末大なれば必ず折るについて

言葉 | 末大なれば必ず折る |
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読み方 | すえだいなればかならずおる |
意味 | 下の者の勢力が強くなると、上の者は必ず倒されてしまうというたとえ。松葉が茂り重くなると、強い幹も折れてしまうという意から。 |
出典 | 『春秋左氏伝』 |
類句 | 尾大掉わず(びだいふるわず) |
「末」を含むことわざ
縁と浮き世は末を待て(えんとうきよはすえをまて)
良縁と好機は、自然に訪れるまで気長に待つのがよいということ。
三代続けば末代続く(さんだいつづけばまつだいつづく)
家は三代続けて栄えれば、基礎も固まって長く続くということ。
始末に負えない(しまつにおえない)
どうすることもできないこと。手に負えない。 「始末が悪い」ともいう。
始末を付ける(しまつをつける)
最後までしっかりと終わらせること。
末四十より今の三十(すえしじゅうよりいまのさんじゅう)
将来多く得ることができるよりも、たとえ少なくても今すぐ確実に得たほうがよいということ。 「四十」を「始終」に掛けた言葉。
末の露、本の雫(すえのつゆ、もとのしずく)
人間の寿命は多少長い短いの差はあるが、いつかは必ず死ぬということ。人の命がはかないことのたとえ。葉末の露も、根元から落ちる雫も、やがて消えてしまうという意から。
「大」を含むことわざ
諍いをしいしい腹を大きくし(いさかいをしいしいはらをおおきくし)
喧嘩ばかりしている夫婦なのに、子どもだけはよくできるということ。
一木大廈の崩るるを支うる能わず(いちぼくたいかのくずるるをささうるあたわず)
大きな組織などが傾きかけている時は、一人の力では支えることが出来ないというたとえ。 「大廈」は、大きな建物のこと。 大きな建物が倒れるのを、一本の木だけで支えることは出来ないという意から。
井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)
他に広い世界があることを知らずに、自分の周りの狭い見識や知識にとらわれている人を嘲笑する言葉。小さな井戸にすむ蛙は、大きな海があることを知らないという意から。
上を下への大騒ぎ(うえをしたへのおおさわぎ)
上にあるべきものが下へ、下にあるべきものが上へというような、ごった返した大騒動のこと。
独活の大木(うどのたいぼく)
身体ばかり大きくて何の役にも立たない人のたとえ。独活は丈は大きくなるが、茎が柔らかいため材木にならないという意から。「独活の大木柱にならぬ」ともいう。
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ(うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ)
瓜の皮は厚くむき、柿の皮は薄くむいたほうがおいしいということ。大名はおう揚なので、瓜の皮を厚くむかせる時に適し、貧乏な乞食は柿の皮を薄くむかせる時に適しているという意から。
「必」を含むことわざ
新たに沐する者は必ず冠を弾く(あらたにもくするものはかならずかんむりをはじく)
潔白な人ほど自分の身を汚すおそれのあるものを避けるということ。 「沐」は髪を洗うこと。 髪を洗ったばかりの人は、必ず冠のちりを払ってから頭にのせるという意から。
陰徳あれば必ず陽報あり(いんとくあればかならずようほうあり)
人知れず善い行いをする者には、必ず善い報いがあるということ。
三人行えば必ずわが師あり(さんにんおこなえばかならずわがしあり)
三人で一緒に事を行えば、他の二人の中に良い所、悪い所が必ず見いだせる。どちらにしても自分の学ぶべき相手が必ずみつかるということ。
生者必滅、会者定離(しょうじゃひつめつ、えしゃじょうり)
命ある者はいつか必ず死に、出会った者はいずれ別れるのがこの世の定めであるということ。
小人の過つや必ず文る(しょうじんのあやまつやかならずかざる)
生ある者は必ず死あり(せいあるものはかならずしあり)
生きているものは必ず死ぬときがくるということ。
「折」を含むことわざ
犬骨折って鷹の餌食(いぬほねおってたかのえじき)
苦労して手に入れかけたものを、横からかすめ取られてしまうことのたとえ。 鷹狩りで、犬が苦労して草むらから追い出した獲物を、鷹が取ることから。
鬼も角折る(おにもつのおる)
悪人がふとしたきっかけで善いことをしたり、真人間になることのたとえ。鬼が邪悪のシンボルである角を折るという意から。
折り合いが付く(おりあいがつく)
互いに譲り合って、納得できる妥協点を見つけること。
折り紙付き(おりがみつき)
絶対に間違いないと保証できること。「折り紙」は、鑑定書のことで、書画や骨董品などに折り紙がついて品質が保証されていたことから。
折り紙を付ける(おりがみをつける)
人物や品物が、確かなものであることを保証すること。 「折り紙」は、書画や刀剣などの鑑定書。
折に触れて(おりにふれて)
機会があるたびに。事あるごとに。