「当」を含む故事・ことわざ・慣用句
「当」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
朝は仕事がはかどるので、なるべく早く起きて働けということ。 「一時」は昔の時刻の数え方で、約二時間。「二時」はその倍の約四時間。 朝の仕事は夜の仕事の二倍に相当するという意味から。
当たった者のふの悪さ(あたったもののふのわるさ)
悪いことに、たまたま当たった者が不運だったということ。 「ふ」は運の意。 大勢が悪さをしているにもかかわらず、そのうちの一部の者だけが捕まるような場合をいう。
当たって砕けよ(あたってくだけよ)
うまくいくかどうかわからないが、思い切ってやってみよということ。
当たって砕けろ(あたってくだけろ)
うまくいくかどうかわからないが、思い切ってやってみよということ。
当たらず触らず(あたらずさわらず)
どちらとも衝突を起こさないように、どっちつかずの曖昧な態度を取って済ませるようす。
当たらず障らず(あたらずさわらず)
どちらとも衝突を起こさないように、どっちつかずの曖昧な態度を取って済ませるようす。
当たらずと雖も遠からず(あたらずといえどもとおからず)
ぴったり当たっていないが、ほぼ的中と言えるということ。 「中らず」は「当たらず」とも書く。
当たりがいい(あたりがいい)
人と接する態度がよく、相手にいい印象をあたえること。
当たりを付ける(あたりをつける)
おおよその結果・程度について予測をすること。
当たりを取る(あたりをとる)
興行や商売などが成功する。好評を博する。
当たるも八卦、当たらぬも八卦(あたるもはっけ、あたらぬもはっけ)
占いは当たることもあれば、当たらない場合もある。占いの結果をあまり気にするなということ。「八卦」は易占いのこと。
当たるを幸い(あたるをさいわい)
手当たり次第に。片っ端から。何でもかんでも。
当てが外れる(あてがはずれる)
期待や予想とは異なった結果になること。
当て事と畚褌は先から外れる(あてことともっこふんどしはさきからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
当て事と越中褌は向こうから外れる(あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
当て事は向こうから外れる(あてごとはむこうからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
怒れる拳、笑顔に当たらず(いかれるこぶし、えがおにあたらず)
怒って強い態度で向かってきた者に対しても、優しい態度で接するほうが効果的であるということ。怒って振り上げた拳も、相手の笑顔に気勢をそがれて打ち下ろせないとの意から。
行き当たりばったり(いきあたりばったり)
あらかじめ計画を立てずに、成り行きに任せること。無計画。
一夫関に当たれば万夫も開くなし(いっぷかんにあたればばんぷもひらくなし)
地形がきわめて険しく、守備が固い場所のこと。 たった一人が関所を守っていれば、万人の兵が攻めても突破できないとの意から。
犬も歩けば棒に当たる(いぬもあるけばぼうにあたる)
何かしようとすれば、災難に遭いやすいというたとえ。 または、何かをやっているうちに思わぬ幸運にめぐりあうことのたとえ。 犬はあちこち歩きまわり、人間の振り回す棒に当たる羽目になるということから、本来は出しゃばると思わぬ災難に遭うとの意味であったが、現在は幸運にめぐりあうとの意味でも用いられるため、幸運と災難のどちらの意味でも使われる言葉。 江戸いろはがるたの一つ。
大当たりを取る(おおあたりをとる)
商売や芝居などの興行が、大成功を収めること。
火事と葬式に行けば勘当もゆりる(かじとそうしきにいけばかんどうもゆりる)
火事や葬式の時にわびに行って手伝えば、勘当された者も許されるということ。「ゆりる」は、許されるという意。
風当たりが強い(かぜあたりがつよい)
世間や周囲から、激しい非難や反発をうけるさま。
壁に突き当たる(かべにつきあたる)
大きな困難や障害にぶつかって、前に進めずに行き詰ること。
壁にぶち当たる(かべにぶちあたる)
大きな困難や障害にぶつかって、前に進めずに行き詰ること。
器量は当座の花(きりょうはとうざのはな)
器量がいいなどというのは、人生の中のほんの一時のものに過ぎないということ。
金的を射当てる(きんてきをいあてる)
誰もがあこがれるものを、自分のものにすること。 「金的」は、金色の弓の的。 小さい的のため射落とすことが難しいことから、あこがれの的を意味するようになった。 「金的を射当てる」「金的を射止める」ともいう。
