「な」を含む故事・ことわざ・慣用句
「な」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1700 件
情け容赦もなく(なさけようしゃもなく)
相手に対して遠慮や手加減をすることなく、物事を進める様子。
情けを掛ける(なさけをかける)
相手に対して哀れみの気持ちをもって、親切に対応すること。
情けを知る(なさけをしる)
人情とは何かを理解していることのたとえ。
生さぬ仲(なさぬなか)
血の繋がっていない親子の間柄。 「生す」は産むという意味。
梨の礫(なしのつぶて)
連絡しても返事のないこと。「梨」は、「無し」に掛けた言葉。「礫」は、投げつけた小石。投げつけた小石は決して返ってこないことから。
茄子の花と親の意見は千に一つも無駄はない(なすびのはなとおやのいけんはせんにひとつもむだはない)
茄子の花に無駄花がないように、親が子どもにいう意見もすべて子どもの役に立つことばかりで、一つとして無駄がないということ。
為すようにならないで、なるようになる(なすようにならないで、なるようになる)
世の中は自分の思ったようにはいかず、結局はなるようにしかならないということ。
為せば成る(なせばなる)
やる気になれば必ずやりとげられるということ。江戸時代の米沢藩主上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」という歌からといわれる。また、それより以前に武田信玄が詠んだ歌に由来するともいわれる。
謎を掛ける(なぞをかける)
直接的な表現を用いず、遠回しに言って相手にそれとなくわからせようとすること。
鉈を貸して山を伐られる(なたをかしてやまをきられる)
好意でしたことによって、自分が損害を受けることのたとえ。 好意で貸した鉈によって、自分の山の木を伐採されてしまうとの意から。
鉈を振るう(なたをふるう)
思い切って、予算を削減したり人員を整理したりすること。 「鉈」は薪割りなどに用いる刃物。
名高の骨高(なだかのほねだか)
評判が高いわりには、実情は大したことがないことのたとえ。「名高」は名高いこと、「骨高」は骨ばってごつごつしていること。「高」の語呂あわせをした言葉。
なってない(なってない)
出来が悪い。お話にならない。問題にならない。なっていない。
夏歌う者は冬泣く(なつうたうものはふゆなく)
働ける時に働いておかなければと、後になって暮らしに困るということ。 夏に歌など歌って遊んで暮らしている者は、冬になったときに蓄えがないので飢えや寒さに泣く羽目になるとの意から。
夏布子の寒帷子(なつぬのこのかんかたびら)
物事が逆さまであること。また、季節はずれで役に立たないことのたとえ。 「帷子」は裏地をつけない夏物の衣類、「布子」は木綿の綿入れのこと。 冬の寒い時に単衣の帷子を着て、夏の暑い時に綿入れを着るということから。 「土用布子(綿入れ)に寒帷子」「夏布子の寒帷子」ともいう。
夏の小袖(なつのこそで)
時期外れで不用な物のたとえ。 小袖は冬に用いるもので、夏には不用であることから。
夏の虫、氷を笑う(なつのむし、こおりをわらう)
見識が狭い者が偉そうにすることのたとえ。 夏の間だけ生きている虫は、氷が何なのかを知らないくせに氷を笑うとの意から。 「夏の虫、氷を知らず」ともいう。
夏は日向を行け、冬は日陰を行け(なつはひなたをいけ、ふゆはひかげをいけ)
夏にあえて暑い日向を、冬にあえて寒い日陰を行くように、進んでつらい道を求めて身体を鍛錬せよということ。
七重の膝を八重に折る(ななえのひざをやえにおる)
この上ないほど丁寧な態度で、頼みごとをしたり詫びたりする様子。 実際には二重にしか折れない膝を、七重にも八重にも折りたいほどの気持ちだということ。
七転び八起き(ななころびやおき)
何度失敗しても諦めずに立ち直ること。また、人生の浮き沈みが激しいことのたとえ。 七度転んで八度起き上がるとの意から。 「[[七転八起(しちてんはっき)*https://yoji.jitenon.jp/yoji/454.html]]」ともいう。
七下がり七上がり(ななさがりななあがり)
人生は不安定で、何度も浮き沈みを繰り返すということ。
名無しの権兵衛(ななしのごんべえ)
何という名前なのかわからない人を指す言葉。
七度尋ねて人を疑え(ななたびたずねてひとをうたがえ)
