「引」を含む故事・ことわざ・慣用句
「引」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
阿漕が浦に引く網(あこぎがうらにひくあみ)
人に隠れて行う事も、度重なると人に知られてしまうということのたとえ。 「阿漕が浦」は三重県津市東部の海岸で、伊勢神宮に奉納する魚を捕るため一般人は禁猟区であったが、ある漁夫がたびたび密漁を行い捕らえられたということから。
足を引っ張る(あしをひっぱる)
他人の成功や昇進の邪魔をすること。また、物事の順調な進行を妨げること。
後に引けない(あとにひけない)
自分の立場や面目を保つため、相手に譲歩したり引き下がれないこと。引っ込みがつかない。
後へ引かない(あとへひかない)
自分の意見をあくまでも主張して、譲歩しようとしないこと。
後を引く(あとをひく)
物事の影響が、いつまでも残ること。とくに、悪い物事についていう。 また、飲食物などを引き続き欲してやめられなくなること。
息を引き取る(いきをひきとる)
死ぬ。呼吸が止まる。
一引き、二才、三学問(いちひき、にさい、さんがくもん)
出世の条件は、第一に上のひとの引き立て、二番目は才能、三番目が学問であるということ。
一髪、千鈞を引く(いっぱつ、せんきんをひく)
非常に危険なことのたとえ。 「千鈞」は約6.7kgで非常に重い物こと。 一本の髪の毛で、千鈞の重さがある物ものを引っ張ることから。
糸を引く(いとをひく)
表に出ないで、陰で自分の思い通りに人を動かす。 糸を引いて操り人形をうごかすことから。
引導を渡す(いんどうをわたす)
最終的な宣告をして相手をあきらめさせること。 また、相手の命がまもなくなくなることをわからせること。 「引導」は、葬式の際、死者の霊を極楽浄土に導くために僧が経文や仏語を唱えること。 その引導を授けるの意から。
牛に引かれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり)
人に連れられてある場所へ出かけて行くこと。また、自分の意思ではなく他人の誘いによって、よい方向に導かれることのたとえ。 善光寺の近くに住んでいた不信心な老婆が布をさらしていると、その布を牛が角にひっかけて逃げてしまった。老婆は牛を追いかけて善光寺に着き、その縁によって信仰するようになったという故事から。
後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる)
まるで後ろ髪を引っ張られるような未練にとらわれ、心が残って思い切れないようす。
裏で糸を引く(うらでいとをひく)
自分自身は表に出ないで、裏で他人を意のままに動かすこと。 人形師が糸を引いて人形を操ることから。 「裏で糸を引く」ともいう。
男の目には糸を引け、女の目には鈴を張れ(おとこのめにはいとをひけ、おんなのめにはすずをはれ)
男の目は糸を引いたように細くて真っ直ぐなのがよく、女の目は鈴のようにぱっちりと大きいのがよいということ。
玩具箱を引っ繰り返したよう(おもちゃばこをひっくりかえしたよう)
部屋などがひどく散らかっていることのたとえ。
尾を引く(おをひく)
物事が一段落しても、その影響がいつまでも残ること。
懸かるも引くも折による(かかるもひくもおりによる)
事を始めるのも終わらせるのも時機が大事だというたとえ。
陰で糸を引く(かげでいとをひく)
自分自身は表に出ないで、裏で他人を意のままに動かすこと。 人形師が糸を引いて人形を操ることから。 「裏で糸を引く」ともいう。
風邪を引く(かぜをひく)
テープや絆創膏などの粘着力が弱まって、役に立たなくなることのたとえ。
金鎖も引けば切れる(かなぐさりもひけばきれる)
鉄製の鎖も時には切れることがあるように、どんなに意志の強い人でも誘惑に負けることがあるというたとえ。
金棒引き(かなぼうひき)
ささいなことを大げさに触れ回る人のこと。本来は、金棒を突き鳴らしながら夜警する人のこと。
金棒引き(かなぼうひき)
