「はこ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「はこ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 62 件
相対のことはこちゃ知らぬ(あいたいのことはこちゃしらぬ)
当人同士が決めたことは自分には無関係だということ。鮎(あゆ)、鯛(たい)、鯒(こち)の魚の名を語呂合わせにしたことば。
愛は小出しにせよ(あいはこだしにせよ)
人を愛する時は、少しずつ長く続けるのがよいということ。
垢は擦るほど出る、あらは探すほど出る(あかはこするほどでる、あらはさがすほどでる)
垢は擦れば擦るほど出る。欠点も探せばきりがないほど出てくるということ。
諦めは心の養生(あきらめはこころのようじょう)
失敗や不運をくよくよ考えるより、きっぱり諦めたほうが精神的に良いということ。
足を運ぶ(あしをはこぶ)
何かの目的のために出掛けること。訪問すること。
過ちは好む所にあり(あやまちはこのむところにあり)
過ちは、自分の好きな事や得意な事をしている時に、つい油断して起こるということ。
ある時は米の飯(あるときはこめのめし)
あとで困ると思いながらも、余裕のある時は贅沢や浪費をしてしまうということ。米の飯が貴重だった昔、特別な日に腹いっぱい米の飯を食べつくしてしまうことから。
命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかろし)
命は尊いものだが、正義のためなら捨てても少しも惜しくはないということ。「鴻毛」は鴻の羽毛で、きわめて軽いことのたとえ。
今はこれまで(いまはこれまで)
避けることができないさま。もはやどうしようもない。これで終わりだ。
旨い物は小人数(うまいものはこにんずう)
旨い物を食べる時は小人数の方がたくさん食べられるということ。また、儲け話も小人数でやる方が、分け前が多くなってよいということ。
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ(うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ)
瓜の皮は厚くむき、柿の皮は薄くむいたほうがおいしいということ。 大名は大まかなので瓜の皮を厚くむかせる時に適し、貧乏な乞食は柿の皮を薄くむかせる時に適しているとの意から。
縁の切れ目は子で繋ぐ(えんのきれめはこでつなぐ)
夫婦仲がうまくいかなくなっても、子どもがいれば縁をつなぎとめてくれるということ。
老いては子に従え(おいてはこにしたがえ)
年をとったら出しゃばらずに、何事も子どもに任せて従っていくほうがいいということ。
奢る者は心常に貧し(おごるものはこころつねにまずし)
贅沢な生活を好む者は、満足することを知らず、満たされずに常に不平不満の気持ちを持ち続け、その心は貧しいということ。
親の恩は子で送る(おやのおんはこでおくる)
わが子をりっぱに育てることで、親から受けた恩を返すということ。「送る」は恩に報いるという意。
親は親、子は子(おやはおや、こはこ)
親子でもそれぞれが別の人間であり、性質や才能が同じとは限らないということ。
蟹は甲羅に似せて穴を掘る(かにはこうらににせてあなをほる)
人はそれぞれ自分の身分や力量に応じた考え方や行動をするというたとえ。蟹は自分の大きさに合わせて穴を掘るということから。
川に水運ぶ(かわにみずはこぶ)
むだなことのたとえ。
聞かぬ事は後学にならず(きかぬことはこうがくにならず)
どんなことでも聞いておかなければ将来のための教養にならないということ。
来る者は拒まず(きたるものはこばまず)
自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まないということ。
気は心(きはこころ)
少ない量でも真心をこめているということ。贈り物をする時に使う言葉。
口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)
言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。
鍬を担げた乞食は来ない(くわをかたげたこじきはこない)
働く者は貧乏になることはないことのたとえ。 鍬を持ってしっかり働く人は乞食にはならないので、鍬をかついだ乞食などは来るはずがないとの意から。
薫は香を以て自ら焼く(くんはこうをもってみずからやく)
優れた才能を持つ人が、その才能によって身を滅ぼすことのたとえ。 「薫」は、香草のこと。 香草は香りがよいために焼かれるとの意から。
恋は心の外(こいはこころのほか)
恋愛は理性を失わせため、常識や理屈で理解できるものではないということ。 「恋」は「色」、「思案」は「心」ともいう。
恒産なき者は恒心なし(こうさんなきものはこうしんなし)
一定の財産や職業がなければ、正しく落ち着いた心を持つことができないということ。「恒産」は一定の財産や安定した職業、「恒心」は正常な心という意。
志ある者は事竟に成る(こころざしあるものはことついになる)
確固たる志を持っている者は、どんな困難があっても最後には必ず成功するということ。
志は木の葉に包む(こころざしはこのはにつつむ)
たとえ木の葉に包むほどのささやかな物でも、真心がこもっていれば立派な贈り物だということ。
事が運ぶ(ことがはこぶ)
ものごとが予定通りに進展すること。
言葉は心の使い(ことばはこころのつかい)
心に思っていることは、自然に言葉に表れるということ。
事を運ぶ(ことをはこぶ)
ものごとを進行すること。
転がる石には苔が生えぬ(ころがるいしにはこけがはえぬ)
活発に行動をしている人は常に健康で生き生きしていられることのたとえ。また、転職や転居を繰り返す人は地位も得られず金も貯まらないことのたとえ。 「転石苔を生せず」「転石苔むさず」ともいう。
魚は殿様に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ(さかなはとのさまにやかせよもちはこじきにやかせよ)
