「目」に関連する故事・ことわざ・慣用句一覧
「目」に関連する故事・ことわざ・慣用句の一覧です。
麻殻に目鼻をつけたよう(あさがらにめはなをつけたよう)
とても痩せた男性の形容。 長くて折れやすい麻殻に目鼻をつけたような男性のことから。
生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく)
生きている馬の目を抜き取るほどすばやいこと。また、ずるくて油断も隙もならないことのたとえ。
鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)
鵜や鷹が獲物を狙う時のように、一生懸命にものを探し出そうとする様子。また、その目つきのこと。
男の目には糸を引け、女の目には鈴を張れ(おとこのめにはいとをひけ、おんなのめにはすずをはれ)
男の目は糸を引いたように細くて真っ直ぐなのがよく、女の目は鈴のようにぱっちりと大きいのがよいということ。
鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)
鬼のように無慈悲な者でも、時には情け深い心を起こし、目に涙をうかべることがあるというたとえ。
鬼の目にも見残し(おにのめにもみのこし)
鬼のようにくまなく目を光らせている人でも、時には見落としや不注意があるというたとえ。
親を睨むと鮃になる(おやをにらむとひらめになる)
親に反抗したりおろそかに扱ったりしてはいけないという戒めの言葉。 親を睨んだりすると、ばちが当たって鮃(ひらめ)のように目がかたよってしまうとの意から。 「親を睨むと鰈(かれい)になる」ともいう。
壁に耳あり障子に目あり(かべにみみありしょうじにめあり)
どこで誰が見たり聞いたりしているかわからないので、話す内容には十分気をつけなくてはいけないという戒めの言葉。 密かに話しているつもりでも、壁に耳を当てて聞いたり、障子に穴をあけてのぞいたりしている者がいるかもしれないとの意から。 「壁に耳障子に目」「壁に耳」「壁に耳あり」「障子に目」などともいう。
眼中に無い(がんちゅうにない)
まったく気にしない。関心がない。 「眼中」は目に見える範囲のこと。転じて、意識や関心の届く範囲。
聞いた百文より見た一文(きいたひゃくもんよりみたいちもん)
人から百文の値打ちと聞かされるよりも、自分の目で見たほうが値打ちがあるということ。
秋波を送る(しゅうはをおくる)
女性が相手の気を引こうとして色目を使うこと。「秋波」は美人の涼やかな目もと。また、女性の媚びを含んだ目つきのこと。
尻目に掛ける(しりめにかける)
他人を見下す態度を取ること。 「尻目」は目だけを動かして少し見ること。 「尻目」は「後目」とも書く。
耳目となる(じもくとなる)
その人の補佐をすること。その人の目や耳と同じ役割を果たすということから。
十目の見る所、十指の指さす所(じゅうもくのみるところ、じっしのゆびさすところ)
多くの人が一致して認めること。 十人の目が見て、十人の指が指し示す所との意から。 「十指の指す所」「十目の視る所、十手の指す所」ともいう。
鈴を張ったよう(すずをはったよう)
大きく美しい女性の目を言い表す言葉。
青眼(せいがん)
親しい人の訪問を歓迎する時の目つき。 中国の晋の阮籍は、歓迎する時は晴眼で出迎え、そうでない時は白眼で出迎えたという故事から。
卵に目鼻(たまごにめはな)
卵に目と鼻をつけたような、色白でかわいらしい顔だちのたとえ。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)
いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。
血眼になる(ちまなこになる)
ある事を行うのに夢中になること。 「血眼」は、逆上して血走った目。
流し目を送る(ながしめをおくる)
異性の気を引こうとして色目を使うこと。 「流し目」は、顔はそのままで瞳だけを横にむけること。
二階から目薬(にかいからめぐすり)
思うようにいかず、もどかしいことのたとえ。また、回りくどくて効果のないことのたとえ。 二階から階下の人に目薬をさそうとしても、上手くいかないことから。 「天井から目薬」ともいう。
白眼視(はくがんし)
人を冷たい目つきで見ること。 中国の三国時代、竹林の七賢の一人阮籍が嫌いな人は白い目で迎え、気に入った人は青い目で迎えたという故事から。
