「め」を含む故事・ことわざ・慣用句
「め」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 684 件
- 先ず隗より始めよ(まずかいよりはじめよ)- 大きな事業を行う時には、まず手近なところから始めよということ。また事を始めるときには、まず言い出した者から実行すべきであるということ。 中国の戦国時代、燕の昭王から賢者の集め方を問われた郭隗が「まず凡人の私を優遇してみて下さい。そうすれば私よりすぐれた人物が自然と集まってくるでしょう」と答えたという故事から。 
- 豆を煮るに豆がらを燃く(まめをにるにまめがらをたく)- 兄弟や仲間どうしが傷つけあったり争ったりすることのたとえ。 豆を煮るために豆がら燃やすとの意から。 魏の曹植は、兄の文帝から詩の才能を憎まれ、七歩歩く間に詩を作らなければ処罰すると言われて作ったとされる兄弟の不和を嘆く詩による。 
- 眉を顰める(まゆをひそめる)- 心配ごとがあったり不快を感じたりして、眉周辺にしわを寄せること。 
- 真綿で首を絞める(まわたでくびをしめる)- 遠まわしに、じわじわといじめたり痛めつけたりすることのたとえ。柔らかい真綿で首を絞めると、じわじわと絞まって時間がかかり余計に苦しむことから。 
- 満面朱を注ぐ(まんめんしゅをそそぐ)- 恥ずかしさや怒りなどで顔が赤くなる様子。 「満面朱を注ぐ」ともいう。 
- 自ら彊めて息まず(みずからつとめてやまず)- 自分から進んでつとめ励んで、それを怠らないことのたとえ。「彊」はつとめること、「息まず」は休まない意。 
- 店を閉める(みせをしめる)- 商売をやめて廃業すること。 
- 三度諌めて身退く(みたびいさめてみしりぞく)- 繰り返し主君をいさめても聞き入れられない時は、潔く辞職するのが賢明だということ。 
- 三つ叱って五つほめ、七つ教えて子は育つ(みっつしかっていつつほめ、ななつおしえてこはそだつ)- 子どもは少し叱って多くほめ、たくさん教えて育てるのがいいということ。 
- 見つめる鍋は煮立たない(みつめるなべはにたたない)- 待っている時間は非常に長く感じられることのたとえ。 鍋が煮立つのを見ながら待つと、なかなか煮え立たないとの意から。 
- 三つ指、目八分(みつゆび、めはちぶ)- 正しい行儀作法のこと。お辞儀をする時は親指・人差し指・中指の三本の指を床について頭を下げ、物を運ぶ時は目の高さより少し低くして両手で差し上げるのが正しい作法とされるところから。 
- 身で身を詰める(みでみをつめる)- 自分で自分をだめにすることのたとえ。 自分で自分のからだを食べるとの意から。 「身で身を詰める」ともいう。 
- 耳を貴び、目を賤しむ(みみをたっとび、めをいやしむ)- 遠くのものを尊重して、近くのものを軽んじることのたとえ。また、昔を重んじて今を軽視することのたとえ。 人から聞いたことは信じて、自分の目で見たものは信じないとの意から。 「耳を信じて目を疑う」ともいう。 
- 見目は果報の基(みめはかほうのもとい)- 顔かたちが美しいということは、幸運をもたらす元だということ。「見目」は容貌、「果報」は幸運の意。 
- 見るは目の毒(みるはめのどく)- 見れば欲しくなるので、見ないほうがよいということ。 
- 見る目がある(みるめがある)- 物事を正しく判断したり性質を見抜いたりする能力があること。 
- 身を固める(みをかためる)- 結婚して家庭を持つこと。定まった職業に就くこと。 また、身支度をしっかりと整えること。 
- 身を沈める(みをしずめる)- おちぶれて、不幸な境遇に身をおくこと。 
- 身を潜める(みをひそめる)- 人目につかないように、ひっそりと姿を隠すこと。また、目立つ行動を控え、静かにしていること。 
- 麦と姑は踏むが良い(むぎとしゅうとめはふむがよい)- 麦は根の張りをよくするために芽を足で踏むほうがよいが、姑に対しても下手にばかり出ないで、時には抵抗するのも必要であるということ。 
- 婿は座敷から貰え、嫁は庭から貰え(むこはざしきからもらえ、よめはにわからもらえ)- 婿は自分の家より家柄がよい家から貰うと家の格が上がり、嫁は自分の家より低い家柄から貰うと威張らずによく働くので家のためによいということ。 「婿は大名から貰え嫁は灰小屋から貰え」「嫁は下から婿は上から」ともいう。 
- 娘三人持てば身代潰す(むすめさんにんもてばしんだいつぶす)- 娘を三人持てば、その嫁入り支度で財産がなくなるということ。 
- 娘一人に婿八人(むすめひとりにむこはちにん)- 一つの物事に対しての希望者が多くいること。 一人の娘に対して婿を希望する人が八人もいるとの意から。 「娘一人に婿三人」「娘一人に婿十人」ともいう。 