ささいなことを大げさに触れ回る人のこと。本来は、金棒を突き鳴らしながら夜警する人のこと。
金棒を引く(かなぼうをひく)
噂話などを大げさに触れ回ること。 「金棒」は、頭部に鉄輪を付けた棒のこと。昔、夜警などが棒を突き鳴らしながら歩いたことから。
皮引けば身が痛い(かわひけばみがいたい)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
皮引けば身が付く(かわひけばみがつく)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
気が引ける(きがひける)
自分の言動や行動にやましさを感じ、気後れすること。
気の利いた化け物は引っ込む時分(きのきいたばけものはひっこむじぶん)
長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。 気の利いた化け物は引き時を心得ているとの意から。 単に「化け物も引っ込む時分」ともいう。
気を引く(きをひく)
相手の気持ちをそれとなく探ること。 また、相手の関心を自分に向けさせようとすること。
首縊りの足を引く(くびくくりのあしをひく)
首をくくって死のうとしている人の足を引っぱるような、むごいことをするたとえ。
暗がりから牛を引き出す(くらがりからうしをひきだす)
区別がつきにくいこと。また、動作が鈍いこと。 暗い所に黒い牛がいても姿がはっきりしないことから。 単に「暗がりから牛」、または「暗がりの牛」「闇から牛を引き出す」「暗闇から牛を引き出す」ともいう。
暗闇から牛を引き出す(くらやみからうしをひきだす)
区別がつきにくいこと。また、動作が鈍いこと。 暗い所に黒い牛がいても姿がはっきりしないことから。 単に「暗がりから牛」、または「暗がりの牛」「闇から牛を引き出す」「暗闇から牛を引き出す」ともいう。
心を引かれる(こころをひかれる)
あることに関心をもち、思いを寄せること。
子に引かるる親心(こにひかるるおやごころ)
後手を引く(ごてをひく)
相手に先を越され、受け身の立場になったり対応が遅れたりすること。
情に引かされる(じょうにひかされる)
相手に同情してしまい、厳しい決断を下せないこと。
節季の風邪は買っても引け(せっきのかぜはかってもひけ)
節季のような忙しい時でも、病気ならば公然と休めるから、病気もときには重宝だということ。
線を引く(せんをひく)
はっきりとした境を決めて区別すること。
袖を引く(そでをひく)
他の人に気づかれないように誘ったり、注意を与えたりすること。
体を引く(たいをひく)
退く。後方へ下がる。
血が引く(ちがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血の気が引く(ちのけがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
注意を引く(ちゅういをひく)
人々の注意や関心をこちらに向けさせる。
血を引く(ちをひく)
祖先や親の気質や体質、身体的特徴などを受け継ぐこと。 「血を受ける」ともいう。
敵もさる者引っ搔くもの(てきもさるものひっかくもの)
相手の強さや実力などを認めるときに使う言葉。 「さる者(然る者)」は、なかなかの人物という意味。 さる者の「さる」に引っ掻く猿(さる)をかけた言葉。 単に「敵もさる者」ともいう。
手薬煉引く(てぐすねひく)
十分用意をして待ち構えること。 「薬煉(くすね)」は弓の弦を強くするために塗る薬で、それを手に取って弦に塗って準備するとの意から。
手薬煉を引く(てぐすねをひく)
十分用意をして待ち構えること。 「薬煉(くすね)」は弓の弦を強くするために塗る薬で、それを手に取って弦に塗って準備するとの意から。
手を引く(てをひく)
それまでやってきたことを止めて、関係を断ち切ること。
出る船の纜を引く(でるふねのともづなをひく)
あきらめられず、未練がましく振る舞うこと。 「纜」は、船を岸につなぐ綱のことで、出て行く船の纜を引っ張るとの意から。
