「お」を含む故事・ことわざ・慣用句
「お」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1144 件
臆面もなく(おくめんもなく)
遠慮したり気後れしたりすることなく。図々しく。厚かましくも。
奥行きが無い(おくゆきがない)
知識や考えなどに深みがないこと。思慮深さがないこと。
お蔵になる(おくらになる)
予定されていた作品や企画などの発表が取りやめになること。
送り狼(おくりおおかみ)
親切を装って女性を送るふりをして、途中で乱暴をはたらこうとする男のこと。夜中の山道などで人のあとをつけ、隙をみて襲おうとする狼(もしくは犬)に由来する。
後れを取る(おくれをとる)
相手に先をこされること。 また、相手よりも劣った状態になること。
屋漏に愧じず(おくろうにはじず)
たとえ人が見ていない場所でも、人に知られて恥じるような行いはしないということ。「屋漏」は家の一番奥まった所、または人目につかない所の意。
螻蛄になる(おけらになる)
金がまったくなくなること。無一文になること。 「螻蛄」は昆虫のケラのこと。 ケラが両前足を上げている格好が、お手上げをしている人の姿に似ていることから。
お声が掛かる(おこえがかかる)
目上の人から招待されたり特別な計らいを受けたりすること。
瘧が落ちる(おこりがおちる)
熱病にかかったかのように何かに夢中になっていた状態から、急激にさめて冷静になること。 「瘧」は、マラリア性の熱病のこと。
驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)
驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。
奢る者は心常に貧し(おごるものはこころつねにまずし)
贅沢な生活を好む者は、満足することを知らず、満たされずに常に不平不満の気持ちを持ち続け、その心は貧しいということ。
押さえが利く(おさえがきく)
相手を従わせたり、統率したりする力があること。
お先棒を担ぐ(おさきぼうをかつぐ)
人の手先になって軽々しく行動すること。 「お先棒」は二人で棒を使って荷物を担ぐ時、棒の前方を担ぐ人のこと。
お先真っ暗(おさきまっくら)
将来の見通しがまったく立たないこと。
お里が知れる(おさとがしれる)
言葉遣いや立ち居振る舞いから、その人の生まれや育ちがわかるということ。 よくない意味で用いられる。
お寒い(おさむい)
頼りにならなく不安なこと。心細い。
お座敷が掛かる(おざしきがかかる)
芸者や芸人などが客に呼ばれること。 また、会合や宴席などに招待されること。
教うるは学ぶの半ば(おしうるはまなぶのなかば)
人に教えるということは、自分の知識をより深めなければならないから、半分は自分の勉強になるということ。
押しが利く(おしがきく)
相手を自分の思い通りに従わせる力があること。
押しが強い(おしがつよい)
強引に自分の意見や希望を押し通そうとすること。
押し出しがいい(おしだしがいい)
人前に出たときの態度や風采が立派であること。
押し付けがましい(おしつけがましい)
相手の気持ちや事情を考えもせず、自分の意向を強引に押し付けようとするさま。
推して知るべし(おしてしるべし)
考えてみれば容易にわかる。言うまでもない。簡単に推測できる。
押しの一手(おしのいって)
目的を達成するために、ただひたすらに突き進んでいくさま。
鴛鴦の衾(おしのふすま)
おしどりの模様がある夜具。 また、仲むつまじい男女の共寝のたとえ。 「鴛鴦(おし)」は、鳥のオシドリの古名。オシドリは雌雄がむつまじく一緒にいることから。
押しも押されもしない(おしもおされもしない)
実力が十分に備わり、その立場にふさわしい威厳があること。
お釈迦様でも気がつくまい(おしゃかさまでもきがつくまい)
誰も気がつかないだろう、誰も知らないだろうを強調していう言葉。 何でもお見通しのお釈迦様でも知らないだろうとの意から。 「お釈迦様でも御存知あるまい」ともいう。
お釈迦になる(おしゃかになる)
製造過程で失敗し、製品をつくり損ねてしまうことのたとえ。 また、壊れたり不具合が見つかったりして使い物にならなくなることのたとえ。