- むすめふさほせ(むすめふさほせ)- 百人一首のかるた取りで、最初の一音を聞いて取れる札は七首。効率よく記憶するために、その七首の最初の文字を取って「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」と並べたもの。 
- 無駄飯を食う(むだめしをくう)- 仕事をするわけでもなく、毎日ぶらぶらして暮らすこと。 
- 胸三寸に納める(むねさんずんにおさめる)- すべてを心に納めて、顔にも言葉にも出さないこと。 「胸三寸」は胸の中のこと。 「胸三寸」は単に「胸」、「納める」は「畳む」ともいう。 また「腹に納める」ともいう。 
- 胸に秘める(むねにひめる)- 他の人には言わずに、心の中に隠しておくこと。 
- 胸を痛める(むねをいためる)- 一人であれこれと思い悩んだり心配したりすること。 
- 明暗を分ける(めいあんをわける)- あることがきっかけとなり、勝ち負けや幸不幸などが区別されること。 
- 命運が尽きる(めいうんがつきる)- 運に見放されて、これ以上存続するための手段がなくなること。 
- 迷宮入り(めいきゅういり)- 事件などが未解決のまま捜査が打ち切られること。 
- 明鏡も裏を照らさず(めいきょうもうらをてらさず)- どんな賢人でも目が届かないことがあるというたとえ。 曇りのない鏡でも、ものの裏までは映さないことから。 
- 名所に見所なし(めいしょにみどころなし)- 一般に名所といわれている所も、案外見るものが少なくつまらない所が多い。名は必ずしも実を伴わないということ。 
- 名人は人を謗らず(めいじんはひとをそしらず)- 名人は人の欠点を悪く言うようなことはしないということ。 
- 命旦夕に迫る(めいたんせきにせまる)- 死期が間近に迫っている様子。 「旦夕」は朝晩のこと。 命の終わりがこの朝か晩かというほどに迫っているとの意から。 
- 冥土にも知る人(めいどにもしるひと)- 地獄のようなひどい所でも知り合いはできるものだということ。また、遠くの知らない土地に行っても知人に巡りあえるものだということ。 「冥土にも知る人」ともいう。 
- 冥土の道には王なし(めいどのみちにはおうなし)- 現世での身分の上下、貧富の差は、死ねばいっさい無くなるということ。また、死は誰にも等しく訪れるということ。「冥土」は「冥途」とも書き、死者の霊魂が行くという世界のこと。 
- 命は天に在り(めいはてんにあり)- 運命は天が定めることで、人間の力ではどうすることも出来ないということ。 
- 名馬に癖あり(めいばにくせあり)- 名馬と言われる馬は、どこかしら扱いにくい癖を持っている。人間も優れた才能の持ち主には、強い個性があるということ。 
- 名物に旨い物なし(めいぶつにうまいものなし)- 名物と言われている物には、案外旨い物がない。名と実は必ずしも一致しないということ。 
- 命脈を保つ(めいみゃくをたもつ)- 何とか命が繋がること。 「命脈を繋ぐ」ともいう。 
- 牝牛に腹突かれる(めうしにはらつかれる)- 油断していた相手に不意打ちされ、ひどい目に遭うたとえ。 雄牛に比べておとなしい牝牛に、突然腹を突かれることから。 
- 目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)- 何かのきっかけで急に物事の実態がはっきりわかるようになるたとえ。 『新約聖書−』使徒行伝・九章の「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」による。 
- 目から入って耳から抜ける(めからはいってみみからぬける)- 見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ。 
- 目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)- 非常に頭の回転が速く、利口で賢いさまのたとえ。また物事の判断がすばやく抜け目がないさまをいう。 
- 目から火が出る(めからひがでる)- 頭部や顔面を強く打ちつけたときに感じる、一瞬だけくらくらとする感覚のたとえ。 
- 目が利く(めがきく)- 物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。 
- 目が肥える(めがこえる)- すぐれた物を数多く見ることで、物の価値を判断する能力が高まること。 
- 目が冴える(めがさえる)- 興奮状態になって、寝ようとしても寝れないこと。 
- 目が覚める(めがさめる)- あることがきっかけとなり、本来の正しい自分の姿に戻ること。 「目を覚ます」ともいう。 
- 目が覚めるような(めがさめるような)- 眠けがさめるほど、鮮やかで際立って美しいさま。 
