「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ち」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1043 件
旅路の命は路用の金(たびじのいのちはろようのかね)
旅先で頼りになるのは、何よりも所持金であるということ。 旅先では命と同じくらい所持金が大切であるということ。
旅は道連れ、世は情け(たびはみちづれ、よはなさけ)
旅をする時は同行者がいれば心強く、同様に世の中を渡るにはお互い助け合っていくのが大切だということ。
民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚だし(たみのくちをふせぐはみずをふせぐよりもはなはだし)
人々の言論の自由を封じることは、川の水をせき止めることよりも困難で危険であるということ。人民の言論の自由を奪うことの危険性をいった言葉。
溜め息をすれば親の寿命が縮む(ためいきをすればおやのじゅみょうがちぢむ)
子どもがため息をつけば、親は寿命が縮むほど心配するから、親にそんな態度を見せてはいけないということ。
矯めるなら若木のうち(ためるならわかぎのうち)
樹木の枝などの形を整えるなら柔らかい若木のうちにせよということ。 人間の悪い癖や欠点なども若いうちになおすのがよいというたとえ。 「矯める」は曲げたり伸ばしたりして形を整えること。
鱈汁と雪道は後が良い(たらじるとゆきみちはあとがよい)
鱈汁は煮込むほどだしが出ておいしくなるので、あとから食べるほうがいいし、雪道は人が歩いたあとを行くと歩きやすいということ。
短を捨てて長を取る(たんをすててちょうをとる)
欠点や短所を除いて、長所のみを参考として取り入れること。
大吉は凶に還る(だいきちはきょうにかえる)
吉は縁起がいいが、それが過ぎて大吉になると凶に近づく。幸せはほどほどが良いというたとえ。
抱いた子の塵を食うを知らぬ(だいたこのちりをくうをしらぬ)
内輪のことには案外気が回らないというたとえ。 抱いている子どもが、ごみを口に入れても気がつかないことがあるとの意から。
大地に槌(だいちにつち)
まるで大地を槌で打つように、確実で絶対に失敗しないことのたとえ。 「槌で大地を叩く」「地を打つ槌」ともいう。
誰でも自分の荷が一番重いと思う(だれでもじぶんのにがいちばんおもいとおもう)
自分のしていることが一番大変だと思いがちで、他人のしていることは楽に見えるが、実際にやってみると簡単ではないということ。
弾丸黒子の地(だんがんこくしのち)
非常に狭い土地のたとえ。「弾丸」は昔、中国で鳥などを捕るために、はじき弓につけて飛ばしたたま、「黒子」はほくろのこと。
断金の契り(だんきんのちぎり)
深い友情で結ばれた親しい交わりのこと。金を断ち切るほどに堅い交際の意から。 「断金の契り」ともいう。
団結は力なり(だんけつはちからなり)
一人一人の力は小さくても、大勢が力を合わせれば大きな力になるということ。
男子厨房に入らず(だんしちゅうぼうにはいらず)
男が台所に立って料理をしたり片づけたりするべきではないということ。 「君子は庖厨を遠ざく(君子は憐れみ深いので、動物が捌かれる姿が見えてたり動物の悲鳴が聞こえたりする厨房に近づくことは忍び難い)」が由来とされる。 この言葉が日本に伝わった後に、本来の意味である「憐れみ」が「台所に立つべきではない」に変わったものといわれる。※諸説あり
男子の一言、金鉄の如し(だんしのいちごん、きんてつのごとし)
男が一度口にした言葉は、金や鉄のように堅くゆるぎないもので、決して破ってはならないということ。
男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず)
人は七歳にもなれば、男女の別を明らかにしてみだりに慣れ親しんではならないということ。男女は七歳になったら同じ敷物に座るべきではないという儒教の道徳から。
断腸(だんちょう)
はらわたがちぎれるほど、悲しく苦しいこと。
断腸の思い(だんちょうのおもい)
非常に悲しくつらい思いのたとえ。 「断腸」は腸がちぎれるほどの悲しみ。 昔、中国の武将桓温(かんおん)の部下が猿の子を捕らえて船に乗せた。母猿は悲しみながら岸を百里あまり追いかけ、ついには船に飛び移ったがそのまま息絶えた。その腹を割いてみると、腸がずたずたに断ち切れていたという故事から。
小さく生んで大きく育てる(ちいさくうんでおおきくそだてる)
子どもは小さい子を楽に生んで大きく育てるのが賢明だということ。事業なども小規模で始めてだんだん大きくしていくのがよいやり方だということ。
