「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1043 件
父父たらずと雖も子は子たらざるべからず(ちちちちたらずといえどもこはこたらざるべからず)
父親が父親の役目を果たさなくても、子どもは子どもとしての役目を果たさなければならないということ。
父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し(ちちのおんはやまよりもたかく、ははのおんはうみよりもふかし)
父母から受けた恩は広大で深いということ。 両親の愛情をたとえたもの。 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」ともいう。
帙を繙く(ちつをひもとく)
書物を開く。読書をする。 「帙」は、書物を保護するために包む覆い。
血で血を洗う(ちでちをあらう)
血縁関係にある者同士が血を流し合うような争いをすること。 また、暴力に対して暴力、悪事に対して悪事で争うことのたとえ。 「血を以て血を洗う」ともいう。
血と汗の結晶(ちとあせのけっしょう)
たいへんな苦労や努力を重ねた末に得た成果。
血となり肉となる(ちとなりにくとなる)
学んだことや経験したことがしっかりと身について、将来に役立つようになること。 摂取した食物がよく吸収されて、やがて体の一部(血や肉)になるとの意から。
治に居て乱を忘れず(ちにいてらんをわすれず)
平和な時でも万一の事を考えて準備を怠るなということ。
血に飢える(ちにうえる)
人を傷つけたり殺したりしたいという衝動にかられること。
地に落ちる(ちにおちる)
盛んであった権威や名声などが衰え失われる。
血の雨が降る(ちのあめがふる)
戦争や殺傷事件などによって多くの血が流れる。
血の雨を降らす(ちのあめをふらす)
戦争や殺傷事件などによって多数の死傷者を出す。
血の通った(ちのかよった)
事務的、形式的ではなく、人間らしさがあること。
血の気が失せる(ちのけがうせる)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血の気が多い(ちのけがおおい)
興奮しやすく、感情のままに行動する性質。
血の気が引く(ちのけがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
地の塩(ちのしお)
世の模範や手本のたとえ。神を信じる者は、腐敗を防ぐ力のすぐれた塩のように、社会の純化の模範であれとの意から。
血の出るよう(ちのでるよう)
たいへんな苦労や努力をするさま。
血の涙(ちのなみだ)
悲しみや憤りのあまりに流す涙を、血にたとえて誇張していう語。
血の滲むよう(ちのにじむよう)
たいへんな苦労や努力をするさま。
血の巡りが悪い(ちのめぐりがわるい)
頭の働きが鈍く、理解や判断が遅い。
地の利は人の和に如かず(ちのりはひとのわにしかず)
土地の位置や形状がいかに有利でも、団結した人々の力には及ばないということ。
地の利を得る(ちのりをえる)
地形や位置などが、あることを行うのに有利な条件を備えていること。
地の利を占める(ちのりをしめる)
地理的に有利な条件を備えた場所を自分のものとする。
血は争えない(ちはあらそえない)
血統によって受け継がれる性質は明らかであり、否定のしようがないということ。 子の性格や特徴などが、親や先祖などに似ていることをいう。 「血筋は争えない」ともいう。
血は水よりも濃い(ちはみずよりもこい)
血縁のある間柄は、他人よりも繋がりが強いことのたとえ。
地歩を占める(ちほをしめる)
自分の地位や立場をしっかりとしたものにする。
血祭りに上げる(ちまつりにあげる)
戦いの手始めに敵方の捕虜やスパイを殺して士気を上げること。 また、威勢よく最初の相手を打ち負かして、味方を奮い立たせること。 「血祭り」は、古代中国で出陣の際に、いけにえの血を捧げて軍神を祭ったことに由来する。
血眼になる(ちまなこになる)
ある事を行うのに夢中になること。 「血眼」は、逆上して血走った目。
血道を上げる(ちみちをあげる)
恋愛や道楽に夢中になって、分別を失う。のぼせあがる。
血も涙もない(ちもなみだもない)
