「る」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「る」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 1839 件
勇名を馳せる(ゆうめいをはせる)
勇敢であるという評判が世間に知れ渡ること。
雪に霜を加える(ゆきにしもをくわえる)
十分すぎるほどあるうえに、さらに同じようなものを加えること。 「雪に霜を加える」「雪の上に霜」ともいう。
柚の木に裸で登る(ゆずのきにはだかでのぼる)
非常に困難なことをすることのたとえ。とげの多い柚の木に裸で登るということから。
湯の辞儀は水になる(ゆのじぎはみずになる)
遠慮もほどほどにしないと、かえって失礼になるということ。 「辞儀」は遠慮のこと。 湯を勧められた時、遠慮してぐずぐずしていると、湯が冷めて水になることから。
指折り数える(ゆびおりかぞえる)
指を一本ずつ折り曲げて数えること。 特に、心待ちにしていることを、あと何日と一日ずつ数えること。
指を染める(ゆびをそめる)
物事に着手すること。
夢が覚める(ゆめがさめる)
心の迷いがなくなり、正気を取り戻すこと。
夢路を辿る(ゆめじをたどる)
夢を見ながら安らかに眠ること。
夢を見る(ゆめをみる)
未来に希望を抱き、空想にふけること。
湯を沸かして水にする(ゆをわかしてみずにする)
せっかくの苦労を無駄にすることのたとえ。 せっかく沸かした湯を使わずに水にしてしまうことから。 「湯を沸かして水に入る」ともいう。
酔いが回る(よいがまわる)
酒に酔って、判断力や感覚が鈍くなること。
用が足りる(ようがたりる)
十分に間に合う。役に立つ。
陽気発する処、金石も亦透る(ようきはっするところ、きんせきもまたとおる)
どんな困難なことでも、精神を集中すればできないことはないということ。 「陽気」は万物が生じて活動しようとする気。 陽気が発生すれば、金属や石のように硬いものでも貫くとの意から。
養生に身が痩せる(ようじょうにみがやせる)
養生のために気を使ったり、金銭の心配をして、かえって心労で痩せてしまうということ。
用心に網を張る(ようじんにあみをはる)
用心のうえに用心をすること。「用心に縄を張る」とも言う。
羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)
外見は立派に見せかけて、実質が伴わないことのたとえ。 羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売ることから。 「羊頭を掛けて狗肉を売る」「羊頭狗肉」ともいう。
漸く佳境に入る(ようやくかきょうにいる)
次第に興味深い所に入っていくということ。また、ある状況の最盛期にもいう。
俑を作る(ようをつくる)
よくないことを始めること。悪い前例を作ること。 「俑」は、死者とともに埋葬するための人形。 俑を一緒に埋めることが殉死という悪習を生んだとして、孔子がこれを憎んだという故事から。
余儀なくされる(よぎなくされる)
他に方法がなく、したいと思っていなくてもそうせざるを得ないこと。
よく泳ぐ者は溺る(よくおよぐものはおぼる)
自分の得意なことは自信過剰になるため、かえって失敗しやすいということのたとえ。
欲の熊鷹、股裂くる(よくのくまたか、またさくる)
あまり欲張ると、災いを招くというたとえ。二頭の猪をつかんだ熊鷹が、左右に逃げようとした猪を放さなかったために、熊鷹の股が裂けてしまったという話から。
横になる(よこになる)
体を横にして休むこと。寝ること。
横槍を入れる(よこやりをいれる)
他人の話や仕事に、はたから文句をつけること。
誼を通じる(よしみをつうじる)
便宜を得るために、親密な関係を結ぼうと働きかけること。
余勢を駆る(よせいをかる)
何かを成し遂げた勢いのまま、次の行動に移ること。
装いを新たにする(よそおいをあらたにする)
今までの印象を変えるため、外観などを新しくすること。
涎が出る(よだれがでる)
何かを見て、それが欲しくてたまらなくなること。
因って来たる(よってきたる)
もととなる。原因となる。由来する。
世に入れられる(よにいれられる)
広く世間に認められること。
世に聞こえる(よにきこえる)
広く世間に知れ渡ること。
世に出る(よにでる)
世間に名が知られること。世間に認められること。
呼び水になる(よびみずになる)
物事を引き起こすきっかけとなること。
予防線を張る(よぼうせんをはる)
自分の失敗や相手の攻撃に備えて、あらかじめ手立てを講じておくこと。
予防は治療に勝る(よぼうはちりょうにまさる)
病気になって治療するより、病気にならないように予防するほうがよいということ。転じて、問題が起こってから処理するよりも、問題が生じないようにすることが大事だということ。
宜しきを得る(よろしきをえる)
方法が適切であること。程度がちょうどよいこと。
世を去る(よをさる)
この世から去る。死ぬ。
世を捨てる(よをすてる)
出家すること。俗世間から離れて静かに暮らすこと。
世を遁れる(よをのがれる)
俗世間を逃れて隠れ住むこと。また、出家すること。
世を憚る(よをはばかる)
世間に気がねすること。世間との交わりを避けること。
世を渡る(よをわたる)
生計を立てて、社会の中で暮らしていくこと。
烙印を押される(らくいんをおされる)
拭い去ることのできない悪い評判を受けること。 「烙印」は昔の囚人が刑罰として受ける焼き印のこと。
洛陽の紙価を高める(らくようのしかをたかめる)
著書が大評判で、よく売れることのたとえ。晋の左思が「三都の賦」を作った時、人々がこれを書き写そうと争って紙を買い、洛陽の紙の値段が高くなったという故事から。
理が非になる(りがひになる)
説明不足や他人の思惑などによって、正しいことが誤りとされてしまうこと。
理屈を捏ねる(りくつをこねる)