人には向き不向きがあるので、しっかりと適した者を選べというたとえ。 魚はゆっくり火を通した方がいいので殿様のようにおっとりした人が適しており、餅は何度もひっくり返しながら焼くほうがよいので乞食のようにがつがつした人が適しているとの意から。 「餅は乞食に焼かせよ魚は殿様に焼かせよ」ともいう。
酒と産には懲りた者がない(さけとさんにはこりたものがない)
酒の飲みすぎも出産も辛く苦しいものだが、もうやめたという者もない。酒を飲むこと、子どもを持つことはやはり楽しみがあるということ。
去る者は追わず、来る者は拒まず(さるものはおわず、きたるものはこばまず)
自分を信じられずに、離れて行く者を決して引き止めることはしない。自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まない。その人の心に任せて、決して無理強いはしないということ。
山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょはこつぶでもぴりりとからい)
体は小さくても、激しい気性と優れた才能を持ち、侮り難い存在のたとえ。山椒の実は小粒ながら、激しい辛味を持つことから。「山椒」は、本来「さんしょう」という。
死は或は泰山より重く、或は鴻毛より軽し(しはあるいはたいざんよりおもく、あるいはこうもうよりかろし)
命は惜しむべき場合と、潔く捨てるべき場合があるということ。 「泰山」は中国山東省にある名山。 「鴻毛」はおおとりの羽毛。 命は高い山よりも重く見なければならない場合と、おおとりの羽毛よりも軽く見なければならない場合があるとの意から。
地獄極楽は心にあり(じごくごくらくはこころにあり)
地獄や極楽は、人の心の中に存在する。つまり、心の持ちようで、地獄にも極楽にもなるということ。
地獄極楽はこの世にあり(じごくごくらくはこのよにあり)
善悪の報いはあの世に行くまでもなく、この世ではっきりと現れるということ。
祖父は辛労、子は楽、孫は乞食(じじはしんろう、こはらく、まごはこじき)
金持ちも長続きはしないことのたとえ。 祖父が苦労して財産を築き、子が楽をして、孫は乞食になるほどに落ちぶれるということから。
地続きは買うておけ(じつづきはこうておけ)
自分の土地と地続きの土地が売られていたら買っておけということ。
十分はこぼれる(じゅうぶんはこぼれる)
容器一杯に水をいれると、ちょっとした揺れでこぼれてしまうように、物事も欲を出しすぎると失敗することがあるので、ほどほどが良いということ。
急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)
あせって事を急ぐと失敗しやすく、急いだことが無駄になるということ。
前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)
先人の失敗は後人の戒めになるというたとえ。 前の車が覆るのを見て、後の車は戒めにするとの意から。 単に「後車の戒め」ともいう。
立ち物は転び物(たちものはころびもの)
不思議ではないこと、当然であることのたとえ。立っている物が転ぶのは当たり前であることから。
民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず(たみはこれによらしむべし、これをしらしむべからず)
人民に命令して従わせることは出来るが、その原理を理解させるのは難しいということ。
知恵は小出しにせよ(ちえはこだしにせよ)
自分の持っている知恵を一度に出さず、必要に応じて少しずつ出すのが賢明だということ。
父父たらずと雖も子は子たらざるべからず(ちちちちたらずといえどもこはこたらざるべからず)
父親が父親の役目を果たさなくても、子どもは子どもとしての役目を果たさなければならないということ。
朕は国家なり(ちんはこっかなり)
フランスのルイ14世が宣言したとされる、絶対王政を象徴する言葉。 「私こそが国家そのものである」の意。
とかく村には事なかれ(とかくむらにはことなかれ)
藪の中に蛇がいないことを望むように、村(自分の周囲)に何事も起こらずに穏やかであってほしいと望むこと。 「とかく村には事なかれ」「とかく近所に事なかれ」ともいう。
徳は孤ならず必ず隣あり(とくはこならずかならずとなりあり)
徳のある人は決して孤立することがなく、理解し協力する者が必ず現れるということ。
箱根からこっちに野暮と化け物はなし(はこねからこっちにやぼとばけものはなし)
箱根からこちら側(関東を中心とした言い方で東側)には、野暮な人間と化け物はいないということ。江戸っ子が田舎者を相手に自慢する言葉。
箱根知らずの江戸話(はこねしらずのえどばなし)
実際には見たこともないものを、いかにも見てきたように話すことのたとえ。箱根を越えたことのない西国の人間が、江戸のことを得意気に話すということから。
春の雪とおばの杖は怖くない(はるのゆきとおばのつえはこわくない)
春の雪はたとえ大雪でもすぐに溶ける。また、おばが杖で叩いても力が弱い。恐れるに足りないことを並べていった語。
歩を運ぶ(ほをはこぶ)
その場所に歩いて行くこと。
孫は子より可愛い(まごはこよりかわいい)
孫は子ども以上にかわいいということ。祖父母が孫をかわいがることの甚だしさをいう。
無駄足を運ぶ(むだあしをはこぶ)
わざわざ出掛けたのに、留守などで本来の目的を果たせずに徒労に終わること。
目は心の鏡(めはこころのかがみ)
目を見れば、その人の心の正邪がわかるということ。 目はその人の心を映し出す鏡との意から。
持つべきものは子(もつべきものはこ)
他人ではあてにできない事も、わが子ならばしてくれる。子は持つべきもので、わが子ほどありがたいものはないということ。
熊野松風は米の飯(ゆやまつかぜはこめのめし)
能の「熊野」と「松風」は、米の飯のように誰からも好まれる名曲であるということ。
悋気は恋の命(りんきはこいのいのち)
やきもちを焼くのは、恋をしている証拠で焼かれなくなったらお終いだということ。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
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