「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2362 件
醜い家鴨の子(みにくいあひるのこ)
みんなから容姿が悪いとか、愚かだとか言われていても、大人になってきれいになったり、偉くなったりする子どものこと。アンデルセンの童話から。
身につまされる(みにつまされる)
他の人の不幸などが他人事とは思えず、自分のことのように感じられること。
身になる(みになる)
相手の立場になってものごとを考えること。 また、知識などが身について、その人のためになること。身体のためになること。
実の生る木は花から知れる(みのなるきははなからしれる)
すぐれた人物は、子どもの頃から凡人とは違うというたとえ。 よく実のなる木は、花が咲くときからわかるとの意から。 「実を結ぶ木は花より知らるる」「生る木は花から違う」ともいう。
実るほど頭の下がる稲穂かな(みのるほどあたまのさがるいなほかな)
人は学問や徳が深まると、かえって謙虚になることのたとえ。 稲穂は実が入ると重くなり頭を下げることから。 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」「実る稲田は頭垂る」ともいう。
身二つになる(みふたつになる)
妊娠している人が出産すること。子どもを産むこと。
耳に入れる(みみにいれる)
情報などを人に知らせること。 また、人から聞くなどして知ること。小耳にはさむこと。
耳に障る(みみにさわる)
話を聞いて不快に感じること。
耳にする(みみにする)
聞くつもりのない噂や情報などを偶然聞くこと。
耳に胼胝ができる(みみにたこができる)
何度も同じ事を聞かされてうんざりすることのたとえ。皮膚を繰り返し圧迫すると、たこができるということから。
耳に残る(みみにのこる)
言葉や音などが記憶に残り続けること。
耳に入る(みみにはいる)
聞くつもりのない噂や情報などが自然と聞こえてくること。
耳を傾ける(みみをかたむける)
その人の話を熱心にきくこと。
耳を立てる(みみをたてる)
注意を集中させて聞き取ろうとすること。
耳を聾する(みみをろうする)
耳が聞こえなくなるほどの、大きな音がするさま。
脈を取る(みゃくをとる)
患者を診察すること。
見るからに(みるからに)
ちょっと見ただけで。一見して、そういう感じがするさま。
見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)
実際に見るのと人から聞いたのとでは大きな違いがあるということ。また、噂と事実が違うことにもいう。
見るに忍びない(みるにしのびない)
あまりにも気の毒で、見ているのがつらい様子。
見るに堪えない(みるにたえない)
状態がひどかったり気の毒だったりして、見ていることができない様子。
見るは法楽(みるはほうらく)
自分の目でものを見るというのは、たとえようもなく楽しいということ。「法楽」とは神仏に捧げる音楽のこと。転じて楽しみの意。
見るは目の毒(みるはめのどく)
見れば欲しくなるので、見ないほうがよいということ。
見る間に(みるまに)
見ている間に。見る見る。
見る目がある(みるめがある)
物事を正しく判断したり性質を見抜いたりする能力があること。
身を入れる(みをいれる)
物事を一生懸命取り組もうとする様子。
身を固める(みをかためる)
結婚して家庭を持つこと。定まった職業に就くこと。 また、身支度をしっかりと整えること。
身を粉にする(みをこにする)
労力を惜しまず、一生懸命に働くようす。
身を沈める(みをしずめる)
おちぶれて、不幸な境遇に身をおくこと。
身を持する(みをじする)
生活態度や品行を厳しく守り、保ち続けること。
身を捨てる藪はない(みをすてるやぶはない)
切羽詰まっても、最後まで自分の身だけは棄てることができないということ。
身を立てる(みをたてる)
身体をおこすこと。 また、不遇な環境にいた人が、努力して地位を得ること。
身を挺する(みをていする)
危険や困難を顧みず、自らの身を投げ出して物事にあたること。また、率先して困難な事に取り組むこと。
身を投じる(みをとうじる)
ある事柄や世界に、自らの意思で深く関わること。特に、新たな環境や困難な状況に身を置くこと。 また、身投げすること。
身を投げる(みをなげる)
自らの身を高所や水中に投げ出すこと。主に投身自殺を指す。 また、比喩的に、ある物事に全力で取り組み、身を犠牲にする意でも用いられる。
身を潜める(みをひそめる)
人目につかないように、ひっそりと姿を隠すこと。また、目立つ行動を控え、静かにしていること。
身を任せる(みをまかせる)
相手の思い通りにさせること。
身を寄せる(みをよせる)
ある人の家に同居し、世話になること。
無為にして治まる(むいにしておさまる)
人徳のある人が上に立つと、特別なことは何もしなくても、世の中は自然に治まるということ。 「無為にして治まる」「無為の治」ともいう。
昔の剣、今の菜刀(むかしのつるぎ、いまのながたな)
昔は有能であった人も、年をとると役に立たなくなるというたとえ。また、いくら良いものでも今の役にたたないものより、つまらないものでも今の役にたつもののほうがいいということ。
昔は肩で風を切り、今は歩くに息を切る(むかしはかたでかぜをきり、いまはあるくにいきをきる)