小さくとも針は呑まれぬ(ちいさくともはりはのまれぬ)
小さいからといって侮ってはいけないという戒め。 いくら小さくても針をのみこむことはできないことから。
小さくなる(ちいさくなる)
ひどくかしこまったり遠慮したりする。身を縮めてかしこまる。
地位は人を作る(ちいはひとをつくる)
それなりの地位に就くと、その地位にふさわしい人間に成長していくということ。
知音(ちいん)
自分のことをよく理解してくれる、真の友人。親友。
春秋時代、琴の名手伯牙には音楽を理解してくれる親友鍾子期がいた。伯牙は鍾子期が亡くなると、自分の音楽の理解者はもはやいないとして、琴の絃を切り二度と弾かなかったという故事から。知恵出でて大偽あり(ちえいでてたいぎあり)
人間が知恵を持つようになると、知恵を悪用して嘘やごまかしが広がり、平和だった世の中に混乱をもたらすようになるということ。 素朴で平和な時代には必要なかった法律や規則が、知恵の発展に伴い人々の不正を防ぐために必要となったとの意。
知恵多ければ憤り多し(ちえおおければいきどおりおおし)
知恵を多く身につけてくると、世の中の矛盾や不合理に気づくようになり、腹が立つことが多くなるということ。
知恵が回る(ちえがまわる)
頭の回転が早く、その場に応じた適切な判断ができること。
知恵と力は重荷にならぬ(ちえとちからはおもににならぬ)
知恵と力はありすぎても重荷にならず、たくさんあるほうがいいということ。
知恵ない神に知恵付ける(ちえないかみにちえつける)
気付かずにいた人に、よけいな入れ知恵をするというたとえ。
知恵の鏡も曇る(ちえのかがみもくもる)
運が傾いてくると普段の知恵も鈍ってしまうということ。頭に「貧には」を付けていうこともある。
知恵の持ち腐れ(ちえのもちくされ)
すぐれた知恵を持っていながら、有効に活用できないこと。また、有効に活用しないこと。
知恵は小出しにせよ(ちえはこだしにせよ)
自分の持っている知恵を一度に出さず、必要に応じて少しずつ出すのが賢明だということ。
知恵は万代の宝(ちえはばんだいのたから)
すぐれた知恵は後世まで役立つ宝であるということ。
知恵を借りる(ちえをかりる)
他人に相談して、よい考えや適切な方法を教えてもらうこと。
知恵を絞る(ちえをしぼる)
よい方法や意見などが思いつくように、一生懸命考え抜くこと。
知恵を付ける(ちえをつける)
そばにいる人が知恵を授ける。入れ知恵をする。 悪い意味で用いることが多い。
近くて見えぬは睫(ちかくてみえぬはまつげ)
身近なことは気付いて当然なのに、案外わからないものだというたとえ。自分で自分の睫は見えないことから。
近しき仲にも垣を結え(ちかしきなかにもかきをゆえ)
親しい間柄でも遠慮がなくなると不仲のもとになるので、節度を守れという戒めの言葉。 「思う仲には垣をせよ」「良い仲には垣をせよ」「睦まじき仲に垣をせよ」「近しき仲にも垣を結え」などともいう。
近しき仲に礼儀あり(ちかしきなかにれいぎあり)
親しい間柄であっても、遠慮がなくなると関係が悪化する原因になるため、礼儀を大切にする必要があること。 「近しき仲に礼儀あり」ともいう。
地下に眠る(ちかにねむる)
死んで埋葬されていること。また、宝物などが埋蔵されていること。
地下に潜る(ちかにもぐる)
非合法な社会運動や政治活動などを、取り締まりや世間の目の届かない所で秘密裏に行うこと。
近火で手を焙る(ちかびでてをあぶる)
目の前の小さな利益を追うたとえ。とりあえず身近にある火で手を焙って暖める意から。
近惚れの早飽き(ちかぼれのはやあき)
夢中になるのが早い人は飽きるのも早いということ。「近惚れ」は惚れやすいということ。
近道は遠道(ちかみちはとおみち)
近道は危険だったり悪路だったりして結局時間がかかることがある。物事も一見回り道のように見えても安全で確実な道を選ぶほうがいいということ。
力及ばず(ちからおよばず)
精一杯努力したが、力不足で残念な結果に終わる様子。
力瘤を入れる(ちからこぶをいれる)
熱心に取り組む。尽力する。 「力瘤」とは、ひじを曲げた時にできる、二の腕の筋肉の盛り上がり。 力瘤が出るほど力を尽くす意から。
力に余る(ちからにあまる)
仕事や問題などが、自分の能力で処理できる限度を超えている。
力にする(ちからにする)
頼りにする。拠り所にする。
力になる(ちからになる)
人の為に自分の能力や技能を使う。力を貸して助ける。
力は正義なり(ちからはせいぎなり)
何事も、結局力を持った者が正しいことになるということ。
