「す」を含む故事・ことわざ・慣用句
「す」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1223 件
恥を雪ぐ(はじをすすぐ)
受けた恥を取り去って、名誉を取り戻すこと。 「雪ぐ」は「そそぐ」とも読む。
旗印にする(はたじるしにする)
集団で行動する時の目標にすること。 「旗印」は昔の戦場で紋所などを染めて部隊の目印にした旗。
裸馬の捨て鞭(はだかうまのすてむち)
何もかもなくした状態になったあと、自暴自棄になって無茶苦茶なことをするたとえ。「捨て鞭」は、馬を速く走らせるために尻を鞭打つこと。人も荷物も乗せていない馬の尻を鞭打つということから。
肌を許す(はだをゆるす)
女性が男性の誘いを受け入れて肉体関係を持つこと。
蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
大騒ぎになって、手がつけられない様子。蜂の巣をつつくと、多くの蜂がいっせいに飛び出す様子から。
白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)
月日の過ぎるのが、きわめて早いことのたとえ。 「白駒」は白い馬、「隙」は壁のすき間のこと。 人の一生は、白い馬が走り過ぎるのを壁のすき間からちらっと見るようなものだとの意から。
鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)
子の親に対する礼儀や孝行の大切さをいう言葉。 鳩は親鳥よりも三本下の枝にとまり、烏は恩を忘れずに老いた親鳥の口に餌を運んで孝行するといわれる。 鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人間はなおさら礼儀を尊び親孝行しなければならないということ。
花多ければ実少なし(はなおおければみすくなし)
上辺を飾る人は、誠実さに欠けるということのたとえ。 たくさんの花が咲く木にかぎって、実は少ししかならないものであるとの意から。
鼻薬を嗅がせる(はなぐすりをかがせる)
小額の賄賂を贈るたとえ。 「鼻薬」は、ちょっとした賄賂のたとえ。 「鼻薬を利かせる」「鼻薬を飼う」ともいう。
鼻毛を伸ばす(はなげをのばす)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
鼻声を出す(はなごえをだす)
女性が男性に甘えた声を出すこと。
鼻筋が通る(はなすじがとおる)
美しい顔立ちであることを言い表す言葉。 鼻が高く、眉間から鼻先までまっすぐ形が整っているということから。
花盗人は風流のうち(はなぬすびとはふうりゅうのうち)
美しい花を、つい一枝折ってしまうのは風流というもので、とがめるほどのことではないということ。
鼻の下を長くする(はなのしたをながくする)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
花は根に鳥は古巣に(はなはねにとりはふるすに)
物事はすべて、その根源に戻るということ。咲いた花は木の根元に落ちて肥やしになり、空を飛ぶ鳥もやがては巣に帰ることから。
鼻を明かす(はなをあかす)
自分よりも優位な相手を出し抜いて、その人を驚かせること。
鼻を高くする(はなをたかくする)
評価や名声が高くなるような良い結果を出して、得意になること。
鼻を鳴らす(はなをならす)
鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりすること。
羽を伸ばす(はねをのばす)
束縛するものがなくなって、気ままに行動すること。
歯亡びて舌存す(はほろびてしたそんす)
剛強なもののほうが案外滅びやすく、柔軟なもののほうが後まで生き残ることのたとえ。 病気の友人を見舞った老子が、友人の歯が抜け落ちているのを見て「歯は堅いため駄目になったが、舌は柔らかいので残った」といったという故事から。
羽目を外す(はめをはずす)
調子に乗って度を越すこと。「羽目」は馬の口に銜えさせる馬銜(はみ)が転じたものといわれ、この馬銜を外された馬が走り回る意から。
早合点の早忘れ(はやがてんのはやわすれ)
飲み込みの早い人は忘れるのも早いので当てにならないということ。 「早覚えの早忘れ」「早飲み込みの早忘れ」ともいう。
はやり物は廃り物(はやりものはすたりもの)
流行というものは長続きせず、すぐに廃れて消えていくものだということ。
腹が据わる(はらがすわる)
覚悟を決め、何事にも動じなくなること。