お相伴にあずかる(おしょうばんにあずかる)
同伴者として、もてなしを受けること。 「相伴」は主客と一緒に行ってもてなしを受けること。
おじが甥の草を刈る(おじがおいのくさをかる)
目上の者が目下の者のために奔走させられることのたとえ。また、物事の順序が逆なことのたとえ。
おじゃんになる(おじゃんになる)
予定していたことや進行中の物事がだめになる。 昔、鎮火の合図として半鐘を二回「ジャンジャン」と鳴らしたことからきた言葉とされる。
お上手を言う(おじょうずをいう)
相手の機嫌をとるために、心にもないことを言うこと。
おじを見ると荷が重い(おじをみるとにがおもい)
助けてくれそうな人を見たとたん、力が抜けて依頼心をおこし意気地がなくなることのたとえ。自分で荷物を運んでいる時、伯父(叔父)を見たとたんに荷物が重く感じられるということから。
押すな押すな(おすなおすな)
大勢の人が詰めかけて混雑しているさま。人々が「押すな押すな」と叫ぶ様子からいう。
押せ押せになる(おせおせになる)
仕事や日程などが立て込んで、進行が遅れたり先延ばしになったりすること。
お世辞にも(おせじにも)
本心では無いにしても。仮にも。 あとに打ち消しの語を伴う。
お節介を焼く(おせっかいをやく)
余計な世話をすること。
お膳立てが揃う(おぜんだてがそろう)
すっかり準備が整えられる。 食膳がすべて並べられるという意味から。
遅い助けは助けにならぬ(おそいたすけはたすけにならぬ)
時機を逸しては、せっかくの助勢も役に立たないということ。
遅牛も淀、早牛も淀(おそうしもよど、はやうしもよど)
早い遅いの差はあっても、結果は同じだからあわてることはないということ。 「淀」は京都市伏見区にある地名で、集荷場として栄えた場所。 荷物を運ぶ牛の歩みに多少の差があっても、結局行き着く所は淀であるとの意から。 「早牛も淀、遅牛も淀」ともいう。
遅かりし由良之助(おそかりしゆらのすけ)
待ちかねた時、機を逸した時にしゃれていう言葉。歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」で、大星由良之助が主君の切腹の場に駆けつけるのが遅れた場面のせりふから。
遅かれ早かれ(おそかれはやかれ)
遅いか早いかの違いはあっても、いつかはそのようになることをいう言葉。いずれそのうちに。いつかは必ず。
遅きに失する(おそきにしっする)
遅すぎて何の役にも立たない。手遅れである。
遅くとも、しないよりはまし(おそくとも、しないよりはまし)
たとえ遅くなっても、何もしないよりはしたほうがましだということ。
恐れ入谷の鬼子母神(おそれいりやのきしもじん)
「恐れ入りました」をしゃれていう言葉。「鬼子母神」は、出産・育児の神で、その鬼子母神を祭る東京都台東区入谷と「恐れ入りやした」の「入りや」をかけていったもの。
恐れをなす(おそれをなす)
相手に圧倒されて、怖気づくこと。 また、ひどい経験をするのではないかと怖がること。
怖気を震う(おぞけをふるう)
恐怖におそわれて身震いすること。
お高くとまる(おたかくとまる)
気位が高く、人を見下した態度をとること。
お為ごかし(おためごかし)
表面は相手のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること。「お為」は、人のために利益を図ること。「ごかし」は、ある事にかこつけて自分の利益を図るという意の接尾語。
お題目を唱える(おだいもくをとなえる)
口先だけで、もっともらしいことを言うこと。
煽てと畚には乗りたくない(おだてともっこにはのりたくない)
おだてには乗りたくない、ということを強調した言葉。「畚」は、棒で担いで土や石を運ぶ道具。江戸時代、畚は死刑囚を運ぶのにも使われたことから、他人の煽てにも畚にも乗りたくないといったもの。
おだてに乗る(おだてにのる)
人からおだてられていい気になり、軽率な行動をとること。
お陀仏になる(おだぶつになる)
死ぬこと。また、物事が途中でだめになること。 阿弥陀仏を唱えて往生するとの意から。
小田原評定(おだわらひょうじょう)
長引いてなかなか結論が出ない話し合いのこと。豊臣秀吉に攻められた北条氏は、小田原城の城内で戦うか降伏するかの相談をしたが結論が出るまで時間がかかったということから。