冷酷で思いやりがないこと。
茶茶を入れる(ちゃちゃをいれる)
冗談や冷やかしで話に水を差すこと。
茶にする(ちゃにする)
ばかにしたりはぐらかしたりして、まじめに取り合わない。
茶に酔うたふり(ちゃにようたふり)
知っているのに知らないふりをすること。 お茶を飲んで酒に酔ったふりをするとの意から。 「茶に酔うたよう」ともいう。
茶腹も一時(ちゃばらもいっとき)
わずかなことでも一時しのぎにはなることのたとえ。空腹の時もお茶でしばらくはしのげるということから。
ちゃんちゃらおかしい(ちゃんちゃらおかしい)
まともにとりあえないほど、ばかばかしい。滑稽だ。
ちゃんちゃんばらばら(ちゃんちゃんばらばら)
刀で斬り合う音や様子。または、けんか。乱闘。
注意を引く(ちゅういをひく)
人々の注意や関心をこちらに向けさせる。
忠言、耳に逆らう(ちゅうげん、みみにさからう)
忠告の言葉は耳が痛く、素直に聞き入れられにくいということ。
中原に鹿を逐う(ちゅうげんにしかをおう)
地位や権力を得ようとして争うこと。 「鹿」は帝位の意。転じて、地位や権力のこと。 帝位を得ようとして争うとの意から。 「中原に鹿を逐う」「[[逐鹿*https://kokugo.jitenon.jp/word/p32413]]」ともいう。
仲裁は時の氏神(ちゅうさいはときのうじがみ)
争いごとの仲裁をしてくれる人は氏神様のようにありがたいものなので、その仲裁に従うのがよいということ。 「挨拶」は仲裁の意味。 「仲裁は時の氏神」ともいう。
忠臣は二君に仕えず(ちゅうしんはにくんにつかえず)
忠義を重んじる臣下は、その生涯でただ一人の主君にしか仕えないということ。
柱石(ちゅうせき)
国家や組織などを支える重要な人物のこと。 柱と土台石が建物を支える重要な部分であることから。
忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず(ちゅうならんとほっすればこうならず、こうならんとほっすればちゅうならず)
主君に忠義を尽くそうとすれば親に逆らうこととなり孝行できず、親に孝行しようとすれば主君に背くことになり不忠となる。大切な二つのものの板ばさみになって進退きわまった状態のたとえ。平重盛が、父の清盛と朝廷との間で苦悩したときの言葉。
宙に浮く(ちゅうにうく)
計画などが途中で止まって終わりが見えなくなること。
宙に迷う(ちゅうにまよう)
物事が途中で止まって終わりが分からなくなること。
注目を浴びる(ちゅうもくをあびる)
世間の人々から意識を向けられること。関心を集めること。
注文を付ける(ちゅうもんをつける)
自分の希望などをうるさく言うこと。
昼夜を分かたず(ちゅうやをわかたず)
休まずに物事を行う様子。絶えず。 「昼夜を舎(お)かず」ともいう。
中流に船を失えば一瓢も千金(ちゅうりゅうにふねをうしなえばいっぴょうもせんきん)
つまらないものでも、場合によってはとても価値があるというたとえ。 流れの真ん中で船を失ったときには、ひょうたん一個でも浮き袋の代わりになるとの意から。
宙を飛ぶ(ちゅうをとぶ)
空を飛ぶかのように、非常に速く走ること。
寵愛昂じて尼になす(ちょうあいこうじてあまになす)
かわいがるのも度が過ぎると、かえって本人のためにならないというたとえ。 親が娘をかわいがるあまり、いつまでも嫁にやらずついには尼にしてしまうことから。 「尼になす」は「尼にする」ともいう。
長広舌を振るう(ちょうこうぜつをふるう)
滞ることなく、長々としゃべり続けること。 「長広舌」は「広長舌」が転じた言葉。
調子が合う(ちょうしがあう)
互いの性質や考え方などが合致していること。
調子がいい(ちょうしがいい)
相手の機嫌を取ることがうまいこと。 または、体の状態や物事の進み方などの具合がよいこと。
調子が付く(ちょうしがつく)
物事の勢いが増していくこと。
調子に乗る(ちょうしにのる)
物事が滞ることなく進むこと。 または、得意になって軽はずみな言動をすること。
長袖よく舞い、多銭よく賈う(ちょうしゅうよくまい、たせんよくかう)
素質と条件に恵まれた者が有利で、思い通りに事が運べるというたとえ。 長袖の着物を着た人は舞うと美しく見え、多くの金銭を持つ者は商売がしやすいとの意から。 「賈う(かう)」は、「商う(あきなう)」ともいう。