腹が立つなら親を思い出すが薬(はらがたつならおやをおもいだすがくすり)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹拵えをする(はらごしらえをする)
仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。
腹に据えかねる(はらにすえかねる)
激しい怒りで我慢できなくなること。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
腹立たしくても怒りに任せて物を言うのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
腸が見え透く(はらわたがみえすく)
隠している企みなどがよくわかること。
腹を据える(はらをすえる)
覚悟を決めること。
反旗を翻す(はんきをひるがえす)
謀反を起こすこと。「反旗」は、謀反を起こして立てる旗で、それが風になびくということから。
化かす化かすが化かされる(ばかすばかすがばかされる)
人をだまそうとしたのに、人からだまされてしまうことのたとえ。
馬鹿にする(ばかにする)
相手を見下したり、軽視したりすること。
馬鹿に付ける薬はない(ばかにつけるくすりはない)
愚かな者の頭を賢くする薬はない。愚か者は救いようがないということ。
馬鹿も休み休み言え(ばかもやすみやすみいえ)
くだらないことを言うのもいい加減にしろということ。
馬脚を露す(ばきゃくをあらわす)
隠していたことがばれてしまうたとえ。 芝居で馬の足を演じている人が姿を見せてしまうことから。
バスに乗り遅れる(ばすにのりおくれる)
時勢に乗り遅れることのたとえ。また、好機を逃すたとえ。
バトンを渡す(ばとんをわたす)
仕事や地位などを次の人に引き継ぐこと。
祖母育ちは三百安い(ばばそだちはさんびゃくやすい)
祖母に育てられた子どもは、甘やかされ大切にされるので、わがままで出来の悪い子になるということ。
万事休す(ばんじきゅうす)
これ以上手の打ちようがなく、お手上げの状態になること。「万事」はすべてのこと、「休す」は終わるという意。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
火打ち石据え石にならず(ひうちいしすえいしにならず)
小さいものでは大きいものの代わりにはならないというたとえ。火打ち石は火をおこすときは役立つが、家の土台石にはならないということ。
引き合いに出す(ひきあいにだす)
比べたり、参考にしたり、証拠にしたりするために、例として持ち出すこと。
膝っ子に目薬(ひざっこにめぐすり)
はなはだしい見当違いのたとえ。努力しても無駄なことのたとえ。 膝に目薬をさしても効果がないことから。 「尻に目薬」「目薬を尻へさす」「疝気さ目薬」ともいう。
膝を崩す(ひざをくずす)
正座をやめて、楽な座り方に変えること。
膝を屈する(ひざをくっする)
負けを認めて相手に従うこと。屈服すること。 膝を折り曲げて身を低くするということから。
膝を進める(ひざをすすめる)
座ったまま相手に近づくこと。身を乗り出すこと。 または、相手の提案などに強く興味を持って乗り気になること。
膝を正す(ひざをただす)
正しい姿勢で座ること。 または、改まった態度をとること。
膝を乗り出す(ひざをのりだす)
相手の提案などに興味をひかれて乗り気になること。
肘鉄砲を食わす(ひじでっぽうをくわす)
誘いや申し出を拒絶すること。 「肘鉄砲」は肘で突きのけること。転じて、誘いや申し込みをはねつけること。 「食わす」は、くらわすこと、与えること。 「ひじでっぽう」は「ひじてっぽう」ともいう。 また、「肘鉄砲を食わせる」「肘を食わせる」ともいう。
額に汗する(ひたいにあせする)
頑張って仕事に取り組むこと。
人一寸(ひといっすん)
身長差は、少しの違いでもかなり違っているように見えるということ。
人衆ければ則ち狼を食らう(ひとおおければすなわちおおかみをくらう)
多数の力が強大であることのたとえ。 人数が多ければ、一人では到底勝てない狼をも倒して食ってしまうとの意から。
一筋縄では行かない(ひとすじなわではいかない)
普通のやり方では思うようにいかない、うまく対処できないこと。 「一筋縄」は一本の縄のことで、普通のやり方のたとえ。 一本の縄だけでは対処できず、二本、三本と使うような状態との意から。
一筋の矢は折るべし十筋の矢は折り難し(ひとすじのやはおるべしとすじのやはおりがたし)
一人の力は弱くても、大勢が力を合わせれば強大な力を発揮できるということ。 一本の矢は簡単に折ることができるが、十本では折るのは難しいとの意から。
一つ屋根の下に住む(ひとつやねのしたにすむ)