- 目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)- あることに感動して、涙が溢れ出しそうになること。 「目頭を熱くする」ともいう。 
- 目頭を押さえる(めがしらをおさえる)- 指やハンカチなどで目頭を優しく押さえて、涙が落ちてこないようにすること。 
- 目が据わる(めがすわる)- 怒ったり酒に酔ったりして、一点を見つめた目が少しも動かなくなる様子。 
- 目が高い(めがたかい)- 人や物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。 
- 目が点になる(めがてんになる)- 驚いて呆気にとられる様子。 漫画で、驚きの表情を描く際に目を点にして表現したことから。 
- 目が出る(めがでる)- 値段が驚くほど高い様子。また、激しく叱られる様子。[[目が飛び出る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6930.php]]に同じ。 また、物事が思い通りになること。運が向いてくること。[[いい目が出る*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/4948.php]]に同じ。 
- 目が届く(めがとどく)- 細かいところまで注意が行き届くこと。 
- 目が飛び出る(めがとびでる)- 値段が驚くほど高い様子。 また、激しく叱られる様子。 「目玉が飛び出る」「目の玉が飛び出る」ともいう。 
- 目が留まる(めがとまる)- ある物事や人物に特に興味を持って注意深く見ること。 
- 眼鏡が狂う(めがねがくるう)- ある物事や人物に対する判断をまちがえること。見損なうこと。 
- 目が離せない(めがはなせない)- 心配で見続けていないと安心できない。見守る必要がある。 また、魅力的で、ずっと見ていたくなる。 
- 目が光る(めがひかる)- 監視が厳しいこと。 
- 目が回る(めがまわる)- めまいがすること。また、とても忙しいこと。 
- 目くじらを立てる(めくじらをたてる)- 目をつり上げて、あらさがしをすること。他人の些細な欠点を探して、ことさらに責めること。 「目くじら」は目尻のこと。 
- 目糞、鼻糞を笑う(めくそ、はなくそをわらう)- 自分の欠点に気付かず、他人の欠点をあざ笑うたとえ。 目糞が鼻糞のことを汚いと笑うとの意から。 「鼻糞が目糞を笑う」ともいう。 
- 盲蛇に怖じず(めくらへびにおじず)- 知識や知恵のない者は、平気で後先のことを考えずに行動してしまうことのたとえ。 盲人は、蛇がいても見えていないので全く怖がらないとの意から。 
- 目先が利く(めさきがきく)- 先の事を見通して、適切な判断や行動ができること。 「目先」は「目前」とも書く。 
- 目先を変える(めさきをかえる)- 今までとは違う印象を与えるために、趣向を変えること。 
- 飯粒で鯛を釣る(めしつぶでたいをつる)- わずかな元手や労力で大きな利益を得るたとえ。 略して「[[海老鯛(えびたい)*https://kokugo.jitenon.jp/word/p56920]]」ともいう。 また、「蝦蛄(しゃこ)で鯛を釣る」「雑魚(ざこ)で鯛を釣る」「飯粒(めしつぶ)で鯛を釣る」「麦飯(むぎめし・むぎいい)で鯉を釣る」「鼻糞で鯛を釣る」などともいう。 
- 目じゃない(めじゃない)- 問題として取り上げる必要のないこと。 また、実力などが自分よりも下で、相手にならないこと。 
- 目尻を下げる(めじりをさげる)- 女性に見とれたりして、表情や態度に緊張感がなくなる様子。 
- 目白押し(めじろおし)- たくさんの人や物が込み合って並ぶこと。鳥の目白が仲間と枝にとまるとき、押し合うように並ぶ習性があることから。 
- メスを入れる(めすをいれる)- ある問題を根本的に解決するために、大胆な手段をとること。 医者がメスを用いて病気の元となっている部分を取り除くことから。 
- 目千両(めせんりょう)- 千両の値打ちがあるほど魅力的な目。 
- 目高も魚のうち(めだかもととのうち)- とるに足りないようなものでも仲間には違いがないというたとえ。目高のように小さな魚でも、魚の仲間に違いはないということから。 
- 鍍金が剝げる(めっきがはげる)- 表面を飾っていたものが取れ、隠されていた本当の姿や欠点があらわになる。 見せかけの良さが維持できなくなり、実態が明らかになることをいう。 
- 滅相もない(めっそうもない)- とんでもない。あるべきことではない。 
- 目で殺す(めでころす)- 色っぽい目つきで相手を魅き付け、夢中にさせるようす。「殺す」は悩殺するという意。 
- 目で見て口で言え(めでみてくちでいえ)- 何事も自分の目で確認してから口にせよということ。見てもいないことをとやかく言ってはいけないという戒めのことば。 
 
         
    