昔は威勢のよかった者が、今は衰えてしまったことのたとえ。若いころは肩で風を切ってさっそうと歩いていた者も、年をとって歩くだけで息切れするということから。
向きになる(むきになる)
ちょっとしたことにも腹を立てて本気になること。
向こうを張る(むこうをはる)
相手の行動に対抗して、張り合うこと。
虫が知らせる(むしがしらせる)
なんとなく感じるたとえ。予感がすること。
虫酸が走る(むしずがはしる)
不快でたまらず、ひどく嫌うことのたとえ。 「虫酸」は胃から出る酸っぱい液体のことで、その液が逆流して吐き気を覚える意から。
虫でも向かってくるものである(むしでもむかってくるものである)
小さく弱いものでもそれ相応の意地があるから、場合によっては強敵に立ち向かうこともある。どんな相手でもあなどってはいけないということ。
虫の居所が悪い(むしのいどころがわるい)
機嫌が悪くて怒りやすくなっていることのたとえ。
無駄骨を折る(むだぼねをおる)
積極的に取り組んできたことが、なんの役にも立たず徒労に終わること。
胸糞が悪い(むなくそがわるい)
不快で気分が晴れない様子。 「胸糞」は、胸を卑しめていう言葉。
胸が熱くなる(むねがあつくなる)
感動すること。
胸が一杯になる(むねがいっぱいになる)
ある物事に感銘を受けたり悲しみを感じたりして、それ以外の事はなにも考えられなくなる様子。
胸が躍る(むねがおどる)
喜びや期待などから気持ちがうきうきすること。
胸が裂ける(むねがさける)
悲しさや悔しさなどから、耐えられないほどの苦しさを感じるさま。 「胸が張り裂ける」ともいう。
胸が高鳴る(むねがたかなる)
希望や期待などから、感情が高ぶる様子。
胸が潰れる(むねがつぶれる)
ひどく驚き悲しんで、胸がしめつけられる様子。
胸が詰まる(むねがつまる)
喜びや感動、悲しみなどを感じて、胸が苦しくなる様子。
胸が塞がる(むねがふさがる)
悲しみや心配、不安などから気持ちが暗くなるさま。
胸が焼ける(むねがやける)
食べ過ぎたり飲み過ぎたりして、みぞおち周辺に焼けるような不快感を覚えること。 「胸焼けがする」ともいう。
胸三寸に納める(むねさんずんにおさめる)
すべてを心に納めて、顔にも言葉にも出さないこと。 「胸三寸」は胸の中のこと。 「胸三寸」は単に「胸」、「納める」は「畳む」ともいう。 また「腹に納める」ともいう。
胸に迫る(むねにせまる)
感銘を受けて、心が満たされること。
胸に秘める(むねにひめる)
他の人には言わずに、心の中に隠しておくこと。
胸を痛める(むねをいためる)
一人であれこれと思い悩んだり心配したりすること。
胸を躍らせる(むねをおどらせる)
期待や喜びなどから、わくわくした気持ちになること。
胸を借りる(むねをかりる)
自分よりも実力が上の者に練習相手になってもらうこと。 相撲で、下位の力士が上位の力士に稽古の相手になってもらうとの意から。
胸を張る(むねをはる)
堂々として、自信に満ちあふれた態度を示すこと。
無理も通れば道理になる(むりもとおればどうりになる)
理屈に合わないことでも強引に押し通してしまえば、それが正しいことのように通用してしまうということ。
無累の人(むるいのひと)
あらゆる物欲を超越し、何事にもわずらわされることのない人。「無累」はわずらわすものがない意。
明暗を分ける(めいあんをわける)
あることがきっかけとなり、勝ち負けや幸不幸などが区別されること。
命運が尽きる(めいうんがつきる)
運に見放されて、これ以上存続するための手段がなくなること。
命旦夕に迫る(めいたんせきにせまる)
死期が間近に迫っている様子。 「旦夕」は朝晩のこと。 命の終わりがこの朝か晩かというほどに迫っているとの意から。
牝牛に腹突かれる(めうしにはらつかれる)
油断していた相手に不意打ちされ、ひどい目に遭うたとえ。 雄牛に比べておとなしい牝牛に、突然腹を突かれることから。
目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)
何かのきっかけで急に物事の実態がはっきりわかるようになるたとえ。 『新約聖書−』使徒行伝・九章の「直ちに彼の目より鱗のごときもの落ちて見ることを得」による。
目から入って耳から抜ける(めからはいってみみからぬける)
見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ。
目から鼻へ抜ける(めからはなへぬける)
非常に頭の回転が速く、利口で賢いさまのたとえ。また物事の判断がすばやく抜け目がないさまをいう。
目から火が出る(めからひがでる)
頭部や顔面を強く打ちつけたときに感じる、一瞬だけくらくらとする感覚のたとえ。
目がある(めがある)
物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。
目が肥える(めがこえる)
すぐれた物を数多く見ることで、物の価値を判断する能力が高まること。
目が冴える(めがさえる)
興奮状態になって、寝ようとしても寝れないこと。
目が覚める(めがさめる)
あることがきっかけとなり、本来の正しい自分の姿に戻ること。 「目を覚ます」ともいう。
目が覚めるような(めがさめるような)
眠けがさめるほど、鮮やかで際立って美しいさま。
目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる)
あることに感動して、涙が溢れ出しそうになること。 「目頭を熱くする」ともいう。