「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2362 件
罪なくして配所の月を見る(つみなくしてはいしょのつきをみる)
流刑地のようなわびしい地で、罪人としてではなく、普通の人として月を眺めることができたら、さぞ趣きがあるだろうということ。 「配所」は罪によって流された土地のこと。
罪なことをする(つみなことをする)
相手に対して、思いやりのない酷いことをすること。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
罪を着せる(つみをきせる)
自分の罪を、罪のない他の人に負わせること。
旋毛を曲げる(つむじをまげる)
気分を損ねて、意地悪くわざと逆らうこと。
冷たくなる(つめたくなる)
命がなくなること。死ぬこと。 または、愛情がさめて思いやりがなくなること。
爪の先まで似る(つめのさきまでにる)
細かいところまでよく似ていることのたとえ。
詰め腹を切らされる(つめばらをきらされる)
責任を取ることを強いられて、辞職させられたり減俸されたりすること。 「詰め腹」は強制的に切腹させられること。
詰め腹を切らせる(つめばらをきらせる)
辞職させるなどして、強制的に責任を取らせること。 「詰め腹」は強制的に強いられる切腹のこと。
爪を立てる所もない(つめをたてるところもない)
足の爪先を立てる隙間もないほど込み合っているようす。
面で人を切る(つらでひとをきる)
傲慢な態度で、相手の気持ちを傷つけること。
釣りする馬鹿に見る阿呆(つりするばかにみるあほう)
魚釣りをする人間も、それを見ている人間も、どちらも無駄な時間を過ごしている、と釣り好きをあざけった言葉。
鶴九皐に鳴き、声天に聞こゆ(つるきゅうこうになき、こえてんにきこゆ)
すぐれた人物は、どんな所にいても、その名声は世間に知れ渡るというたとえ。「九皐」は奥深い沢の意で、鶴がどんなに深い谷で鳴いても、その鳴き声は天に届くということから。
剣の刃を渡る(つるぎのはをわたる)
きわめて危険な行動のたとえ。 刀の刃の上を歩くとの意から。
吊るし上げを食う(つるしあげをくう)
その場にいる大勢の人たちから厳しく責め立てられること。
弦なき弓に羽抜け鳥(つるなきゆみにはぬけどり)
どうしようもないことのたとえ。また、まったく役に立たないことのたとえ。弦のない弓は矢を射ることは出来ず、羽のない鳥は飛べないことから。
鶴の脛も切るべからず(つるのはぎもきるべからず)
ものにはそれぞれ固有の性質があり、無理に変えようとしてはならないということ。 鶴のすねは長いが、鶴にとっては必要な長さなので切ってはならないとの意から。 後に「鴨の脛も継ぐべからず」と続けてもいう。
鶴の一声(つるのひとこえ)
権威者・有力者の一言が多くの人の議論や意見をおさえつけること。
鶴は千年、亀は万年(つるはせんねん、かめはまんねん)
鶴は千年、亀は万年生きるということから、長寿でめでたいことをいう。
手足となる(てあしとなる)
ある人の命令や指示を忠実に守って動くこと。 その人の手や足の代わりになるという意味から。 「手足」は「しゅそく」とも読む。
亭主は達者で留守が良い(ていしゅはたっしゃでるすがよい)
亭主は元気で、外で働いてくれたほうが、女房は家でのんびりできるということ。
手が上がる(てがあがる)
技能が進歩すること。上達すること。 または、酒を飲む量が増えること。
手が入れば足も入る(てがいればあしもいる)
一度気を許すと次々と入り込まれることのたとえ。また、次第に深入りすることのたとえ。
手が後ろに回る(てがうしろにまわる)
罪を犯して警察に捕まること。 昔の罪人は手を後ろで縛られていたことから。
手が掛かる(てがかかる)
面倒なことが多く、労力や時間がかかること。世話が焼けること。
手が切れる(てがきれる)
相手とのそれまでの関係がなくなること。 または、紙幣などが新しい様子。
手が入る(てがはいる)
他人が修正や補完をすること。 または、警察などが犯人の逮捕や事件の捜査のためにその場所へ立ち入ること。
手が離れる(てがはなれる)
子どもが成長して、世話の必要がなくなること。 または、仕事が一区切りついて、関わりがなくなること。
手が塞がる(てがふさがる)
やりかけている事があって、他の事をする余裕がないこと。 「手が塞がる」ともいう。
手が回る(てがまわる)
犯罪者などが警察に手配されること。 または、配慮が隅々まで行き届くこと。
手が焼ける(てがやける)
手助けが必要で、手間がかかること。 「世話が焼ける」ともいう。
敵に塩を送る(てきにしおをおくる)
敵対する相手の弱みにつけこまず、逆に援助の手を差し伸べることのたとえ。 戦国時代、越後の上杉謙信が敵対する甲斐の武田信玄が塩不足で苦しんでいるのを知り、塩を送らせたという故事から。
敵もさる者引っ搔くもの(てきもさるものひっかくもの)
相手の強さや実力などを認めるときに使う言葉。 「さる者(然る者)」は、なかなかの人物という意味。 さる者の「さる」に引っ掻く猿(さる)をかけた言葉。 単に「敵もさる者」ともいう。
手癖が悪い(てくせがわるい)
他人の者を盗む癖があること。 または、女癖が悪いこと。 「手癖」は「てぐせ」とも読む。
梃子入れをする(てこいれをする)
衰えているものに手を加えて改善すること。 または、下落している相場を人為的に操作して引き上げること。 「梃子入れ」は「梃入れ」とも書く。
手心を加える(てごころをくわえる)
相手や事情などを考慮に入れて寛大な処置をすること。手加減をすること。
手塩に掛ける(てしおにかける)
