「み」を含む故事・ことわざ・慣用句
「み」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 900 件
火を見たら火事と思え(ひをみたらかじとおもえ)
何事も用心を重ね、警戒を怠りなくせよという教え。 少しの火でも火事だと思って用心せよということ。
火を見るより明らか(ひをみるよりあきらか)
きわめて明らかで疑う余地がまるでないようす。 火を見れば火だとわかるが、それよりもっと明らかとの意から。
貧の盗みに恋の歌(ひんのぬすみにこいのうた)
人は必要に迫られれば、なんでもするというたとえ。 貧乏すれば盗みも働くし、恋をすれば歌を詠むとの意から。
美味も喉三寸(びみものどさんずん)
どんなにおいしいものでも、おいしいと感じるのは喉までの三寸ほどを通るの間のことで、腹に入ってしまえばまずいものと変わらないということ。また、どんなにうれしい事もほんのひとときにすぎないというたとえ。
秒読みに入る(びょうよみにはいる)
物事が起こる時間が間近に迫っていること。 「秒読み」は開始や終了までの時間を秒単位で読み上げること。
袋の鼠(ふくろのねずみ)
どうやっても逃げることができない状態。 「袋の中の鼠」ともいう。
布施見て経を読む(ふせみてきょうをよむ)
報酬が少ない時には、仕事に熱が入らずにいい加減になるということ。 「布施」は、僧侶に読経などの謝礼として渡す金品のこと。 布施が少ない時、僧侶は袈裟をつけずに経を読むとの意から。 「布施ない経は読まぬ」「布施だけの経を読む」「布施見て経を読む」ともいう。
太く短く(ふとくみじかく)
我慢して長く生きるよりも、やりたいことをやって楽しんで生きたほうがよいということ。 また、たとえ長生きできなくても楽しんで生きたいという態度のこと。
舟に刻みて剣を求む(ふねにきざみてけんをもとむ)
古いしきたりや習わしにとらわれて、状況の変化に応じることができない愚かさのたとえ。 中国の楚の人が舟で長江を渡る途中に乗っている舟から剣を落としたため、慌てて舟べりに印をつけて、舟が岸に着いた後に印をつけた場所の川底を捜したという故事から。 「舟に刻(こく)して剣を求む」「剣を落として舟を刻む」「刻舟」ともいう。
踏み台にする(ふみだいにする)
目的のために一時的に利用すること。
文は遣りたし書く手は持たず(ふみはやりたしかくてはもたず)
恋文を書いて送りたいが文字が書けない、また代筆を頼むのも恥ずかしいと思い悩む心情をいう言葉。 「文は遣りたし書く手は持たぬ」ともいう。
冬編笠に夏頭巾(ふゆあみがさになつずきん)
物事が逆さまであることのたとえ。 冬に夏用の編み笠をかぶり、夏に冬用の頭巾をかぶるとの意から。
古川に水絶えず(ふるかわにみずたえず)
栄えた旧家は、衰退してしまってもたやすく潰れることはないというたとえ。また、基礎のしっかりしたものは簡単には壊れないというたとえ。 水が枯れてしまったように見える古い川でも、川底では細々と流れが続いているとの意から。
古傷は痛み易い(ふるきずはいたみやすい)
古傷が季節の変わり目などによく痛むように、過去の悪事や過失も何かにつけて思い出され、心が痛むということ。
武士は相身互い(ぶしはあいみたがい)
武士同士は同じ立場にあるのだから、互いに理解し合って助け合うべきだということ。転じて、同じ立場にある者は、思いやりをもって互いに助け合うべきだということ。
蛇に見込まれた蛙(へびにみこまれたかえる)
恐ろしいものや苦手なものの前で、身がすくんで動けなくなる状態のたとえ。 蛇にねらわれた蛙が恐ろしさのあまり動けなくなることから。 「蛇に見込まれた蛙」ともいう。
吠える犬はめったに噛みつかない(ほえるいぬはめったにかみつかない)
虚勢を張って強そうなことを言う者にかぎって実力がないというたとえ。
北国の雷(ほっこくのかみなり)
着の身着のままの状態をしゃれていう言葉。「北国に鳴る雷」の「北鳴り」と「着たなり」を掛けたもの。
仏千人、神千人(ほとけせんにん、かみせんにん)
世の中には悪い人間もいるが、仏や神のようなよい人間もたくさんいるということ。
仏ほっとけ神構うな(ほとけほっとけかみかまうな)
信心も信仰も度が過ぎないほうがいいということ。「仏」と「ほっとけ」、「神」と「かまうな」と語呂合わせして調子よくいった言葉。
