「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「い」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 711 件
身ほど可愛いものはない(みほどかわいいものはない)
人は自分の身が何よりも大事であるということ。
耳が痛い(みみがいたい)
他人の発言が、自らの弱点・欠点を指摘しているように聞こえて、聞いているのがつらく感じる様子。
耳が遠い(みみがとおい)
加齢や病気などで聴力が弱まり、音をよく聞き取れないこと。
耳が早い(みみがはやい)
噂などを聞きつけるのがはやい様子。
見目は果報の基(みめはかほうのもとい)
顔かたちが美しいということは、幸運をもたらす元だということ。「見目」は容貌、「果報」は幸運の意。
身も蓋もない(みもふたもない)
言動が露骨すぎて味気ないこと、または率直すぎて話の続けようがないことのたとえ。 「身」は蓋に対して器の意。 器も蓋もなく、剝き出しで隠しようがない状態との意から。
見ると聞くとは大違い(みるときくとはおおちがい)
実際に見るのと人から聞いたのとでは大きな違いがあるということ。また、噂と事実が違うことにもいう。
見るに忍びない(みるにしのびない)
あまりにも気の毒で、見ているのがつらい様子。
見るに堪えない(みるにたえない)
状態がひどかったり気の毒だったりして、見ていることができない様子。
身を捨てる藪はない(みをすてるやぶはない)
切羽詰まっても、最後まで自分の身だけは棄てることができないということ。
皆で渡れば怖くない(みんなでわたればこわくない)
間違っていることも、集団になれば平気でできるということ。 1980年頃、漫才コンビ「ツービート」が言った「赤信号皆で渡れば怖くない」から。
昔から言う事に嘘はない(むかしからいうことにうそはない)
昔から言い伝えられてきた格言やことわざは、多くの先人の経験や知識からできたものなので、どれも真理であるということ。
麦と姑は踏むが良い(むぎとしゅうとめはふむがよい)
麦は根の張りをよくするために芽を足で踏むほうがよいが、姑に対しても下手にばかり出ないで、時には抵抗するのも必要であるということ。
無患子は三年磨いても黒い(むくろじはさんねんみがいてもくろい)
生まれつきの性質は変えることはできないというたとえ。 「無患子」は、山地に生える落葉高木。種子は黒色で羽根つきの羽根の玉に使われる。 その黒色の種子をいくら磨いても白くはならないとの意から。
虫がいい(むしがいい)
物事を何でも自分にとって都合のいいように考えるさま。 自己中心的で身勝手であるさま。 「虫のいい」ともいう。
虫が好かない(むしがすかない)
なんとなく気にくわないこと。
虫の居所が悪い(むしのいどころがわるい)
機嫌が悪くて怒りやすくなっていることのたとえ。
胸糞が悪い(むなくそがわるい)
不快で気分が晴れない様子。 「胸糞」は、胸を卑しめていう言葉。
夢寐にも忘れない(むびにもわすれない)
ほんのわずかな間も忘れないということ。 「寐」は眠ること。 眠って夢を見ている間も忘れないとの意から。
目がいい(めがいい)
物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。
目が高い(めがたかい)
人や物事を判断したり性質を見抜いたりする能力が優れていること。
目が離せない(めがはなせない)
心配で見続けていないと安心できない。見守る必要がある。 また、魅力的で、ずっと見ていたくなる。
目じゃない(めじゃない)
問題として取り上げる必要のないこと。 また、実力などが自分よりも下で、相手にならないこと。
滅相もない(めっそうもない)
とんでもない。あるべきことではない。
目も当てられない(めもあてられない)
状態があまりにもひどく、まともに見ていることができないさま。
燃え杭には火がつきやすい(もえぐいにはひがつきやすい)
一度関係のあった者は、いったん縁が切れても再び元の関係に戻りやすいというたとえ。 多くは男女の関係をいう。 「燃え杭」は燃え残りの木のことで、簡単に火がつくことから。 「焼け木杭には火がつきやすい」ともいう。
勿怪の幸い(もっけのさいわい)
思いがけない幸運のこと。「物怪の幸い」とも書く。
持ったが病(もったがやまい)
持たなければ何もなかったものをなまじ持ったばっかりに、いらぬ苦労をするということ。
持って来い(もってこい)
最も適しているようす。うってつけ。
問題にならない(もんだいにならない)
比較や批判の対象とする価値がないこと。
焼き餅と欠き餅は焼く方が良い(やきもちとかきもちはやくほうがよい)
女性は冷淡よりむしろ、適度にやきもちを焼くくらいのほうがかわいいということ。「欠き餅」とは、正月の餅を手で割って小さくしたもの。嫉妬する意味のやきもちと餅ををかけた言葉。
焼け跡の釘拾い(やけあとのくぎひろい)
大金を使ったあとで、わずかな節約をしたりけちったりすることのたとえ。焼け跡で釘を拾っても何の役にも立たない意から。
安物買いの銭失い(やすものかいのぜにうしない)
値段の安いものは品質も悪く、買い替えや修理などで高くついて、結局は損をするということ。
鑢と薬の飲み違い(やすりとくすりののみちがい)
鑢と薬は、聞いた時はわずかな違いだが、実際は大きな違いがあり、早とちりや早合点は間違いのもとになるというたとえ。「や」と「く」に八と九を掛けていった言葉。
痩せの大食い(やせのおおぐい)
痩せている人が、からだに似合わず案外大食いであるということ。
厄介払い(やっかいばらい)
何かと人に迷惑をかけていた者や面倒なことを追い払うこと。
柳の下にいつも泥鰌はいない(やなぎのしたにいつもどじょうはいない)
