「ない」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ない」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 380 件
商売往来にない商売(しょうばいおうらいにないしょうばい)
泥棒など世間に認められない商売のこと。 「商売往来」は、商売に関係した事柄を書いた江戸時代の書物で、その書物に載っていない商売との意から。
しょうもない(しょうもない)
つまらないやばかばかしいなどの意味を表す言葉。 「仕様もない」が変化してできた言葉。
尻の持って行き場がない(しりのもっていきばがない)
不平や不満、苦情などを訴える所がないこと。
知る由もない(しるよしもない)
その物事を知るための手がかりや方法が一つもないこと。
吝ん坊と灰吹きは溜まるほど汚い(しわんぼうとはいふきはたまるほどきたない)
けちん坊は、金を貯めれば貯めるほど遣うのが惜しくなり、よけい物惜しみして意地汚くなるということ。「吝ん坊」は、けちん坊。「灰吹き」は煙草の吸殻入れ。
冗談じゃない(じょうだんじゃない)
調子に乗った相手に注意を与える時に使う言葉。 または、相手の意思と自分の意思が異なっている時に使う言葉。
如才がない(じょさいがない)
気が利いていて配慮が行き届いている様子。 「如才」は「如在」が変化したもので、手抜かりという意味。 「如才ない」ともいう。
女子と小人は養い難し(じょしとしょうじんはやしないがたし)
女性と器量の小さい人は扱いにくいということ。 孔子の言葉で、この後に「之(これ)を近づくれば則(すなわ)ち不遜(ふそん)、之を遠ざくれば則ち怨む」と続く。 親切にすると図に乗り、遠ざけると恨まれるとの意から。 「女子と小人とは養い難し」ともいう。
人後に落ちない(じんごにおちない)
他人にひけをとらないこと。「人後」は、他人のうしろの意。
好いた同士は泣いても連れる(すいたどうしはないてもつれる)
お互いに好き合った男女は、辛さに泣きながらでも離れず連れ添うものだということ。
捨てたものではない(すてたものではない)
一見役に立たないように見えても、まだ見込みがあること。
隅に置けない(すみにおけない)
思いのほか才能や知識があって油断できないようす。
相撲にならない(すもうにならない)
能力に違いがありすぎて、勝負にならないこと。
背に腹は代えられない(せにはらはかえられない)
大事のためには、犠牲を払うのもやむを得ないというたとえ。 腹には大切な臓器が詰まっており、その腹を守るためであれば背中が犠牲になってもやむを得ないとの意から。 「背より腹」ともいう。
世話がない(せわがない)
手間がかからない様子。 または、呆れ果ててどうすることもできない様子。
是非も無い(ぜひもない)
どうしようもない。仕方ない。 好ましくない結果を認めるしかない時に使う言葉。
そうは問屋が卸さない(そうはとんやがおろさない)
そう簡単に相手の望みに応じられないということ。また、物事は都合よく自分の思い通りには運ばないというたとえ。そんな安値では問屋が卸してくれないということから。
底が知れない(そこがしれない)
限度がはかれないほど深いこと。程度が甚だしいこと。
その手は食わない(そのてはくわない)
相手の計略を見抜き、それには引っかからないということ。
反りが合わない(そりがあわない)
性格や考え方などが相手と合わず、うまくいかないこと。 刀の反りが鞘に合わないとの意から。
ぞっとしない(ぞっとしない)
その物事によい感情をもてないこと。あまり感心しない。
竹と人の心の直ぐなのは少ない(たけとひとのこころのすぐなのはすくない)
竹は意外に真っ直ぐなものは少なく、人も心が曲がらず正直な者は少ないということ。
ただでは置かない(ただではおかない)
このままでは済ませない、必ず仕返しをするの意。 捨てぜりふ、脅し文句に用いる語。
ただでは済まない(ただではすまない)
このままでは済まない。このままでは終わらない。
ただの鼠ではない(ただのねずみではない)
ただものではない。油断のならない人物である。
只より高い物はない(ただよりたかいものはない)
ただで物をもらうと、代わりに物事を頼まれたり、返礼にお金がかかったりして、かえって高いものにつくということ。
只より安い物はない(ただよりやすいものはない)
ただで物を貰うことより安く上がることはないということ。
太刀打ちができない(たちうちができない)
相手のほうが力が上で、勝負にならない。相手にならない。 「太刀打ちできない(たちうちできない)」ともいう。
立場が無い(たちばがない)
信用を失ったり評価が下がったりして、面目を失う。
立つ瀬が無い(たつせがない)
立場が無くなる。面目を失う。
棚から牡丹餅は落ちてこない(たなからぼたもちはおちてこない)
思いがけない幸運は、まず舞い込むことはないということ。
他の追随を許さない(たのついずいをゆるさない)
ある事柄について他の誰も真似できないほど、大きく抜きん出ているさま。
卵を割らないでオムレツは作れない(たまごをわらないでおむれつはつくれない)
目的を達成するためには犠牲が必要であるというたとえ。西洋のことわざ。
便りのないのはよい便り(たよりのないのはよいたより)
人は何か問題が起こらないとなかなか手紙を書かないものである。だから、手紙が来ないのは無事である証拠で、よい便りと同じだということ。
たわいがない(たわいがない)
取るに足らないこと、または思慮分別がないこと。 「たわい」は「たあい」ともいう。
伊達の素足もないから起こる、あれば天鵞絨の足袋も履く(だてのすあしもないからおこる、あればびろうどのたびもはく)
どうしようもなくて我慢することのたとえ。 粋だと言われている伊達の素足も、実は足袋を買う金がないからだとの意から。 「伊達の素足も貧から起こる」ともいう。
知恵ない神に知恵付ける(ちえないかみにちえつける)
気付かずにいた人に、よけいな入れ知恵をするというたとえ。
