「く」を含む故事・ことわざ・慣用句
「く」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1851 件
草木も靡く(くさきもなびく)
権力や勢力が盛んで、多くの人々が従う様子。
草木も眠る(くさきもねむる)
真夜中になり、辺りが静まり返っている様子。 「草木も眠る丑三つ時」の形で使われることが多い。
草木も眠る丑三つ時(くさきもねむるうしみつどき)
夜が更けて、すっかり静かになった真夜中のこと。「丑三つ時」は、昔の時刻で牛の刻を四分した三番目の時刻のことで、現在の午前二時から二時半頃。人だけでなく、草木までも眠って静まりかえった真夜中の意から。
腐っても鯛(くさってもたい)
優れたものは、痛んでもそれなりの値打ちがあるというたとえ。
楔を打ち込む(くさびをうちこむ)
敵陣に攻め入って相手の勢力を二分したり、相手の組織に自分側の勢力を送り込むこと。 また、二人の仲を裂こうと邪魔をすること。 「楔」は木製や金属製のV字形をした道具。木や石などを割るときや重い物を押し上げるときに用いられる。
腐れ縁は離れず(くされえんははなれず)
悪縁は、切ろうとしてもなかなか断ち切れないということ。
草を打って蛇を驚かす(くさをうってへびをおどろかす)
何気なくしたことが意外な結果を招くたとえ。また、一人を懲らしめることで、これに関連する他の者たちを戒めるたとえ。
櫛の歯が欠けたよう(くしのはがかけたよう)
そろって並んでいるはずのものが、ところどころ欠けている様子。
櫛の歯を挽く(くしのはをひく)
物事が絶え間なく続く様子。櫛は、次々歯と歯の間を挽いて作ったことから。
九尺二間に戸が一枚(くしゃくにけんにとがいちまい)
間口が九尺、奥行き二間、入り口の戸が一枚だけというような、きわめて狭く粗末な家のたとえ。
孔子の倒れ(くじのたおれ)
どんなにすぐれた人でも失敗することがあるというたとえ。「孔子」は孔子(こうし)の呉音読み。
薬師は人を殺せど薬人を殺さず(くすしはひとをころせどくすりひとをころさず)
物は使い方ひとつで、役にも立つし害にもなるということ。 「薬師」は、医者のこと。 薬によって人が死んだとしても、それは薬を処方した医者が殺したのであって、薬が人を殺したのではないとの意から。 「薬人を殺さず、薬師人を殺す」ともいう。
楠の木分限、梅の木分限(くすのきぶげん、うめのきぶげん)
生長は遅いが、着実に根を張り大木となる楠の木のように堅実な金持ちと、生長が早い梅の木のようなにわか成金のたとえ。「分限」は、「ぶんげん」とも読み、金持ちのこと。
薬が効く(くすりがきく)
人に与えた忠告や注意の効果があらわれること。
薬になる(くすりになる)
今まで経験してきた失敗や挫折などが、後に本人にとっていい影響を与えるということ。
薬は毒ほど効かぬ(くすりはどくほどきかぬ)
よい事は、悪い事ほど強い影響を及ぼさないというたとえ。
薬は身の毒(くすりはみのどく)
病気を治すための薬も、適量以上飲めばかえって体に悪いということ。
薬も過ぎれば毒となる(くすりもすぎればどくとなる)
どんなによいものでも、度が過ぎれば害になるというたとえ。 病気を治すための薬も、適量以上に飲めば害になることから。
薬より養生(くすりよりようじょう)
病気になって薬に頼るより、普段から養生して健康を保つことが大事だということ。
苦する良かろう楽する悪かろう(くするよかろうらくするわるかろう)
いま苦労すれば将来はよくなり、あとで楽ができるが、いま楽をして遊んで暮らせば、あとで苦労しなければならないということ。
糞食らえ(くそくらえ)
他者の言動に対して、ののしりかえすときの言葉。
管を巻く(くだをまく)
酒に酔って、くだらないことをくどくど言い続けたり他人に絡んだりすること。「管」は、紡績に使う糸を巻きつける小さな軸。糸車の音がぶんぶんと音を立てるのを、酔っ払いの繰り言にたとえたことから。
管を以て天を窺う(くだをもっててんをうかがう)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
件の如し(くだんのごとし)
前に述べた通りである。文章の末尾などに用いられる。 多く「よって件の如し」の形で使われる。
口あれば京に上る(くちあればきょうにのぼる)
その気になればなんでもできるというたとえ。 口さえあれば、道を尋ねながら都まででも行くことができるという意味から。
口裏を合わせる(くちうらをあわせる)
両者が事前に示し合わせて、話の内容が食い違わないようにすること。 「口を合わせる」ともいう。
口から先に生まれる(くちからさきにうまれる)
口が達者でお喋りな人に対していう言葉。
口から出れば世間(くちからでればせけん)
いったん口出したことは、いつの間にか世間に広まるから、口は慎めということ。
口が動けば手が止む(くちがうごけばてがやむ)
話に夢中になると、仕事をする手先がおろそかになるということ。
口が多い(くちがおおい)
よく喋るさま。 「口数が多い」ともいう。
口が奢る(くちがおごる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、食に贅沢であることのたとえ。
口が重い(くちがおもい)
言葉数が少なく、積極的には人と喋らないようす。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口が堅い(くちがかたい)
他人に言ってはいけないことを軽々しく口にしない様子。
口が軽い(くちがかるい)
言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。
