対する知識が少ないこと。 または、面目が立たず、人との付き合いを避けること。肩身が狭い。
世間が広い(せけんがひろい)
付き合いのある範囲が広いことや、世間に対する知識が深いこと。
世間知らずの高枕(せけんしらずのたかまくら)
厳しい現実も知らずに、のんびり平然と暮らしている人を皮肉っていう言葉。
世間の口に戸は立てられぬ(せけんのくちにとはたてられぬ)
世間の噂話は止めることができないということ。 「立てる」は閉めることで、「閉てる」とも書く。 「開いた口に戸は立てられぬ」「世間の口に戸は立てられぬ」ともいう。
世間は張り物(せけんははりもの)
世の中には体裁よく見せかけているものが多くあるということ。また、世の中は見栄を張って渡るのが普通であるということ。 「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。 「世は張り物」「世界は張り物」ともいう。
世間は広いようで狭い(せけんはひろいようでせまい)
世間は広いようで、案外狭いものであるということ。 思いがけない所で知人にばったり会った時などにいう言葉。 「世の中は広いようで狭い」ともいう。
世間を騒がせる(せけんをさわがせる)
事件や問題を起こし、広く人々の注目を集めて話題になること。
世間を狭くする(せけんをせまくする)
問題を起こして人付き合いの範囲を狭くすること。
時を得た一針は九針の手間を省く(ときをえたいっしんはきゅうしんのてまをはぶく)
すぐに対処しておけば、あとで大掛かりな手間をかけずにすむということ。 その時に一針縫っておけば、あとで九針縫う手間を省くことができるとの意から。 「適時の一針は九針の手間を省く」ともいう。
床の間の置き物(とこのまのおきもの)
高い地位があって立派に見えるが実権を持たない人のたとえ。
人間至る処、青山あり(にんげんいたるところ、せいざんあり)
どこで死んでも世の中には自分の骨を埋めるぐらいの場所はあるということ。だから、故郷にこだわらず広い世間に出ておおいに活動すべきだというたとえ。「人間」は、「じんかん」とも読み世の中の意。「青山」は、樹木が青々と茂った山で埋骨にふさわしい土地の意。幕末の僧、月性(げっしょう)の詩から。
人間一生二万日(にんげんいっしょうにまんにち)
人間の平均寿命はかつては五十年とされ、日数にすると約二万日ということになり、一生は長いようにも短いようにも思われるということ。
人間は考える葦である(にんげんはかんがえるあしである)
人間は自然の中ではか弱い存在であるが、思考する存在としては偉大であるということ。フランスの哲学者パスカルの「人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」という言葉から。
人間は万物の尺度である(にんげんはばんぶつのしゃくどである)
この世のすべての物事は、個々の人間の感覚を基準として測られるものであるということ。 ギリシャの哲学者プロタゴラスの言葉から。 「人は万物の尺度なり」ともいう。
人間万事金の世の中(にんげんばんじかねのよのなか)
世の中は金の力がものをいい、金がすべてのものを支配しているということ。
人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)
人生における幸・不幸は予測が出来ないということ。 幸運から不幸に、不幸から幸運にいつ転じるかわからないので、一喜一憂する必要はないということ。 昔、中国北方の塞(とりで)付近に住んでいた老人が馬に逃げられたが、その馬が立派な馬を連れて帰って来た。老人の息子がその馬から落馬して足の骨を折ったが、そのおかげで兵役を免れたという故事から。 「人間万事塞翁が馬」ともいう。
人間僅か五十年(にんげんわずかごじゅうねん)
人の一生は短くはかないものだということ。 人の寿命はたかだか五十年との意から。 「人生僅か五十年」「人間五十年」ともいう。
寝た間は仏(ねたまはほとけ)
どんな悪人でも眠っている間は仏のように無心だということ。また、眠っている間は苦労や心配も忘れ、仏のような心になれるということ。
寝る間が極楽(ねるまがごくらく)
寝ている間は現実の心配事や苦労を忘れることができて、まるで極楽にいるようだということ。
伯仲の間(はくちゅうのかん)
ほとんど差がなく優劣がつけにくいこと。昔、中国では子どもの上から順に伯・仲・叔・季の字を当て、伯(長兄)と仲(次兄)では年齢にあまり差がないことから。
日方と手間取りは日のうち(ひかたとてまどりはひのうち)
日雇いの仕事が夕方には終わるように、南風も夕方にはやむということ。「日方」は日のある方から吹く風。南西風、南東風のこと。「手間取り」は日雇い仕事のこと。
一つ間違えば(ひとつまちがえば)
一つでも悪いことがあれば最悪の事態になる可能性があることを表す言葉。
広い世間を狭くする(ひろいせけんをせまくする)
恥ずかしい行いなどのために、肩身を狭くしてしまうということ。
鮒の仲間には鮒が王(ふなのなかまにはふながおう)
つまらない者の中では、やはりつまらない者が首領となることのたとえ。また、つまらない者たちの中にもそれにふさわしい首領がいるというたとえ。
間がいい(まがいい)
運が良いこと。タイミングや都合がちょうど良いこと。
間がな隙がな(まがなすきがな)
少しでもひまがあれば。
間が抜ける(まがぬける)
ものごとの大事な点が欠けており、馬鹿げたように見えること。
間が延びる(まがのびる)
間が空きすぎて、物事にしまりがなくなること。進行がだらだらと続き、緊張感や緊迫感に欠けるさま。
間が持てない(まがもてない)
何もすることがなく、空いた時間の扱いに困ること。また、会話などが途切れて気まずい時間ができること。 「間が持たない」ともいう。
間が悪い(まがわるい)
その場に居ることが気まずいと感じること。 また、運やタイミングが悪いこと。
間尺に合わない(ましゃくにあわない)
割りに合わないこと。損になること。「間尺」は割合、計算。
瞬く間(またたくま)
一回の瞬きほどの短い時間。あっという間。
待つ間が花(まつまがはな)
物事はあれこれ想像して待っている間が楽しいものであるということ。 「待つ間が花」ともいう。
見る間に(みるまに)
見ている間に。見る見る。
目睫の間(もくしょうのかん)
距離や時間がきわめて接近していることのたとえ。 目と睫(まつげ)の間のようにとても近いとの意から。
世の中は三日見ぬ間の桜かな(よのなかはみっかみぬまのさくらかな)
桜の花があっという間に散ってしまうように、世間の移り変わりは激しいものだということ。 もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな」から。 この句は「桜が散ってしまうこと」ではなく「桜が咲きそろうこと」を詠んだもの。 単に「三日見ぬ間の桜」ともいう。
林間に酒を煖めて紅葉を焼く(りんかんにさけをあたためてこうようをたく)
林の中で紅葉を燃やして酒を暖めて飲み、秋の風情を楽しむこと。
留守見舞いは間遠にせよ(るすみまいはまどおにせよ)
主人が不在中の家を頻繁に訪れると、あらぬ疑いをかけられるから、ほどほどにしたほうがいいということ。
渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)
世の中は薄情な人ばかりではなく、困った時には助けてくれる情け深い人もいるというたとえ。
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