正当化するために、あれこれと無理筋な理屈を言うこと。
理屈を付ける(りくつをつける)
聞いた相手が正しいと思うような、それらしい理由を述べること。
理に落ちる(りにおちる)
話などが理屈っぽくなること。
理に勝って非に落ちる(りにかってひにおちる)
理屈では相手に勝っても、実質上は負けたと同様の不利な立場に陥ること。「理に勝って非に負ける」とも言う。
利に走る(りにはしる)
利益を得ることにひたすらこだわること。
溜飲が下がる(りゅういんがさがる)
不平や不満が消え去り、すっきりした気分になること。「溜飲」は消化不良の時に、胃から突き上げてくる酸っぱい液で、それがなくなるということから。
流言は知者に止まる(りゅうげんはちしゃにとどまる)
確かな根拠のない噂が広まっても、知恵のある人はそれを他人に話さないから、噂はそこで止まるということ。
柳眉を逆立てる(りゅうびをさかだてる)
美人が眉をつり上げて怒るようす。「柳眉」は柳の葉のように細い美人の眉。
両天秤を掛ける(りょうてんびんをかける)
二つの対立する事柄や立場に同時に関わり、どちらにも良い顔をしたり、有利な方に付こうとしたりして、不利にならないようにすること。
猟は鳥が教える(りょうはとりがおしえる)
何事も実際に行っているうちに覚えて、身に付けていくものであるということのたとえ。 鳥を撃つこつは、実際に猟をするうちに覚えるもので、いわば獲物の鳥が教えてくれるようなものだということ。
類を以て集まる(るいをもってあつまる)
似通った者同士は自然に寄り集まるということのたとえ。
ルビコンを渡る(るびこんをわたる)
重大な決断をするたとえ。「ルビコン」はイタリア北部のルビコン川のことで、古代ローマの英雄カエサルが軍隊を引き連れてこの川を渡り、ローマに宣戦布告をしたことにもとづく。
瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)
すぐれた才能や素質を持つ者は、どこにいても際立つことたとえ。また、そのような者は活用次第で能力を存分に発揮するということ。 「瑠璃」は青色の宝玉、「玻璃」は水晶のことで、たとえ他の物に混じっていても光を当てればどちらも美しく輝くことから。
礼儀も事による(れいぎもことによる)
礼儀作法を守ってさえいればいいというものではなく、事と場合によっては、礼儀が二の次になることもあるということ。
礼に始まり、乱に終わる(れいにはじまり、らんにおわる)
酒宴は始まりこそ礼儀正しくとも、宴の終わるころには礼儀も何もなく乱れるものだということ。
礼も過ぎれば無礼になる(れいもすぎればぶれいになる)
礼儀も度が過ぎれば、かえって失礼になるということ。
礼を失する(れいをしっする)
礼儀を欠いた態度をとること。
レッテルを貼る(れってるをはる)
ある物事や人に対して、一方的、または、断定的に評価を下すこと。 「レッテル」はオランダ語で、名称や品質などを書き記して商品に張る紙のこと。
列に入る(れつにはいる)
地位や資格などを得て、同じ立場として仲間に加わること。
連木で腹を切る(れんぎではらをきる)
不可能なことのたとえ。 「連木」はすりこぎ(すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒)のこと。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
論陣を張る(ろんじんをはる)
しっかりと論理を組み立てた上で議論すること。
我が意を得る(わがいをえる)
物事が自分の考えていた通りになる。自分の考えにぴったり合う。
我が刀で首切る(わがかたなでくびきる)
自分のおこないで自分自身が苦しむ結果になるたとえ。
我が事終わる(わがことおわる)
自分が関わっていることが全て終わること。なすべきことがないこと。
我が世の春(わがよのはる)
物事が全て望み通りになる絶頂期。
脇道に逸れる(わきみちにそれる)
話題などが本筋から外れた方向へ進んで行くこと。
割った茶碗を接いでみる(わったちゃわんをついでみる)
いまさら取り返しがつかないのに、諦めきれずにあれこれすることのたとえ。割れた茶碗はもとどおりにならないのに、接ぎ合わせてみることから。
割って入る(わってはいる)
物の間や会話などに強引に入ること。
話頭を転じる(わとうをてんじる)
話題を別の方向へに移すこと。話題を変えること。
輪に輪を掛ける(わにわをかける)
程度をさらに甚だしくすることのたとえ。 「[[輪を掛ける*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7116.php]]」は程度を甚だしくすることで、それにさらに大きな輪をかけるということから。
詫びを入れる(わびをいれる)
非を認めて謝罪すること。謝ること。
笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)
いつも明るくにこにこしている人の所には、自然に幸福が訪れてくるということ。
藁にも縋る(わらにもすがる)
せっぱつまって、まったく頼りにならないものでも頼りにすること。 「縋る」は「攀る」とも書く。
我に返る(われにかえる)
意識を失っていたり、興奮したりした状態から普段の状態に戻ること。
我を忘れる(われをわすれる)
ある物事に夢中になったり、興奮したりして理性を失うこと。
輪を掛ける(わをかける)
程度を甚だしくすること。大袈裟にすること。 語源には大きく二つの説があり、一つ目は弓道の弦(つる)と弓による説。 弦で作った輪を弓にかけて弦を張って矢を遠くまで飛ばすことから、勢いが強くなることを表すとするもの。 二つ目は、樽(たる)や桶(おけ)をとめる箍(たが)による説。 箍をはめると樽や桶がひとまわり大きくなることから、程度が大きくなることを表すとするもの。 「之繞(しんにゅう)を掛ける」ともいう。