「き」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「き」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 117 件
天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)
さわやかな秋を言い表す言葉。 秋の空は高く澄み渡り、馬もよく食べて太るという意味から。 「天高く馬肥ゆる秋」「秋高く馬肥ゆ」ともいう。
年寄りの達者、春の雪(としよりのたっしゃ、はるのゆき)
年寄りはいくら元気だといっても、春の雪が消えやすいのと同じで、当てにならないということ。
取らずの大関(とらずのおおぜき)
実際の実力を見せたこともないのに、偉そうに振る舞う人のたとえ。 実際に相撲をとって見せたことのない大関との意から。
長追いは無益(ながおいはむえき)
勝ちに乗じて深追いすると、思わぬ反撃を受け不利な立場に陥ることもあるので、ほどほどにするのが賢明ということ。 「長追いは無用」ともいう。
七転び八起き(ななころびやおき)
何度失敗しても諦めずに立ち直ること。また、人生の浮き沈みが激しいことのたとえ。 七度転んで八度起き上がるとの意から。 「[[七転八起(しちてんはっき)*https://yoji.jitenon.jp/yoji/454.html]]」ともいう。
何はさておき(なにはさておき)
他の事はひとまず後回しにして、真っ先にそのことを取り上げるときにいう言葉。
怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
ふだん怠けている者が、世間の人が休む節句などに限ってわざと忙しそうに働くことをあざけっていう言葉。
二八の涙月(にっぱちのなみだづき)
二月と八月は商売が低調で、苦しい月だということ。
二度目の見直し三度目の正直(にどめのみなおしさんどめのしょうじき)
物事は一度目はあてにならず、二度目も見直すことがあり、三度目なら確実だということ。
二八月は船頭のあぐみ時(にはちがつはせんどうのあぐみどき)
二月と八月は、海が荒れて舟が出せない日が多いので、船頭も困るということ。
猫でない証拠に竹を描いておき(ねこでないしょうこにたけをかいておき)
へたな絵をあざけっていう言葉。描いた虎が猫に間違えられないように、「竹に虎」の取り合わせで知られる竹を描き足すという意の川柳から。
年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)
悪事を重ねてきた者が、ついに捕まって罪に服さなければならない時。また、長い間続けてきた物事をあきらめなくてはならない時。年貢の滞納を清算しなければならない時の意から。
能なしの口叩き(のうなしのくちたたき)
なんの役にも立たない人ほど、よけいなことをぺらぺらしゃべり、口先だけは達者だということ。
上り一日、下り一時(のぼりいちにち、くだりいっとき)
物事を作り上げるのには多くの時間と労力を要するが、壊すのはたやすいことのたとえ。 上るときには一日かかる道も、下るときにはわずかな時間しかかからないとの意から。
恥の上書き(はじのうわがき)
恥をかいた上にさらに恥をかくこと。 「恥の上書き」「恥の掻き上げ」「恥の恥」ともいう。
半面の識(はんめんのしき)
顔をちょっと見ただけで、その人をずっと覚えていること。また、ちょっとした知り合いのこと。 「半面」は顔の半分。 中国の後漢時代、応奉(おうほう)が顔の半分をちらっと見ただけの人のことを数十年後まで覚えていたという故事から。
人の情けは世にある時(ひとのなさけはよにあるとき)
世間の人が好意を示してくれるのは、こちらの羽振りがよく栄えている間だけで、落ち目になると誰も見向きもしないということ。
美女は悪女の敵(びじょはあくじょのかたき)
優れた者が劣った者から逆恨みされることのたとえ。「悪女」は、不美人の意。世の中に美人がいるから、醜い女性の肩身が狭くて、不幸な目に遭うと思い込んだ不美人が、美人を恨むということから。
貧乏花好き(びんぼうはなずき)
見分不相応なことのたとえ。 貧乏人が花作りを好むとの意から。
夫婦喧嘩は貧乏の種蒔き(ふうふげんかはびんぼうのたねまき)
いつも夫婦喧嘩をしている家庭は、だんだん貧乏になっていうという戒めのことば。
札付き(ふだつき)
悪い意味で定評があること。またそのような人や商品。
無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)
いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。
無精者の隣働き(ぶしょうもののとなりばたらき)
自分の家の用は頼まれても何もしない無精な人間が、隣の家では余計な事まで手伝うということ。
下手の横好き(へたのよこずき)
下手なくせに、その事が非常に好きで熱心なこと。 「下手の物好き」「下手の悪好き」ともいう。
坊主の鉢巻き(ぼうずのはちまき)
坊主の鉢巻きはすべり落ちて、耳で受け止めることから、話を聞いて(耳で受け止めて)知っているということのしゃれ。 または、締まりがないこと、できないことをいうしゃれ。
襤褸を着ても心は錦(ぼろをきてもこころはにしき)
たとえぼろぼろの衣服を着ていても心の中は錦を着ているように美しい。外見よりも内面が大事だということ。
曲がった釜には曲がった甑(まがったかまにはまがったこしき)
どんなものにも、それにふさわしい相手や形があるというたとえ。 また、夫婦は似た者同士がつり合いがとれてうまくいくということ。 ゆがんだ釜であっても、それに合うゆがんだ甑があるとの意から。 「甑」は、釜の上にのせて穀物を蒸す道具。
見知らずの口叩き(みしらずのくちたたき)
自分の身のほども知らずに、大きなことを言うこと。
虫の息(むしのいき)
呼吸が弱弱しくて今にも止まりそうなようす。
目と鼻の先(めとはなのさき)
距離が非常に近いこと。目と鼻の間。
目の敵(めのかたき)
何かにつけて目障りで、敵意を抱き憎く思う相手のこと。
闇夜の錦(やみよのにしき)
何の役にも立たない無駄なことのたとえ。 闇夜に美しい錦の着物を着ても誰にも見えないことから。 「夜の錦」ともいう。
行き大名の帰り乞食(ゆきだいみょうのかえりこじき)
はじめに無計画に金を使い、あとでどうにもならなくなること。 旅に出て、行きは大名のように贅沢に金を使い、帰りは旅費が足りなくなり乞食のようなみじめな思いをするとの意から。
竜馬の躓き(りゅうめのつまずき)
どんなにすぐれた人でも、時には失敗することもあることのたとえ。 「竜馬」とは足の速い駿馬のこと。 駿馬も躓くことがあることから。
累卵の危うき(るいらんのあやうき)
卵を積み重ねたように、非常に不安定で危険なようす。
狼藉(ろうぜき)
狼が草を藉(し)いて寝た跡の乱雑なようす。転じて、物が散らかっているようす。また、乱暴な行いのたとえ。
我が物と思えば軽し笠の雪(わがものとおもえばかるしかさのゆき)
つらいことも苦しいことも、自分のためだと思えば苦にならないものだというたとえ。 笠に降り積もる重い雪も自分のものだと思えば軽く感じられるということ。 江戸時代の俳人、宝井其角の句「我が雪と思へば軽し笠の上」から。