みずから世話をして大切に育てること。 「手塩」は、自分の好みの味付けが出来るように各自の食膳に添えられた塩。 その塩で自分好みに味付けすることから転じて、自分の手で世話をするとの意を表す。
手玉に取る(てだまにとる)
自分の思うままに他人を操ること。
手蔓を求める(てづるをもとめる)
ある目的を果たそうとするとき、その手掛かりや手助けとなるような人との繋がりを求めること。
手でする事を足でする(てですることをあしでする)
正しい方法を用いずに、誤ったやり方をするたとえ。
手に汗を握る(てにあせをにぎる)
危険な状態や緊迫したことを前にして、緊張したり、興奮したりする様子。
手に余る(てにあまる)
物事が自分の能力を超えていて、うまく処置できないこと。 「手に負えない」ともいう。
手に入れる(てにいれる)
自分のものとすること。所有物とすること。
手に落ちる(てにおちる)
その人のものとなること。その人の所有となること。
手に掛かる(てにかかる)
ある人に直接取り扱われること。 または、殺されること。
手に掛ける(てにかける)
自分で実際に物事を行うこと。特に人を殺すことをいう。
手にする(てにする)
自分の手で実際に持つこと。または、自分の所有とすること。
手に唾する(てにつばきする)
物事を行う前に気持ちを奮い立たせる様子。 重い物を持つ前に手に唾をかけるということから。
手に手を取る(てにてをとる)
互いの手を取って仲良く行動する様子。 特に互いに愛し合っている男女が一緒に行動する様子をいう。
手に取るよう(てにとるよう)
実際に手で触れてみるかのように、はっきりと分かる様子。 目の前にあるかのように、はっきり見えたり聞こえたりする様子。
手に成る(てになる)
その人の手で作品などが作られる。手掛ける。
手に乗る(てにのる)
他人の計略などに引っ掛かること。
手に入る(てにはいる)
自分の所有となること。自分のものになること。
手に渡る(てにわたる)
あるものが別の人の所有となること。
手の内を見せる(てのうちをみせる)
自分の能力を相手に示すこと。 または、心の中で考えていることや秘密にしている計画などを相手に明かすこと。
手の切れるような(てのきれるような)
紙幣が新しく、しわ一つない様子。まっさらなお札のたとえ。
手前味噌を並べる(てまえみそをならべる)
あれこれと自慢すること。 「手前味噌」は自分で作った味噌のこと。 自分の作った味噌を周りに自慢することから。 単に「[[手前味噌*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1182.html]]」ともいう。
手を上げる(てをあげる)
殴ろうとして手を振り上げること。 または、負けを認めること。降参すること。 また、技術や能力を上げること。上達すること。
手を合わせる(てをあわせる)
心の底から感謝したり、頼んだりすること。両の掌を合わせて神や仏を拝むということから。 または、勝負をすること。手合わせする。
手を入れる(てをいれる)
作品などを修正したり、補足したりすること。手を加える。 または、捜査や逮捕のために警官が現場に踏み込むこと。
手を掛ける(てをかける)
時間や労力を惜しまないこと。 または、他人のものを盗むこと。
手を借りる(てをかりる)
助力してもらうこと。手伝ってもらうこと。
手を切る(てをきる)
それまでの関わりを断つこと。 特に、男女関係や悪い関係についていう。
手を加える(てをくわえる)
作品などをよりよくするために修正したり、補ったりすること。手を入れる。
手を差し伸べる(てをさしのべる)
困っている人を進んで助けること。
手を擦る(てをする)
両手を擦り合わせること。 謝罪や感謝などの気持ちを表す動作。
手を染める(てをそめる)
ある物事を新しく始めること。
手を出して火傷する(てをだしてやけどする)
余計な手出しをして、ひどい目に遭うこと。
手を束ねる(てをつかねる)
腕組みをすること。 また、ある出来事が起こった際、なにもできずに傍観すること。
手を付ける(てをつける)
ある物事を始めること。着手すること。 または、あるものを使い始めること。特に他人の金銭をいう。 また、立場が下の女性と肉体関係をもつこと。
手を取る(てをとる)
相手の手を握り親愛の気持ちなどを表す。または、物事を親切・丁寧に教える様子。
手を握る(てをにぎる)
協力して取り組むこと。 または、和解すること。
手を離れる(てをはなれる)
役目を終えて責任がなくなること。 または、その人の所有ではなくなること。 また、世話をする必要がなくなること。
手を翻せば雲となり、手を覆せば雨となる(てをひるがえせばくもとなり、てをくつがえせばあめとなる)
人の心の変わりやすいことのたとえ。 手のひらを上に向ければ雲がわき、手のひらを下に向けると雨が降るとの意から。
手を広げる(てをひろげる)
新しい方面や分野に進出して、活動の範囲を広げたり規模を大きくしたりすること。
手を休める(てをやすめる)
行っている物事を一時的に中断して休憩すること。
手を緩める(てをゆるめる)
それまでの厳しいやり方や態度などを和らげること。
手を煩わせる(てをわずらわせる)
人の世話になること。面倒をかけること。
天狗になる(てんぐになる)
いい気になってうぬぼれること。自慢すること。自慢することを「鼻が高い」といい、天狗の鼻が高いことから。
天災は忘れた頃にやってくる(てんさいはわすれたころにやってくる)
災害は人々がその恐ろしさを忘れた頃にまた襲ってくるものであるということ。 油断は禁物で用心を怠ってはいけないという戒めの言葉。 物理学者・随筆家の寺田寅彦の言葉。 「災害は忘れた頃にやってくる」ともいう。