同じ家で共に暮らすこと。
人と屏風は直ぐには立たぬ(ひととびょうぶはすぐにはたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないように、人も真っ正直なだけでは世の中を渡っていくことはできないということ。
人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ(ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ)
人に勝とうと思うなら、まず自分自身の色々な欲望に打ち勝つ必要があるということ。
人の痛いのは三年でも辛抱する(ひとのいたいのはさんねんでもしんぼうする)
他人の苦痛は自分とは無関係だから平気であるということ。
人の一寸、我が一尺(ひとのいっすん、わがいっしゃく)
人の欠点は少しのことでも目につくが、自分の欠点はどんなに大きくても気がつかないというたとえ。
人の牛蒡で法事する(ひとのごぼうでほうじする)
人の物を利用して自分の義理を果たすことのたとえ。 他人が持ってきた牛蒡を使って精進料理を作り、法事のもてなしをすることから。
人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)
人の物を利用して自分の利益を図ることのたとえ。 自分の褌を使わず、人の褌を借りて相撲をとることから。
人の将に死なんとするその言や善し(ひとのまさにしなんとするそのげんやよし)
人が死に際に語る言葉は真実で純粋なものであるということ。
瞳を凝らす(ひとみをこらす)
瞬きせずに一つの所を集中して見ること。
人目を盗む(ひとめをぬすむ)
他人に見つからないようにこっそりと行うこと。
一人娘と春の日はくれそうでくれぬ(ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ)
一人娘は親が惜しがり、なかなか嫁に出さないというたとえ。春の日は暮れそうで暮れないことから「暮れる」と嫁に「くれる」をかけたもの。
人を以て鑑と為す(ひとをもってかがみとなす)
他人の言葉や行動を手本にして、自分を正せということ。「鑑」は手本・模範の意。
日に就り、月に将む(ひになり、つきにすすむ)
学業や事業などが着実に進むことのたとえ。 「就り」は成り、「将む」は進むこと。 事が日ごとに成り、月ごとに進むとの意から。
火は火元から騒ぎ出す(ひはひもとからさわぎだす)
最初に騒ぎ出した者が、事件の張本人であることが多いということ。火事の時、まず火元の家人が騒ぎ立てることから。
火花を散らす(ひばなをちらす)
激しく争い合うこと。 互いの刀を打ち合わせて火花が出るということから。
蚍蜉大樹を撼かす(ひふたいじゅをうごかす)
自分の実力や身分をわきまえずに大それたことをするたとえ。身の程を知らないことのたとえ。 「蚍蜉」は、大きな蟻(あり)。 蟻が大木を動かそうとすることから。
暇に飽かす(ひまにあかす)
たっぷりある暇な時間を利用して、じっくりと物事に取り組むこと。
暇を出す(ひまをだす)
使用人に休みを与えること。 または、解雇すること。 また、離縁すること。
暇を潰す(ひまをつぶす)
空いている時間を、何か別のことをして過ごすこと。
暇を盗む(ひまをぬすむ)
忙しい最中のわずかな時間を利用すること。
百尺竿頭一歩を進む(ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ)
目標を達成しても、さらに向上しようと努力すること。また、十分に説明をした上に、さらに一歩進めて説明すること。 百尺の竿の先端に達しても、さらに一歩進もうとするとの意から。 「百尺」は「ひゃくせき」ともいう。
百川、海に朝す(ひゃくせん、うみにちょうす)
利益のあるところには自然に多くの人が集まることのたとえ。「百川」はあらゆる川、「朝す」は集まるという意。
百年黄河の澄むを俟つ(ひゃくねんこうがのすむをまつ)
いつまで待っても実現する見込みがないことのたとえ。また、どんなに待っても無駄なことのたとえ。 常に濁っている中国の黄河の水が澄むのを百年待ち続けることから。 単に「河清を俟つ」、また「百年黄河の澄むを俟つ」ともいう。
百里を行く者は九十里を半ばとす(ひゃくりをいくものはくじゅうりをなかばとす)
何事も終わり近くになると困難が多くなるので、最後まで気を抜いてはいけないということ。 百里の道を行く者は、九十里来たところが半分だと思えとの意から。
氷炭相愛す(ひょうたんあいあいす)
性質が反対のもの同士が助け合うことのたとえ。 冷たい氷と熱い炭が愛し合うとの意から。