「よ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「よ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 714 件
因って来たる(よってきたる)
もととなる。原因となる。由来する。
寄って集って(よってたかって)
大勢が集まって。大勢が一緒になって。
四つに組む(よつにくむ)
正面から堂々と勝負すること。 また、全力で取り組むこと。
余桃の罪(よとうのつみ)
主君の寵愛が気まぐれであてにならないことのたとえ。 昔、中国の衛(えい)で弥子瑕(びしか)という美少年が食べかけの美味な桃を主君に献上し喜ばれたが、寵愛を失ってからはそれを理由に罰せられたという故事から。
世に入れられる(よにいれられる)
広く世間に認められること。
世に聞こえる(よにきこえる)
広く世間に知れ渡ること。
世に出る(よにでる)
世間に名が知られること。世間に認められること。
世に問う(よにとう)
世間に問題を提起し、その評価を尋ねること。
余の辞書には不可能という言葉はない(よのじしょにはふかのうということばはない)
自分には不可能なことはないということ、世の中には出来ないことなどないということ。「余」は「予」とも書く。通説としてナポレオンの言葉といわれている。
世の中には月夜ばかりはない(よのなかにはつきよばかりはない)
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の中の人の心は九合十合(よのなかのひとのこころはくごうじゅうごう)
人間の考えることはどれも似たようなもので、大きな差はないということ。 「人の心は九合十合」「世の中の人の心は九合十合」ともいう。
世の中は九分が十分(よのなかはくぶがじゅうぶ)
世の中はすべてが自分の思い通りにいくとはかぎらないから、望んだことの九分が叶ったら満足すべきだということ。
世の中は年中三月常月夜、嬶十七俺二十、負わず借らずに子三人(よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ、かかあじゅうしちおれはたち、おわずからずにこさんにん)
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。
世の中は三日見ぬ間の桜かな(よのなかはみっかみぬまのさくらかな)
桜の花があっという間に散ってしまうように、世間の移り変わりは激しいものだということ。 もとは江戸時代の俳人大島蓼太の句「世の中は三日見ぬ間に桜かな」から。 この句は「桜が散ってしまうこと」ではなく「桜が咲きそろうこと」を詠んだもの。 単に「三日見ぬ間の桜」ともいう。
世の習い(よのならい)
世間のならわし。世間では普通のこと。
世は相持ち(よはあいもち)
世の中はお互いに助け合っていくことで成り立つということ。 「世の中は相持ち」ともいう。
世は張り物(よははりもの)
世の中には体裁よく見せかけているものが多くあるということ。また、世の中は見栄を張って渡るのが普通であるということ。 「張り物」は、木や竹の骨に紙などを張って岩などに見せかける道具のこと。 「世は張り物」「世界は張り物」ともいう。
呼び声が高い(よびごえがたかい)
有力な候補者として噂されること。評判が高いこと。
呼び水になる(よびみずになる)
物事を引き起こすきっかけとなること。
呼ぶより謗れ(よぶよりそしれ)
人の悪口を言っていると、不思議と当人が現れるということから、呼びに行くより悪口を言ったほうが早いということ。
予防線を張る(よぼうせんをはる)
自分の失敗や相手の攻撃に備えて、あらかじめ手立てを講じておくこと。
予防は治療に勝る(よぼうはちりょうにまさる)
病気になって治療するより、病気にならないように予防するほうがよいということ。転じて、問題が起こってから処理するよりも、問題が生じないようにすることが大事だということ。
輿望を担う(よぼうをになう)
世間の人々から信頼や期待を寄せられること。
読みが深い(よみがふかい)
物事の真相を理解する能力がすぐれていること。 また状況の移り変わりを先まで見通していること。
夜道に日は暮れぬ(よみちにひはくれぬ)
夜の帰り道には日が暮れる心配はないから、あわてずにのんびりやろうということ。
夜目、遠目、笠の内(よめ、とおめ、かさのうち)
夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れた顔の一部をちらりと見るときは、人の顔が実際より美しく見えるということ。女性について言うことが多い。
世も末(よもすえ)
この世も終わりである。救いがたい世である。 現状を嘆いて言う言葉。
夜も日も明けない(よもひもあけない)
その物がないと少しの間も過ごせないほど、何かに執着しているさま。
由らしむべし知らしむべからず(よらしむべししらしむべからず)
為政者は人民を施政に従わせればよく、その意義や道理を人民にわからせる必要はないということ。
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)
人を頼るなら、社会的に勢力がある人がよいというたとえ。 身を寄せるなら、大きな木の下が安全であることから。 「立ち寄らば大木の陰」「立ち寄らば大樹の陰」「寄らば大木の下」ともいう。
選りに選って(よりによって)
他にもっとよい選び方があるのに。こともあろうに。
縒りを戻す(よりをもどす)
元の状態に戻すこと。特に、男女の関係が元通りになること。
寄る年波には勝てぬ(よるとしなみにはかてぬ)
いつまでも若いつもりでも、加齢による体力や気力の衰えには逆らえないということ。