鳩が豆鉄砲を食ったよう(はとがまめでっぽうをくったよう)
突然のことに驚いて、きょとんとしている様子のたとえ。 「豆鉄砲」は、豆や丸めた紙などを弾に使うおもちゃの鉄砲。 豆鉄砲で撃たれてた鳩が、突然のことにびっくりして目を丸くしている様子から。 「鳩に豆鉄砲」「豆鉄砲を食った鳩のよう」ともいう。
はやり目なら病み目でもよい(はやりめならやみめでもよい)
やたらに流行を追いかける者の愚かさをいう言葉。 流行していることなら、たとえそれが目の病気でも真似をしたいとの意から。
春は蛙が目を借りる(はるはかえるがめをかりる)
春はとにかく眠たい時期だということ。 春に眠くなるのは、蛙が目を借りにくるからだという言い伝えから。 「蛙の目借り時」ともいう。
膝っ子に目薬(ひざっこにめぐすり)
はなはだしい見当違いのたとえ。努力しても無駄なことのたとえ。 膝に目薬をさしても効果がないことから。 「尻に目薬」「目薬を尻へさす」「疝気さ目薬」ともいう。
秘事は睫(ひじはまつげ)
目のすぐそばにある睫が見えないように、秘事・秘伝は案外身近にあるが、容易に気がつかないものだということ。
左鮃右鰈(ひだりひらめみぎかれい)
鮃と鰈の見分け方をいったもの。目がからだの左側にあるのが鮃で、右側にあるのが鰈だということ。
百聞は一見に如かず(ひゃくぶんはいっけんにしかず)
人から繰り返し聞くよりも、一度でも自分の目で見たほうがよくわかるということ。 人の話を百回を聞いたところで、実際に一回見ることには及ばないとの意から。
見ざる聞かざる言わざる(みざるきかざるいわざる)
自分に都合の悪いことや人の欠点は、見たり聞いたり言ったりしないということ。「見ない」「聞かない」「言わない」を、三匹の猿が両手で各々の両目、両耳、口をふさいでいる像や絵で表現する。打消しの「…ざる」と「猿」を掛けたことば。
三つ指、目八分(みつゆび、めはちぶ)
正しい行儀作法のこと。お辞儀をする時は親指・人差し指・中指の三本の指を床について頭を下げ、物を運ぶ時は目の高さより少し低くして両手で差し上げるのが正しい作法とされるところから。
耳を貴び、目を賤しむ(みみをたっとび、めをいやしむ)
遠くのものを尊重して、近くのものを軽んじることのたとえ。また、昔を重んじて今を軽視することのたとえ。 人から聞いたことは信じて、自分の目で見たものは信じないとの意から。 「耳を信じて目を疑う」ともいう。
見るは法楽(みるはほうらく)
自分の目でものを見るというのは、たとえようもなく楽しいということ。「法楽」とは神仏に捧げる音楽のこと。転じて楽しみの意。
目が覚める(めがさめる)
あることがきっかけとなり、本来の正しい自分の姿に戻ること。 「目を覚ます」ともいう。
目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)
あることに感動して、涙が溢れ出しそうになること。 「目頭を熱くする」ともいう。
目頭を押さえる(めがしらをおさえる)
指やハンカチなどで目頭を優しく押さえて、涙が落ちてこないようにすること。
目が据わる(めがすわる)
怒ったり酒に酔ったりして、一点を見つめた目が少しも動かなくなる様子。
目が点になる(めがてんになる)
驚いて呆気にとられる様子。 漫画で、驚きの表情を描く際に目を点にして表現したことから。
目が出る(めがでる)
値段が驚くほど高い様子。また、激しく叱られる様子。目が飛び出るに同じ。 また、物事が思い通りになること。運が向いてくること。いい目が出るに同じ。
目が飛び出る(めがとびでる)
値段が驚くほど高い様子。 また、激しく叱られる様子。 「目玉が飛び出る」「目の玉が飛び出る」ともいう。
目くじらを立てる(めくじらをたてる)
目をつり上げて、あらさがしをすること。他人の些細な欠点を探して、ことさらに責めること。 「目くじら」は目尻のこと。
目糞、鼻糞を笑う(めくそ、はなくそをわらう)
自分の欠点に気付かず、他人の欠点をあざ笑うたとえ。 目糞が鼻糞のことを汚いと笑うとの意から。 「鼻糞が目糞を笑う」ともいう。
目先が利く(めさきがきく)
先の事を見通して、適切な判断や行動ができること。 「目先」は「目前」とも書く。
目千両(めせんりょう)
千両の値打ちがあるほど魅力的な目。
目で殺す(めでころす)