年寄りと釘頭は引っ込むが良し(としよりとくぎがしらはひっこむがよし)
打った釘の頭が飛び出ていないほうがいいように、年よりもでしゃばらないほうがいいということ。
取っ替え引っ替え(とっかえひっかえ)
次から次へと取り替えて試してみること。
猫を追うより皿を引け(ねこをおうよりさらをひけ)
その場のがれより、根本を正すことが大事だというたとえ。皿をねらっている猫を追い払うより、皿を片付けるほうがいいということから。
鼠が塩を引く(ねずみがしおをひく)
小事が積み重なって大事になることのたとえ。また、ものが少しずつ減っていき、最後にはなくなってしまうことのたとえ。 鼠が盗んでいく塩は少量ずつだが、何度も盗まれているといつの間にか大量の塩が無くなってしまうことから。 「鼠が塩を嘗める」ともいう。
退っ引きならない(のっぴきならない)
避けることも退くことも出来ず、動きがとれないようす。また、どうにもならないということ。
馬鹿があればこそ利口が引き立つ(ばかがあればこそりこうがひきたつ)
愚かな人間がいて利口な人間が目立つように、世の中は種々雑多な人間で成り立っている。世の中はさまざまな人間が、持ちつ持たれつの関係で生きているということ。
化け物も引っ込む時分(ばけものもひっこむじぶん)
長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。 気の利いた化け物は引き時を心得ているとの意から。 単に「化け物も引っ込む時分」ともいう。
贔屓の引き倒し(ひいきのひきたおし)
贔屓をしすぎるあまりに、かえってその人に迷惑をかけてしまうこと。
引かれ者の小唄(ひかれもののこうた)
どうにもならずに切羽詰まった者が、負け惜しみで強がりを言い、平気なふりをすることのたとえ。「引かれ者」は、刑場へ連れて行かれる罪人のこと。引かれ者が平静を装い、強がりを見せて小唄を口ずさんだことから。
引き合いに出す(ひきあいにだす)
比べたり、参考にしたり、証拠にしたりするために、例として持ち出すこと。
引き金になる(ひきがねになる)
ある物事が起こる直接の原因になること。 「引き金」は銃などで弾丸を発射するための金具。
引きも切らず(ひきもきらず)
途切れることなく続く様子。絶え間なく。
引くに引けない(ひくにひけない)
引き下がりたいと思っても、立場や状況などから簡単には引き下がれない状態にあること。
引けを取る(ひけをとる)
相手に負けること。 または、相手よりも劣ること。
引っ越し三両(ひっこしさんりょう)
引っ越しをすれば、いろいろと費用がかかるということ。
引っ越し貧乏(ひっこしびんぼう)
何度も引っ越しをして、その費用で貧しくなること。
人目を引く(ひとめをひく)
服装や態度などが目立っていて注目を集めること。
貧乏籤を引く(びんぼうくじをひく)
損な役割をさせられること。
幕を引く(まくをひく)
ものごとが終わること。
無理が通れば道理が引っ込む(むりがとおればどうりがひっこむ)
理に合わないことが通用するような世の中では、道理にかなったことは行われなくなるということ。
無理が通れば道理引っ込む(むりがとおればどうりひっこむ)
理に合わないことが通用するような世の中では、道理にかなったことは行われなくなるということ。
目病み女に風邪引き男(めやみおんなにかぜひきおとこ)
眼病で目がうるんだ女と、風邪をひいている男は色っぽく見えるということ。
目を引く(めをひく)
他人の注意をむけさせる。
闇から牛を引き出す(やみからうしをひきだす)
区別がつきにくいこと。また、動作が鈍いこと。 暗い所に黒い牛がいても姿がはっきりしないことから。 単に「暗がりから牛」、または「暗がりの牛」「闇から牛を引き出す」「暗闇から牛を引き出す」ともいう。
弓を引く(ゆみをひく)
目上の人に反抗する。楯突く。
我が田に水を引く(わがたにみずをひく)
自分の利益になるように取り計らうこと。 自分の田に水を引くことから。