「け」を含む故事・ことわざ・慣用句
「け」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 687 件
目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)
非常に頭の回転が速く、利口で賢いさまのたとえ。また物事の判断がすばやく抜け目がないさまをいう。
目のあるだけ不覚(めのあるだけふかく)
自分が犯した失敗には言い訳は通用せず、不注意や落ち度があったことを認めないわけにはいかないということ。 目があるにもかかわらず、見えなかったと言いのがれすることはできないとの意から。
目の付け所(めのつけどころ)
特に注目すべき点のこと。
目星を付ける(めぼしをつける)
大体の目当てを付けること。
目を掛ける(めをかける)
ある人を特別にかわいがったり面倒をみたりすること。
目を背ける(めをそむける)
それを見ていられずに、視線を別の方向にむけること。
目を付ける(めをつける)
特に関心をむけて注目すること。 「付ける」は「着ける」とも書く。
目を向ける(めをむける)
その方向を見ること。また、注意や関心をむけること。
儲けぬ前の胸算用(もうけぬまえのむなざんよう)
不確かな事柄に期待をかけて、計画を立てることのたとえ。
勿怪の幸い(もっけのさいわい)
思いがけない幸運のこと。「物怪の幸い」とも書く。
蛻の殻(もぬけのから)
人が抜け出たあとの住居や寝床のたとえ。「蛻」は蛇や蝉が脱皮することで、その抜け殻の意から。
物がなければ影ささず(ものがなければかげささず)
原因がなければ結果は起こらないというたとえ。物体がなければ影はできない意から。
野鶴、群鶏に在り(やかく、ぐんけいにあり)
鶏(にわとり)の群れの中に一羽だけ鶴(つる)がいるように、平凡な人々の中に一人だけ際立って優れた人物がいる様子のたとえ。 「夜鶴の鶏群に在るが如し」ともいう。
焼け跡の釘拾い(やけあとのくぎひろい)
大金を使ったあとで、わずかな節約をしたりけちったりすることのたとえ。焼け跡で釘を拾っても何の役にも立たない意から。
焼け石に水(やけいしにみず)
援助や努力がわずかで、何の役にも立たないこと。焼けた石に少量の水をかけても冷めないことから。
焼けたあとは立つが死んだあとは立たぬ(やけたあとはたつがしんだあとはたたぬ)
火事で焼けても家は立て直せるが、主人が死んだ後の家は存続が困難な場合が多いということ。また、焼けた家は再建できるが、人は死んだらおしまいということ。
火傷、火に怖じる(やけど、ひにおじる)
一度失敗したために、必要以上に用心深くなることのたとえ。一度やけどをした者は、火を見ただけで怖がるようになることから。
焼け野の雉、夜の鶴(やけののきぎす、よるのつる)
子を思う親の情愛が深いことのたとえ。 「雉」はきじのこと。 雉は野を焼かれたら危険を顧みずに巣にいる子どもを助けに戻り、鶴は霜の降りる寒い夜には自分の羽を広げて子を暖めるとの意から。 単に「焼け野の雉」「夜の鶴」、また「夜鶴子を思う」「子を思う夜の鶴」ともいう。 「焼け野の雉」は、身を隠すところのない雉のことから、危険にさらされることのたとえとしてもいわれる。
やけのやん八(やけのやんぱち)
やけくそになることを人名めかして言った言葉。
焼け木杭には火がつきやすい(やけぼっくいにはひがつきやすい)
一度関係のあった者は、いったん縁が切れても再び元の関係に戻りやすいというたとえ。 多くは男女の関係をいう。 「燃え杭」は燃え残りの木のことで、簡単に火がつくことから。 「焼け木杭には火がつきやすい」ともいう。
自棄を起こす(やけをおこす)
物事が思い通りにならず、投げやりな気持ちになること。
野に遺賢なし(やにいけんなし)
すぐれた人材はすべて官吏になり民間に残っていないということ。また、人材が集まり正しい政治が行われ、国が安らかに治まっているということ。「野」は民間、「遺賢」は埋もれている賢者の意。
やはり野に置け蓮華草(やはりのにおけれんげそう)
人にもその人にふさわしい環境があるということのたとえ。蓮華草は野原で自然のままに咲いているからこそ美しいの意。 江戸時代、播磨の瓢水(ひょうすい)という俳人が、遊女を身請けしようとする友人をいさめて詠んだ句「手に取るなやはり野に置け蓮華草」から。
藪の外でも若竹育つ(やぶのそとでもわかたけそだつ)
藪の外でも竹が育つように、たとえ保護するものがいなくても、子どもはなんとか成長するものだということ。