一度うまくいったからといって、いつも同じようにうまくいくとはかぎらないというたとえ。 柳の下で一度泥鰌を捕まえたからといって、そこでいつも泥鰌を捕まえられるとはかぎらないことから。
柳は緑花は紅(やなぎはみどりはなはくれない)
柳は緑色、花は紅色をしているように、自然があるがままの美しい姿で人工が加わっていないこと。また、物事には自然の理が備わっていることのたとえ。春の美しい景色の形容としても使われる言葉。
矢も楯もたまらない(やもたてもたまらない)
思いつめてじっとしていられない様子。 矢でも楯でも勢いを抑えることができないとの意から。
槍でも鉄砲でも持って来い(やりでもてっぽうでももってこい)
どんな手段を用いても構わないのでかかってこいの意。 固い決意をしたりやけになったりしたときにいう言葉。 「矢でも鉄砲でも持って来い」ともいう。
夢は五臓の患い(ゆめはごぞうのわずらい)
夢を見るのは五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓)が疲れているのが原因だということ。 「患い」は「煩い」とも書く。 また、「夢は五臓の疲れ」ともいう。
夜明け前が一番暗い(よあけまえがいちばんくらい)
どん底の後には必ずいいことがあるというたとえ。日が昇る直前に一番暗い時間があるということから。
要領がいい(ようりょうがいい)
物事の処理の仕方がうまいこと。 また、自分に有利になるように、巧みに立ち回ること。
欲が深い(よくがふかい)
欲求や願望が度を越えていること。
欲に目が無い(よくにめがない)
欲のために理性を失い、正常な判断ができなくなること。 「欲には目見えず」「欲に目が無い」ともいう。
避けて通せ酒の酔い(よけてとおせさけのよい)
酔っ払いには、かかわらないほうがよいということ。
横の物を縦にもしない(よこのものをたてにもしない)
面倒くさがって、簡単にできることもしないことのたとえ。 横着な人のたとえ。 「縦の物を横にもしない」ともいう。
予断を許さない(よだんをゆるさない)
状況が厳しく、前もって判断することが難しいこと。
余の辞書には不可能という言葉はない(よのじしょにはふかのうということばはない)
自分には不可能なことはないということ、世の中には出来ないことなどないということ。「余」は「予」とも書く。通説としてナポレオンの言葉といわれている。
世の中には月夜ばかりはない(よのなかにはつきよばかりはない)
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の習い(よのならい)
世間のならわし。世間では普通のこと。
呼び声が高い(よびごえがたかい)
有力な候補者として噂されること。評判が高いこと。
読みが深い(よみがふかい)
物事の真相を理解する能力がすぐれていること。 また状況の移り変わりを先まで見通していること。
夜も日も明けない(よもひもあけない)
その物がないと少しの間も過ごせないほど、何かに執着しているさま。
埒が明かない(らちがあかない)
物事が片付かないこと。決着が付かないこと。 「埒」は馬場を囲う柵のこと。転じて、物事の区切りのたとえ。
立錐の余地もない(りっすいのよちもない)
人や物ががぎっしりと詰まってまったく余裕がない様子。錐を立てるほどの隙間もない意から。
柳営(りゅうえい)
将軍がいる陣営。幕府。 中国の漢の将軍である周亜夫が細柳という場所で陣営を構え、軍規を徹底させたことを文帝に称えられたという故事から。
柳絮の才(りゅうじょのさい)
非凡な才女のこと。「柳絮の才」とは、柳の綿毛のこと。中国、晋の謝安が姪の謝道韞に、降り出した雪が何に似ているか聞いたところ、柳の綿毛の飛ぶさまにたとえた。謝安が感心して「柳絮の才高し」と言ったというという故事から。
例外のない規則はない(れいがいのないきそくはない)
どんな規則にも、それが適用しきれない事態が必ずあり、例外はつきものだということ。
六十の手習い(ろくじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めること。 「八十の手習い」ともいう。
呂律が回らない(ろれつがまわらない)
酒に酔った人や子どもなどが、舌が滑らかに動かず、言葉がはっきりしないようす。「呂律」は和音階を表す呂律(りょりつ)が転じて、言葉の調子の意。
論を俟たない(ろんをまたない)
議論するまでもなく明らかであること。
若い時旅をせねば老いての物語がない(わかいときたびをせねばおいてのものがたりがない)
若い時に旅をしておかなければ、年をとってから人に話す話題がないということ。
若い時は二度ない(わかいときはにどない)
若い時代は二度とやってこないから、何でも思い切ってやってみるのがいいということ。
我が家、楽の釜盥(わがいえ、らくのかまだらい)
盥(たらい)を買えずに釜で代用しているような貧乏な暮らしをしていても、我が家ほど楽しい所はないということ。
脇が甘い(わきがあまい)
隙だらけで守りが弱い様子。 相撲で、脇を締める力が弱く、回しを簡単に取られるということから。
渡る世間に鬼はない(わたるせけんにおにはない)
世の中は薄情な人ばかりではなく、困った時には助けてくれる情け深い人もいるというたとえ。
笑いが止まらない(わらいがとまらない)
予想外の利益によって、嬉しくてたまらない様子。
笑い事ではない(わらいごとではない)
関わりのない人から見ると大した問題ではないが、関係者にとっては非常に深刻である様子。
割が悪い(わりがわるい)
利益よりも損失の方が多いこと。または、他よりも損な立場であること。
悪いようにはしない(わるいようにはしない)
損はさせないから自分に任せてほしいと相手を説得する言葉。