「は」を含む故事・ことわざ・慣用句
「は」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1813 件
流言は知者に止まる(りゅうげんはちしゃにとどまる)
確かな根拠のない噂が広まっても、知恵のある人はそれを他人に話さないから、噂はそこで止まるということ。
竜は一寸にして昇天の気あり(りゅうはいっすんにしてしょうてんのきあり)
すぐれた人物は幼少期からすぐれたところがあることのたとえ。 竜は一寸の大きさの頃から天に昇ろうとする気迫に満ちているということから。
良禽は木を択んで棲む(りょうきんはきをえらんですむ)
賢い鳥は木を選んで巣を作るということ。賢い臣下は主君を選んで仕えるというたとえ。
良工は材を択ばず(りょうこうはざいをえらばず)
すぐれた技術を持つ人は、材料の良し悪しなど問題にしないということ。
良賈は深く蔵して虚しきが如し(りょうこはふかくぞうしてむなしきがごとし)
賢者は自分の才能や知識をみだりにひけらかしたりしないことのたとえ。 「良賈」はすぐれた商人の意。 すぐれた商人は商品を店の奥にしまっておくため、一見商品が乏しいように見えることから。
両手に花(りょうてにはな)
すばらしいものを二つ同時に手に入れることのたとえ。また、一人の男性が二人の女性を連れていることのたとえ。
猟は鳥が教える(りょうはとりがおしえる)
何事も実際に行っているうちに覚えて、身に付けていくものであるということのたとえ。 鳥を撃つこつは、実際に猟をするうちに覚えるもので、いわば獲物の鳥が教えてくれるようなものだということ。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
よく効く薬ほど苦くて飲みにくいこと。ためになる忠告ほど、当人は耳が痛くて聞きづらいというたとえ。
悋気嫉妬は女の常(りんきしっとはおんなのつね)
女はやきもちを焼くものだということ。「悋気」はやきもちの意で「悋気」と「嫉妬」を重ねておもしろく言ったもの。
悋気せぬ女は弾まぬ鞠(りんきせぬおんなははずまぬまり)
嫉妬しない女は、まるで弾まないまりのようで、つまらないということ。「悋気」は嫉妬の意。
悋気は女の七つ道具(りんきはおんなのななつどうぐ)
やきもちは女の強力な武器だということ。「七つ道具」は武士が用いた七つの武具のこと。
悋気は恋の命(りんきはこいのいのち)
やきもちを焼くのは、恋をしている証拠で焼かれなくなったらお終いだということ。
類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)
気の合う者、似た者同士は自然に寄り集まって仲間になるということ。
留守見舞いは間遠にせよ(るすみまいはまどおにせよ)
主人が不在中の家を頻繁に訪れると、あらぬ疑いをかけられるから、ほどほどにしたほうがいいということ。
瑠璃は脆し(るりはもろし)
美しいものやすぐれたものは、傷つきやすく壊れやすいということ。「瑠璃」は青色の宝石で、七宝という7種の宝玉のひとつ。
瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)
すぐれた才能や素質を持つ者は、どこにいても際立つことたとえ。また、そのような者は活用次第で能力を存分に発揮するということ。 「瑠璃」は青色の宝玉、「玻璃」は水晶のことで、たとえ他の物に混じっていても光を当てればどちらも美しく輝くことから。
例外のない規則はない(れいがいのないきそくはない)
どんな規則にも、それが適用しきれない事態が必ずあり、例外はつきものだということ。
礼に始まり、乱に終わる(れいにはじまり、らんにおわる)
酒宴は始まりこそ礼儀正しくとも、宴の終わるころには礼儀も何もなく乱れるものだということ。
礼は急げ(れいはいそげ)
出来るだけ早くお礼をしたほうが、感謝の気持ちが相手によく伝わるということ。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
歴史は繰り返す(れきしはくりかえす)
過去に起こったことは、同じような経過をたどって、繰り返し起こるということ。
レッテルを貼る(れってるをはる)
ある物事や人に対して、一方的、または、断定的に評価を下すこと。 「レッテル」はオランダ語で、名称や品質などを書き記して商品に張る紙のこと。
列に入る(れつにはいる)
地位や資格などを得て、同じ立場として仲間に加わること。
連木で腹を切る(れんぎではらをきる)
不可能なことのたとえ。 「連木」はすりこぎ(すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒)のこと。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