物がなくなった時には、自分でよく探してみるのが先で、軽率に人を疑ってはいけないという戒めの言葉。 七回探しても見つからない時に、はじめて他人を疑うべきとの意から。 「七度探して人を疑え」
七つ下がりの雨と四十過ぎての道楽はやまぬ(ななつさがりのあめとしじゅうすぎてのどうらくはやまぬ)
七つ下がりから降り出した雨と、中年になってから覚えた道楽はなかなかやまないということ。「七つ下がり」は午後四時過ぎのこと。
七つ道具(ななつどうぐ)
常に携行する道具のこと。
七つ七里憎まれる(ななつななさとにくまれる)
七歳頃の男の子はいたずら盛りで、近くの村々の憎まれっ子になるということ。「七里」は、多くの村々の意。
七光り(ななひかり)
君主や親の権威のおかげで得をすること。
七尋の島に八尋の船を隠す(ななひろのしまにやひろのふねをかくす)
やっても無駄なことのたとえ。 「尋」は長さの単位。 七尋しかない島に八尋の船を隠すとの意から。
斜めならず(ななめならず)
機嫌などが一通りではないこと。 「斜め」は「なのめ」とも読む。
何かと言うと(なにかというと)
なにかある度に同じ言動をする様子。なにかにつけて。 「何かと言えば」ともいう。
何かにつけて(なにかにつけて)
何事にもかこつけて。ことあるごとに。
何から何まで(なにからなにまで)
全て。最初から最後まで。
某より金貸し(なにがしよりかねかし)
地位や名誉より実利を重んじることのたとえ。家柄がよくても貧しい者より、金貸しと卑しく思われても金持ちのほうがいいということ。「なにがし」と「かねかし」を語呂合わせした言葉。
何が何でも(なにがなんでも)
たとえどのようなことがあっても。
何くれとなく(なにくれとなく)
特にこれと決まったこと以外にも、あれこれと些細なところにまで気を配るさま。
何食わぬ顔(なにくわぬかお)
事実を知っていながら、何も知らないような顔つきをすること。またはそのような態度をとること。
何事も三度(なにごともさんど)
一度や二度の失敗であきらめず、せめて三度はやってみよということ。
名に負う(なにしおう)
その名とともに評判になる。有名になる。名高い。 「名にし負う」ともいう。 「名にし負う」は「名に負う」を強めた言い方。
何するものぞ(なにするものぞ)
一体なにができようか。たいしたことはない。 はげましたり奮起させたりするときに使う言葉。
名に背く(なにそむく)
名声や評判を裏切ること。 また、名声と実力が一致しないこと。
何はさておき(なにはさておき)
他の事はひとまず後回しにして、真っ先にそのことを取り上げるときにいう言葉。
名に恥じない(なにはじない)
名声や評判などに、実力が伴っているさま。
何はともあれ(なにはともあれ)
他の事はひとまず後回しにして。とりあえず。まずは。
何はなくとも(なにはなくとも)
他にこれといったものが何もなくても、そのものさえあれば十分満たされているという気持ちを表す言葉。
何もせずにいることは悪を為していることなり(なにもせずにいることはあくをなしていることなり)
何もしないでいることは、それだけでもう悪行を為しているのと同じことであるということ。
何や彼や(なにやかや)
色々と。あれやこれや。
難波の葦は伊勢の浜荻(なにわのあしはいせのはまおぎ)
物の呼び名、風俗、習慣などは、地方によって異なるというたとえ。 難波では「葦(あし)」と呼んでいる植物を、伊勢では「浜荻(はまおぎ)」と呼ぶとの意から。
何をか言わんや(なにをかいわんや)
あまりにもひどい状態で、呆れて言葉がない様子。
何を隠そう(なにをかくそう)
なにも隠すつもりはない。 秘密や真実などを述べる前にいう言葉。
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ(なぬかとおるうるしもてにとらねばかぶれぬ)
物事に直接かかわらなければ、害を受けることはないというたとえ。 漆の木のそばを何度通っても、手で触れなければかぶれることはないことから。
名主の跡は芋畑(なぬしのあとはいもばたけ)
名家のほどんどは、何代も続くことなくつぶれてしまうというたとえ。 名主の家が没落して、その跡が芋畑になっているとの意から。 名主という立場は多忙で、自分の家の仕事まで手が回らなくなったり、その立場ゆえの出費が多くなったりすることから言われた言葉。
名のない星は宵から出る(なのないほしはよいからでる)