骨身を削る(ほねみをけずる)
身体が痩せ細るほどの努力や苦労をすること。
褒めらるる身の持ちにくさ(ほめらるるみのもちにくさ)
世間からほめられる立場になると、その評判に恥じないようにするのが難しく、常に注目されているので窮屈な思いをするということ。
本卦還りの三つ子(ほんけがえりのみつご)
年をとって、まるで幼児のように無邪気なってしまうこと。「本卦還り」は、還暦のこと。
ぽつぽつ三年、波八年(ぽつぽつさんねん、なみはちねん)
何事も一人前になるには、それなりの年月が必要だということ。 日本画の修行では、ぽつぽつと点で苔を描けるようになるのに三年、波を描けるようになるのに八年かかるとの意から。
前を踏み後ろにつまずく(まえをふみうしろにつまずく)
前に進むことも後ろに下がることもできないというたとえ。
眶を見抜く(まかぶらをみぬく)
相手の弱点や隙を見抜き、そこにつけ込むこと。足元を見ること。
負け惜しみの減らず口(まけおしみのへらずぐち)
負けた者が強情を張って憎まれ口を叩くこと。
枡で量って箕でこぼす(ますではかってみでこぼす)
苦労して蓄えたものを無駄に使い果たしてしまうことのたとえ。 「箕」は穀物をふるうための道具。 枡ではかるようにして貯めたものを、升の何倍もの大きさがある箕で一度にこぼしてしまうとの意から。
待たるるとも待つ身になるな(またるるともまつみになるな)
人を待つのは腹立たしいから、人を待たせることはあっても自分は待つ立場にはなるなということ。
待つ身より待たるる身(まつみよりまたるるみ)
人を待っている人もつらいものだが、待たせている者も相手のことが気になってつらいものだということ。
学ぶ門に書来る(まなぶかどにふみきたる)
好きで打ち込んでいれば、おのずから道が開けるというたとえ。学問を好む人のところには、自然と書物が集まってくるということから。
みいちゃんはあちゃん(みいちゃんはあちゃん)
周りの意見や流行などに左右されやすいこと。また、そのような人。ミーハー。
ミイラ取りがミイラになる(みいらとりがみいらになる)
人を連れ戻しに出かけた者が帰って来ないことのたとえ。また、説得しようとした者が、逆に相手に同調してしまうというたとえ。
見得張るより頬張れ(みえばるよりほおばれ)
世間体を気にするより実利を考えることのほうが大切だということ。体裁を考えて食べたい物を我慢するより、遠慮なく頬張ったほうが得であるとの意から。
見栄も外聞もない(みえもがいぶんもない)
人の評判や世間体を気にする余裕もないさま。
見得を切る(みえをきる)
大げさな言動をとって、自分の自信のほどを強調すること。 「見得」は歌舞伎役者が、芝居が最高潮に達した時に目立つ表情や演技をすること。
見栄を張る(みえをはる)
人からよく思われようとして、無理に外見を飾り立てたり、体裁を取り繕ったりすること。
見掛け倒し(みかけだおし)
看板だけが立派で、実情が伴わないこと。 見かけはよくても、内容が乏しいこと。
見掛けばかりの空大名(みかけばかりのからだいみょう)
見かけは豪勢だが、中身は貧弱なことのたとえ。
味方見苦し(みかたみぐるし)
味方ばかり贔屓(ひいき)する行為は、不公平で見苦しいということ。
身から出た錆(みからでたさび)
自分が犯した悪行の結果として、自分自身が苦しむこと。
身から出た錆は研ぐに砥石がない(みからでたさびはとぐにといしがない)
自分の過ちや行いが原因で生じた災難は、他人を責めることができず、受け入れるしかないということ。
身が軽い(みがかるい)
からだの動きが軽快な様子。 また、責任や負担などがなく身軽な様子。
右から左(みぎからひだり)
受け取った金品をすぐ別の人に渡してしまうことのたとえ。
右と言えば左(みぎといえばひだり)
こちらが右といえば左と答えるように、人の言うことにいちいち反対すること。
右に出る者がない(みぎにでるものがない)
一番すぐれていて、その人に優る者がいないということ。昔、中国で右を上席としたことから。
右の耳から左の耳(みぎのみみからひだりのみみ)
何を聞いても聞いたはしから忘れてしまうことのたとえ。右の耳から入って、すぐに左の耳へ抜けてしまう意から。
右を見ても左を見ても(みぎをみてもひだりをみても)
どの方向を見ても。
三行半(みくだりはん)
夫が妻に書いた離縁状。転じて離縁することをいう。昔、離縁状は三行半に書く慣習があったことから。