おだをあげる(おだをあげる)
勝手なことを言って気炎を上げること。
落ち武者は薄の穂にも怖ず(おちむしゃはすすきのほにもおず)
怖いと思えば、なんでもないものまで怖く感じることのたとえ。戦に負けて逃げる落ち武者は、揺れるすすきの穂まで怖がるということから。
お茶の子さいさい(おちゃのこさいさい)
物事をたやすく行うことができる様子。
お茶を濁す(おちゃをにごす)
いいかげんな処置によって、その場をごまかすこと。 茶の湯の作法を知らない者が、抹茶を適当にかきまぜて濁らせ、それらしく見せたことから。
お茶を挽く(おちゃをひく)
暇を持て余すこと。特に、芸者などが客がつかずに暇でいること。 茶臼で葉茶をひくのは、暇な遊女の仕事とされていたことから。
お猪口になる(おちょこになる)
傘が風にあおられて、開きがさかさまになること。
落ちれば同じ谷川の水(おちればおなじたにがわのみず)
出発点は違っていても、行き着く先は同じだということ。また、人間も身分や貧富の差があっても、死ねばみな同じであるということ。 雨・霰(あられ)・雪・氷など形はさまざまでも、地上に落ちてしまえば同じ谷川を流れる水になるとの意から。 「雨霰雪や氷と隔(へだ)つらん落つれば同じ谷川の水」との和歌より。
落ちをつける(おちをつける)
物語や笑い話などの結末を効果的に終わらせること。
おっと合点承知之助(おっとがってんしょうちのすけ)
納得・承諾したことを人名になぞらえ調子よくいった言葉。 単に「合点承知之助」「合点承知」ともいう。
押っ取り刀で駆けつける(おっとりがたなでかけつける)
大急ぎで駆けつけること。 緊急のときには、刀を腰に差す余裕もなく手に持って駆けつけるとの意から。
乙に絡む(おつにからむ)
いつもと違い、変に嫌味なことを言う。しつこく言ってからむ。 「乙」は、普段とは違って変なさま。
乙に澄ます(おつにすます)
妙に気取った態度をとる。 「乙」は、普段とは違って変なさま。
お釣りが来る(おつりがくる)
十分に足りていて、余りが出ること。
お手上げ(おてあげ)
解決する方法がなく、どうにもならないさま。 両手をあげて降参の意思を示すとの意から。
お手の物(おてのもの)
たやすく出来るもの。得意とするもの。 自分の手中にした物との意から。
頤を解く(おとがいをとく)
あごが外れるほど大口を開けて笑うこと。 「頤」はあご、「解く」は外すこと。 「頤を外す」「頤を放つ」ともいう。
男が廃る(おとこがすたる)
男としての名誉や面目が失われること。
男が立つ(おとこがたつ)
男としての名誉や面目が維持できること。
男心と秋の空(おとこごころとあきのそら)
男の愛情は、秋の空模様のように変わりやすいということ。 「男心と秋の空は一夜に七度変わる」ともいう。
男になる(おとこになる)
一人前の男に成長すること。 また、立派な行いをして世間に認められること。 古く、元服するとの意で言われた言葉。
男猫が子を生む(おとこねこがこをうむ)
ありえないことのたとえ。
男の目には糸を引け、女の目には鈴を張れ(おとこのめにはいとをひけ、おんなのめにはすずをはれ)
男の目は糸を引いたように細くて真っ直ぐなのがよく、女の目は鈴のようにぱっちりと大きいのがよいということ。
男は敷居を跨げば七人の敵あり(おとこはしきいをまたげばしちにんのてきあり)
男が世の中に出て活動するようになると、多くの競争相手や敵に出会うということのたとえ。 男が敷居を跨いで外に出れば七人の敵がすでに待ち構えているとの意から。 「敷居を跨げば七人の敵あり」「男子家を出ずれば七人の敵あり」ともいう。
男は辞儀に余れ(おとこはじぎにあまれ)
男は謙遜しすぎるくらいでちょうどよいということ。 「女は会釈に余れ」と続けても言う。 「辞儀」は遠慮の意。
男は度胸、女は愛嬌(おとこはどきょう、おんなはあいきょう)
男にとって大切なものは、物事に動じない強い度胸で、女にとって大切なものは、にこやかでかわいらしい魅力だということ。「度胸」と「愛嬌」の「きょう」の語呂を合わせていった言葉。
男は二十五の暁まで育つ(おとこはにじゅうごのあかつきまでそだつ)
男は二十五歳くらいまでは成長するということ。