血は争えない(ちはあらそえない)
血統によって受け継がれる性質は明らかであり、否定のしようがないということ。 子の性格や特徴などが、親や先祖などに似ていることをいう。 「血筋は争えない」ともいう。
血も涙もない(ちもなみだもない)
冷酷で思いやりがないこと。
町内で知らぬは亭主ばかりなり(ちょうないでしらぬはていしゅばかりなり)
女房の浮気を町内の者はみんな知っていて、亭主だけが知らないという間抜けぶりをあざけった言葉。
痛痒を感じない(つうようをかんじない)
少しも利害や影響を受けない。
摑み所がない(つかみどころがない)
そのもののを理解したり判断したりするための手掛かりがないこと。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
罪が無い(つみがない)
純粋で悪気がなく憎めない様子。
爪を立てる所もない(つめをたてるところもない)
足の爪先を立てる隙間もないほど込み合っているようす。
手が付かない(てがつかない)
時間に余裕がなく、その物事を始めることができないこと。 または、別のことが気がかりで集中できないこと。
手が付けられない(てがつけられない)
対処の仕方が分からずにどうすることもできないこと。
手が出ない(てがでない)
自分の能力を超えていて手立てがないこと。
手が無い(てがない)
働き手が足りないこと。人手が足りないこと。 または、物事を解決する方法がないこと。
手が離せない(てがはなせない)
やりかけている事があって、他の事をする余裕がないこと。 「手が塞がる」ともいう。
手が回らない(てがまわらない)
やることが多くて、他のことをする余裕がないこと。非常に慌ただしいこと。
梃子でも動かない(てこでもうごかない)
どんな手段を用いても、絶対にその場から動かないことのたとえ。 または、どんな事があっても、頑として言うことをきかないことのたとえ。 梃子は小さな力で大きなものを動かすことができるが、その梃子を用いても動かすことができないことから。
手に負えない(てにおえない)
物事が自分の能力を超えていて、うまく処置できないこと。 「手に負えない」ともいう。
手に付かない(てにつかない)
他のことに心が奪われて、集中して物事を行うことができないこと。
てにをはが合わない(てにをはがあわない)
話の辻褄が合わないことのたとえ。 「てにをは」は助動詞のことで、それらが正しく使われていないということから。
手のない将棋は負け将棋(てのないしょうぎはまけしょうぎ)
方策がないところには成算がないというたとえ。打つ手に困る将棋は、結局は負けるということから。
手の施しようがない(てのほどこしようがない)
処置をする方法が全くないこと。
手も足も出ない(てもあしもでない)
自分の力ではどうしようもないということ。施す手段がなくて手が打てない様子。
手を濡らさない(てをぬらさない)
自分で苦労せずに成果を得ようとする様子。
天狗の飛び損ない(てんぐのとびそこない)
日ごろ自慢している者が、油断して失敗してしまうことのたとえ。自由自在に飛び回る天狗が、何かの拍子に飛び損なってしまうということから。
出来ない相談(できないそうだん)
始めからまとまらないことが分かっている無理な相談。
出る幕ではない(でるまくではない)
その物事に関わりになる時ではないということ。 芝居などで、その役者が出る場面ではないという意味から。
時は得難くして失い易し(ときはえがたくしてうしないやすし)
好機はめったにめぐってこないし、油断するとすぐに去ってしまうということ。また、時は二度とめぐってこないので、わずかな時間も大切に過ごすべきであるということ。
所で吠えぬ犬はない(ところでほえぬいぬはない)
自分の住まいで吠えない犬はいないように、弱い者でも自分の縄張りでは威張るということ。
年甲斐もない(としがいもない)
年齢に相応しくなく、愚かであること。
年には勝てない(としにはかてない)
気力があっても、年をとれば体力や健康が思うようにならないということ。
年は争えない(としはあらそえない)
年老いると、気持ちは若いつもりでも体力の衰えは隠せないということ。
年寄りの言うことと牛の鞦は外れない(としよりのいうこととうしのしりがいははずれない)
経験豊富な年寄りの意見に間違いはないということ。 「鞦」は、馬や牛の尻にかけて鞍を固定する紐のこと。
突拍子もない(とっぴょうしもない)
言動などがその場に相応しくないこと。調子外れであること。
途轍もない(とてつもない)
常識や道理などからかけ離れていること。 「途轍」は道と轍(わだち)のことから、物事の筋道のこと。
とてもじゃないが(とてもじゃないが)
どうすることもできない、どうしても実現しない、という意味を表す言葉。 「とても」を強調した言い方。
途方もない(とほうもない)
道理から外れていること。または、程度が常識からひどく離れていること。
止め処が無い(とめどがない)
次から次へと続いて、いつまでも終わらない様子。
とりつく島もない(とりつくしまもない)
頼りとしてすがる所がまったくないということ。また、相手が冷たく、そっけない態度なので話にもならないこと。海に出て、立ち寄れるような島が見つからないということから。
取り付く島もない(とりつくしまもない)
相手の態度が冷たく、相談や頼み事などをするためのきっかけがつかめないこと。 または、頼りとする所が一つもないこと。
取り留めがない(とりとめがない)
話に一貫性がないこと。まとまりがないこと。
取るに足らない(とるにたらない)
わざわざ取り上げる価値はない。些細な。
同日の談ではない(どうじつのだんではない)
差がありすぎて、比べものにならない。同じ基準で語ることはできない。
同日の論ではない(どうじつのろんではない)
差がありすぎて、比べものにならない。同じ基準で語ることはできない。
毒にも薬にもならない(どくにもくすりにもならない)
害にもならないが役にも立たない、あってもなくてもいいもの、居ても居なくてもいい人のたとえ。