口が腐っても(くちがくさっても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が肥える(くちがこえる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、味の良し悪しに対する感覚が鋭くなること。 「舌が肥える」ともいう。
口が裂けても(くちがさけても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が寂しい(くちがさびしい)
口に何かを入れておかないと物足りなくて落ち着かない様子。
口が過ぎる(くちがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。
口が干上がる(くちがひあがる)
生活が苦しくなり、食べていけなくなること。
口が減らない(くちがへらない)
あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。
口が曲がる(くちがまがる)
お世話になった人や目上の人に対して悪口を言うと、罰としてその口が歪むということのたとえ。 悪口をいうことを止めさせるときに用いる言葉。
口が回る(くちがまわる)
滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。
口が悪い(くちがわるい)
人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。
朽ち木は柱にならぬ(くちきははしらにならぬ)
朽ちた木が柱にならないように、心の腐った者は使いものにならないというたとえ。
口車に乗せる(くちぐるまにのせる)
巧みな言葉で言いくるめて人をだますことのたとえ。
口先の裃(くちさきのかみしも)
言葉はていねいで相手をうやまっているように見えるが、実はうわべだけで誠意がないこと。
口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)
口は達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口添えをする(くちぞえをする)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口叩きの手足らず(くちたたきのてたらず)
おしゃべりは達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
口に合う(くちにあう)
食べ物の味が自分の好みと合っていることのたとえ。
口にする(くちにする)
口にだして言うこと。 また、飲んだり食べたりすること。
口に出す(くちにだす)
思っていることを言葉にして話すこと。
口に上る(くちにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。
口に針(くちにはり)
言葉に悪意や皮肉がこめられていること。
口に任せる(くちにまかせる)
あまり深く考えず、言葉が口から出るままに発言すること。
口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)
口先では調子のいいことを言っているが、内心は陰険であることのたとえ。
口の下から(くちのしたから)
言ったとたんに。言ったすぐあとから。
口の端に上る(くちのはにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)
言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。
口は重宝(くちはちょうほう)
口は便利なもので、口先だけならなんとでも言えるということ。
口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)
よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。
口は災いの元(くちはわざわいのもと)
うっかり言ってしまった言葉が災いを招くこともあるため、口は慎まなければならないという戒め。 「口は禍の門」「禍は口から」ともいう。
嘴が黄色い(くちばしがきいろい)
年が若くて経験が浅いことをあざけっていう言葉。ひな鳥の嘴が黄色いことから。
唇滅びて歯寒し(くちびるほろびてはさむし)
互いに助け合う者同士の一方が滅びると、もう一方も危うくなるというたとえ。 唇がなくなると歯が寒くなるとの意から。
唇を反す(くちびるをかえす)
人のことを憎んで悪くいうこと。
口火を切る(くちびをきる)
人々の先頭を切って物事を始めること。きっかけをつくること。
口弁慶(くちべんけい)
口先だけで、行動が伴なわない人のたとえ。
口も八丁、手も八丁(くちもはっちょう、てもはっちょう)
しゃべることも腕前も達者なこと。 「八丁」は巧み、達者であること。 単に「手も八丁」とも、また「口八丁手八丁」「手八丁口八丁」ともいう。
口を入れる(くちをいれる)
他人の話に割り込むこと。 また、よけいな口出しをすること。
口を切る(くちをきる)
瓶などの容器の封を開けること。 また、大勢のなかで最初に発言すること。
口を極めて(くちをきわめて)
あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。
口を添える(くちをそえる)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口を揃える(くちをそろえる)
みなが同じ内容のことを言うこと。
口を出す(くちをだす)
他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を述べること。口出しをすること。
口を閉ざす(くちをとざす)
何も言おうとせず沈黙すること。 「口を噤む」ともいう。