色っぽい目つきで相手を魅き付け、夢中にさせるようす。「殺す」は悩殺するという意。
目で見て口で言え(めでみてくちでいえ)
何事も自分の目で確認してから口にせよということ。見てもいないことをとやかく言ってはいけないという戒めのことば。
目で目は見えぬ(めでめはみえぬ)
自分の欠点には気づきにくいということのたとえ。 自分で自分の目を直接見る事はできないことから。
目で物を言う(めでものをいう)
言葉にすることなく、目配せなどをして相手に気持ちを伝えること。
目と鼻の先(めとはなのさき)
距離が非常に近いこと。目と鼻の間。
目に余る(めにあまる)
程度があまりにもひどく、見過ごせない状態にあること。 また、数が多く、一目で見渡すことができないこと。
目に角を立てる(めにかどをたてる)
目尻を吊り上げて、鋭くじっと睨むこと。 「目角を立てる」ともいう。
目に立つ(めにたつ)
他のものとはっきりとした違いがあって際立ってみえること。目立つこと。
目に付く(めにつく)
目立って見える。際立って見える。
目に入る(めにはいる)
自然と目に入ってくること。視野に入ること。
目に物見せる(めにものみせる)
憎らしい相手をひどい目にあわせて、思い知らせること。
目のあるだけ不覚(めのあるだけふかく)
自分が犯した失敗には言い訳は通用せず、不注意や落ち度があったことを認めないわけにはいかないということ。 目があるにもかかわらず、見えなかったと言いのがれすることはできないとの意から。
目の毒(めのどく)
それを目にすると害になるもの。 または、目にするとほしくなるもの。
目の前が暗くなる(めのまえがくらくなる)
がっかりして、将来に対する希望を失う様子。 「目の前が真っ暗になる」ともいう。
目の寄る所へは玉も寄る(めのよるところへはたまもよる)
同類が自然に寄り集まることのたとえ。 目が一方へ動けば、それにつれて瞳も動くとの意から。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
目の表情だけでも、口で話すのと同じくらい、相手に気持ちを伝えることができるということ。
目は心の鏡(めはこころのかがみ)
目を見れば、その人の心の正邪がわかるということ。 目はその人の心を映し出す鏡との意から。
目は毫毛を見るも睫を見ず(めはごうもうをみるもまつげをみず)
人の欠点は細かい点までわかるが、自分のことはなかなか気がつかないというたとえ。 「毫毛」は細かい毛。 目は細かい毛さえも見ることができるのに、自分の睫(まつげ)は見ることができないとの意から。
目元千両、口元万両(めもとせんりょう、くちもとまんりょう)
目元は千両、口元は万両に値するほど魅力的であるという、美人を形容する言葉。
目病み女に風邪引き男(めやみおんなにかぜひきおとこ)
眼病で目がうるんだ女と、風邪をひいている男は色っぽく見えるということ。
目を疑う(めをうたがう)
実際に目にしても、その物事を信じることができない様子。
目を覆う(めをおおう)
直視することを避け、目をふさぐこと。
目を掠める(めをかすめる)
人の目の隙を狙って悪事をはたらくこと。
目を三角にする(めをさんかくにする)
怒って、目尻の吊り上がったこわい目付きをすること。
目を白黒させる(めをしろくろさせる)
苦しんだり驚いたりして目玉をはげしく動かすこと。 また、ある出来事にひどく驚き慌てること。
目を注ぐ(めをそそぐ)
注意して見ること。また、注目すること。
目を付ける(めをつける)
特に関心をむけて注目すること。 「付ける」は「着ける」とも書く。
目を吊り上げる(めをつりあげる)
たかく目尻を上げること。怒った顔つきのたとえ。
目を丸くする(めをまるくする)
ある出来事に驚いて、目をおおきく見開くこと。
目を見張る(めをみはる)
目をおおきく見開くこと。感動したり、驚いたりする様子のたとえ。
目を剝く(めをむく)
驚きや怒りなどにより、目をおおきく見開くこと。
目睫の間(もくしょうのかん)
距離や時間がきわめて接近していることのたとえ。 目と睫(まつげ)の間のようにとても近いとの意から。
欲に目が眩む(よくにめがくらむ)
欲のために理性を失い、正常な判断ができなくなること。 「欲には目見えず」「欲に目が無い」ともいう。
横目を使う(よこめをつかう)
顔の向きは変えずに、目だけを動かして横を見ること。