長所は短所(ちょうしょはたんしょ)
自分の長所を過信すると思わぬ失敗をすることがある。長所も時には短所になるということ。
調子を合わせる(ちょうしをあわせる)
相手に反発せずに話を合わせること。 または、音の高低や強弱などをある基準に合わせること。
調子を取る(ちょうしをとる)
釣り合いが取れた状態を保つこと。 または、音の高低や強弱などをある基準に合わせること。
長者富に飽かず(ちょうじゃとみにあかず)
金持ちがさらに金を欲しがるように、人間の欲望には限りがないことのたとえ。
長者に二代なし(ちょうじゃににだいなし)
ぜいたくに慣れた金持ちの子は、財産を守ったり増やしたりすることが出来ず、たいてい二代目でその家はつぶれてしまうということ。
長者の万灯より貧者の一灯(ちょうじゃのまんとうよりひんじゃのいっとう)
見栄を張った多くの贈り物より、たとえわずかでも真心のこもった贈り物のほうが尊いということ。 金持ちが一万もの灯明をともすよりも、たとえ一灯でも貧しい人の心のこもった灯明のほうが値打ちがあるとの意から。 阿闍世王が釈迦を招いた時、帰り道にたくさんの灯火をともした。それを見て感激した貧しい老婆が、やりくりして一本の灯火をともした。すると、王の灯明が消えたあとも老婆の灯火は朝まで光り続けたという故事から。 「貧者の一灯」ともいう。
帳尻が合う(ちょうじりがあう)
決算で収入と支出が正しく合うこと。または、物事の辻褄が合うこと。
帳尻を合わせる(ちょうじりをあわせる)
決算で収入と支出が正しく合うようにすること。または、物事の辻褄を合わせること。
長蛇の列(ちょうだのれつ)
非常に長く続いている人の列。 長く続く人の列を蛇にたとえた表現。
長蛇を逸す(ちょうだをいっす)
絶好の機会や非常に惜しい物などを取り逃がすこと。
長蛇を逸する(ちょうだをいっする)
もう少しの所で、大きな獲物や好機を逃すこと。
提灯で餅を搗く(ちょうちんでもちをつく)
思い通りにいかないことのたとえ。 または、年老いた男性の性事情を馬鹿にしていう言葉。
提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)
釣り合わないこと、比較にならないことのたとえ。提灯と釣り鐘は形は似ているが重さがまるで違うことから。
提灯持ち(ちょうちんもち)
人の手先になって、その人のことを褒めて回ること。また、それをする人。
提灯持ち川へはまる(ちょうちんもちかわへはまる)
人を導くべき人が、先に失敗してしまうことのたとえ。提灯を持って先導する人が、自分の足元が暗いため川に落ちてしまうということから。
提灯持ちは先に立て(ちょうちんもちはさきにたて)
指導的立場にある人は、先頭に立って模範を示すべきであるということ。 提灯を持って先導する人が先頭に立たずに後ろを歩いていても役に立たないとの意から。
提灯を持つ(ちょうちんをもつ)
ある人の手先になって、頼まれてもいないのに、その人を褒めたり宣伝したりすること。
町内で知らぬは亭主ばかりなり(ちょうないでしらぬはていしゅばかりなり)
女房の浮気を町内の者はみんな知っていて、亭主だけが知らないという間抜けぶりをあざけった言葉。
長範が当て飲み(ちょうはんがあてのみ)
人の金を当てにして失敗してしまうことのたとえ。大泥棒の熊坂長範が、金を奪う前にその金を当てにして酒盛りをし、牛若丸に退治されてしまったという話から。
掉尾を飾る(ちょうびをかざる)
最後を立派にしめくくること。 「掉尾」は、「とうび」とも読み、捕らえられた魚が死ぬ直前に尾を振ること。転じて、最後の意。
帳面づらを合わせる(ちょうめんづらをあわせる)
数字をいじって収入と収支が合うようにすること。
頂門の一針(ちょうもんのいっしん)
人の急所を突くような厳しい戒め。痛いところを突く教訓。 「頂門」は頭の上のことで、そこに針を突き刺すとの意から。
長夜の飲(ちょうやのいん)
夜通し酒を飲むこと。 古代中国殷の紂王(ちゅうおう)が、夜通し酒を飲み、夜が明けても戸も開けず明かりを灯したまま酒盛りを続けたという故事から。 「長夜の宴」ともいう。