夜となく昼となく(よるとなくひるとなく)
夜も昼も関係なく。いつでも。
選れば選り屑(よればよりくず)
欲を出してあれこれ迷って選ぶと、かえって悪い物を選んでしまうということ。
喜んで尻餅をつく(よろこんでしりもちをつく)
物事が成功して有頂天になり、失敗を招いてしまうことのたとえ。
宜しきを得る(よろしきをえる)
方法が適切であること。程度がちょうどよいこと。
弱き者、汝は女なり(よわきもの、なんじはおんななり)
女は心変わりしやすく、男に比べて弱い立場にあるということ。シェークスピアの戯曲「ハムレット」の中のせりふから。
世渡りの殺生は釈迦も許す(よわたりのせっしょうはしゃかもゆるす)
生活のためならば、多少の不道徳や無慈悲な行いはやむを得ないということ。
世渡りは草の種(よわたりはくさのたね)
商売や職業などの暮らしを立てる方法は、草の種のように種類が多いということ。 「商売は草の種」「世渡りは草の種」「世渡りは草の種」「身過ぎは草の種」ともいう。
弱音を吐く(よわねをはく)
困難な状況などに耐えることができず、意気地のないことを言うこと。
弱みに付け込む風邪の神(よわみにつけこむかぜのかみ)
悪いことが重なることのたとえ。
弱り目に祟り目(よわりめにたたりめ)
悪いことに悪いことが重なることのたとえ。 困ったときに、さらに神仏の祟りを受けるとの意から。
世を去る(よをさる)
この世から去る。死ぬ。
世を忍ぶ(よをしのぶ)
人目を避けて隠れること。世間に隠れて暮らすこと。
世を捨てる(よをすてる)
出家すること。俗世間から離れて静かに暮らすこと。
世を背く(よをそむく)
出家する。また、死ぬ。
世を遁れる(よをのがれる)
俗世間を逃れて隠れ住むこと。また、出家すること。
世を憚る(よをはばかる)
世間に気がねすること。世間との交わりを避けること。
夜を日に継ぐ(よをひにつぐ)
昼夜の区別なく、事を続けること。 夜を昼につなげて続けて事を行うとの意から。
世を渡る(よをわたる)
生計を立てて、社会の中で暮らしていくこと。
洛陽の紙価を高める(らくようのしかをたかめる)
著書が大評判で、よく売れることのたとえ。晋の左思が「三都の賦」を作った時、人々がこれを書き写そうと争って紙を買い、洛陽の紙の値段が高くなったという故事から。
立錐の余地もない(りっすいのよちもない)
人や物ががぎっしりと詰まってまったく余裕がない様子。錐を立てるほどの隙間もない意から。
理詰めより重詰め(りづめよりじゅうづめ)
相手を理屈で納得させようとするより、重箱に詰めたご馳走でもてなす方が事がうまく運ぶということ。
林間に酒を煖めて紅葉を焼く(りんかんにさけをあたためてこうようをたく)
林の中で紅葉を燃やして酒を暖めて飲み、秋の風情を楽しむこと。
累月に及ぶ(るいげつにおよぶ)
数か月に渡って続くこと。
類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)
気の合う者、似た者同士は自然に寄り集まって仲間になるということ。
留守見舞いは間遠にせよ(るすみまいはまどおにせよ)
主人が不在中の家を頻繁に訪れると、あらぬ疑いをかけられるから、ほどほどにしたほうがいいということ。
礼儀も事による(れいぎもことによる)
礼儀作法を守ってさえいればいいというものではなく、事と場合によっては、礼儀が二の次になることもあるということ。
例によって例の如し(れいによってれいのごとし)
目新しいことや変わったこともなく、いつも通りということ。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
路頭に迷う(ろとうにまよう)
収入源や住居などを失って困り果てること。
論語読みの論語知らず(ろんごよみのろんごしらず)
知識は持っているが、実行が伴わない人をあざけっていう言葉。 書物を読んでも知識として理解するだけで、それを生かして実行できていなかったり真の意義を理解できていなかったりすること。
論より証拠(ろんよりしょうこ)
議論するより証拠を示すほうが物事は明らかになるということ。
ローマにいる時はローマの人がするとおりにせよ(ろーまにいるときはろーまのひとがするとおりにせよ)
土地によって風俗や習慣が違うから、自分が住む場所のそれに合わせて生活するのが処世の手段だということ。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
我が亡き後に洪水よ来たれ(わがなきあとにこうずいよきたれ)
自分が死んだ後なら、洪水でもなんでも来てよい。今さえよければ、あとはどうなってもかまわないということ。
我が身を立てんとせばまず人を立てよ(わがみをたてんとせばまずひとをたてよ)
自分の身を立てたいと望むなら、まず人を引き立てるように心がけよということ。
我が世の春(わがよのはる)
物事が全て望み通りになる絶頂期。
禍も三年経てば用に立つ(わざわいもさんねんたてばようにたつ)
時が経てば、災いが幸いに転じることもある。どんなものでも、役に立たないものはないというたとえ。
悪い親も良い子を望む(わるいおやもよいこをのぞむ)
どんな悪人でも、我が子は良い人間であってほしいと望むということ。
悪いようにはしない(わるいようにはしない)
損はさせないから自分に任せてほしいと相手を説得する言葉。
我に自由を与えよしからずんば死を与えよ(われにじゆうをあたえよしからずんばしをあたえよ)
アメリカ独立運動でパトリック・ヘンリーが、自由のために、死ぬ気で戦うという強い決意を表して、演説の結びに言った言葉。
我より古を作す(われよりいにしえをなす)
先例や古いしきたりにとらわれず、自分が独自の新しいことを始めるということ。