怪我と弁当は自分持ち(けがとべんとうはじぶんもち)
自分で負った怪我は自分の責任だ、という職人の間で言われている言葉。
見当を付ける(けんとうをつける)
大体の目当てを付けること。
恋の鞘当て(こいのさやあて)
ある一人の女性を巡って、二人の男性があらそうこと。 「鞘当て」は、武士がすれ違うときに、お互いの刀の鞘尻が触れたことを咎めて争うこと。
肯綮に当たる(こうけいにあたる)
要所・要点を逃さず押さえること。急所をぴたりと突くこと。「肯」は骨につく肉、「綮」は筋と肉を結ぶところで急所の意。「当たる」は「中る」とも書く。
事に当たる(ことにあたる)
ある事柄に携わったり従事したりすること。 または、物事に取り組むこと。
衝に当たる(しょうにあたる)
そのものにとって重要な地点であること。または、重要な役目を担っていること。
スポットを当てる(すぽっとをあてる)
その物事に特に注目して取り上げること。 「スポット」は「スポットライト」を略したもの。
図に当たる(ずにあたる)
物事が予測や計画の通りに進むこと。
太鼓も撥の当たりよう(たいこもばちのあたりよう)
こちらのやり方次第で相手の出方も違ってくるというたとえ。 太鼓はたたき方ひとつで、音の強弱がかわるとの意から。 「撥」は「桴」とも書く。
太鼓も桴の当たりよう(たいこもばちのあたりよう)
こちらのやり方次第で相手の出方も違ってくるというたとえ。 太鼓はたたき方ひとつで、音の強弱がかわるとの意から。 「撥」は「桴」とも書く。
長範が当て飲み(ちょうはんがあてのみ)
人の金を当てにして失敗してしまうことのたとえ。大泥棒の熊坂長範が、金を奪う前にその金を当てにして酒盛りをし、牛若丸に退治されてしまったという話から。
当を得る(とうをえる)
そのものが道理に適っていて適切であること。
毒気に当てられる(どっきにあてられる)
相手の非常識な言動などに呆然とさせられること。 「毒気」は「どっき」とも読む。
毒気に当てられる(どっけにあてられる)
相手の非常識な言動などに呆然とさせられること。 「毒気」は「どっき」とも読む。
盗人の昼寝も当てがある(ぬすびとのひるねもあてがある)
ひそかに悪事をたくらんで準備をしていること。また、何をするにも思惑があるということ。 盗人が夜の盗みに備えて昼寝をすることから。 「盗人の昼寝も当てがある」ともいう。
箸に当たり棒に当たる(はしにあたりぼうにあたる)
腹を立てて何の関係もない箸や棒に当り散らすことから、何のかかわりもないものにまで八つ当たりすること。
罰が当たる(ばちがあたる)
神仏から悪事などの報いを与えられること。
日が当たらない(ひがあたらない)
地位や環境などに恵まれないこと。
人当たりがいい(ひとあたりがいい)
人と接する態度がよく、相手にいい印象をあたえること。
一山当てる(ひとやまあてる)
投機などで大きな利益を得ること。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる(へたなてっぽうもかずうちゃあたる)
数多く試みれば、まぐれ当たりで成功することもあるというたとえ。 鉄砲を撃つのが下手な者でも、数多く撃てば命中することもあることから。
弁当は宵から(べんとうはよいから)
何事も準備は早めのほうがよいということ。 何が起こるかわからないから、翌日に必要な弁当も前日の夕方から準備しておくべきであるとの意から。
弁当持ち先に食わず(べんとうもちさきにくわず)
お金や物をたくさん持っている人は、なかなか自分の物を使おうとしないことのたとえ。 特に、金持ちが金を使わないことをいう場合が多い。 弁当を運ぶ役目の人は、人より先に弁当を食べたりしないとの意から。
惚れた腫れたは当座のうち(ほれたはれたはとうざのうち)
惚れたのなんのといって夢中になるのは初めのことだけで、すぐに生活に追われて所帯じみてしまうということ。
目も当てられない(めもあてられない)
状態があまりにもひどく、まともに見ていることができないさま。
山が当たる(やまがあたる)
成功を期待した予想が的中すること。勘が当たること。 鉱山でうまく鉱脈を掘り当てるとの意から。
山を当てる(やまをあてる)
万一の成功をねらってやったことがうまくいくこと。 鉱山でうまく鉱脈を掘り当てるとの意から。
理の当然(りのとうぜん)
理屈から考えて、当たり前のこと。
我を非として当う者は吾が師なり(われをひとしてむかうものはわがしなり)
自分の欠点を注意してくれる人は、誰でも自分にとっての先生だということ。