老化は足から(ろうかはあしから)
老化現象は、足の痛みやもつれなど、足に関する症状から現れるということ。
蠟燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
自分の身を犠牲にして、他人のためにつくすことのたとえ。
老兵は死なず、消え去るのみ(ろうへいはしなず、きえさるのみ)
役目の終わった者は、表舞台から去るということ。敗戦後、占領指令官だったダグラス・マッカーサーが離日の際に言った言葉。
禄を食む(ろくをはむ)
給料をもらって生計を立てること。
艪を押して櫂は持たれぬ(ろをおしてかいはもたれぬ)
艪を漕ぎながら櫂を操ることはできないように、一人で同時に二つのことはできないというたとえ。
論陣を張る(ろんじんをはる)
しっかりと論理を組み立てた上で議論すること。
ローマにいる時はローマの人がするとおりにせよ(ろーまにいるときはろーまのひとがするとおりにせよ)
土地によって風俗や習慣が違うから、自分が住む場所のそれに合わせて生活するのが処世の手段だということ。
ローマは一日にしてならず(ろーまはいちにちにしてならず)
大事業は、長い年月の努力なしでは成し遂げられないというたとえ。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
若い時は二度ない(わかいときはにどない)
若い時代は二度とやってこないから、何でも思い切ってやってみるのがいいということ。
我が上の星は見えぬ(わがうえのほしはみえぬ)
誰にも自分の運命はわからないということ。「星」は運命の意。
我が糞は臭くなし(わがくそはくさくなし)
自分の欠点には気がつかないというたとえ。
吾が心秤の如し(わがこころはかりのごとし)
私の心は、秤(はかり)のように公平であるということ。 どちらか一方に偏ったり、私情を交えたりしないという意味。
我が子自慢は親の常(わがこじまんはおやのつね)
親は誰でも我が子を自慢したがるということ。
我が事と下り坂に走らぬ者なし(わがこととくだりざかにはしらぬものなし)
自分に関することとなれば、下り坂で自然と早足になるように、自ら進んで走りまわるということ。
我が子の悪事は見えぬ(わがこのあくじはみえぬ)
親は自分の子をひいきしがちで、欠点や過ちに気づかないものだということ。
我が田への水も八分目(わがたへのみずもはちぶんめ)
自分の利益を優先しすぎず、欲を抑えて周囲との調和を図るべきであるということ。 田に水を引く際、自分の田だけに満水まで引くのではなく、他者の田にも配慮し、適度なところで止めるべきであるという考えから。 独占や過度な利己主義を戒める言葉。
我が身の事は人に問え(わがみのことはひとにとえ)
自分のことはわかりにくいから、人の意見を聞くのがよいということ。
我が世の春(わがよのはる)
物事が全て望み通りになる絶頂期。
忘れたと知らぬには手がつかぬ(わすれたとしらぬにはてがつかぬ)
忘れたとか知らないという者には、何を言っても無駄であるということ。
渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)
世の中は薄情な人ばかりではなく、困った時には助けてくれる情け深い人もいるというたとえ。
割って入る(わってはいる)
物の間や会話などに強引に入ること。
笑い事ではない(わらいごとではない)
関わりのない人から見ると大した問題ではないが、関係者にとっては非常に深刻である様子。
笑いは人の薬(わらいはひとのくすり)
適度な笑いは心や身体に良いということ。
笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)
いつも明るくにこにこしている人の所には、自然に幸福が訪れてくるということ。
草鞋を履く(わらじをはく)
1.旅に出発すること。 2.罪を犯した者が、追及を逃れるために土地を離れて旅に出ること。 3.商人や仲介者が、取引において価格を偽ること。物の値段をごまかして利益を得る行為。 「穿く」は「履く」とも書く。 また、「長い草鞋を履く」ともいう。
藁で束ねても男は男(わらでたばねてもおとこはおとこ)
藁で髪を束ねるような貧しい暮らしをしていても、男にはそれなりの値打ちがあるということ。
悪いようにはしない(わるいようにはしない)
損はさせないから自分に任せてほしいと相手を説得する言葉。
我を非として当う者は吾が師なり(われをひとしてむかうものはわがしなり)
自分の欠点を注意してくれる人は、誰でも自分にとっての先生だということ。