神輿を上げる(みこしをあげる)
座り込んでいた人が立ち上がるたとえ。また行動をおこして仕事にとりかかること。「輿」と「腰」を掛けたことば。
操を立てる(みさおをたてる)
志を堅く守って変えないこと。 また、女性が貞操を守り通すこと。
見ざる聞かざる言わざる(みざるきかざるいわざる)
自分に都合の悪いことや人の欠点は、見たり聞いたり言ったりしないということ。「見ない」「聞かない」「言わない」を、三匹の猿が両手で各々の両目、両耳、口をふさいでいる像や絵で表現する。打消しの「…ざる」と「猿」を掛けたことば。
見知らずの口叩き(みしらずのくちたたき)
自分の身のほども知らずに、大きなことを言うこと。
微塵もない(みじんもない)
そのような気持ちなどが全くない。すこしもない。
身過ぎは草の種(みすぎはくさのたね)
商売や職業などの暮らしを立てる方法は、草の種のように種類が多いということ。 「商売は草の種」「世渡りは草の種」「世渡りは草の種」「身過ぎは草の種」ともいう。
水到りて渠成る(みずいたりてきょなる)
学問を究めれば自然に徳が備わってくるということ。また、時期が来ればものごとは自然に成就するということ。 「渠」は溝のことで、水が流れれば自然に溝ができるとの意から。
自ら彊めて息まず(みずからつとめてやまず)
自分から進んでつとめ励んで、それを怠らないことのたとえ。「彊」はつとめること、「息まず」は休まない意。
自ら卑うすれば尚し(みずからひくうすればたっとし)
へりくだって驕らない人は他人から尊敬され、自然と尊くなるということ。
水が合わない(みずがあわない)
その土地の環境や風土にうまく馴染めない様子。 また、所属している組織の体質に馴染めない様子。
水清ければ魚棲まず(みずきよければうおすまず)
あまりにも心が清らかで真面目な人は、逆に人から敬遠されて孤立してしまうというたとえ。水が清らかすぎると、餌もなく隠れる所もないので魚が棲みつかない意から。
水際立つ(みずぎわだつ)
他と比較して、ひときわ目立つさま。
水と油(みずとあぶら)
水と油が混じり合わないように、二つのものが調和しないこと。互いに性質が合わないこと。
水に絵を描く(みずにえをかく)
無駄な苦労をすることのたとえ。 水に絵を描いても残らないことから。
水に流す(みずにながす)
過去のいざこざを、すべてなかったことにして和解することのたとえ。
水に慣れる(みずになれる)
その土地の環境や風土になれること。 からだがその土地の水に馴染むことから。 「慣れる」は「馴れる」とも書く。
水の泡(みずのあわ)
努力してきたものがすべて無駄に終わることのたとえ。
水の泡となる(みずのあわとなる)
水の泡がはかなく消えるように、努力のかいもなく、まったく無駄に終わることのたとえ。
水の滴るよう(みずのしたたるよう)
若々しくて美しいようすの形容。
水の月取る猿(みずのつきとるさる)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
水の低きに就くが如し(みずのひくきにつくがごとし)
水が低い方へ流れていくように、物事のなりゆきは止めようとしても止められないということ。
水は方円の器に随う(みずはほうえんのうつわにしたがう)
人は交友関係や環境しだいで、良くも悪くもなるというたとえ。 「方円」は四角形と円形のこと。水は容器の形によって四角にも丸くもなるということから。
水も漏らさぬ(みずももらさぬ)
警戒が厳重で、まったく隙がないようす。
水を打ったよう(みずをうったよう)
多数の人が、いっせいに静まりかえるようす。
水を得た魚のよう(みずをえたさかなのよう)
その人の力を発揮できる場所を得て、生き生きと活躍するようすのたとえ。
水を差す(みずをさす)
物事にけちをつけたり、親しい間柄を裂くようなことをすること。
水を離れた魚(みずをはなれたうお)
水から出た魚のように、頼りを失って自由がきかないことのたとえ。
水を向ける(みずをむける)
自分の思い通りに、相手が関心を持つようにしむけること。
店を畳む(みせをたたむ)
商売をやめて廃業すること。
店を張る(みせをはる)
自分の店を出店して商売をはじめること。
身銭を切る(みぜにをきる)
必ずしも自分が支払う必要のない費用をあえて自分の金銭で支払うこと。