力山を抜き、気は世を蓋う(ちからやまをぬき、きはよをおおう)
勇壮な気性のたとえ。 山を引き抜くほどの大きな力と、世界を覆い尽くすほどの意気があるとの意。 敵に取り囲まれた四面楚歌の状況で楚の項羽がうたった詩「垓下歌」の一節。 「抜山蓋世」ともいう。
地から湧いたよう(ちからわいたよう)
今まで影も形もなかったものが、急に現れるさま。
力を入れる(ちからをいれる)
一生懸命努力すること。熱心に取り組むこと。
力を得る(ちからをえる)
激励されて活気づくこと。
力を落とす(ちからをおとす)
がっがりする。落胆する。失望する。
力を貸す(ちからをかす)
手助けをする。援助する。力になる。
力を付ける(ちからをつける)
腕前を上げること。実力をつけること。 また、元気になるように励ますこと。力付ける。
地が傾いて舞が舞われぬ(ちがかたむいてまいがまわれぬ)
言い訳ばかりして実行に移さないこと。また、状況や環境の不備を理由に、自らの責任を回避しようとすること。 「舞が舞えないのは地面が傾いているせいだ」という発想に由来する言葉。
血が通う(ちがかよう)
事務的、形式的ではなく、人間らしい思いやりや優しさがあること。
血が騒ぐ(ちがさわぐ)
興奮してじっとしていられなくなること。
血が滾る(ちがたぎる)
血が沸き立つかのように、激しい感情が沸き上がること。
血が繋がる(ちがつながる)
血縁関係にある。
血が引く(ちがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血が沸く(ちがわく)
気持ちがたかぶる。興奮する。
地球は青かった(ちきゅうはあおかった)
1961年、ソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンが、宇宙から地球に帰還した後に語った言葉。
池魚の殃(ちぎょのわざわい)
思いがけないことに巻き込まれて災難にあうことのたとえ。昔、中国で城門が火事になり池の水を使って消火したため、水がなくなり池の魚が死んでしまったという故事から。
契りを交わす(ちぎりをかわす)
固い約束をする。特に夫婦になる約束をする。
契りを結ぶ(ちぎりをむすぶ)
かたい約束をする。夫婦関係や義兄弟の関係を結ぶ。
畜生の浅ましさ(ちくしょうのあさましさ)
畜類の愚かなさま。転じて、人間の卑しさや醜さのこと。
竹帛の功(ちくはくのこう)
歴史に残るような偉大な功績。「竹帛」は昔中国で竹を削った札や帛に文字を書いたことから書物や歴史の意。
竹馬の友(ちくばのとも)
子供のころからの親友や幼馴染のこと。 「竹馬」は一本の竹の棒を馬に見立てたもの。 幼いころから竹馬で駆け回って一緒に遊んだ友達という意味から。
竹林の七賢(ちくりんのしちけん)
中国晋代に、俗世間を避けて竹林に集まり、清談を行った七人の隠者のこと。阮籍・嵆康・山濤・向秀・劉伶・阮咸・王戎の七人。
逐鹿(ちくろく)
帝位や王位、政権を得ようとして争うこと。[[中原に鹿を逐う*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7465.php]]とも。
知識は力なり(ちしきはちからなり)
経験によって得られた知識は大きな力になるということ。 哲学者フランシス・ベーコンの言葉。 「知は力なり」と訳されることもある。
知者は惑わず、勇者は懼れず(ちしゃはまどわず、ゆうしゃはおそれず)
知恵や知識のある者は道理をわきまえているので行動に迷いがなく、勇気のある者は信念を持って行動するので臆することがないということ。
知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ(ちしゃはみずをたのしみ、じんしゃはやまをたのしむ)
ものの道理をわきまえた人は、判断に迷いがないからよどみなく流れる川を愛し楽しむ。また、仁徳を備えた人は、静かな心で何事にも動じないからどっしりかまえた山を愛し楽しむということ。 単に「知者は水を楽しむ」「仁者は山を楽しむ」ともいう。
痴人の前に夢を説く(ちじんのまえにゆめをとく)
このうえなく馬鹿げたことをするたとえ。愚かな人にとりとめない夢の話を説き聞かせる意から。
痴人夢を説く(ちじんゆめをとく)
話のつじつまの合わないこと、または要領を得ないことのたとえ。 愚かな者が、自分の見た夢の説明をするとの意から。
馳走終わらば油断すな(ちそうおわらばゆだんすな)
人がご馳走してくれる時は何か魂胆があるかもしれないので油断するなということ。
知足(ちそく)
みずからの分をわきまえそれ以上は求めないこと。分相応で満足すること。足るを知る。