一敗、地に塗れるについて

言葉 | 一敗、地に塗れる |
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読み方 | いっぱい、ちにまみれる |
意味 | 二度と立ち上がることができないほど大敗してしまうこと。
「地に塗れる」とは、地面に散らばった戦死者の内臓が泥まみれになるという意から。 「一敗、地に塗る(いっぱい、ちにまみる)」とも。 |
出典 | 『史記』 |
別表記 | 一敗、地に塗る(いっぱい、ちにまみる) |
類句 | 肝脳、地に塗る(かんのう、ちにまみる) |
使用されている漢字
「一」を含むことわざ
悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
一時的にうまくいっても悪は長続きせず、結局は正義に勝てないということ。
朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
物事の盛りが短く、はかないことのたとえ。朝咲いた朝顔の花が昼を待たずにしぼんでしまうことから。
朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
朝は仕事がはかどるので、なるべく早く起きて働けということ。「一時」は昔の時刻の数え方で、約二時間。「二時」はその倍の約四時間で、朝の仕事は夜の仕事の二倍に相当するという意から。
薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
誰でも年ごろになると、それなりの魅力が出てくるということ。あまり好まれない薊の花も、美しい時期があるという意から。
あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
あの世の極楽で千日暮らすより、この世で一日でも楽しむほうがよいということ。
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
安全な方策ばかりとっていたのでは、成功することはできない。時には危険を冒してやってみるのも必要だということ。
「敗」を含むことわざ
一敗、地に塗れる(いっぱい、ちにまみれる)
喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)
喧嘩や争いをした者を、理非を問わず、双方とも同じように処罰すること。「成敗」は、処罰の意。
失敗は成功のもと(しっぱいはせいこうのもと)
失敗しても、その原因を反省し改めていくことによって、成功につながるということ。「失敗は成功の母」ともいう。
敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)
失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないという意から。
「地」を含むことわざ
足が地に着かない(あしがちにつかない)
興奮して気持ちや動作が落ち着かないようす。
あって地獄、なくて極楽(あってじごく、なくてごくらく)
金と子どもは、あれば苦労が絶えないので、むしろないほうが気が楽だということ。
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
もめごとが解決したあとに、物事が前の状態より良くなること。
生きた心地もしない(いきたここちもしない)
恐ろしさのあまり、生きているという感じがしないさま。
意気地がない(いくじがない)
物事をやり遂げようという気力がない。
石地蔵に蜂(いしじぞうにはち)
何とも感じないことのたとえ。蜂が石地蔵を刺しても痛くも何ともないことから。
「塗」を含むことわざ
痛む上に塩を塗る(いたむうえにしおをぬる)
悪いことのうえに、さらに悪いことが重なるたとえ。痛みがある傷口に塩を塗れば、いっそう痛くなるという意から。
顔に泥を塗る(かおにどろをぬる)
恥をかかせたり名誉を傷つけたりすること。 単に「泥を塗る」とも。
肝脳、地に塗る(かんのう、ちにまみる)
戦場などで惨たらしい殺され方や死に方をすることのたとえ。 「肝脳」は肝臓と脳髄。 地面に散らばった死者の肝臓や脳髄が泥まみれになるという意から。
竹に油を塗る(たけにあぶらをぬる)
もともとつるつるしている竹に油を塗るとよく滑ることから、口が達者なことのたとえ。また、若々しくて美しいことのたとえ。「竹に油」ともいう。
塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ)
ひどい苦痛のたとえ。「塗炭」は、泥にまみれ火に焼かれること。
塗り箸で芋を盛る(ぬりばしでいもをもる)
滑ってはさみにくいということから、やりにくい物事のたとえ。「塗り箸でそうめん」「塗り箸で鰻挟む」ともいう。