最初に出て来るものに、たいしたものはないというたとえ。また、心待ちにしている人は現れず、待ってもいない者が早々にやって来ることのたとえ。
名乗りを上げる(なのりをあげる)
自分にかかわる事柄について、広く世間にしらせること。 また、選挙に立候補したり、競争に参加する意思を明らかにしたりすること。 昔、武士が自分の存在を敵に対して大声で知らせたことから。 「名乗り」は「名告」とも書く。
名は実の賓(なはじつのひん)
名誉や名声は徳に伴うべきものであるということ。 「実」は徳、「賓」は客の意。 名誉というものは徳という主人に対して客のようなものであるとの意から。
名は体を表す(なはたいをあらわす)
名はそのものの実体を示しているということ。
鍋の鋳掛けが釣り鐘を請け合ったよう(なべのいかけがつりがねをうけあったよう)
自分の能力以上の仕事を引き受けて、大騒ぎをすることのたとえ。 鍋を修理する鋳掛け屋が、釣り鐘作りを請け負ったようだとの意から。
ナポリを見てから死ね(なぽりをみてからしね)
ナポリを見ずに死んでしまっては、生きていた甲斐がないくらいだということ。ナポリの風景の美しさをいったイタリアのことわざ。
生木を裂く(なまきをさく)
相思相愛の男女を無理に別れさせること。 地に根を張って生きている木を無理に裂くとの意から。
怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
ふだん怠けている者が、世間の人が休む節句などに限ってわざと忙しそうに働くことをあざけっていう言葉。
生禅(なまぜん)
まだ悟っていないのに悟ったつもりになってうぬぼれている禅の修行者を、野ギツネにたとえた言葉。 転じて、生半可な知識で物事を理解したような顔でうぬぼれている人のこと。 「生禅」ともいう。
生唾を飲み込む(なまつばをのみこむ)
目の前にあるものに対して、欲しくてたまらない気持ちになること。 「生唾」は、美味しそうなものなどを見たときに、口の中に自然とたまる唾。
生の声(なまのこえ)
発言する場のない人々の率直な意見や感想のこと。
生兵法は大怪我の基(なまびょうほうはおおけがのもと)
中途半端な知識や技術で物事を行うことはきわめて危険であるというたとえ。 「生兵法」は、未熟な兵法や武術のこと。また、十分身についていない知識や技術のこと。 中途半端に身につけた兵法や武術は、頼りになるどころか、かえって大けがの原因になるとの意から。 「生兵法は大疵(おおきず)の基」ともいう。 「基」は「元」とも書く。
生身を削る(なまみをけずる)
自分の体の肉が削がれるような辛い思いをするさま。
生酔い、本性違わず(なまよい、ほんしょうたがわず)
酒に酔っても、その人の本来の性質は変わらないということ。 「酒飲み」は「生酔い」「上戸」ともいう。
訛りは国の手形(なまりはくにのてがた)
言葉のなまりは通行手形のように、その人の生まれ育った場所を示すということ。 「訛りは国の手形」「方言は国の手形」ともいう。
波風が絶えない(なみかぜがたえない)
絶えず揉め事や争い事がある様子。
波風が立つ(なみかぜがたつ)
それまで平穏だったところから、揉め事や争い事が生じるたとえ。
涙に暮れる(なみだにくれる)
悲しみのため、泣いて日々を過ごすこと。
涙に沈む(なみだにしずむ)
深い悲しみのため、嘆き悲しむこと。
涙に咽ぶ(なみだにむせぶ)
こみ上げてくる涙のために、声を詰まらせながら泣くこと。
涙を誘う(なみだをさそう)
おもわず涙を流してしまうさま。
涙を呑む(なみだをのむ)
泣きたいほどの悔しさや無念さを我慢すること。
涙を振るって(なみだをふるって)
私情を捨てて、相手に対してあえて厳しい態度で接すること。 流れでてくる涙を振り払っての意。
波に千鳥(なみにちどり)
絵になるような取り合わせのよいもののたとえ。
波に乗る(なみにのる)
その時の世の中の流れにうまく合うこと。 調子がよくなり、勢いにのること。
蛞蝓に塩(なめくじにしお)
苦手なものに出会って萎縮してしまうことのたとえ。
嘗めてかかる(なめてかかる)
相手を馬鹿にしたりあなどったりすること。
名も無い(なもない)
名前が知られていないことのたとえ。 また、有名ではないことのたとえ。
習い、性と成る(ならい、せいとなる)
習慣も続けていると、しまいにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。