山を掛ける(やまをかける)
的中することを期待して物事を行うことのたとえ。 「山」は、鉱山のこと。 鉱山で鉱脈を掘り当てる仕事は大きな賭けであったことから転じて、万一の幸運を当てにすること。 「山を掛ける」ともいう。
矢を向ける(やをむける)
攻撃の対象とする。矛先(ほこさき)を向ける。
夕立は馬の背を分ける(ゆうだちはうまのせをわける)
夕立などが、局所的であることのたとえ。 近い場所でも、雨が降っている所と降っていない所があるさま。 馬の片側の背のみが雨に濡れているとの意から。
夕焼けに鎌を研げ(ゆうやけにかまをとげ)
夕焼けになると翌日は晴れに違いないから、鎌を研いで明日の仕事の準備をしておけということ。
夜明け前が一番暗い(よあけまえがいちばんくらい)
どん底の後には必ずいいことがあるというたとえ。日が昇る直前に一番暗い時間があるということから。
酔いどれ怪我せず(よいどれけがせず)
酔っ払いは足もとがおぼつかないが、案外怪我をしない。我を忘れて無心な人は、大きな失敗をしないものだというたとえ。
夜討ち朝駆け(ようちあさがけ)
記者などが、早朝や深夜に取材先を突然訪問すること。
羊頭を掛けて狗肉を売る(ようとうをかけてくにくをうる)
外見は立派に見せかけて、実質が伴わないことのたとえ。 羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売ることから。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭狗肉」ともいう。
避けて通せ酒の酔い(よけてとおせさけのよい)
酔っ払いには、かかわらないほうがよいということ。
夜も日も明けない(よもひもあけない)
その物がないと少しの間も過ごせないほど、何かに執着しているさま。
夜の明けない朝はない(よるのあけないあさはない)
ものごとは必ずいつか、よい方へ変わるということ。 「夜の明けない朝はない」ともいう。
弱みに付け込む風邪の神(よわみにつけこむかぜのかみ)
悪いことが重なることのたとえ。
理屈を付ける(りくつをつける)
聞いた相手が正しいと思うような、それらしい理由を述べること。
両天秤を掛ける(りょうてんびんをかける)
二つの対立する事柄や立場に同時に関わり、どちらにも良い顔をしたり、有利な方に付こうとしたりして、不利にならないようにすること。
林間に酒を煖めて紅葉を焼く(りんかんにさけをあたためてこうようをたく)
林の中で紅葉を燃やして酒を暖めて飲み、秋の風情を楽しむこと。
論に負けても実に勝つ(ろんにまけてもじつにかつ)
議論で言い負かされても実利的に得になるほうが、実際の勝ちだということ。
論に負けても理に勝つ(ろんにまけてもりにかつ)
議論では言い負かされても、ものの道理では自分のほうが正しいということ。
若木に腰掛けな(わかぎにこしかけな)
若者は頼りにならないことのたとえ。また、将来性のある若者を踏みつけにするなということ。 若い木は折れやすいから腰掛けてはいけないということ。
我が口に甘ければ人の口にも甘し(わがくちにあまければひとのくちにもあまし)
自分の好むことは他人もまた好むものである。 自分がよいと思うことは人にも施すべきであるということ。
我が仏尊し(わがほとけとうとし)
自分の信じるものや大切にしているものが、番尊いと信じこむことのたとえ。 「我が寺の仏尊し」「我が家の仏尊し」ともいう。
渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)
世の中は薄情な人ばかりではなく、困った時には助けてくれる情け深い人もいるというたとえ。
輪に輪を掛ける(わにわをかける)
程度をさらに甚だしくすることのたとえ。 「[[輪を掛ける*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7116.php]]」は程度を甚だしくすることで、それにさらに大きな輪をかけるということから。
輪を掛ける(わをかける)
程度を甚だしくすること。大袈裟にすること。 語源には大きく二つの説があり、一つ目は弓道の弦(つる)と弓による説。 弦で作った輪を弓にかけて弦を張って矢を遠くまで飛ばすことから、勢いが強くなることを表すとするもの。 二つ目は、樽(たる)や桶(おけ)をとめる箍(たが)による説。 箍をはめると樽や桶がひとまわり大きくなることから、程度が大きくなることを表すとするもの。 「之繞(しんにゅう)を掛ける」ともいう。