我が物と思えば軽し笠の雪について

言葉 | 我が物と思えば軽し笠の雪 |
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読み方 | わがものとおもえばかるしかさのゆき |
意味 | つらいことも苦しいことも、自分のためだと思えば苦にならないものだというたとえ。
笠に降り積もる重い雪も自分のものだと思えば軽く感じられるという意から。 江戸時代の俳人、宝井其角の句「我が雪と思へば軽し笠の上」から。 |
出典 | - |
使用されている漢字
「我」を含むことわざ
明日は我が身(あすはわがみ)
他人に降りかかった不幸や苦しむ姿をみて、明日は自分に起こりえることかもしれないから用心せよ、という教え。
仇も情けも我が身より出る(あだもなさけもわがみよりでる)
人から憎まれたり愛されたりするのは、自分の心がけや行いによるということ。
危ないことは怪我のうち(あぶないことはけがのうち)
危ないことには、はじめから近寄るなという教え。危険なことはもう怪我の圏内に入るという意から。
空馬に怪我なし(からうまにけがなし)
無一物の人は損のしようがないというたとえ。 「空馬」は、人や荷物などなにも乗せていない馬。
彼も人なり、我も人なり(かれもひとなり、われもひとなり)
彼も自分と同じ人間なのだから、彼にできることが自分にできないはずはないということ。努力すれば他人にできることは何でもできるということ。
我が強い(ががつよい)
他人の意見には従わず、自分の意見を押しとおす性質であることのたとえ。
「物」を含むことわざ
呆れて物が言えない(あきれてものがいえない)
あまりのひどさにあっけに取られて、何も言えないようす。声もでないようす。
朝の果物は金(あさのくだものはきん)
朝食べる果物は、胃腸の働きをよくし、体の目覚めを促すため、健康によいということ。
預かり物は半分の主(あずかりものははんぶんのぬし)
人から預かった物は、半分は自分の物だと思ってもかまわないということ。「預かり半分」「預かり主は半分」「預かる物は半分の主」ともいう。
阿堵物(あとぶつ)
金銭のこと。「阿堵」は「この」の意。中国、晋の王衍が金銭を忌んで「この物」と呼んだという故事から。
甘い物に蟻がつく(あまいものにありがつく)
甘い物に蟻が集まるように、利益にありつけそうなところには人が人が群がるということ。
余り物には福がある(あまりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、思いがけずよいものがあるということ。
「思」を含むことわざ
合うも不思議合わぬも不思議(あうもふしぎあわぬもふしぎ)
夢はそもそも不思議なものだから、現実が夢のとおりになっても不思議ではないということ。
明るけりゃ月夜だと思う(あかるけりゃつきよだとおもう)
考え方が単純で現実を知らないことのたとえ。外が明るいとすべて月夜だと思う意から。
悪獣もなおその類を思う(あくじゅうもなおそのるいをおもう)
猛獣でさえ仲間を思いやる気持ちを持っている。まして人間ならなおさらその気持ちがあるはず、という意。「悪獣」は猛獣のこと。
明日ありと思う心の仇桜(あすありとおもうこころのあだざくら)
いつ何が起こるかわからない、人生や世の中の無常をいった言葉。桜の花が、明日も咲いているだろうと安心していると、夜中の嵐で散ってしまうかもしれないという意から。「夜半に嵐の吹かぬものかは」という句がこれに続く。
頭の濡れぬ思案(あたまのぬれぬしあん)
先のことを考えるより、まず自分の身に及んでいる問題を解決することが大事だということ。いま降っている雨に頭を濡れないようにすることがまず必要だという意から。
蟻の思いも天に届く(ありのおもいもてんにとどく)
弱小な者でも懸命に努力すれば、希望を叶えることができるというたとえ。蟻のように小さなものでも、一心に努力すれば願いは天に達するという意から。「蟻の思いも天に昇る」ともいう。
「軽」を含むことわざ
一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)
ほんのわずかな時間でも無駄にしてはいけないということ。「光陰」は月日、時間の意。
命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかろし)
命は尊いものだが、正義のためなら捨てても少しも惜しくはないということ。「鴻毛」は鴻の羽毛で、きわめて軽いことのたとえ。
肩が軽くなる(かたがかるくなる)
重たい責任や負担がなくなって気が楽になること。 肩こりがとれて楽になるという意から。
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)
権威ある人の実力や能力を疑うたとえ。「鼎」は古代中国で使われた金属性の器のことで、祭器として用いられたことから、王位の象徴となった。楚の荘王が周を軽んじ、周王室の九鼎の大小や軽重を問うたという故事から。
軽い返事に重い尻(かるいへんじにおもいしり)
簡単に引き受けて、なかなか実行しないことのたとえ。いい返事をしても、なかなか尻を上げないという意から。
軽口を叩く(かるくちをたたく)
気軽に冗談をいったり滑稽な話をしたりすること。
「笠」を含むことわざ
姉は菅笠、妹とは日傘(あねはすげがさ、いもとはひがさ)
女性は嫁ぎ先しだいで、境遇に大きな差が出てくるということ。「菅笠」は農作業でかぶる笠。「日傘」は盛装などの時にさす日除けの傘。同じ家で育った姉妹でも、嫁ぎ先によって、菅笠をかぶってあくせく働いたり、日傘をさして優雅に出掛けたりと、違う境遇になるということから。
雨晴れて笠を忘れる(あめはれてかさをわすれる)
苦しみが過ぎれば、すぐに受けた恩を忘れてしまうことのたとえ。雨がやむと、役に立った笠のことを忘れるという意から。
逢うた時に笠を脱げ(おうたときにかさをぬげ)
知り合いに会った時は、まず挨拶をしなさいということ。 礼儀の大切さを説いた教え。
笠に着る(かさにきる)
権力のある者を頼みにしていばったり、勝手なふるまいをすること。
笠の台が飛ぶ(かさのだいがとぶ)
首を斬られること。転じて、解雇されること。 「笠の台」は、人間の頭を、笠を乗せる台に見立てていった言葉。
千貫のかたに編笠一蓋(せんがんのかたにあみがさいっかい)
大きな元手のわりに利益が少なく、損益が釣り合わないことのたとえ。 「千貫」は銭の単位。一貫の千倍。転じて非常に高価なこと。 千貫の借金の担保が、編み笠一つということから。 「一蓋」は「ひとがい」とも読む。
「雪」を含むことわざ
空き家の雪隠(あきやのせっちん)
返事がない、応答がないことのたとえ。「雪隠」は便所のことで、空き家では使う人がないから「肥えなし」でそれを「声なし」にかけたしゃれ。
汚名を雪ぐ(おめいをすすぐ)
身に受けた恥や汚名を拭い去ること。 「すすぐ」は「そそぐ」とも。
会稽の恥を雪ぐ(かいけいのはじをすすぐ)
戦いに敗れた屈辱、または人から受けた忘れることが出来ない屈辱を晴らすこと。
考えは雪隠(かんがえはせっちん)
よい考えを得るには、誰にも邪魔されずにゆっくり考えることができる便所がいいということ。「雪隠」は、便所のこと。
蛍雪(けいせつ)
苦労を重ねて勉学に励むこと。中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は雪明りで書物を読み勉学に励んだという故事から。
蛍雪の功(けいせつのこう)
苦労を重ねて勉学に励んだ成果のこと。「蛍雪」は苦労して勉学に励むことで、中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は窓の外の雪明りで読書し勉学に励んだという故事から。